2015年10月09日

小説「猫と五つ目の季節」のこと3

昨日のこと、完成した小説「猫と五つ目の季節」を持っていろいろお礼参り。CDができると必ずヒット祈願に行くのが深大寺、昨日も気持ちのいい空気でした。そして今回は小説のなかでも重要な立川水天宮 阿豆佐味天神社、通称“猫返し神社”へも報告とお参り。ここへ来るのはポチが亡くなったすぐ後、ポチ実がうちの猫になった後、そして写真家の下村しのぶさん(「おばあちゃん猫との静かな日々」著者)に付き添って以来の4度目だが、いつきても溢れる愛とか優しさに胸がいっぱいになる場所。

引き続き友人知人から一足先にいただいた小説への感想を紹介したいと思います





すごいラブストーリーを読ませてもらいました。「これでもか」というほどのラブストーリー。
人を想う気持ちよりもピュアで、ストレートで汚れも誤魔化しもない、愛情だけが詰まった物語。
山田さんとポチの日々を覗き見させてもらい、芳恵さんの言葉をきっかけに共に泣けて幸せでした。
自分は優しく染み込んでくるような山田さん楽曲の一ファンなんですが、読んで納得です。
「こんな人ならそりゃそうだ!」と、少し笑ってしまいました。すべてはポチに感謝です。

塚本直毅さん(お笑いコンビ ラブレターズ)




友人としてバンドのメンバーとして、近くで見て聞いて体験もした山田稔明とポチの愛すべき
物語を「ああ、そうだったなあ」としみじみと思い返したり、「へえ、そうだったんだ」と
知らなかった事実に驚いたりしながら夢中になって最後まで読みました。
自分も猫を飼うようになった今、彼とポチの寄り添いながらの暮らしにはいっそう深く共感を覚え、
別れの場面ではもし自分の猫がそうなったらと想像も重なり、何度も何度も涙で文字が滲みました。
そして物語の最後に訪れた奇跡に改めて拍手を送りたくなりました。

愛するものと暮らすことの喜びが丁寧に紡がれた言葉の端々から伝わり、猫を飼っている人は勿論、
飼っていない人も読後に豊かであたたかな気持ちになれると思います。彼の自伝的青春小説としても、
猫を飼うに当たっての指南書としても読める1冊です。
個人的には厳しくも優しい猫先輩が与えてくれた教科書だと思い、
何度となく読み返そうと思っています。傍に眠る猫の姿を眺めながら。

五十嵐祐輔さん(fishing with john)



猫たちへの愛情、運命的なつながりがすごいなと思いました。
葬儀を終えて号泣するシーンでは、私も一緒に泣いてしまいました。
愛猫ポチを見て曲や詩が生まれる場面は、ミュージシャンならではの
描写が素晴らしかったです。随所に書かれている猫に関する豆知識は、
長年猫と一緒に暮らしている私も知らないことがたくさんあって、
そこも面白く役に立ちました。

木下綾乃さん(イラストレーター)



ものごころをついたときから家に犬がいた。秋田犬、ハスキー、雑種、
大学で実家を出るまで何匹の犬と過ごしたのだろう。覚えていないなんて
なんて薄情なのでしょう。結婚して娘ができて彼女が4歳(くらい)のときに
犬が飼いたいと言い出してミニチュアダックスフンドがやってきた。そして今も一緒にいる。

犬は人につく。言葉の通り妻についている。私にはそっけない。
散歩にいきたいときだけ近寄ってくる。あとは大体眠っている。

猫と暮らしたことがない。いや、よく考えてみれば、
猫に触ったこともない。猫が生活の中にいなかったのだ。

この本を読むと猫と暮らす人の気持ちがよくわかる。すべては猫を中心に回っているんだ。
世界中の人が猫と暮らせば争いは減るんじゃないかあとさえ思った。だってやることがたくさん
あるんだもの。お世話はもちろん、写真もいっぱいとらなくちゃならないし。

「人間には、猫と暮らす人生と猫と暮らさない人生、その二つしかない」ってセリフがあった。
犬と暮らす人生もあるよと小さな声を心の中だけで漏らした。そう、普段はちっとも犬のことなんて
見向きもしなかったのだけれど、そんな気持ちになり、いつもより遠くまで散歩に行き、嫌な顔を
されるくらい体をなでるようになった。

自分の生活にかかわるものに、もっと愛情を持ってかかわらなければ、
そんな風に思って本を閉じると、心にスーッとやわらかな風が吹いた。

庄野雄治さん(アアルトコーヒー)




きらめくフィルムの世界のように、その情景が目に浮かんでは消えました。
そして、不覚にも泣いてしまいました・・。

少しずつ変わっていく毎日やその中の悲しみや喪失感でさえ、
すべて愛おしく感じました。
だから喜びってあるのでしょうか?
だから希望の季節がやってくるのでしょうか?

宮川 敦さん(風の栖、NAOT)


Posted by monolog at 08:29│Comments(0)TrackBack(0)

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