2022年01月28日

Baby You can drive my car

ずっと観たかった映画『ドライブ・マイ・カー』をようやく観た。数年の時間と短くない距離、いくつもの外国語が交錯するなかで物語の糸が複雑に絡み合っていく3時間。ずしんと重たく心に沈んでいくような、こんな感じの映画体験は久しぶり。本当と虚構、夢と現実、過去と現在と未来。とても静かな映画だけど、ぐつぐつと煮え立つ坩堝のようなものをずっと足元に感じながら見入った。

劇中にはまったく登場しないビートルズの「Drive My Car」が映画館からの帰路ずっと僕の頭のなかで流れていた。この歌のなかで「君は将来何になりたいの?」と訊かれた彼女は「私は有名になって、映画スターになるの。そしたら私の車を運転させてあげるわ。私はスターになるから」と答え、「そしたら私、あなたのことを好きになるかも」と締めくくる。その車は赤い車だったかどうかは知らない。

もう一回村上春樹の原作を読んでみようと思って、納戸に積み上げた段ボールのなかを探しているところ。

803D9BF7-C651-4473-81DA-E171943AA58B


Posted by monolog at 23:59│Comments(0)