

昨日のこと。1週間休みなく続いた波乱万丈、忙しくも充実した日々の切れ目、天気も良かったので思い切って一日スイッチをオフにして出かけた。向かったのは中目黒から少し離れた閑静な住宅街にあるカセットテープ専門店waltz、その存在を知ってからずっと行ってみたかったお店。辿り着いたのは、取り扱うマニアックなモノたちとは相反して、とてもスタイリッシュな、明るくて気軽に入りやすい間口の広いお店でした。
元々WEBの記事でその存在を知り、そこに掲載されたお店のプロモ動画のようなもののなかに僕にとって最愛のバンドであるR.E.M.のテープがたくさんあるのを見つけたのがこのお店に行ってみたい一番の理由だったのだけど、足を踏み入れるとそこは音楽好きにとっては天国のような場所で、アルファベットAの棚からずっと指を差しながら眺めて「わあ、こんなのも」「こんなものまで!」の連続で、きっとそのときの僕は口をパカっと開けて半笑いで呆けてるみたいに見えただろう。結局僕は「買い占めみたいになっちゃってごめんなさい。中2の頃からの大ファンなので…」とお詫びをしながらR.E.M.のIRS時代のカセットテープをまとめて購入したのでした。




実は最近、郊外にあるハードオフで妙にかっこいい再生機器を衝動買いして、自分の中でのカセットテープ熱が高まっていたこともあり、ここwaltz探訪は必然的なものだった。中学生の頃聴いていたビートルズ(A面が『REVOLVER』でB面が『HELP』、修学旅行で南九州をまわった風景が蘇る音)、高校時代にエアチェックしたラジオ番組、大学時代に作ったGOMES THE HITMANのデモテープやライブ音源などたくさんのテープを物置から引っ張りだして再生すると、音楽が記憶を伴ってちょっと日焼けした感じで立ち上がって甘酸っぱい。やっぱりカセットテープは僕にとって音楽体験の原点なのだ。コートニー・バーネットの新譜はカセットテープでもリリースされたのでつい先日レーベルの直販で購入したばかり。相対性理論の新作もカセットテープでのリリースが予定されているとのこと。手のひらのなかでプラスティックのケースを触っていると「音楽には形がある」という感じがしてくる。

店長さんと少しお話をさせてもらったが、ご自身のコレクションの一部をお店に並べていらっしゃるということだった。「一度集めはじめると全部そろえたくなるんですよね」という言葉を聞いて似た者同士だと思った。店内にはラジカセやウォークマン、古い雑誌等も並び、お店の一角にはプレイヤーが置いてあってカセットはすべて試聴できる。気持ちのいい空間と楽しい時間でした。今売っているアンドプレミアムにもお店の記事が載っていました。ぜひ興味のある方、音楽好きの方、ガジェット好きな人も足を運んでみてください。
waltz
〒153-0061
目黒区 中目黒4丁目15-5