先週7月25日にGOMES THE HITMAN13年ぶりの新録盤『SONG LIMBO』と2000年代3作品コンピレーション『00-ism』、そして『新しい青の時代』アナログ盤がいっぺんに全国発売となりました。毎年恒例で、リリース日近辺にはレコードショップ挨拶まわりをすることになっているんですが、別にこれは必ずやらないといけないことでもなんでもなくて(メジャー時代は営業スタッフに引きずられて行ってたけど)、やっぱり自分の目でどういうふうに展開されているかを見たいからドキドキしながら行くわけです。「このお店はものすごく応援してくれてるよ」という前情報がある場合もあるけど、基本的には行ってみてからのお楽しみ(というか不安のほうがいつも大きい)。
店着日24日がライブだったので、発売日にまず二子玉の蔦屋家電に行ってみると、もうそこはやりすぎっていうくらいにGOMES THE HITMANと山田稔明を展開してあるから疲れが吹き飛んだ。宇多田ヒカルさん話題作の横が全部ゴメス関連。インストアイベントがあるのでお店の推しもすごい。椅子席は全て埋まったとのことで安心、とにかく個人的に東京で一番キラキラした空間だと思う蔦屋家電で観覧フリーのイベントをやれることが嬉しいです。今週末8月3日、みんなぜひ来てください。蔦屋家電でいろいろ眺めていたら時間が過ぎてしまって、渋谷へ行く頃には夕暮れ。
HMV record shop渋谷はこれまでのリリースではお世話になることがほとんどなかったお店。今回『新しい青の時代』アナログ盤をリリースするおかげでお店入ってすぐのいい場所にジャケットが見えるように置いてもらえて幸せ。隣には高橋徹也『The Endless Summer』、ふたりしてアナログリリース作戦のミーティングを重ねた1年だったから感慨深い。もじもじしながら「あの、これ歌ってる山田というものなんですが…」と店員さんに話しかけてコメントカードを書かせてもらって写真を撮る、というのがレコードショップ挨拶のミッションです。
タワーレコード渋谷店は3階のJ-ROCKから。ポップ(看板)が作ってある!試聴機にも入れてくれてて嬉しい!隣は九州の後輩カンバス、みんな頑張ってるなあと思う。珠玉混合のシティポップやギターポップ、好きなもの嫌いなもの、かっこいいのもダサいのも、たくさんの音楽が世界に溢れている。この機会に他アーティストの音源のチェックも欠かせない。5階にのぼるとずっとお世話になっているパイドパイパーハウス。会えないと思っていた長門芳郎店長がいてハグ。長門さんとはGOMES THE HITMANがメジャーデビューするときに「誰か会いたい人はいる?」とスタッフに聞かれて「長門芳郎さんと渚十吾さん!」と答えて会食をして以来のお付き合いで、もうあれから20年が経とうとしてる。パイドパイパーハウスでもこのリリースと関連したイベントができたらな。
新宿に着く頃にはもう夜だった。タワーレコード新宿Flagsは2000年代からインストアライブなど様々な機会にお世話になってきた。売り場に行くと試聴機1台をすべてGOMES THE HITMANが占拠して、「オレたちのGOMES THE HITMANの帰還!」みたいな強烈なポップが。このポップを描いてくれたスタッフさんがこの日休みだったのでまた改めて挨拶に行かなければ。アナログ盤も入荷してくれていて嬉しい。今回『新しい青の時代』アナログ盤はアマゾンでは買えません。HMVやタワー、個人店、あるいはオフィシャル通販STOREでお求めください。もう数も少なくなってきました。発売日の挨拶まわりは以上。
