


最近とにかく家にいる時間が長いので、納戸にしまいこんでいた楽器や機材を引っ張り出してきては掃除したり整備したりして眺めるというのが良い時間の過ごし方になっている。KAYというブランドのスチューデント用の小ぶりなギターは僕が去年Stellaというもっと小ぶりなパーラーギターを買ったことにより押し入れの奥の方で眠っていたのをナイロン弦を張ったら全然違う楽器に生まれ変わったみたいな新鮮さがあって、ここ最近のリビングギター(リビングにはいつもギターを1本)になった。ボディの音符マーク、ヘッドの譜面台のロゴもかわいい。
シアーズ・ローバック社というアメリカの通販会社がダンエレクトロと製作してSilvertoneというブランド名で販売した真空管アンプ「MODEL1482」は、そのサイズ、薄さ、風合い、レトロフューチャーなルックス含めて可愛げと味わいがあるアンプなんだけど、音作りが難しくてずっと登場する機会がなかったのを、こないだ買った新しい機材を繋いでギターを弾くととても心地よくて、一昨日から仕事部屋に鎮座している。熱中していると真空管の香ばしい匂いが漂ってきてハッとする。トレモロがすごくよく効いて、ほろ酔いな感じになるのもいい。
KAYのギターもSilvertoneのアンプも1960年代中期に作られたもので、僕より年上で55年くらいだ。半世紀前の人たちがこの機材でどんな音を鳴らしただろうかと考えたら夢がある。身の回りにあるものから「素敵」を再発見することがこの憂鬱な時代に僕の心を穏やかにする。