2019年06月07日

20年目の週末|物語の完結と新しい日常

maybe_C1_S

マキシシングル「new atlas e.p.」とアルバム『cobblestone』を経た集大成として2000年6月7日(19年前の本日)「maybe someday e.p.」が発売された。(『weekend』の青い車から乗り換えて)緑の車を買って郊外に家を建てて僕らの暮らしは物語の続きを続けていく。杉真理さん、斎藤誠さん、そして村田和人さんも加わったレコーディングはとにかく楽しかった。今まで苦しいばっかりだった制作作業をニコニコしながら楽しめたことは僕にとって新しいブレイクスルーだった。「maybe someday」には「最後まで付き合ってくれてありがとう/言葉ではうまく言えないけれども」というエピローグ。全方位的な感謝を込めた。

この「まちづくり三部作」を携えて全国ツアーを行い、杉さん、誠さん、村田さんをゲストに迎えた渋谷クラブクアトロ公演で大団円。ひとつの季節が終わった、と感じる。実際1年以上かけてたどり着いた場所だった。この充実した個人的体感がセールスの結果と結びつくかというと、それはまた別の話で、GOMES THE HITMANの次のレコードリリース計画は暗礁に乗り上げてしまう。そこに降って湧いたようにテレビのバラエティ番組のエンディング曲に抜擢されるという案件が。

リリース予定もままならないまま録音した「拍手手拍子」という前向きなメッセージソングがテレビから流れたときは嬉しかった。井上富雄さんによるプロデュース、僕が中学生の頃から大好きなHOOTERSというバンドからアレンジを引用し、キーボード堀越は真夜中の歩道橋でアコーディオンを猛特訓した。さらに番組改編に際し新たなるエンディング曲を、ということになって出来上がったのが「饒舌スタッカート」だった。今まで書いてきた曲のなかで一番焦燥感のある、いわばヤケクソ気味な曲、演奏するのがとても楽しかった。「饒舌」というのは「雨の夜と月の光」のなかの「耐え難き饒舌を」から繋がっている。プロデューサーは笹路正徳氏、マスタリングはロサンゼルス。最後の打ち上げ花火みたいなポップソング。

シングル「饒舌スタッカート」のジャケット撮影で僕はポチという三毛猫と出会う。それからあとのことはここに書く必要はないかもしれない。物語の完結と新しい日常、今から19年前の話。

Jozetsu_C1_S



Posted by monolog at 09:14│Comments(2)
この記事へのコメント
真夜中の歩道橋でアコーディオンの猛練習!すげえ!
そんなことがあったんだー
このジャケット、大好きです。
静かな雰囲気の中に強い眼差し。色合いと風合い。
Posted by ますだ at 2019年06月07日 16:23
怒涛(そらで書けるようになりたい漢字の一つです)のリリースラッシュ!
コンセプチュアルなアイディア、豊かな着想、確かなソングライティング、志を同じくする人達とのサークル。でも音楽シーンを読むことは、天気を読むのと同じこと。何が売れるかなんて、いつも後付けのセオリーのような気がします。

「饒舌スタッカート」こういう曲、たまらないですね。高ぶるヤング・アット・ハート。
ジャケットも素敵です。(GOMES、山田さんのソロともにいつもアートワークは素敵ですが)
アズテック・カメラのアルバム『Stray』を思い出しました。白、青、そして黒の陰影の深さよ。

山田さんとポチが同じ方向を見据えています。
天から舞い降りた天使、それがポチだったかもしれません。ひなたの似合う、ラブリーでノーブルな三毛猫。ポチは山田さんを初めて見たとき、何を思ったのでしょうね。

「私はなんにも知りません。しかし、伸びて行く方向に陽が当るようです。」
ー 太宰治 『パンドラの匣』より

「雨のよく降るこの」日本の梅雨入りの日に
Posted by naco at 2019年06月07日 19:24