2019年07月10日

夜の科学 vol.57ー新しい記念日(2019年7月6日 @ 恵比寿天窓switch)【ライブ後記】

5月の月見ル君想フ2日連続公演以来のバンド編成での山田稔明、「夜の科学」も回を重ねて57回目。『pilgrim』リリースから10周年の年ということでこれまでの轍を振り返ることの多い2019年ですが、今回の夜の科学ではこれから少し先の未来を見据えたセットリストで挑みました。個人的にもいろいろあった6月を経て、妙に晴れ晴れとした気持ちでステージに立つ。「新しい記念日」とライブタイトルを名付けたのはこの日が7月6日だったから(「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」)。さて、どんな記念日になるだろうか。この日のオープニングSEは今日がその日!ということでヨ・ラ・テンゴ『TODAY IS THE DAY』でした。

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今年の元旦に書いた新曲「new sensation」からスタート。フルバンド編成でやるのは初めてでいろんなリズムが絡み合っていくたびにワクワクした。スタジオバージョンとして正式にCD化されていないものをすべて“新曲”と呼ぶことにする。「ただの旅人」は一昨年インドネシアのバリ島を旅してできた新曲で、妙にスッと淡々と前へ前へと進んでいく歌。「saturday song」も古い新曲だけれど、久しぶりに演奏するとやっぱり楽しい。土曜日の夜に相応しい歌。「notebook song」はトラベラーズファクトリーのために作った、愛すべきノートの歌。「吉祥寺ラプソディ」、初演は吉祥寺スターパインズの20周年イベントだったか。武蔵野での二十年近い暮らしを言葉に閉じ込めた。

新曲が続いた後で、10周年の『pilgrim』と続く『home sweet home』にスポットライトを。「blue moon skyline」はバンドで演奏するとスケール感に背中を押される。念願のバンド編成「ONE」は個人的にはこの日あったいくつかのハイライトのひとつでした。「glenville」を演奏していると、このままこの歌が終わらないといいのに…と思う。「hanalee」も穏やかに始まって熱がこもってそれを放出するような大きな歌。「月あかりのナイトスイミング」で水の中から大きな満月を見ているような気持ちになって前半終了、ライブ折り返し。

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新曲「lucky star」はここにいない誰かを想う歌だけど、とても軽快な演奏が伴って笑顔で言葉を伝える歌に昇華した。「SING A SONG」は間奏のハンドクラップの掛け合いで初めての試み、321とカウントダウンするやりとりでさらに笑顔に。ハンドクラップに乗って「太陽と満月」では近藤さん、真里さん、五十嵐くん、イトケンさんとソロ見せ場があってライブは最高潮に。本編の最後は「ユートピア」、静かに始まり最後は轟音の渦。

アンコールはまず僕の弾き語りで「名前のない歌」。これも10年近く前に書いた曲だけど、定期的に自分のなかに蘇る言葉とメロディ。「光の葡萄」から「小さな巣をつくるように暮らすこと」と続くなかで、自分は歌っていることが昔から変わってないなあ、と思う。「暮らしはどう?」も「みんなが元気がいればね」も同じような思いで綴ったフレーズ。最後は「セラヴィとレリビー」で大団円。早くみなさんにこの曲が収録されたレコードをお聞かせしたい!と強く思うのです。たくさんのご来場ありがとうございました。次のバンド編成山田稔明は8月4日、吉祥寺スターパインズカフェです。

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Posted by monolog at 14:36│Comments(0)