翌日、タワーレコード吉祥寺へ挨拶。地元のレコード屋に自分のレコードが並ぶのはくすぐったい。ディスクユニオンは僕がプライベートでもっとも足繁く通うショップなんだけど、そこにも『SONG LIMBO』が置いてあって妙に恥ずかしくて、結局挨拶せずにお店を後にしてしまった。レコードマニアとして変な心情である。HMV record shop吉祥寺コピスは今年からキチレコなどで仲良くさせてもらっているお店、買い物に行くと店員さんと挨拶を交わすようになったから、今回の3タイトルリリースも本当に心強くサポートしてもらっている。ここも宇多田ヒカルさん横のスペースが全部GOMES THE HITMANと山田稔明。本当うれしい。疲れたら家路に着く前にここに来たら元気が出そう。パワースポット。8月5日のイベントにぜひたくさんの方に集まってもらいたい。よろしくお願いします。「さすが地元の山田さんだな」とHMV吉祥寺さんに喜んでもらいたいのです。
高円寺にあるDisque Blue-Veryは小さな個人経営のビンテージレコードショップですが、DJをやってる友人から「『新しい青の時代』に興味を持ってアナログ入荷してたよ」との情報を得たのです。ネオアコのレコードがたくさんあるらしいと聞いていたので勇んで行ってみたら、10年探してたレコードを見つけて興奮して挨拶より前に会計を済ませてしまった。あらためて挨拶して店主中村さんとの話も盛り上がり、こういう小さなお店にも自分の作品が置かれるのが嬉しいと思った。
今回のリリース、VAPからの『00-ism』は余裕を持った制作スケジュールで進んだ一方で、自主レーベルで取り仕切った『SONG LIMBO』は毎年の例にもれず発売期日のための入稿デッドラインぎりぎりまで悪あがきをして作業をしてしまったので、流通をお願いしているブリッジINC.にはまた苦労をかけてしまって、全国店舗からのじゅうぶんな発注期間が取れなかったはず。SNSに報告を載せるのは見栄えのするやつがメインだったりして、なんかものすごく盛り上がってるように見えるかもしれないけれど、全然今回のCDを入荷していない街があることが判明していたり、挨拶にいってもCDが1枚だけで店員さんがそっけなくて(忙しいなかアポなしでいく自分が悪いんだけど)シュンとなる場合もあるし、なにより東京以外の地方での展開具合は未知数なわけです(だいたいの出荷枚数はわかってる)。
僕らはもう新人ではないので、CDを出すことが目的だったりそれで満足することはなくて、それが今までよりたくさんの人の手に広がっていくことが重要だということがわかっていて、だからお店にいっぱいCDが展開されているのを見て、素直に嬉しいなとは思うけど、同時に「こんなにたくさん置いてもらっても売れるかな…」とそわそわドキドキする。このブログを読んでくれているような人は先行レコ発ライブとかオフィシャル通販とかでもうすでにCDやアナログ盤を買ってくれている人がほとんどだと予想していますが、ぜひお友だちや同僚、音楽好きの仲間なんかにGOMES THE HITMANと『新しい青の時代』アナログ盤を広めていただけたらな、と切望する。今日は火曜日で商品の店着日、いわゆるフラゲ日で、毎週毎週水曜日におびただしい数のリリースがあってレコード屋の棚もガラッと姿を変えていく。今日まで派手にディスプレイされている僕らのCDたちがもう明日には「こ」の棚、米米CLUBの横あたりで背表紙だけを見せて小さく収まってるかもしれないくらい、時の流れは慌ただしいし、バンドは休む間もなく作品を遠くまで届けるためのあれこれに策を打たなければならないのです。
そしていつも応援してくれる皆さんの“草の根プロモーション”というものがどれだけ音楽家であるわれわれの支えになることか。みんなが小さな声ででも「GOMES THE HITMAN」とか「新しい青の時代」と呟いてくれるだけで、そこに生まれるサムシングニューがあるのです。どうぞ発売から1週間の『SONG LIMBO』『00-ism [mono/omni/ripple] 』『新しい青の時代』アナログ盤を引き続きよろしくお願いします。