昨年12月恵比寿でのGOMES THE HITMANのライブ、ステージ終盤で慌ただしくしてGibsonのギターを倒してしまって以降ずっと、なんというか、ギターが風邪をひいたみたいなスッキリしない感じがあったまま年を越してしまった。大晦日はGibsonじゃなくてMartinを弾いたけど「え?僕…?今から?」みたいな感じで二軍ベンチでウォームアップできてなかった選手みたいに、Martinも電池切れしてたりして、楽器まわりしっかりしないとな、と思っていたところに救世主たけ兄が夜遅くに駆けつけてくれた。
Gibsonのギター、経年して独特の発色のチェリーサンバースト、1965年製のB25。最近は同じものをトム・ヨークも使っているようだ。このギターを買ったのは2017年の1月で、まだ3年しか経ってないことに驚いた。体感的に僕はもっとずっとこのギターに支えられていると感じている。2017年にライブアルバムを作ろうと決めて、まずビンテージのギターを買うという頭でっかちな自分の行動が面白かったのだけど、初めて手にしたアメリカンビンテージ、カラカラに乾いた齢50歳越えのギターは憧れていた音がした。
いろいろ調べたり試したりしてもギターの不調の原因が掴めなくて、たけ兄の工房にGibsonは入院することになった。Martinのアコギは電池を新調してちょっと背筋を伸ばして、またとても良い音がするようになった。「わたし、ちょっと運動不足でたるんでました」という顔でシュッとしている。もちろんこの2001年製のMartin OM18Vはふくよかな音で品行方正な優等生なのだけど(このギターももう作られて20年経つわけだ)、ちょっとひねくれててクールでおしゃれで一緒に遊ぶと面白くて楽しいあいつ、というのが僕の中でのGibsonの存在だ。あいつがここにいないのがさびしいしつまらない。今度いつ会えるかな。