2015年07月15日

新しいホライズンと冥王星|終わりの始まり



2009年にリリースした『pilgrim』に「clementine」という歌があって、それはNASAが1994年に打ち上げた月面探査機の名前「クレメンタイン」をタイトルにした。「はるか遠くの航海」「宇宙飛行士(アストロノウツ)はこう言うさ」「いっそ空に埋もれようか」「風のない世界には答えがないみたいだ」というフレーズは“宇宙”を意識して書いたものだった。一方で、僕が2011年に「一角獣と新しいホライズン」という歌を書いたきっかけは、自分の人生にとって「英語」というものが大きく作用している(英語を好きになったが故に東京の大学に上京してバンドを組んで今がある)と思案したことだった。で、「UNICORN」と「NEW HORIZON」という教科書のことを思い出してそれをタイトルにした歌を書き始めたのだ。サビの歌詞を書くときに「届け/冥王星の向こうまで」というフレーズはそれこそ“降ってきた”ようにすらすらと浮かんだのだけど、後日NASAが2006年に打ち上げた冥王星探査機の名前が「NEW HORIZONS」だと知ったときには鳥肌が立ったものだ(偶然と必然)。そのニューホライズンズが昨晩、冥王星に最接近した。興奮しないわけがない。これから送られてくるであろう未だ見ぬ詳細な画像が楽しみだ。今日は朝から安全保障関連法案をインターネット中継で。強行採決、歴史的瞬間を目撃して、これは「終わりの始まり」だというふうに感じた。直感的に。

僕は「一角獣と新しいホライズン」を「昨日とは違う世界の始まり」「誰も知らない本当の物語」というフレーズで締めくくったのだけど、この言葉をポジティヴな意味で歌いたい、といつも思っている。「終わりの始まり」も前向きな言葉として胸に秘めたい。政治家や政府は「どうせ国民はみんな時間が立てば忘れてしまうだろう」と思っているかもしれないが、僕は今日感じた憤りややるせなさをずっと忘れない。心が映すのはアレグロで揺れ動く運命とかすかな日々の希望だ。



Posted by monolog at 15:46│Comments(0)TrackBack(0)

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