2015年07月14日

まちねのわだち2ー都電荒川線、路面電車で歌う(2015年7月11日)【ライブ後記】

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先週の話。ずっと雨だった7月がいきなり晴れて猛暑に。朝から準備して出かけてまず三ノ輪橋駅へ向かう。ここは都電荒川線のターミナス(発着駅)だ。大学時代には大塚駅前から三ノ輪橋方面にも早稲田方面にもよく乗った電車だが、三ノ輪橋には初めて来た。「まちねのわだち」スタッフと一緒に機材一式と楽器等を持って乗車。電車はすぐに動き出した。三ノ輪橋から大塚駅前までの40分間で車内の準備とリハーサル。最初立って歌ってみた僕は「こんなに都電って揺れたっけ!?」とびっくりした。電車が停車駅で止まり、また発車するときにマイクから僕はグイッと引き戻されてしまう。椅子に座って演奏することも試してみたがせっかくだからやっぱり立ちたい(立ち見のお客さんもいるし)。で、解決策としては壁際に寄りかかって足を踏ん張るという方法を選択。走行しているうちに電車は大塚駅前停留所へ。

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お客さんは大塚駅で集合して乗車する。満員御礼の車内はあっという間にラッシュアワーみたいになった。浴衣の人もいて線路沿いに咲く紫陽花とあわせてもう夏みたいだ。「チンチン!」と警鐘が鳴って電車は静かに、しかし結構ガタンゴトンと賑やかに走りはじめました。まずは電車の歌「train song」、そして路面電車が登場するはっぴいえんどの「風をあつめて」を。高校時代に初めて聴いた「風をあつめて」は古き良き時代へのノスタルジーの象徴だったのが、上京したら自分の生活圏内に路面電車が走っていて途端に色鮮やかな歌となって僕に身近になった歌。明治通りと並走して走る雑司が谷、鬼子母神、面影橋は僕の好きな東京の風景。早稲田駅で折り返すころに学生時代のモラトリアムを歌った「週末の太陽」、これは「WASEDA(仮)」というタイトルで呼ばれていた歌。

思い入れのある線路だけにガイドさんよろしくあれやこれやと話したいことがあったのだけど、歌を歌っていると自分が今どこを走っているかがわからなくなってしまう、ということに気付く。僕の母校東京外国語大学があった「西ヶ原四丁目」もあっという間に過ぎてしまっていたり、後悔することも多かった。飛鳥山公園には「アスカルゴ」という日本一短いのではないかと思われるリフトがあって(2分かけて“飛鳥山”に登るのだ)それと絡めて「やまびこの詩」を歌おうと思っていたのだけど、「太陽と満月」を歌っている間にアスカルゴは矢のように通り過ぎていってしまったり。それでも僕自身の取るに足らない学生時代のエピソードをあれこれとしゃべったりするのは楽しく、軒先をかすめるようにして走る車窓の風景は懐かしかった。この日初めて都電荒川線に乗ったというお客さんも多く、新鮮な体験ができたのではないだろうか、と思う。

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学生時代のことを思い出しながら歌う「長期休暇の夜」は感慨深く、今年は久しぶりに手持ち花火とかやってみたいな、と思いました。もっと暑くなる夏の風景を想像しながら。僕のディスコグラフィーのなかで路面電車ソングNo.1「雨の夜と月の光」は“ガラガラの路面電車は今にも転覆しそうな船のよう”と歌われますが、満員の電車は灼熱の太陽を受けて終点の三ノ輪橋駅に滑り込みました。今回のイベントは「まちねのわだち実行委員会」の女子たちが企画し、連携して協力して、難しい条件面をいろいりろ頑張って実現に漕ぎ着けてくれた。事故なく終演できてよかった。ありがとうございます。そしていろんなルールを守ってニコニコと最後まで楽しくお付き合いいただいたお客さんたちにも感謝を。僕はすでにまた違う季節にもう一回同じ路線で路面電車ライブをやりたいと思っています。次はもっとよくなる!と。

また同じ振動と揺れを感じながらみんな一体となって音楽を楽しめる日を楽しみにしています。

Posted by monolog at 10:32│Comments(0)TrackBack(0)

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