2018年12月30日

GOMES THE HITMAN13年ぶり新録音盤『SONG LIMBO』|来年1月21日からサブスク配信開始

今年2018年はGOMES THE HITMAN結成から25周年の年でした。アニバーサリーイヤーになんと13年ぶりとなるCDをリリースできたことが本当に嬉しかったです。3月から3ヶ月をかけて、リハーサルスタジオでそれぞれの楽器と音響機材を持ち寄ってメンバーだけで録音しました。13年前とはまったく違う録音環境でしたが、これまでで一番風通しのいいレコードになったのがとても不思議でした。変わらない部分と変わった部分のコントラストを興味深く眺めました。このCDはこれから先の10年遜色なく皆さんの暮らしをウキウキさせたりセンチメンタルにさせたり少しの力になったりするような作品だという自負があります。もっともっとたくさんの人に聴いていただけますように。

年が明けて1月21日(GOMES THE HITMANメジャーデビューの記念日です)からこの『SONGLIMBO』そして副読本的CD『SONG LIMBO REMIXES』のサブスクリプション配信がスタートします。Apple MusicやSpotify、ラインミュージックなど主要なサービスすべてでお楽しみいただけるようになり、ハイレゾ配信も同時に開始されますので、もっと身近に、耳の中で、仕事中のPCで、GOMES THE HITMAN『SONG LIMBO』をお楽しみいただければ幸いです。オフィシャル通販STOREで『SONG LIMBO』『SONG LIMBO REMIXES』をお買い求めの方には気まぐれにいろんなおまけをつけてお送りしていますのでこちらもご利用ください。


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GOMES THE HITMAN13年ぶりの新録盤
解き放たれた四つの季節の歌たち


GOMES THE HITMAN
SONG LIMBO

<曲目解説>

1. way back home
2001年ライブ会場限定CDR作品『SONG LIMBO vol.1 - summer falls』に収録。ストイックでメロウなサウンドはその後の『mono』へと繋がる。夏のライブのオープニング定番曲がようやく正式音源化。けだるいムードで「夏休みは終わったのさ」と始まるこの楽曲で13年ぶりのCDがスタートするのが、なんだか僕たちらしくていいなと思いました。低気圧のなか厚くたれこめる雲、くぐもった空、誰もいない海、もうひとつの夏のスケッチです。



2. 虹とスニーカー
CDR作品『SONG LIMBO vol.1 - summer falls』収録。激しいスコールの後に雲を散らし乱反射する太陽のような、20世紀の終わりに生まれて、時を超えて鳴り響くサマーアンセム。「虹とスニーカーの頃」と言えば1979年にチューリップが世に放った名曲ですが、僕はタイトルを借り、'90年代の風景を切りとって季節の歌を更新したかったのです。



3. 晴れた日のアスリート
CDR作品『SONG LIMBO vol.1 - summer falls』収録。90年代後半に書かれたこの曲の背景にはアトランタ五輪?それともフランスワールドカップ?花開く瞬間に僕らがしかるべき態度で振りおろす拳。今と違って煙草も吸って、意気がってウィスキーなんかも飲んだりしていた、小生意気な20代の僕が背伸びして書いたポップソングです。



4. 世紀末のコロンブス
CDR作品『SONG LIMBO vol.2 - autumn yawning』収録。季節は世紀末の秋。新世紀を目前にした2000年に書かれた。混沌とした終末世界を旅する旅団は当時のバンドの投影か、あるいは山田が'90年代に飼っていたハムスターの親子がモデルか。2011年の東日本大震災以来、歌詞の意味が変容し、しばし弾き語りでも披露されてきたGTH流ソフトロック。

5. 晴れ男と雨女
2001年、「饒舌スタッカート」キャンペーン中に宿泊したホテルで書かれ、『omni』インストアイベント参加特典として山田デモ音源がCDRで配布された曲を、初めてバンドでセッション。『cobblestone』期のバンドだったら、という想定でアレンジされ、今回正式音源化。山田は自他ともに認める晴れ男であるが、メンバーに雨女がいるかどうかは不明。

6. 黄昏・夕暮れ・夜明け
'90年代の終わりに書かれ、CDR作品『SONG LIMBO vol.2 - autumn yawning』に収録。思春期に体験した友との別れを秋の風景描写を借りて歌った黄昏の歌。遠くに虹が見えるベランダには花が咲き、悪いジョークではなく昔話で盛り上がる僕ら。力強いサウンドを伴って蘇りました。



7.恋の見切り発車
CDR作品『SONG LIMBO vol.3 - christmas review』収録。2001年に「拍手手拍子」が日テレ系「世界超密着TV!ワレワレハ地球人ダ!!」のEDソングに採用され、改編を機に番組でオンエアされることを狙って書かれた(結果的には「饒舌スタッカート」がその役割を継ぐことになる)。躊躇する者の背中を押すポップチューン。

8. 桃色の雲
CDR作品『SONG LIMBO vol.3 - christmas review』収録。冬の夕刻の空を埋め尽くす桃色の雲の風景。リッキー・リー・ジョーンズへのオマージュ的なギターリフから始まり、ブルージーなピアノが伴走する、バンドにとっては異色な曲だが、'00年代前半における山田のアメリカーナ音楽への傾倒が反映された作風は「そばにあるすべて」(『omni』収録)に繋がったのかもしれません。

9. churchbell’s ringing
CDR作品『SONG LIMBO vol.3 - christmas review』収録。GTHには「snow time blues」という未発表のクリスマスソングがあるが、諸事情(ある名曲とサビのメロディ8小節がまったく同じだったのです...)によりレコード会社から発売が拒否され、その代替曲として’90年代の終わりに書かれたのがこの曲。結局正式リリースまでに20年近い時間が経ちました。



10. 北の国から
結成直後のバンド黎明期、大学在籍中に書かれた、本作中で最も古い楽曲。同名の名作ドラマに触発されているが(◯◯なわけで...という独特のモノローグが歌詞に用いられている)、地方と都会、季節の変容など普遍的なテーマで青春を歌う曲に昇華した。「life in a northern town」というドリーム・アカデミー名曲から引用された副題がつけられていたが、よりシンプルなタイトルを冠して待望の初音源化。

11. スプリングフェア
‘90年代中盤、大学時代から演奏された歌。シンプルな循環コードとメロディの強弱さえあれば名曲が生まれる、と主張する当時のメンバーと共作された。デビュー後も様々なアレンジにトライしたが、今回は当時の演奏を忠実に再現。ギター、パーカッション、男女ユニゾンのツインボーカルに始まり疾走するリズム。GOMES THE HITMANらしいサウンドで初音源化。岐路に立つ春に物思う若者の群像劇。



12. 山で暮らせば
CDR作品『SONG LIMBO vol.1 - summer falls』収録。大学在学中に書かれた。山田のボーカルと堀越のピアノのみで歌い上げられる、田舎の夏の風景描写がのどかなフォークソングだが、実際には山田稔明は山で暮らしたいとはこれっぽっちも思っていない。本作中ただひとつ、猫が登場する曲(犬も)である。



GOMES THE HITMAN『SONG LIMBO』(GTHC-0013/2778円+税)
全12曲収録/2018年7月25日(水)発売



Posted by monolog at 10:05│Comments(0)