映画『
ドント・ルック・アップ』を観た。彗星衝突による地球消滅を描く“おバカ映画” という前評判だったけれど、この物語のなかで描かれたのは超リアルな世界の終わりのシミュレーションだった。きっとこの世界はこんなふうに、嘘みたいに最後を迎えるんだろうなと呆然としながらも納得した。個人主義と陰謀論と分断とかジェンダー格差とか、アメリカが「世界の警察」であることやめたこととか、いろいろ。全編に通奏するおかしみにニヤニヤ笑いながらも最後は絶望を追体験した。この映画は警告だと思った。Netflixで観たけどこれは大きなスクリーンで、聴衆の一人になってクスクスゲラゲラとみんなで観たかったな。
コロナ禍になって『アウトブレイク』とか『コンテイジョン』とか『28日後…』『28週後…』『新感染』とかバカみたいにいっぱいウィルス的な映画を見尽くしたが(個人的ベストは『アイ・アム・レジェンド』)、『ドント・ルック・アップ』を観てからは『アルマゲドン』やら『インディペンデンス・デイ』、『デイ・アフター・トゥモロウ』みたいなディザスタームービーばっかり眺めている。いつも最後は希望の光が指して地球は救われるんだけど、嗚呼これはファンタジーなんだなと思う。現実は想像していたよりも厳しいということに我々はいつか気づいてしまうのだ。

Posted by monolog at 23:30│
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