サンフランシスコ から日本に帰る日、空港まで運んでもらうUberの運転手さんがたまたま日本好きな人だった。バックミラーにたくさん日本のものと思われるお守りがぶら下がっていたから「Your good‐luck charms?」と訊いたら、彼の日本好きについての話が始まった。奥さんにプロポーズしたのが大阪だったこととか、お好み焼きが好きだとか、僕はうまく話が継げなくて聞く一方だったけれど、やっぱり日本が好きって言われると嬉しかった。そこが自分の憧れの街であるからなおさら。
「トーキョーオリンピックに行きたいんだけど、全然チケットが取れないんだよ」と言われた。「オリンピック楽しみだよね!」と鏡越しに笑顔で僕を伺う彼に僕は「あ、ああ」とか「お、おお」とかそんなことしか言えなくて、とっさに「YES!」と全肯定できない自分の気持ちの曖昧さを改めて知ることになったのだけど、あのUberのお兄さんは元気で暮らしているだろうか?と思う。
