2015年10月07日

小説「猫と五つ目の季節」のこと2

昨日のこと、初めて書いた小説「猫と五つ目の季節」の本が刷り上がって、ついに手元に届いた。CDができあがったときと同じように嬉しく、さらには単行本の手触り、重さ、インクの匂いは新鮮で新しい喜びでした。カバーを取った表紙の柄、「花布(はなぎれ)」と呼ばれる背の上下につく飾り布の色、栞の色味までまでこだわらせてくれたミルブックスに感謝。きれいで素晴らしい本ができあがりました。

これから数回にわけて一足先に物語を読んでくれた友人知人からの感想コメントを紹介していきたいと思います。

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小説読ませてもらいました。
もう、泣きましたよ。
山田さんにしか書けない物語ですね。
ポチが亡くなったときの壮絶な悲しみをこれを読むまで
私は想像できておらず、申し訳ない気持ちになりました。
「猫を飼うものと、飼わないもの」という言葉がずっしりときました。

山田さんにとって、兄妹であり子どものような存在だったのですね。
一人の家族なんだなあって、いまさら!と思われるかもしれないけれど
猫を飼ったことのない私にも一人と一人が愛情で繋がっているんだっていう
当たり前のことを教えてくれたように思います。

とても優しくて、力強い物語でした。

高橋久美子さん(作家、作詞家)




書かざるをえない小説を書かれた、という感じがしました。
言い方を変えれば、ポチが書かせてくれた小説。
『the loved one』と『猫と五つ目の季節』はきっとセットで、
山田くんにとって人生を振り返らせるいい機会だったんでしょう。

僕はこれ小説というより、長いエッセイのように読みました。
ほとんどフィクションを感じない。
山田稔明という人物の十数年を重ねて読みました。
音楽と猫、それにまつわる友人たち。
ここには山田稔明という人のいつわりない立ち姿があらわれている気がします。

清水浩司さん(映画「夫婦フーフー日記」原作者、小説「コブルストーン」著者)



猫と暮らす人生と猫と暮らさない人生。
主人公は吸い寄せられるように猫と暮らす人生を選んだ。
思えば、人生の選択なんてこんなことなのかもしれない。
猫と暮らすその日々は恋愛そのものであり、それ以上であり、生命と生命の繋がりであった。
僕ならどうするかな?そんなことを考えながら読むと、嬉しくも楽しくもあるし、ちょっと怖くもあった。
新しい恋愛小説、おにいさんとかわいい猫との胸きゅんラブストーリーをどうぞ。

佐藤満春さん(お笑いコンビ「どきどきキャンプ」、構成作家)




これは家族の物語。家族の在り方は今、多様化している。昔のように
お父さんとお母さんがいて、子どもが2人、おじいちゃん、おばあちゃん、
みたいな家は減っている。私の知り合いの男性は男性のパートナーと暮らし、
代理母が産んだ赤ちゃんを、お母さんも手伝って3人で育てている。
ものすごく幸せそうで自慢げな写真がアメリカから送られてきた。
家族って、当人たちが「自分たちは家族」と思ったら家族なんだ。
家族は自分たちで作っていくもの。そして社会はそれを支援すべきだ。

山田稔明さんの「猫と五つ目の季節」は山田さんと猫のポチがいかに
家族になって行ったか、それを描いている。ポチは言葉が話せないから
山田さんはポチのことを分かろうと懸命に努力する。ポチは最初戸惑いながらも、
徹底的に甘える。これ以上深くなることがあろうかという家族愛。
と同時に多くの芸術家に「ミューズ」がいるように、
ポチは山田さんにとってのミューズでもあり、作品を生み出す源でもある。

こんなに素晴らしい家族に巡り合え、絆を深め、共に過ごせた山田さんと
ポチがうらやましい。絶対的な信頼と愛。何人もそこに入り込めない。
でも同時に、周りにふたりの絆は温かく広がって行きもする。多くの仲間を呼ぶ。

素晴らしく、理想的な家族の物語。
優しくて、しかし、やがて悲しく、そして、驚きがある。
猫が好きなに人もそうでない人にも。どんなに時代が移ろうと。普遍的な家族の物語がここにある。

和田靜香さん(音楽ライター。著書に『おでんの汁にウツを沈めて』『評伝・湯川れい子 音楽に恋をして』等)



愛する者への 世界一長いラブレター。山田くんにニャオキ賞をあげたいくらい素晴らしい。

杉真理さん(シンガーソングライター)


Posted by monolog at 10:07│Comments(0)TrackBack(0)

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