


開演、まず福田さんと久美子ちゃんのトーク、もはや夫婦漫才のようでとても面白い。感性が響き合っているのがよくわかる。ふたりが初めて会ったとき僕も同じ場所に居合わせたことを思い出す。そのふたりが1冊の本のなかで共同作業を…と感慨にふけっていたらステージへ呼ばれて僕もおしゃべりの渦へ。笑いの絶えない夜となりました。僕のライブコーナーはまず久美子ちゃんと「太陽と満月」を朗読と歌でセッション。この歌の完成版を初めて披露したのは奈良でした。巻き戻る時間。魚にちなんで前回のイベントに続いてフィッシュマンズのカバーを。そしてカバーをもう一曲、これは初めての試みチャットモンチーの「CAT WALK」(魚に対して猫ということで)。僕がチャットモンチーの大ファンだったことが彼女との縁となったのだけど、『告白』というアルバムは今でも思い出したように聴く名作。そのなかの高橋久美子作詞曲をセレクトしました。NAOTの冊子のために彼女が作詞をして僕が曲を付けた「わたしのドライバー」もここで演奏するのは何回目になるかな?みんなで歌うコーラスも楽しくて盛り上がった。音源化したいですね。
朗読の時間になり、無作為に選ばれたお客さんと僕と福田さんを久美子ちゃんが率いて朗読オーケストラのパフォーマンス。「奈良の山」という言葉遊びが面白い詩を読む。僕も久美子ちゃんも教職免許を持っているという共通点があるが、彼女が先生になっていたら相当面白い授業をやっただろうなと思う。言葉と音楽のセッションも充実したものになったが、シンプルな朗読「十年」という詩が僕は大好きだ。福田さんが再びステージへ、金魚の絵描き歌を考えたり「絵と言葉と音楽 奈良三重奏」というタイトルに相応しい内容。『赤い金魚と赤いとうがらし』の朗読セッションも僕が気まぐれに持ち込んだ小さなキーボードが功を奏したかとてもイマジナティブなものになったような気がしました。


たっぷり3時間にも及んだイベントでしたが、最後の最後にNAOTへのプレゼントとして新曲を披露しました。東京蔵前にあるNAOTは隅田川沿い、そこからは隅田川花火大会で打ち上げられる花火を堪能することができるのですが、昨年初めてその場所で“花火革命”を味わった僕と久美子ちゃんの共作、作詞高橋久美子、作曲山田稔明で夏の終わりを見送る「僕たちの花火」という曲を。リハーサルでも「ふんふん」と歌詞を歌わずにハーモニーの練習をした成果がばっちり出て大団円となりました。NAOTスタッフの皆さん、ミルブックス藤原さん、ボリクコーヒーとカナカナの皆さん、手伝ってくれたスタッフにも感謝。福田さんと久美子ちゃんは言わずもがな、そして長時間のイベントに付き合ってくださったお客さん皆さんに「ありがとう」と心から言いたいです。
翌日は少し奈良でゆっくりできましたが、本当にいい町だと思いました。また来ます。