5月なのに初夏を思わせる気候が続いたので、セットリストも夏モードへ。「何もない人」は何度歌っても大好きな、カランカランとグラスと氷が当たる音が聞こえてくるような歌。「夏の日の幻」もアイスコーヒーが似合う。「緑の車」は20歳の頃書いた歌だけど、そのテーマに20年後にもう一度トライしたのが「saturday song」。そして大型連休にどこへも旅に出ず都内で過ごした僕の妄想と逃避行を「blue moon skyline」で。



金森さんとよし子さんに「何か聞きたい曲はありますか?」と尋ねて、金森さんが申し訳なさそうに「第2の人生」を“軍手”バージョンで歌ってもらえないだろうかと言うので(金森さんは『軍手ネコのつくりかたBOOK』という本を出したばかり)ちょっと頭をひねってこの日しか歌わない門外不出の替え歌を。よし子さんと知り合ったのも巣巣が縁だった。このお店で僕は何人の物作りの人と知り合っただろうか。「やまびこの詩」はそんな巣巣との交流から生まれた歌。「小さな巣をつくるように暮らすこと」はきっと「やまびこの詩」の続編。
3月後半からこの日の巣巣まで10本近いライブがあって、そのたびにご来場いただいた皆さんには感謝しかないが、しかし、全部が全部違うライブなのだなあとこの日の「光の葡萄」を歌いながら思った。特に巣巣は窓の外を車のライトが流れていくのを感じながらの歌になるのでここ何回かの「光の葡萄」とは全然違う「光の葡萄」だった。アンコールではリクエストに応えて「あさってくらいの未来」。感じいってくれたのならよかったな。最後に歌った「ハミングバード」もひとつの季節に句読点を打つような響きがありました。金森さん、よし子さん、巣巣とスタッフ、友人たち、お客さんみんなに「ありがとう」と言いたい。ひとつの季節の終わり、新しい季節の始まり。

