2016年12月21日

“夜の科学 vol.50 - sweet december 2016”(12月10日 @ 恵比寿 天窓 switch)【ライブ後期】

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もう10日も過ぎてしまいましたが、山田稔明バンド編成での年末恒例の「夜の科学」を振り返ります。四季をめぐるオープニング映像に導かれ、ライブは「太陽と満月」から華々しくスタート、軽快な「ココロ/コトバ」が続きます。2002年の一回目以来14年、ついに50回目を迎えたこのイベント、最初は僕の実験の場でした。新曲を試したり、様々なコラボレーションにトライしたり。それがだんだんソロでのバンド演奏の機会へと変わっていって今日に至ります。その第一回目から出演してくれているドラムのイトケンさんが角度の問題で写真に一枚も写っていないのが残念ですが、イトケンさんと僕との関係の歴史とも言えるわけです(第一回目の真夜中にふたりで即興演奏した「夜の科学」はそのままGOMES THE HITMAN『ripple』に収められました)。

イトケンさんに限らず、安宅くん、海老沼くん(えびちゃん)との付き合いも長くなりました。各メンバーはとても有能で多忙なミュージシャンであるわけですが、この日のステージでは久しぶりにイトケン、安宅、海老沼というコアメンバーが顔を合わせた日(リハーサルもすれ違いで本番当日に初めて音合わせをしました)。CDになる数年前から演奏を重ねた「hanalee」をライブ序盤に演奏したのは久々の再集結を宣言する意味合いがありました。「home sweet home」と「glenville」を昔のようにカルテットで演奏、「平凡な毎日の暮らし」には近藤研二さんのエレキと立花綾香のコーラスも合流。音の塊を感じました。真里さんのピアノに乗って「月あかりのナイトスイミング」を歌うとライブハウスが水槽のように感じます。

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この日一番楽しみだったのは今年書いた新曲群をバンド演奏することでした。「saturday song」は安宅くんのマンドリンと近藤さんのエレキでキラキラと乱反射。「吉祥寺ラプソディー」にはペダルスティールとピアノ、そして綾香のコーラスが入ってきて一気に立体的になります。「ぼくのノート」改め「notebook song」は個人的にこの日のハイライト、イトケンさんのドラムフィルイン、とにかく疾走していくバンドサウンドに青春は何度でも蘇るのだなあと大げさでなく思ったのです。近藤さんのギターと真里さんのグロッケンに伴われた「日向の猫」ではいつものようにポチに再会するような感慨深さが。「光の葡萄」はどんどん大きな歌に昇華していく気がします。

本編最後は「my favorite things」と「calendar song」。過去にすがることなく、2015年と2016年に書いた曲でライブがクライマックスになるなんて音楽家冥利に尽きる幸せです。来年の12月は2017年に書いた歌でステージを締めくくることができたらいいな。毎年恒例の景品があたるくじ引き大会もゆるく楽しく年末感がありました。アンコールでは近藤さんとふたりで「第2の人生」を。僕にとって今年のもうひとつの代表曲です。「sweet december」を初めて演奏したのは2006年でした。なんと音源化しないまま今年で10周年なのですね。びっくりしますが、いつまで12月に皆さんの心の中だけで響く歌のままでいるかということにも興味がわいてきました。

そして本当に久しぶりにバンドで演奏した「SING A SONG」。この歌をみんなで立って身体を揺らせて楽しもうということを僕は事前に考えていたのですが、それはとても美しいシーンとして僕の目に刻まれました。みんなの楽しそうな顔。ハンドクラップ(失敗も含め)、バンドメンバーの笑顔、最高か!と思いました。「ハミングバード」も会場全体がゆらゆら揺れていた。甘い甘い夢から醒めてもみんな満面の笑みでした。こうして43歳になって初めてのライブはちょっとやそっとじゃ忘れられないものになったのです。バンドメンバー及びスタッフのみんな、恵比寿天窓switchのスタッフ陣、そして満員のお客さんひとりひとりに大きな感謝を。

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Posted by monolog at 21:45│Comments(0)TrackBack(0)

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