




先週土曜日、ついにやってきた『pale/みずいろの時代』発売記念ライブの日。梅雨とは思えないホットな天気にも恵まれ、素晴らしい一日になりました。お昼過ぎに恵比寿の会場入りして、入念なリハーサル、要所要所の確認。気心の知れたメンバーでのライブ、ずっと楽しいしワクワクする。あっという間に開場時間になりバタバタと準備を。控室でみんな衣装に着替えると景色は一気に「みずいろ」に。そう、この日のドレスコードは「pale blue」でした。客席が暗転して開演、海の映像はアルバム・ジャケット撮影時の“千葉にあるウユニ塩湖”を歩く僕のスローモーションでした。


夏虫の鳴く声に耳が慣れて、静寂のなかから立ち上がるような、「気分」「ナイトライフ」と続くアルバムの象徴となるふやけた青白い青の風景、そして『緑の時代』からの「ココロ/コトバ」ですっと雲に切れ間ができて、狐の嫁入りの光が指した。「セレナーデ」はitokenさん、安宅くんとは2000年代に何度も演奏した曲、その後コーラス立花綾香の上京初期のレパートリーにもなった。あれから10年近く経ち、このメンバーで2016年に演奏していることにグッとくる。「スミス」のアルペジオを近藤さん、安宅くん、僕の3人で弾く力技、こんなふうに響いたことはなかったなあ。
予告もなく伊藤健太を呼びこむ。ベースのイトケン、CDで「幸せの風が吹くさ」のベースを弾いてくれた彼が駆けつけてくれたから「せっかくなので」とベースを弾いてもらった。五十嵐くんは昨年末に続いてベースでバンドを支えてくれたがこの曲はハジけたタンバリン男して以降十年は人々の記憶に残ることだろう。バンドで演奏するのが映える曲だなあと感じました。続いてまた静謐な夜の水色が降りてきて、近藤研二さん編曲で生まれ変わった「モノクローム」、今まで夜の科学オーケストラにはなかったストイックな演奏。そこからシーンは夜へ。「月あかりのナイトスイミング」「光の葡萄」と続きました。




「my favorite things」「太陽と満月」と続いてステージ上は熱を帯びて、新作からの「calendar song」。このポップチューン3連続がとても楽しくて、ずっとこの時間が続いたらいいのに!と思った。「calendar song」の「ユー!ソー!」の掛け合いはいつしかこぶしを突き上げる振り付けまでついて、円熟とは程遠い青春っぽさ。ステージ上も客席もニコニコと笑顔があふれていました。アンコールでは初めて近藤さんとふたりで「第2の人生」を。「hanalee」「ハミングバード」と鳴り響き大団円。
終演後、たくさんのCDが旅立っていきました。本当に嬉しい。僕は自分でスケジュールを立てて資金を工面してギリギリまで粘って自分のレーベルから作品を出すようになって以来、よく言われる「CDが売れなくなった」ということを実感したことがないのです。長い長いサインの列は1時間ほど続いたでしょうか、一番手応えと喜びを感じる時間です。たくさんのご来場ありがとうございました。みずいろの夏が始まります。
