
他人が見た夢の話はだいたい聞いてて退屈なもので、僕はそういうときに「へえ」とか「すごいね」とか適当に相槌を打つのだけど、今日の明け方見た夢はとても、なんというか、きれいで、うれしくて、感動したから忘れないように自分のために書き残しておこうと思う。
僕はどこか横浜あたりのカフェでライブをするために準備をしていた。夢はとても具体的で、湯川トーベンさんとの2マンだった。リハーサルしていたら黒髪のショートカットの女の子がにやにやしながらお店に入ってきた。目が大きくて小柄で可愛い子だったから気になって横目でずっと追っていたら、そばに寄ってきて僕に言うのだ。「わたし、ポチ。ポチの生まれ変わりです。わかりますか?」と。ポチとは2014年6月に亡くなった先代の愛猫、三毛猫。で、僕は「わあ!ポチだ。間違いなくポチだ」と確信した。なんだよ、どうしたんだよ、全然夢にも出てこなかったのに突然!と驚く僕を見ていたずらに笑うポチが超かわいかった。ライブを観にきたの、と女の子(ポチ)は言った。
ライブまでしばらく時間があったので僕は女の子(ポチ)と散歩した。女の子(ポチ)は秘密の抜け道をたくさん知っていて、僕らがたどり着いたところには犬と猫と牛が、いた。で、女の子はここで一瞬にしてポチの姿に変身したのだ。そして「ね?」と目で合図した。ポチ(女の子)はそこにいた犬とも猫とも仲良くじゃれ合って僕をびっくりさせた。だって彼女は僕と一緒に暮らしている間に他の生き物と触れ合うことなどなかったから。そして牛のほうへ近づいていくポチ(女の子)。牛のおしりのあたりをクンクンしていたら牛がおならをして、ポチ(女の子)は途端にフレーメン(臭いに反応して唇を引きあげる生理現象)の表情をしたから僕は笑った。すると彼女も可笑しくなって笑って、またシュルルン…と女の子の姿に戻って、僕らはしばらく大笑いして、とても楽しかった。
僕はライブ会場に戻る時間になり、女の子(ポチ)は「またあとでね」と言ってエレベーターに消えていった。僕があれ?ここどこだっけ?とまわりを見回しているうちに目が覚めて、iPhoneに手を伸ばして見ると朝の5時だった。「夢か…」と思いながら、僕はとにかくそのとき猛烈に感動していて、夢の内容をすぐメモしたのでこの日記が書けているわけだ。夢の続きが観たいと思って念じて、もう一度眠りなおしたけどだめだった。また今夜トライしてみたいと思う、夢の続きを。

