2021年09月09日

12分半のたゆたい

毎週毎週ひたすら全詩集を歌い進めていく「水曜日のインスタグラム」、いよいよ今週は2005年のGOMES THE HITMAN『ripple』のクライマックスと言える「サテライト」そして「夜の科学」を歌った。「サテライト」は非常に人気のある曲だし、僕も演奏しててとても楽しい。しかし歌詞は「僕は誰かのまわりをぐるぐる回る衛星で、おなかをすかせた猫みたいなもんだ」と情けない男の歌である。だからこそ大きな声で歌うのが、気持ちいい。「夜の科学」は「down the river to the sea」からの自己引用を含む、11分近い長尺の問題作。ライブで演奏することはほとんどないが演奏するとだいたいもっと長くなる。きっかけは2001年に始めたソロイベント「夜の科学」、第一回目は今はなき高円寺SALON/by marbletronでのオールナイト公演だった。一番眠気が襲う時間にイトケンさんと二人で長くて寝ちゃうような曲をやろうということで作ったのがこの曲。寝落ちした人が何人かいたかもしれないな。実際演奏してみると12分半くらいになった。それだけの時間をたゆたう心地よさの秘密はドロップDチューニングによる低い弦Dの持続音だ。これは「東京午前三時」「ドライブ」と共通するチューニング、『ripple』を『ripple』たらしめているのはドロップDかもしれない。

最新回アーカイブをインスタグラムIGTVに公開しました。いよいよ次回で『ripple』完走/完奏。活動休止前のGOMES THE HITMANを歌いきったことになります。

wed210908


Posted by monolog at 23:59│Comments(0)