2017年09月24日

猫町旅日記ーバリ島編3

IMG_3349 IMG_2929

バリ島で初めての朝、まだ夜が明けていない4時に目が覚めた。正確に言うと、外から聞こえてくる不気味な呪文のような声に起こされたのだ。それはお経?それとも酩酊したおっさんの叫び声?とにかく地の底から響くような声だった。僕は暗闇に目を凝らし、iPhoneのボイスメモにそれを記録した。そしてそこに音程のある打楽器の規則的なリズムが加わった。竹の筒を叩いているような軽やかな音。だんだん明るくなっていき、真っ赤な朝焼けの空がとてもきれいで一気に目が覚めた。呪文のような声は歌に変わった。異国にいる感覚が僕を包んでいく。「最高やんか…」僕はひとときもこの島にいる歓び愉しみを無駄にしたくないと思った。

IMG_3146

リビングに隣接したバルコニー、アウトリビングで朝ご飯。お香の匂いと蚊取り線香の匂い。パンとサラダ、そして極彩色のフルーツ。この日はお昼前には街へ出かけようということになっていたけど、朝食が終わった時点で8時。なんとゆったりとした時間。お庭に小さなプールがあるということを聞いていたから水着を持ってきていた僕、いったい何年ぶりの水浴びか。常夏のバリ島は、9月は乾季で昼間は30度になる。鳥のさえずり、虫の声を聞きながら浮き輪で浮かんで青い空と形を変えていく雲を眺める至福。日差しは熱く降り注ぐけど日陰に入ると涼しい風が心地良い。「地上最後の楽園」と呼ばれる理由がだんだんわかってきた。

お昼前に出かけて、トゥグヌンガンの滝(Tegenungan Water Fall)へ。ウブドゥの南スカワティを流れるプタヌ川下流にある落差20mのこの滝の存在は、以前から地元の方に知られていたが、滝つぼまで下りる道が急なけもの道しかなかったため、遠くから眺めるだけの観光ポイントだったそうで、あまり人気がなく、知る人ぞ知るといった場所だったのが、近年滝つぼまで行ける道や駐車場などが整備されたことにより、観光客が立ち寄る、人気観光スポットになったらしい。

IMG_2944

バリ島はどこを眺めても緑が色鮮やかで目がすーっとする。トゥグヌンガンの滝を見下ろすこのあたりも言ってみればジャングルみたいなものだ。「滝つぼまで行きますか?」「降りて戻ってくるだけで小一時間かかるよね(そして足腰が終わっちゃうよね)」「んん、また次回で!」とその壮観な風景をこの目に焼き付けました。ここでの時間はゆっくり流れるけれど、やっぱり限りがあるものだから。お昼ご飯を食べにウブドゥへ移動。世界的に有名なアマンリゾーツが1989年、タイのプーケットに続いて2番目にオープンさせたアマンダリは宿泊するにはため息がでるような豪勢なホテルなのだけど、ここのレストランで美味しいご飯をいただくことができるのだ。プールで泳ぐ宿泊客を眺めながら(日本人客だった)僕はナシゴレンとノンアルコールのジンジャービアを。ひとくち食べてその複雑で奥深い味にびっくりした。ナシゴレンってだいたいフェスとかでしか食べたことなかった。1990年代に渋谷のモンスーンカフェでレコード会社の人に食べさせてもらったのが最初だったかな。これがリアルナシゴレンなのか!と目からウロコ。ジンジャービアもジュースみたいな味で最高。

IMG_2958 IMG_2957 IMG_2959

「バリ島のスーパーマーケットに行ってみる?」と問われ「Ya!(はい!)」と即答。ビンタンスーパーマケットに連れていってもらって、あれこれ日常品を買い物。ペット用品売り場ももちろんチェック。2階にはお土産品が並んでいた。やっぱり猫モチーフのものに目がいく。インドネシアの猫の置物は意匠に特徴があって、尻尾が長くて、ちょっとファンシー。町では太った猫を一匹も見なかった。外国のスーパーマーケットってとにかく楽しい。現地で暮らす人々の生活が垣間見えるし、色鮮やかで眼福。バリ島の一日、いろいろ詰め込んで堪能しているけれど、この時点でまだ14時。太陽は高く容赦なく降り注ぐ。(気まぐれに続く)

IMG_2978 IMG_2979

IMG_2981


Posted by monolog at 09:57│Comments(0)