2016年06月16日

僕の「重版出来!」|梅雨、ちひろ美術館|0655 to 2355



久しぶりにテレビドラマを楽しみに毎週見続けた。話題になった『重版出来』のことなのだけど、最終回も清々しい気持ちで眺めながら、最終的に悪い人が出てこない物語だったなあと静かに感動した。去年小説『猫と五つ目の季節』を出して、本を売るというのがいかに大変なことかということを知った。書店の本棚に置かれるだけでもラッキーというくらい人にその存在を認めてもらうことが難しい。ネット通販の仕組みについても今まで知らなかったことを知ったりして新鮮な驚きがたくさんあった。

初版の冊数を聞いて「CDだって◯◯枚くらいしかプレスしない自分の本がそんなに印刷されて大丈夫なのだろうか…」と不安になったが、版元の地道な営業とプロモーション、友人たちの推薦コメント、本を読んだ皆さんの口コミ、懇意にしている雑貨店やカフェが本を店頭に並べてくれたり、知らないところでラジオパーソナリティの方が紹介してくれていたり、新聞に書評が載ったり(信濃毎日新聞に小林聡美さんが寄せてくださった文章の後押しよ)、両親が何十冊も買って親戚じゅうに配ったことも功を奏してか、発売から7ヶ月を経てついに重版決定、来週には第二刷ができあがる。とても嬉しいが、また千冊単位で在庫が世の中に積み上がることになるからいろんな努力をしなければならない。まだまだ『猫と五つ目の季節』への応援をよろしくお願いします。

昨日初めて練馬の下石神井にあるちひろ美術館へ行った。「村上春樹とイラストレーター 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸」という企画展を見たかったのだけど、うちから車で20分くらいの住宅街にこんな素敵な美術があるなんて知らなかった(正確に言うなら存在は知っていたけどこれまで足が向かなかったのだな)。佐々木マキさんの原画は独特の質感があって無国籍。大橋歩さんの作品に接するのは2回目だったがスッとした溌剌さは変わりない。安西水丸さんはやっぱり永遠のプレイボーイだなあと感じたし、和田誠さんの絵を目の前にすると「イラストレーター」というよりも「画家」と呼びたくなった。そしていわさきちひろの絵に接するときの自分の感覚が変化しているのが面白かった。70年代の仕事場を再現した空間を眺めたせいだろうか。とても丁寧に気持ちをこめて紙に落とし込まれた絵たち。「ぽちの きた うみ」という絵本のなかで心が震えた。帰り道に咲いたきれいな紫陽花がちひろの絵のように見えるから不思議。

歌唱を担当したNHK Eテレ0655のおはようソング「第2の人生」が今週は夜の2355のおやすみソングとしてオンエアされている。朝から夜への出張だが、夜には夜の味わいがあってとてもよく響いていました。作曲者近藤研二さんが歌う「考えるセイウチ」とともに、超ご近所&出身地も近いふたりの歌声が流れて面白かった。今晩も流れると思います。夜の23時55分から就寝前にEテレをご覧ください。

NHK Eテレ 2355 ホームページ

Posted by monolog at 10:08│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
いわさきちひろカレンダー、何年か購入し部屋に掛けていたことがあり。
色が鮮やかでかわいくて観ていると心が安らいだことを思い出しました。
「ぽちの きた うみ」鑑賞したいです。
23時台、どうしても睡魔に襲われ、気づくとまた日付が変わっている…(@_@)。
来週こそ夜の「第2の人生」、味わいたいです…(^^;)。
Posted by motokoishita at 2016年06月17日 02:16