2018年07月12日

夜の科学 vol.54 - 新しい青の時代 revisited(2018年7月7日 @ 恵比寿 天窓switch)【ライブ後記】

7月の恵比寿2デイズは昨年末から決まっていたスケジュール。これがWレコ発になることは2月に本決まりになったので、とても助走期間の長い、強い思いのこもったものになりました。まずは山田稔明『新しい青の時代』5周年記念アナログ盤の発売記念ライブ。この5年の出来事を思い出さずにはいられない、総勢メンバー9人での夜の科学オーケストラでした。午後に会場入りして開場直前まで入念なリハーサル。満員御礼の会場、開場時のBGMはジョニ・ミッチェル『BLUE』でした。

第一部は『新しい青の時代』全曲を曲順通りにすべて演奏します。僕のアコースティックギターの空ピッキングとハーモニカに始まり、音源に忠実に安宅くんはバンジョーを弾いてくれました。「ボブ・ディランにもわからないこと」と高らかに歌う。「一角獣と新しいホライズン」では五十嵐くんと僕と安宅くんでアルペジオのリフを弾き、近藤さんのエレキギターがそこに絡みます。イトケンさんとエビちゃんのリズム隊も躍動的。「光と水の新しい関係」ではレコード同様に僕がギターソロを弾きました。「予感」では上野くんのフルートが登場、安宅くんはクラリネットに持ち替えます。綾香のコーラスが並走して、間奏部分のアンサンブルも素晴らしかった。いつも学校の放課後のことを想起させる歌。「平凡な毎日の暮らし」はこの日もエビちゃんの真骨頂でした。レコードだとA面はここまで。心のなかでB面へとひっくり返します。

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真里さんの美しいピアノが誘う「月あかりのナイトスイミング」はバンド編成時の醍醐味です。真っ青な夜の海が遠くに見えた気がしました。転調から最後のサビへ向かうところの一体感にいつも泣きそうになる。「やまびこの詩」では客席からの声もこだまして会場全体が「僕らのとっておきの場所」になった気がしました。「光の葡萄」の音の渦もすごかったな。そして「日向の猫」の大合唱は見事なものでした。5年前にポチが元気だった頃とは違う感慨をいだきます。「ハミングバード」は『新しい青の時代』の最後を飾る、収録曲のなかでもっとも古い歌。2007年からのソロ活動がなかったら作ることができなかったはずの歌です。自分にとって大切な音楽仲間たちとこぞって『新しい青の時代』を鳴らすことができて嬉しかった。感動しました。

ここで地震が起きました。大きめで長い揺れだったようですが、高揚していた僕は揺れをあまり感じなかったので意気がったセリフを吐いてみんなを笑わせることができました。弾き語りで歌った「きれいな言葉で」という未発表曲は僕が40歳になった日に書いた歌でした。『新しい青の時代』のなかで書いたような、愛すべき日々の機微をこれからも書き留めて繋ぎ止めていきたいと思うのです、僕は。いつまでも。

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ふたたびメンバーを呼び込んで第二部。「glenville」「hanalee」などはもう10年も演奏しているのですね。いつまでも飽きないし、毎回新しい感覚。「小さな巣をつくるように暮らすこと」はまだちゃんとレコーディングしてない曲なのにバンドにすごく馴染んでいて不思議。最後の「ラララ」のリフレインがきれいでした。「大きな声や主語のない述語にはなるだけ耳をかさないほうがいい」と歌う「my favorite things」は押し寄せる波への僕の小さな抵抗。美しい言葉とささやかな願いを束ねていきたいのです。「太陽と満月」はバンドのみんなが楽しそうなのが嬉しい。メンバー紹介の部分はいつもなりゆき任せのぶっつけ本番なのだけど、この日もばっちりうまくいった。

アンコールで演奏した「セラヴィとレリビー」、個人的にはこの日のハイライトでした。昨年末に書いて弾き語りでずっと大事に歌ってきた新曲が半年かかってようやくバンドサウンドになって感動しました。もともとこの歌はレコードと猫のことを歌おうと思って書き出したから、『新しい青の時代』のレコード発売記念ライブにふさわしいのです。レコードの針飛びの原因は大抵が傷ではなく汚れだと言います。だから、丁寧に拭けば絶対またちゃんと再生されるはずなのです。不可逆なものではないということ。あきらめない気持ち。「春夏秋冬」と四季を歌う曲がアンコールにふたつ続くのは偶然か必然か、「calendar song」はただただ楽しくて新しい季節のことを思いました。予定にはなかったけど引っ込みがつかなくなって最後に「あさってくらいの未来」を。ボーナストラックとして曖昧な立場になりがちなこの歌ですが、僕が書いたバラードのなかで屈指の言葉とメロディだと自負しています。これからも大事に歌っていくつもりです。終演後に流れたのはblueboy『if wishes were horses』、僕にとって一番“青い”レコード。

終演後、『新しい青の時代』アナログ盤を皆さんに手渡しながら、夢がひとつ叶ったなあととても幸せな気持ちになりました。レコードを胸の前に抱いている人はとても素敵に見えます(個人的見解)。もしこれを機会にレコードプレイヤーを買ったという人はぜひどんどんレコードを買って聴いてみてください。今Twitterに生涯影響を受け続けているレコードを紹介しています。クラウドファンディングをサポートしてくださった皆さん本当にありがとうございました。プロジェクトが大成功に終わって、予定していたよりも多めにレコードをプレスできたので、今日明日のうちにオフィシャル通販STOREで『新しい青の時代』アナログ盤の通販受付を開始したいと思っています。これからも『新しい青の時代』をどうぞよろしくお願いします。僕にとって一生モノの宝物です。皆さんにとっても意味のあるものでありますように。

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Posted by monolog at 11:01│Comments(0)