つつじ寺として知られる大興善寺は平日にも関わらず紅葉で賑わっていた。同級生のみっちゃんと合流、みっちゃんは役場で働いていて、今回の山田稔明カレンダー展の仕掛け人でもある。子供のころから慣れ親しんだ場所だけど大人になってから来るほうがやっぱり味わい深い。長い石段で息が切れた。みっちゃんはこの石の階段を登った記憶がないという。地元にある場所ってそういうものだ。


急遽、松田一也基山町長とのランチ。お会いするのは久しぶり。町長になられてからは初めてかも。エミュー定食という新しい基山名物を。飛べない鳥エミューを基山町が飼育しはじめて6年になるそうで、現在北海道に続いて基山にエミューがたくさんいる。脂身のない赤身の食べやすいお肉。実際にエミューを見てから食べるか、食べてから見るか迷って、食べてから見ることに。エミューに会いにいく前に町長から紹介していただいてPICFAという施設、スタジオへお邪魔した。障がい者支援施設、アート作品の創作活動を中心にアートを「お仕事」として位置付け活動を行なうピクファ。たくさんのメンバーが実際絵を描いている現場を目にして感心と感動。こんな素晴らしい空間があることを何にも知らなかった。
PICFAのスタッフの方から今度は地元の酒蔵 基峰鶴を製造する基山商店の蔵をリノベーションしたギャラリー「基肄(きい)の蔵」を見学させてもらった。帰ってくるたびに噂に聞いていた素敵な場所をようやっとこの目で見ることができた。



エミューは思っていたよりも全然大きくて迫力があって、鳥というよりも恐竜。最初4羽から始まって今500羽以上を飼育しているそうだ。柵のなかにまで入れてもらってとても近くでエミューを観察。貴重な体験でした。大人しくて、ドッドッドッ、ホーホーと喉を鳴らして、その鳴き声でオスかメスかを判断するそう。卵を見せてもらったけれどとても大きくて、まさに恐竜が出てきそうな感じ。
夕暮れ迫る基山町を駆け巡り、気持ちのいい田園風景で写真を。「気持ちがいい」と感じるようになったのは僕が東京で暮らして四半世紀以上になるからかもしれない。高校生のときはこの町を抜け出して都会に行きたくて仕方なかったのだから。再び図書館に顔を出し、いろいろ撮影。2016年春に完成したこの新しい図書館はとても居心地がよくデザインも斬新。子供の頃にこんな場所があったら書物の森をさまよい歩いてたくさんの興味の扉がひらけただろうな、と羨ましく思う。信じられないくらい階段を登り降りし、歩き回った一日でした。いい旅。
