2018年02月15日

HMVキチレコへ向けて|ニューシングル『Punctual/Punk』



今年に入って『101 ESSENTIAL ROCK RECORDS』という写真集を買って、時間があると頁をめくって眺めているのだけど、見入ってしまうのがダムドとかベルベット・アンダーグラウンドとかラモーンズとかなのはなぜだろうか。そしてパティ・スミスの『Horses』が投げかける視線に手が止まって、ロバート・メイプルソープの写真の魅力を今改めて思う。僕は80年代末から90年代にかけてカレッジ・レディオとオルタナティブ・ロックの洗礼を受けたので、革ジャンや安全ピン、細いブラックジーンズなどのパンクミュージックやファッションを経験していない。それがゆえに憧れにも似た感覚がずっとあるのかもしれない。自分は優等生にも劣等生にもなれないで今まで生きている。そんなふうに今でも思うのだ。

映画『パーティで女の子に話しかけるには』を観たときに、パンクとは何か?という問いかけに「ブルーズの最終型」と答えるシーンがあって「なるほど」と思った。今までやったことがない、作ったことがないパンクに俄然興味が出たので、キチレコに託つけてパンクをやろうと思い立ったのだ。普段の活動では絶対やらないことをやるのに、音楽とユーモアをテーマにしたキチレコのような場は最適なのだ。エレキギターのシールドをアンプに突っ込んで歪ませて、中学生みたいなコード進行でかき鳴らすと胸がすっきりする。あっという間に曲ができたけど、問題は歌詞。パンクがブルーズの最終型ならば、「my favorite things」の真逆の歌を作ればいいと思ったから「めんどくさい」と悪態をつく歌ができた。それでも結局根が真面目な自分は体良くきちんとこなしてしまう、という等身大のパンク。几帳面、真面目という意味の単語を冠して「punctual punk song」というタイトルになった。ドラムはGOMES THE HITMANリハーサルのときに須藤さんに叩いてもらった。パンクには打ち込みは似合わない。

次に取りかかったのは10年前に書いた曲。たしかコンペのために提出して戻ってきた曲だったと思うが、僕はその焦燥感や突き抜けた感じがとても気に入っていた。言うならばメロコアとかエモとかパワーポップというカテゴリーに入る、パンキッシュな演奏が似会う曲、この機会を逃したら再演する可能性が低いと思ったので、10年前よりもキーを全音下げて、テンポを1.5倍早くして基本トラックを作り、個人練習でスタジオに入って自分でドラムを録音した。1時間ひとりでドラムを叩き続けて汗だくになったけど感じたことのない達成感がある。「interstate highway star」という曲、歌詞を今の心境で書き換えたので2018年の歌に昇華された、と思う。「punctual punk song」とこの曲はいつものレコーディングとは異なりハンドマイクで身体を曲げて揺れながら歌入れした。

もう1曲、これは僕自身が忘れていた、化石のような曲。1993年、GOMES THE HITMANを結成して最初のライブで演奏するために書いた英語詞の曲があって、イントロのギターははっきり憶えていた。うろ覚えの歌詞を繋いで、見つからないパーツは想像しながら補完していく。「僕は白旗をあげる/そして寄贈するんだ」というフレーズは忘れたことがなかった。「スミス」という同時期に書いた曲はその後も頻繁に演奏され、2016年には『pale/みずいろの時代』できちんと音源化することができたが、この「endow」という幻の曲を録音するなんて思わなかった。ミドルテンポのメロウな曲だけど、19歳の僕の初期衝動で書かれた歌はパンク精神にあふれていたと思う。「endow (high five song)」と改題して収録。

誰に頼まれたわけでもないこの音源だけど、つまるところ自分自身と向き合うことになった。4日間で録音とミックスを終わらせたことで疾走感あふれるものになったと思う。多分僕はこれから先、月末になるたびに「punctual punk song」を口ずさむのだろうな。アートワークはパティ・スミス『Horses』のオマージュ、ポチ実にも頑張ってもらって半日かけて撮影した。ロバート・メイプルソープの写真を見つけて研究して影の具合もかなり近づけたと思う。ギリギリまで作業したのでCDではなくCDR作品になったが、2018年の最初の熱のようなものが確実に封じ込まれたレコード(記録)になったと思います。HMVキチレコでご購入できます。ぜひお手にとってみてください。



山田稔明 new single
Punctual/Punk(GTHC-0011/1200円税別)


1.punctual punk song
2.interstate highway star
3.endow (high five song)

written, performed, recorded and mixed by toshiaki yamada
drums on M1 by toshiaki sudoh(GOMES THE HITMAN)
recorded at kichijoji in feb 2018 for “HMV kichireco vol.1” exhibition

artwork by hoopline
inspired from “patti smith / horses(1975)”

produced by toshiaki yamada


DT-GOsCU8AA9WiV

キチレコとは?……『吉祥寺に夢のレコード屋を!』そんなテーマでミュージシャン、漫画家、
イラストレーター、デザイナー等が集結 ! 絵描きは音楽を、ミュージシャンは絵を、 絵と音楽が入り
乱れてのレコードをテーマにしたアートイベントがキチレコ ! そのキチレコが、開店1周年を迎えた
HMV record shop 吉祥寺店をジャック! インストアライブ、イベント盛り沢山で待ってます!

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Posted by monolog at 09:14│Comments(1)
この記事へのコメント
┃&・;)のそり…(笑)

チャッツワースでのライブはたくさん笑いましたよ♪(^0_0^)

ガメス・ザ・ヒッメンや“パーティいかなあかんねん”そして、見事な煽りからの「punctual punk song」のバンド・バージョン(笑)

そして帰宅して聴く「endow」に震える!!( ☆∀☆)

これはストーン・ローゼスですな♪

このブログを読んで、なるほど当時の山田さんの趣味がストレートにでていると納得。

小沢健二の日本語詞を聞き、伝わらない英詞で歌っている場合ではない!との発言に笑ってしまいましたが、僕はこの「endow」や「スミス」が大好きです♪(^0_0^)

言葉は伝わらないけど、僕にはビンビンと伝わってくる何かがありますぞ!!(_ ´Д`) ノ~~~

本当に「endow」は大好きです♪(・&・)ノ

まだ他にも初期英詞楽曲があるようならばまとめてCDにしてもらいたいですよッ!( ロ_ロ)ゞ
Posted by ドラム猫 at 2018年03月14日 19:18