2018年04月24日

“鎌倉よりみちLIVE” OZmagazine × トラベラーズファクトリー × 山田稔明(2018年4月22日 @ 鎌倉 moln)【ライブ後記】

日曜日に鎌倉に行くのはなかなか大変だけど(渋滞とか混雑とか)それに見合ったご褒美のような景色やご馳走や、他では得難い喜びを日常に持ち帰ることができるから好き。横浜横須賀道路から逗葉新道へ、逗子のほうから海を見ながら鎌倉へ。この日はモルンからお誘いいただいたオズマガジンとトラベラーズファクトリーとのコラボレーション企画でした。モルンに到着したときからすでに和やかな雰囲気で妙な緊張感のかけらもなくて、良い予感がしました。久しぶりにカフェ・ヴィヴモン・ディモンシュに行ってパフェ、堀内さんとも談笑できた。昔は遠かったのに、今鎌倉に行くと、宿り木のような、立ち寄りって挨拶を交わせるお店があるのが嬉しい。

イベントは、まずオズマガジン古川さんとトラベラーズファクトリー飯島さんと僕でトーク。いい年したおじさん3人で決め事もなく始まったおしゃべりでしたが、よく噛み合って、有益な言葉がいくつもあったと思います。オズマガジンとトラベラーズファクトリーのコラボで完成した「よりみちノート」はわくわくする余白がたくさんある、“育てていく手帳”だと思いました。「さんぽ」「よりみち」「とおまわり」ってやっぱり必要なのでしょうね、われわれの心と身体には。それと、「宝笑」と書いて「ぽえむ」と読ませる名前をここ最近ずっと推していたのを、この日みんなに伝えられてすっきりしました。

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ライブは「どこへ向かうかを知らないなら」でスタート、「手帳に挟んでずっと隠してた」と歌われる手帳はトラベラーズノートのこと。そのまま「一角獣と新しいホライズン」と続けました。トラベラーズファクトリーは最近深い青のカバーのついたノートを新ラインナップに加えて「新しい青のノート」と銘打っているのですが、トラベラーズファクトリーとの付き合いが『新しい青の時代』を出した2013年から始まったと思うと感慨深いものがあります。5年も経った。現在録音中のGTH『SONG LIMBO』のなかからの「虹とスニーカー」は夏の訪れをうきうきと歌った歌。何回りかしてとても素直に歌うことができるようになった。そして4月なのに25度を越えていこうとするようなこの日にフィッシュマンズの「Weather Report」を歌いました。

鎌倉でのライブなので特別なことを、と思ってサザンオールスターズのカバーを2曲。「鎌倉物語」は中学生のころに湘南への幻想をかきたてた、『kamakura』という名盤のなかで一番好きな歌。もう一曲、初めてカバーした「希望の轍」は1990年映画『稲村ジェーン』の挿入歌として発表された曲、高校2年生だった。僕の書く歌詞において頻出単語の部類に入る「轍」という言葉を最初に知ったのはこの曲がきっかけでした。実際の歌詞中には「轍」は出てこないから余計に印象的だったのです。国民的メロディだな、と歌いながら、キーを高く設定したぶん気分がすっとする感覚がありました。

日曜日に歌われる「glenville」は響きが良い。これも寄り道する歌でした。トラベラーズノートについて歌った「notebook song」は久しぶりでしたが、これは近いうちにバンドで勢いよく録音したいなと思っています。「my favorite things」も「small good things」も歌なかに散りばめた言葉が鎌倉の街と呼応して、電車と踏切の音の向こうに「遠すぎて聞こえないはずの潮騒」が聞こえた気がした。アンコールには「セラヴィとレリビー」、そしてオズマガジン編集部チームのリクエストに応えて「calendar song」を。全然肌触りの違う2曲なのに、どちらも春夏秋冬、と季節を想うのだなと僕は歌いながらハッと思ったのでした。とても楽しい一日でした。今日は掛け値なしに良いライブだった、と自分でも思いました。こういうことが年に何回かあるのです。

オズマガジンの皆さん、トラベラーズファクトリーの皆さん、モルンの綾ちゃんと五十嵐くんにも感謝。たくさんのご来場ありがとうございました。




Posted by monolog at 10:08│Comments(0)