2022年07月08日

2022年のSOMEDAY

佐野元春 & The Coyote Band「WHERE ARE YOU NOW」ツアーのファイナル公演を観た。最初から最後まで素晴らしくて、音楽とはこんなに心を動かすものなのだなと感動した。先月は小沢健二「So kakkoii 宇宙 Shows」ツアーを福岡と東京で観ることもできて、大きいホールで光とサウンドに包まれる興奮、忘れていた感覚を思い出した。そこにまだ戻ってこないのは聴衆の歓声だけ。

佐野元春がコヨーテバンドを従えて歌う歌が僕は大好きなのだけど、この日は往年の名曲から最新アルバムの歌まで時を超えたセットリスト。そのなかでも「SOMEDAY」の言葉、フレーズのひとつひとつが、意識がぐらぐらするくらいリアルに響いて驚いた。全然懐メロなんかではない瑞々しさがあった。『ザ・ソングライターズ』という、24人のソングライターとの対談番組「佐野元春のザ・ソングライターズ」のインタビューをまとめた分厚い書籍のなかで、佐野元春は小田和正との会話のなかで「『SOMEDAY』は人生の明るい部分だけを見て、いつかきっと良いことが起こるはず、という歌ではない。SOMEDAY、いつかきっと、という言葉の裏にはそれと同じくらいの絶望や悲しみが貼り付いていて、それを3分か4分かで歌えたらと思った」という旨の発言をしている。ステキなことはステキだと無邪気に笑える心がスキさ、という歌詞をこの歳になって涙ぐみながら聴くとは。音楽って普遍だけど世に連れるし、心持ちによって違って聞こえる。

思えば僕は(僕らは)子供の頃からずっと、大人になってもずっと、「いつかきっと」って思いながら日々を過ごしている。だからあきらめずにはいられない。まごころとか、信じる心とか、そういう形のないいろいろを。いつまでも。

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Posted by monolog at 23:45│Comments(2)
この記事へのコメント
山田さんの柔かい言葉が沁みます
Posted by チコリ at 2022年07月10日 12:36
この日はツアーファイナルにして、新アルバム前夜祭というライブでしたね。

Heart Beatのハーモニカ、ブルースハープで涙スイッチが入りましたが、その後はもう格好よくて、素敵で、ご機嫌なナンバー続けてもっとおおぉ〜な、夜でした。
バルコニー席の端だったので、ほぼ全曲踊って、アッキーに負けないくらい飛び跳ねてきました。

コロナ以前は、約束の橋で会場全体からウォーっと雄叫びが上がって、エンディングでは拳を振り上げて会場が揺れる時に、男女問わず働き盛り世代の魂の声が聴こえる感じなんですよ。

終演後、少し早い時間の終わりだったので、西の空にまだ月が見えて、いい夜だなぁと思って。
電車に乗ってから、某携帯会社の調子が戻り、山田さんの投稿を読み、ライブ会場に居た事を知りまさかや〜!と、声を上げそうになりました。

明日は渋谷でDJなんですね。
直枝さん達のマニアックな選曲の翌日で、光栄で嬉しいような、非常に悩ましいような(笑)いつもと少し違うお仕事なので、頑張り過ぎてしまいそうですが、音楽がすぐ側にある〜♪
(元春さんモードのままで)
ご自身も楽しめる夜になります様に。

曽我部さんがフジロックでDJをした後に、下北沢でレコード屋さんになってらしたので、山田さんも老後の夢とお話でしたが、いつかは武蔵野の範囲内で、美味しい珈琲と、レコードとチミちゃん焼きのお店を開店して下さいね!
Posted by マニジュ at 2022年08月10日 03:53