満員御礼の客席。何年も続く風景ですが毎回嬉しい。開場時に流れていたのはThe Meters、登場SEは名コンピレーション『GHOSTS OF CHRISTMAS PAST 』のなかのアズテック・カメラ「Hot Club of Christ」でした。「どこへ向かうかを知らないなら」で始まるのが恒例のスタイル。他愛のない幸せがクリスマスの夜みたいに君の街にも訪れますように。「home sweet home」「glenville」なんかはもう10年以上演奏してきた曲。来年はソロCDデビューから10年という節目になるのだ。感慨深い。


今年の年末「夜の科学」は出演メンバーのソロパートを設けました。加古川で安宅くんと共演したときに彼の歌をステージ横で聴いてしみじみといいなあと思ったことがきっかけ。まず恒例の景品大会最初のタイミングのあと安宅くんに「それでいいんじゃないかと」を歌ってもらいました。即興的に他のメンバーが音を足していくのも面白かった。「予感」では安宅くんはクラリネット、上野くんフルート、僕はそのふたりを眺めるのが大好きなのです。「月あかりのナイトスイミング」と「日向の猫」は佐々木真里さんがアレンジしてくれた歌。この日は一段と力強く響いた気がしました。真里さんとはクリスマスイブ24日に巣巣でまた一緒に。
五十嵐くんが音楽的イニシアチブをとるバンド「草とten shoes」は妹分のようになってきたけれど、いったい僕にはどれくらいの妹分がいるのだろうか。僕を師匠と呼ぶ綾香だって年の離れた妹のようなものだ。草tenに提供した「冬の日の幻」を五十嵐くんのギタレレで演奏。とてもいい曲です(五十嵐くんの日記はこちら)。そして年内で等々力での営業を終了する巣巣のために作った「小さな巣をつくるように暮らすこと」、人と人との繋がりが歌を生むのだと実感する。近藤研二さんが夜の科学オーケストラに参加するようになったのは2015年からだけど、もうずっとそこにいたような気さえするから不思議。
その近藤さんはギター独奏で流麗な「誕生日」と「Greensleeves」を。自分が今日誕生日だったことにハッとする。初めてこのバンドで演奏する「小さなハートブレイク」、そして「セラヴィとレリビー」がこの日の個人的ハイライト。感情がブワーっと湧き上がった。「calendar song」も楽しかったなあ。作ってよかったなあと四季ごとに思う曲。


アンコールでステージに戻ったらサプライズのバースデイケーキがステージへ届けられて苦笑しながらろうそくの火を吹き消した。いつも心強いスタッフ陣にも感謝。ステージ上で一番付き合いが長いのはイトケンさん。「hanalee」をワンコーラス弾き語りしたあとにリズムが入ってくる瞬間が僕はとても好き。「sweet december」を演奏しようとしてまた僕が拍子を間違えてみんなが神妙な顔をするという恒例のハプニングがあったりしましたが、最後は「ハミングバード」。すべての瞬間が楽しかった。こういうことってあんまりないのです。
たくさんのお祝いをありがとうございました。45歳になりましたが、あと倍の時間、90歳まで歌って、残りの10年は好きなことをしてダラダラ過ごして100歳で死ぬというのがこれからの目標になりました。健康第一でいきたいと思います。これからもみなさんの期待に応えて予想を越えていくような活動をしたいです。お付き合いください。