2019年09月14日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】1

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夏の終わりの旅の記録を備忘録的に。旅のことを反芻すると幸せな気持ちになるので、慌ただしく忙しい日々からの逃避行のような感じで、だらだらと何回にも渡って書き綴っていきたいと思います。

ここのところ毎年9月に旅行をすることになっている。恒例の7月の何かしらのリリースとそれに伴う制作と一連のライブを切り抜けた自分へのご褒美みたいなものとして、ここ2年連続でインドネシアのバリ島で休暇を取った。今年は春からすっきりしない健康問題(そして昨年末からの個人的ないろいろも含めて)夏が本格的に始まる前にくたくたになっちゃって、これはいかん、何か刺激的な予定を人参のように目前にぶらさげなくては、と思ったのだ。

ちょうどその頃、数年前から大好きなThe NationalというバンドのライブをYoutubeで毎晩のように観ているうちに彼らをアメリカ本国で観てみたいという欲望がむくむくと膨らんできて、ネットで予定を調べるとヨーロッパツアーから帰還して夏の終わりからアメリカ国内のツアースケジュールが。ロサンゼルスなら飛行機代も安いし!と調べたらライブの良い席はあらかた売れていてがっかり。しかしその前日のサンフランシスコ公演ならフェス方式で入場料一律、がんばれば良い位置を確保できるかもしれない。憧れのサンフランシスコ…、特別な場所へ行ってしまう?そこから電卓を叩いたり、さまざまな旅のアプリをダウンロードしたりして予定が決まったのは6月の終わり頃、心臓の手術が終わってしばらくしてからでした。

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本当ならGOMES THE HITMANのアルバム制作作業がひと段落してからの晴れて休暇旅行の予定だったわけだけれど、全然予定は予定通り進まなくて、様々なあれこれが終わらない状態でどんどん日々は進み、旅の準備や下調べ等なにひとつできないまま出発の日を迎えることになった。マリッジブルーならぬ旅行ブルー、嗚呼この旅行がなかったらあれもこれも進められるのに!と複雑なテンションに。心配事がいくつも残されたまま、トランクに荷物を詰める。ひとつだけ、MOLESKINE City Notebookのサンフランシスコ版を購入したことが光明だった。もう廃番になっていた手帳のデッドストックを見つけて手に入れた。僕はその手帳の地図に友達から聞いたりネットで調べたりしたレコード屋をびっしりと書き込んだ。

8月29日、出発の日がやってきたが、朝からトイレの水が流れなくなって往生し、サトミツさんとずっとLINEで話してレクチャーを受けたりして(言われた通りにやるとちゃんとなおるところがサトミツさんのすごさだ)バタバタしながら、成田へ。アメリカに行くのは2005年以来14年ぶり、その前は2000年の暮れ。サンフランシスコへは3度目の渡航となる。14年の間にすべてが変わったと言っても過言ではない。搭乗手続きから何からがすごく簡単になっていた。待ち時間もないし、緊張するやりとりも必要なかった。チェックインして荷物を預けて、お世話になっているトラベラーズファクトリーの成田空港店に初めて立ち寄ることができた。MOLESKINEの手帳にトラベラーズファクトリーのスタンプを押す背徳感…。

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成田を29日の17時に飛び立った飛行機は時間を巻き戻ってサンフランシスコの29日の朝10時半に着くことになる。9時間少しのフライト。時差ボケなどの心配は結局、食事以外のほぼすべての時間をガーガー寝てしまって杞憂に終わることになる(出発前の数日よく働いたからな)。たくさん観られる映画のなかから僕が選んだのは『ガーフィールド・ザ・ムービー』で、それも途中で寝てしまった。機内食は最初と最後の2回。チキンの照り焼きとオムライス。この旅で最初に触れる外国的な食べ物、昔から僕はこの味気ない感じの機内食が嫌いじゃない。ビールを一缶もらってすぐ夢の中へ。

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何度目かの目覚めの後、いよいよサンフランシスコ空港へ着陸。イミグレもバゲージクレームも問題なく(英語脳に切り替えるためにどんどんカタカナになっていく言葉)、カリフォルニアのブルースカイが僕を迎える。さあ、何も決めてない一日目をどうするか。とりあえず無料のエアトレインでレンタカー会社のカウンターがひしめくレンタカーセンターへ。予約もしてないからいろいろあわあわ。値段を比較しつつ「ここで借りてダウンタウンで返したくて」「保険も最低限つけて」とか身振り手振りで、しかし、なんとか鍵とエコノミー車を手に入れて時間をかけて左ハンドルを把握。走り出す前にラジオをロックのステーションに設定するのを忘れずに。

果たしてサンフランシスコ旅行の一日目が始まる。夏の終わりのカリフォリルニアは日の射すところでは汗ばむほど暑いが、カラッとしていて風が吹くと涼しい。僕は何度もウィンカーとワイパーを間違えながらハイウェイ101をサンフランシスコ市内方面へと走る。ラジオからはチャンス・ザ・ラッパーの新しい曲が何度も流れた。途中間違って一般道に降りてしまったけれど、そこには憧れた彼の地の街並が続いた。さあ、どこへ行こう。ここではない場所へ。(以降断続的に旅日記が続きます)

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Posted by monolog at 23:19│Comments(1)
この記事へのコメント
Do you remember surfside U.S.A ?
真夏の少年は yai ai yai
遠い虹を渡れたの 🌈
ー 安室奈美恵 「ミスター U.S.A」 より

機内食のちょっと無機質でコンパクトな感じ、
ほど良い温まり具合など何かいいですよね🍴

It never rains on Calfornia ♪
サンフランシスコ旅日記、山田さんの文章から
乾いた風が吹くようです。
つれづれなるままにアップして下さいね 🥕


Posted by naco at 2019年09月16日 17:12