2017年09月29日

猫町旅行記ーバリ島編5

王宮のレゴンダンスを観てから宿に帰ってきたら、いつの間にか寝ていた。夜が明ける前から起き出して昼寝もせずに濃厚な時間を過ごしているから当然だ。この日はポチ実が夢の中に出てきた。今回の旅の間、我が家に若き猫番くんが泊まり込んでくれている。あの人見知りなポチ実が彼には慣れてしまって、庭の散歩をしたり甘えたりしてる画像が東京から送られてきて、僕はなんの心配もなく旅を楽しめた。これを2017年留守番革命と名付けたい。

2日目の朝も空が暗いうちに起床。村のお寺から聞こえてくるお経と音楽に、もはや熱心に耳を澄ます僕がいた。虫の鳴き声の響く庭に小さな影があった。目を凝らしてみるとそれは猫だった。首輪をつけたかわいい猫はお隣のおうちに飼われているタマという猫らしい。近づくと寄ってきて「ニャア」と高い声で鳴いた。スタイルが良くて、ちょっとエキゾチックな顔つき。やっぱり少しポチ実が恋しくなった。トシコさんの家のお隣はジャカルタで暮らす華僑の方の別荘、せっかく日本から来たのなら、とそのお宅を拝見させていただいた。水が漲るプール、アウトリビング、川と渓谷を見下ろす風景も素晴らしいし、門構えも立派でため息が出た。常夏の島で暮らす日常を夢想しながら、さんさんと太陽の光を浴びてプールに浮かぶ。素晴らしい時間。

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この日はバリ滞在中もっとも体力的に無茶なスケジュールを組んだ。海に沈む夕陽が見たいと僕がリクエストしたから、移動距離も増えることになった。まず車で走っている途中で気になったギターの看板を掲げたお店を覗きに。安物のウクレレにインドネシア風の絵を描いたものをお土産物屋でたくさん売っていたのだけど(きっとハワイにも台湾にも同じものがあるんじゃないかな)そういう類のものを予想していた僕らには圧倒的なギター工房だった。ブルーベリー・ギターズ(Blueberry Guitars)というそのお店、もともと仏壇職人だった方がギター作りをアメリカで学び、今では世界に名だたるプレイヤーにオリジナルギターを製作している。笑顔が優しいワヤンさんは「むかし徳島にいて仏壇を作っていたんだよ」と流暢な英語で話した。ギターの鳴りも素晴らしく、値段を聞いて納得した。「マーティンやギブソンは素晴らしいギターだけどただのギター。僕のは素晴らしいギターであり芸術品!」とニッコリ。

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ギター工房を出発して次に向かったのはバリの中心地デンパサール近くにあるクロボカンというエリア。家具屋やハイセンスなショップが並ぶ、ショッピングにも最適な街だそうだ。ワルン(warung)という庶民食堂でナシチャンプルを。ナシチャンプルとはごはんと数種類のおかずが一皿に盛られたワンディッシュプレートのこと。バンブク(Bumbuku)というお店に辿り着いて、美味しいランチに舌鼓を打った。昔は辛いものが苦手だった僕もなぜかこの10年ですっかり辛党になってしまって、バリ島のご飯は何もかもが美味しい。サンバルマタという唐辛子やレモングラス、シャロットなどを炒めずに作ったチリソースはくせになる。値段も本当に安くてびっくりする。ここでも細面の美しい猫に出会った。

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そこからしばらくショッピング。流木にガラスを吹き付けた花器がなぜか猛烈に欲しくなった。FOCUS
DESIGNというお店、ひとつひとつ形が違うなかから直感的にピンと来るものを時間をかけて選びました。レコード屋さんもあった。僕はガムランのカセットテープが欲しかったんだけど、もうテープの文化は終了しているみたいでCDがたくさん。欧米のレコードもたくさん置いてあって、R.E.M.もちゃんと2作品あることをチェック。CDはだいたい日本円で800円くらいかな。ペット用品店があったので入ってみたら「こんな地元の小さな店に何しにきた?」っていう顔をされたんだけど、ポチ実へのお土産に猫用のスナックを購入。バリにはとにかく犬がたくさんいる。道端を紐もつけずに我が物顔で歩いている犬天国だ。バリ島の代表的な産物としてバティック(Batik)と呼ばれる布がある。バティックとは「ろうけつ染め」のことで、布に“ろう”で模様を書き染料につけて布を染め独特の風合いを醸し出す。バティックも時間をかけて吟味して選びました。とにかく天気が良い日で、ちょっとこのとき僕は日差しにやられて熱中症寸前だったかもしれないな。

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一日が長い…。歩きまわってくたびれたところでエヴァンさんが車でピックアップしてくれた。道路はものすごい渋滞。ウルワツという岬にある寺院まで移動するのだけど、僕は車のなかでもう全然起きていられなかった。1時間ちょっとの道程だっただろうか、ハッ!と目が覚めるとさっきまでの街なかとは全然違う景色のなかにいた。(気まぐれに続く…)

Posted by monolog at 08:37│Comments(0)