セメタリーゲイトでつかまえて

映画『
イングランド・イズ・マインーモリッシー、はじまりの物語』を観た。だいたい思春期にTHE SMITHSの洗礼を受けた者の本棚にはモリッシー詩集がある。うちにも当然ある。この物語は“スティーブン”が“モリッシー”になるまでを描いていて、史実にどれほど忠実なのかは詳しくわからないけれど、そのエピソードの節々からTHE SMITHSの歌が聞こえてきた。僕が一番好きな歌は「
Cemetry Gates」なのだけど、その曲をモチーフとした(モチーフとなった)墓地のベントに座って詩人の言葉を言い合うやりとりにはグッときた。いつもいつまでも詩人でありたいし、詩人に憧れていたい、とこの映画を観て思いました。長い時間をかけて読んだ『ジョニー・マー自伝』がとても面白かったからマー視点の物語も観てみたくなる。
THE SMITHS/モリッシーへの熱ははしかのようなものだ、といつからか僕は思うようになった。サリンジャーやライ麦畑と同様のものだ。いくつになっても折に触れて思い出すたびに「ああ、この風邪は完全には治らないやつなんだなあ」と毎回ほくそ笑む。6月の雨の夜に『Queen is Dead』を聴きながら。
Posted by monolog at 23:58│
Comments(2) │
この映画、最後までスミスの曲でませんでしたね。映画の節々にスミスが隠れてたんだ。頭の中で流れるようになってたのか。スミス好きの人達は帰りにどんな曲が流れてたのかなぁ。山田さんはやっぱり「Cemetry Gates」でしたか?
学生の頃、休み時間は音楽で耳をふさぎ、授業中にコソコソ詩もどきのものを書いてたなぁ。スティーブンのように頭でっかちで自尊心のかたまりだったんだろうな。彼は自分からドアをノックして、開けた。諦めることをしなかった。どっちもできなかった自分は今何者でもない。
スミスを知らない人でも沁みる映画でした。
自分の青春にはワイルドやキーツやイエーツやサリンジャー、スミスもなかったけれど、せめて自分の言葉で書いてます。
その治ることのない微熱が続くうちはなんか大丈夫なのではないでしょうか。
セメタリーゲートでつかまえて いいタイトルですね
『The Queen is Dead』紙ジャケリマスター盤を聴き返しました。スティーブン→モリッシーの熱と痛み ''FEVER AND PAIN" を感じながら。
「Cemetry Gates」高橋徹也さんのブログにも、スミスの中で一番好きな曲と書いてありましたね。
私が初めて聴いたスミスは「Miserable」でした。
妙に朗々とした歌い方、音数の抑制されたサウンド、独特の雰囲気。激しい曲調ではないのに、静かな興奮が迫ってくるようでした。
そう、最初からスミスはスミスでした。
運命を計量しろ。
この身にそのひと山を割り当ててくれ。
おれのような者らが悔恨をかなぐり捨てるとき、
あまりにも強烈な甘美が胸の内に流れ込み、
笑わずにはいられまい。歌わずにはいられまい。
ー イェイツ「自我と魂の対話」より
いつの日も「心に茨を持つ少年」を内に秘めていらして下さい。そして、いつまでも「Charming
Man」でいらして下さいね。
P.S. フリッパーズ・ギターの「カメラ!カメラ!
カメラ!」のシングルバージョンは別名、スミス
バージョンと呼ばれていた気がします。