もっくんの弾き語りも素晴らしかった(譜面が倒れたりする奇跡も含めて)。くるり楽曲のカバーを聴いて、あらためてもっくんのバンドに対する功績を実感する。今年はレコーディングやライブの行き帰りのドライブでもっくんとたくさん話ができたことも収穫でした。伊藤健太、イトケンは中学生の頃に描いた漫画を披露。これがヤバかった。ペンネーム、絵の筆致、ストーリー、ネーム、すべてが本気。何とも言えない気分に(いい意味で)。イトシュンは初めて買ったというたまの「さよなら人類」のカバーが素晴らしかった。途中で登場したもっくんの「着いたー!」コーラスも最高。改めて個性豊かな良いバンドだなあと感嘆しました。



僕は子供の頃から振り返って自分の音楽遍歴を話しました。サトミツさんは有能な聞き手だな。お客さんから集めたアンケートなども活用して飽きさせない一本のしっかりした筋がありました。僕にとって年末からの鉄板ネタ、漫画『ねこぱんち』をスクリーンに映し出して紹介、「なんで山田さんが漫画に寄せていってんすか!」とみんなに笑ってもらう。サトミツさんとはオザケン談義を重ねた1年だったこともあり、秋に出た新曲「フクロウの声が聞こえる」を研究してカバー。自分の詩作に最も影響を与えた人の歌のあとは最新の新曲を。みんな登場してイトシュンの「僕がいなくなっても」、僕の「calendar song」、そしてキンモクセイ「さらば」をセッション。1時間半のイベントの予定が終わってみたら1時間のオーバー。
物販終了後は夜の部へ向けての準備、そして慌ただしく開演。まったく違う内容のサトミツ&ザ・トイレッツ今年最後の演奏が始まります。満員御礼の会場、オープニングから3曲駆け抜けて、みんなで乾杯。この日は通常のライブと趣を変えて、スクリーンを使った佐藤満春のトイレ講座を挟む3部構成。サトミツさんのパワーポイントを駆使したトイレについてのお話にみんなでうなずき笑い突っ込みながら、その奥深さに惹き込まれていきました。




サトミツ&ザ・トイレッツで今年作ってリリースした『ホワイト・アルバム』は、控えめに言っても、曲も良くて演奏も気が利いていて、とても良くできた作品になりました。様々なパターンの楽曲がありますが、それを完全にライブで再現できるということもバンドの強み。ライブ後にはシンガーソングライターKANさんが自身のラジオ番組のなかでこの作品を「2017年レコード・オブ・ジ・イヤー」に選出してくださるというご褒美もありました(KANのロックボンソワ)。この日ステージ上で演奏しながら、こんな贅沢な遊びはないなあと感じたのです。おしゃべりやMCも楽しいし。このバンドをやり始めて3年になりますが、音楽が「音」を「楽しむ」と書くことを思い出させてくれたり、バンドのやり方を勉強しなおしたり、ためになることばかりだったなあと思います。来年も予定が決まってきているのでサトミツ&ザ・トイレッツは続くのでしょう。僕はそれが楽しみで、他の現場で何か難しいことや壁にぶつかったらこの場所に休憩しにくるんだろうなと思います。
楽しい仲間たちと、とても楽しい夜でした。また来年。