2018年02月21日

ちよだ猫まつり2018(2018年2月17日 @ 千代田区役所)【ライブ後記】

先週末土曜日は千代田区役所での「ちよだ猫まつり」でした。僕と近藤研二さんは第一回目からずっと歌を歌わせていただいてきましたが、3年目となる今年はそこに「むぎ(猫)」という天国帰りの猫を迎えるということで僕らも、そして全国から集まったお客さんも心から楽しみにしていたのです。インフルエンザという如何ともしがたい事情のため沖縄からむぎちゃんが来られなくなったので、僕と近藤さんは予定していた倍の時間のステージを任されることに。みんなの落胆を払拭するような音楽を奏でなければならないのです。

お昼過ぎから会場にいましたが、今年もとにかくお客さんの数が多かった。これまでで一番じゃなかったかな。マーケットスペースを一周歩いてみましたが、様々な猫雑貨は目にも楽しくお祭りがどんどん育っている感じがしました。夕方16時からまず僕のソロのステージ。ポチ実のテーマソング「きみは三毛の子」からスタート、猫関連のイベントでは「猫のいる暮らし」という曲を歌うことが多いのですが、この日は1999年の『weekend』から「猫のいた暮らし」を。子供の頃一緒に暮らした猫を思って20代前半に作った歌。スピッツカバー「猫になりたい」、「光の葡萄」を歌った頃から夕暮れの色が空にさしてきた。「セラヴィとレリビー」に出てくる“猫”と“レコード”は僕の音楽のなかで頻繁に韻を踏む言葉。

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近藤さんの独奏にバトンを渡し、ステージを取り囲むお客さんの姿を最後尾から眺める。みんな真剣に音楽に聴き入っていました。今回、ちよだニャンとなる会や猫まつり運営スタッフのみなさんが第一回目から続く僕と近藤さんのステージを「ちよだ猫まつりになくてはならないもの」と考えていただいていることがひしひしと伝わってきて、とても嬉しく思いました。音響でお世話になるスタッフ陣も3年目なので連帯感のようなものが生まれているし、続けることっていうのは本当にそれだけで意味をなすのだなあと感動する。そんなことを感じながら近藤さんの演奏を聞いていたら、呼び込まれて再びステージへ。

沖縄のむぎちゃんから会場の皆さんへのメッセージを受け取っていたのでそれを読み上げましたが、いくつか仕掛けられたオモシロがちゃんと笑いをとって、とても和やかな雰囲気に。近藤さんボーカルでむぎの「アコギなショーバイ」、選曲したのは近藤さんで、とても近藤さんに似合う曲だなと思いました。むぎちゃんも「なんと通好みな選曲!」と驚いていました。続いてむぎカバー「どんなふうに」も大好きな曲。猫の視点になって「こんな不確かな日々を思うとき/嫌なことから忘れていけたなら」という歌詞を書いたときに「猫がそんなことを考えるかね?」と言われたことがあったけど、猫が哲学家だということは猫と暮らしている人ならみんな知っている。「月の光る夜には影が/闇の中にも落ちる/影の中の影が僕らさ」くらいのことをいつも考えているのが猫という生き物だ。「天国かもしれない」は何度聴いてもそのたびに泣いてしまう歌だが、気を張ったのでちゃんと歌えた。皆さんが喜んでくれて、むぎちゃんも感涙したそうで、僕らも嬉しかったです。

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第二部は「太陽と満月」「猫町オーケストラ」とテンポよく。「日向の猫」「小さな巣をつくるように暮らすこと」では会場の皆さんのコーラスが力強く響きました。言葉にならない「ラララ」という歌声はときに様々な意味を宿すのですね。大好きなものに囲まれて暮らす日々を謳歌する「my favorite things」はこの日々がずっと続きますようにという祈りの歌。「第2の人生」、そして「toi toi toi」という再生と幸運を願って祈るメロディで2018年の僕らのちよだ猫まつりは大団円となりました。長い時間をかけて(昨年の相当早い段階から)打ち合わせをして準備をして当日を迎えたちよだ猫まつり、予期せぬ出来事もありましたが、とにかく一日ずっと猫のことを考えるような、愛すべき日になったと思います。

お世話になったスタッフの皆さん、音響スタッフチーム、手伝ってくれたみんな、沖縄から魂を飛ばしてくれたむぎちゃん、遠くから近くからたくさん集まっていただいた皆さん、偶然通りかかって足を止めていただいた皆さん、あの場所にいた全員、そしてその縁を繋いでくれたり、いろんな場所に僕らを導いてくれる猫という小さな美しい生き物たちに心から感謝を。世界中の猫がみんな幸せでありますように。また来年も、その次も。

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Posted by monolog at 10:17│Comments(0)