

仁井聡子さんを呼び込んでトークの始まり。会場全体の表情がパッと明るくなる感じ。仁井さんの早口と饒舌に負けじと僕もいつにも増してしゃべりました。さすがだなあと話を聞きながら、仁井さんに来てもらってよかったなと思いました。お客さんはずっと笑っていたので、楽しい時間だったのではないでしょうか。いつもは話さないような話もたくさん。あっという間のトークセッションでした。仁井さんと一緒にやりたかったのは、去年ポチを亡くしてほどなくして出演したラジオでやった朗読劇の再演。僕が書いた「有形無形」という原稿を仁井さんに読んでもらって「日向の猫」を歌いました。昨日に続いてこの日もいろいろ思いだして泣きそうだった。ライブ後半が始まります。

ここからは朗読も交えて「ポチの子守唄」「些細なことのように」と駆け足で。「ブックエンドのテーマ」はここでもどうしても歌いたかった歌で、「印象に残った」というアンケートが多くて嬉しかった。『the loved one』全曲を演奏、まさにこのアルバムは『猫と五つ目の季節』のサウンドトラックのように響く。最後は年末恒例のクリスマス・ソング「sweet december」、そして「ハミングバード」で締めくくりました。終演後はまさに“名前と日付と猫の絵を描いた”。
ここでもたくさんのお客さんと言葉を交わすことができました。仁井さんにも心から感謝を。スタンダードブックストア心斎橋の皆さんも昨年の「ひなたのねこ展」同様に手厚く親切にしていただいて嬉しかったです。また来年もなにかここで。スタンダードブックストアを何周かして、心斎橋のレコード屋を駆け足で回って、後ろ髪惹かれながら淀川を渡って次の場所へ。この日はお昼の心斎橋のあと兵庫県川西市に移動することになっていたのです。

近藤研二さんといえばご近所音楽仲間だけども、偶然にもこの日近藤さんも兵庫川西市の「うどん屋の2階」という会場でライブをすることになっていた。「夕飯でも一緒に食べられたらいいですねー」と話していたのだけど、うどん屋の2階のスタッフの方から「ぜひ山田さんもライブに参加してくださったら!」と熱いラブコールを受けいてたのです。間に合うかどうかギリギリだったのだけど、近藤さんのライブ第一部の後半あたりで川西にイン。高い天井、窓の外の眺め、随所にあふれるホスピタリティ、素晴らしい会場を見て疲れも吹き飛びました。
第二部も終了してアンコールに呼び込まれステージへ。このとき近藤さんが僕のことを紹介してくれたときの文言が個人的にとても嬉しく感動的で、近藤さんと知り合ってからこの1年のいろいろを本当に走馬灯のように思いだしてグッときました。近藤研二さんと僕、猫好き男子ユニット<quilico(キリコ)>として「眠れねこねこ」と「ポチの子守唄」を演奏。お客さんもニコニコと僕を受け入れてくれて本当に楽しかった。来てよかった。


終演後はお客さんも出演者もみんなでうどんを食べるという習わしに則って、この日の夕飯は美味しいさぬきうどん。満腹に。僕の本やCDを買ってくださったお客さんもたくさんいて、出会いのきっかけをくれた「うどん屋の2階」さんに感謝しなくては。なにより、東京ではない町で初めて近藤さんと一緒に演奏できたことが嬉しかったです。チャッツワースとうどん屋の2階、兵庫県ツアーというのもいいな。またここに戻ってきたいと思いました。この日のうちに帰京する近藤さんを新大阪駅までクルマで送りとどけて、長い一日の終わり。充実した二日間でした。