2017年02月16日

続・私とR.E.M.|ICE STATION公演を観終えて



ICE STATION公演から1週間が経った。去年からずっと楽しみにしていていたイベントだったから終わってしまって一抹の寂しさもあるけれど、まるで夢みたいな3日間をずっとふわふわニヤニヤしながら過ごすことができて、その余韻がまだ続いている。京都公演の次の日、青山タンバリンギャラリーでのパーティーでR.E.M.のマイク・ミルズとピーター・バックに会うことが叶った。2005年の来日公演、名古屋で出待ちしたときは「すぐそばで見た!」という感覚だったけれど、今回は目を見て(興奮してあわあわしちゃったけど)話すことができたのです。そして実に12年越しでついに僕はR.E.M.の3人との2ショット写真をコンプリート(2005年のマイケルと撮った写真はずっと僕のTwitterのアイコンになっている)。

いろんな映像とかエピソードから“饒舌だけどクール”という勝手な印象を抱いていたピーターは、実際はとてもジェントルで穏やかで話をちゃんと聞いてくれて、これまで以上に大好きになったし、ピーターが関わっている音源(ソロも含めて)をもっとちゃんと聴こうと思いました。自分のCD『新しい青の時代』を渡しながら「New Blue Periodという意味です」と説明したら「うんうん」と頷いてくれた。ピーターが演奏に参加していない「Nightswimming」にインスパイアされた「月あかりのナイトスイミング」を、いつか聴いてくれる日がくるだろうか。

マイクは思ったとおりのマイクだった。朗らかで優しくて大きい。僕は「最初に謝らないといけないことが…」と前置きして、R.E.M.1988年の『GREEN』というアルバムのアートワークを完璧にコピーした“オマージュ”である『緑の時代』を渡すと、大笑いしてウケてくれて「トシアキ、トシアキ」と何度も僕の名前を呼んでくれた(ジャケットに書いてあるから、TOSHIAKI YAMADAって)。隣にいたピーターに「これ、見てみー、最高だよ」みたいな感じでブックレットを指差して二人が仲良く話す姿も見れて感無量だったな。ちゃんと最大級の感謝も伝えられました。



1987年からずっと、今年で30年ずっと自分のアイドルである彼らとこんなふうに時間を共有できたことがものすごく嬉しかったし、2人に会って、おかしな話だけど、マイケル・スタイプの不在、あるいは逆説的な存在感みたいなものがムクムクと膨らんでいった。R.E.M.には簡単に再結成やライブはして欲しくないと思っていたけれど、ピーターの演奏中のしおらしい姿を見て思いを新たにしたのは(マイクはリラックスして楽しそうだったけど)またいつの日かR.E.M.で大きなステージをロックして駆け回ってほしいなということだった。2日間のステージを観終えて、これから先の未来のことを考え始めている。

それぞれのキャリアの代表曲、連綿と続くパワーポップの系譜を感じさせるカバーをはじめ、MINUS5、THE BASEBALL PROJECTというサイドプロジェクトの楽曲の魅力も再発見させられたライブでしたが、やっぱり「SUPERMAN」「(DON'T GO BACK TO)ROCKVILLE」とR.E.M.のレパートリーが演奏されたときはいっそう心が弾んだ。このときめきが音楽の力なのだと確信しました。

きっとみんなに呆れられるくらい、3日間でサインをたくさんもらって、一緒にいっぱい写真も撮ってもらった。こんなに笑ってる自分の写真はあんまり見たことがない。本当に中学生に戻ったみたいな感覚でした。アメリカオルタナ重鎮の音楽家たちはみんな揃って優しかったな。YOUNG FRESH FELLOWS、MINUS5、そしてR.E.M.を支えるサブメンバーであるスコット・マッコーイはこのスペシャルバンドをまとめる要として陽性のオーラをまとっていたし、FASTBACKSのカート・ブロックは観る者すべてを笑顔にさせたのではないでしょうか。DREAM SYNDICATEのスティーブ・ウィンは歌もギターも力漲ってそのコンスタントな活動の充実ぶりを見せつけ、紅一点リンダ・ピットモンのドラムとコーラスはとても可憐で力強かった。今回初めて知ったグリーンランドのバンド「ナヌーク」もDEATH CAB FOR CUTIEとシガー・ロスをかけ合わせたようなサウンドでエモーショナルで見応えがあったし、こういう貴重な公演を堪能することができて本当に幸せでした。

マイクとピーターと一緒に撮った写真では(ライターの和田さんが撮ってくれた)僕は言うなればマイケル・スタイプの位置に立っているわけで、もう気持ちが高まりすぎて顔がくしゃくしゃだ。マイクがピーターを呼んで「これ見てみー」と僕の『緑の時代』のブックレットを広げて笑っていて、『新しい青の時代』を持ったピーターが「やっちゃったな!You did it!」と言っている瞬間。1987年に出会って以来R.E.M.が一番好きなバンドだったけど30年経ってもっと好きになるなんてな。あれから1週間、僕はほぼ毎日レコード屋通いをして、またせっせと関連するレコードを集めまくっているところです。好きなものを好きでい続けると良いこととか嬉しいことばかりが返ってくる。これからも「好き」を続けたいと思う。音楽って本当に素晴らしいものですね。

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2005年にマイケル・スタイプと撮った写真。また歌う姿を観たいと思った2017年の春。

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Posted by monolog at 21:27│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
長いことREMが大好きです(私は山田さんと同い年かも…)。
解散は寂しくて、その後もずっとREMを聴いていました。

私もピーターとマイクに会うことができました。2人ともとても紳士的で温かかった。本当に本当にすごいこと。人生で一番かも。

このブログを読んで嬉しさ再びです。山田さんの興奮が伝わります。
そして、3人の並んだ写真、本当にいい表情ですね。
ピーターってこういう顔するよね、と思います。

あらためて、音楽は素晴らしい。
Posted by としえ at 2017年02月26日 18:25