2013年に出した『新しい青の時代』という作品収録の「光の葡萄」という曲のなかで「もう変わるはずのないことと安心してたかたちがゆらゆら揺れている」と歌う一方で「変わるはずなんてないと諦めてしまったこと」も状況は変わり得る、とも歌っているのだけど、その真意は当初自分のなかではぼんやりしたものだった。それが時間の経過とともに明快になっていくから繰り返す季節にはすべてに固有個別の意味があるのだなと思う。もう叶わない想いだと思っていたことがむくむくと動きだしたり、当たり前だと思っていたことが音を立てるようにがらっと変遷していく日々に。
昨晩、遠方に向けて慣れない電報を打ちながら静かに考えたのも、存在と不在のコントラスト、変わらないものと変わってゆくことについてだった。春というのはいつもこんな感じの季節だった、と春になるたびに毎度のごとく思い返す。今日は「光の葡萄」は歌わないけれど、新しい季節の歌をたくさん歌いたいと思います。本日蔵前NAOT TOKYOでのライブは17時半から。完売御礼。
