老舗「うえの」のあなごめしをいただき、ヘトヘトになっていた我々は一気に元気を吹き返した。とっくに日も暮れていたけれど、宿の目の前にある宮島・厳島神社へのフェリーは22時まであるということで「もうこの際、行けるとこには行っとこう」ということになり夜の海を渡って世界遺産・日本三景の宮島へ。昼間の暑さが和らぎ、海上の風が気持ちいい。厳島神社の鳥居は令和元年以来改修工事が続いているが、金色にライトアップされて神秘的。現代アートみたいに見えた。きっと昼間眺める風景とは全然違う趣きだろう。帰りのフェリーで「もし明日体力あったら朝の宮島も見たいよね」「でももうきっと体力の限界」と相談しあった僕らは、しかし、次の日の朝も宮島に渡ることになる。このあたりから今回の短い広島滞在が「詰め込み型」の様相を呈してきた。



朝6時起きで宮島再訪のあと、お昼前にはつかいち美術ギャラリーへ。市役所と隣接し、コンサートを行うウッドワンさくらぴあ小ホールとギャラリーは同じ建物。ピアノ発表会が行われていた会場を見学させてもらったけれど、とても立派で響きの良さそうな会場。ここで2週間後に猫町フェスバンドで演奏すると思うと緊張するけれど、それよりもさらにワクワクする。ギャラリーの皆さんもとても優しくて、「たくさんお客さんを集めたい!」という想いが至るところに掲示されたポスターや告知チラシから伝わってきました。
まずFMはつかいちのインタビュー収録。局長さん自らがレコーダーを回して話を聞いてくださった。みおさんは活字インタビューだと思っていたみたいで急に「はい!ということで今日は彫刻家はしもとみおさんにお話を伺いますー」と始まってドギマギしていたが、終始和やかに進んだ。みおさんは声がよく通るので実はラジオに向いている。そうこうしているうちにお昼になり、美術館そばのお好み焼き屋さんで広島お好み焼きをいただいた。昨日から食べるものが全部美味しい。


広島市内へ移動。HFM(広島エフエム)へ。この放送局に来るのは、もう何年ぶりかわからない。20年は経っているだろう。かつてHFMには現在実況アナウンサーとして活躍している清野茂樹さんがいて仲良くさせてもらっていたから印象に残っているけれど記憶はおぼろげ。この日は「ホントーBOYS 文化系クリエーター会議」のゲスト収録。『迷路探偵ピエール』等で知られるイラストレーターのカミガキヒロフミさんと音楽ライター・作家の清水浩司さんの番組。そう、清水浩司さんはもう20年の付き合い、小説『コブルストーン』著者でもある清水さん、一緒にサンフランシスコを旅したお互いの酸いも甘いも知る仲。2019年1月の広島世羅でのイベント以来。「今度久しぶりに広島に行くんですよー」と僕がメッセージを送ったことがきっかけであっという間に決まったこの番組出演でした。
収録は本当にめちゃくちゃ面白かった。アートに造詣が深いカミガキさんならではの質問もそれに対するみおさんの返答も興味深かったし、清水さんとカミガキさんの<聞き出すチカラ>がすごい。このラジオ番組に錚々たるゲストがこれまで登場していることに納得の時間でした。30分番組 ✕ 2週分の収録だったのに90分くらい話していた気がします。いろいろおしゃべりしたなかである質問に対してみおさんが「わたしは哺乳類なので」と応えたのが、なんだかとてつもないパワーワードだったなあ。緊張していたみおさんがどんどんほだされていくのがわかりました。いろんな点が繋がって線になっていくのっていいな。放送は廿日市でのコンサート直前の8月19日(金)コンサート翌週の8月26日(金)夜10時半。また近くなったらお知らせします。清水さん、カミガキさん、ありがとうございました。お世話になりました。また廿日市ですぐお会いしましょう。

そしてここから詰め込み型行きたいお店めぐりの始まり。まずみおさんリクエストの本屋 READAN DEAT(リーダン・ディート)、雑居ビルにひそやかに佇む素晴らしいセレクトの本屋さんでした。串田孫一の本を一冊購入。すぐそばにヲルガン座があり、みおさんの行きたいお店リストに名前があったので立ち寄って涼をとる。これまで2回ライブをしたヲルガン座はやっぱり独特の雰囲気。店主ゴトウイズミさんはご不在だったけれど、またここでライブをやりたいな。次に向かったのは花屋SHAMROCK。ここは2015年に高野寛さんと2マンライブをやらせていただいたお店で、みおさんがリクエスト。以前の場所から移動していたけれど雰囲気は変わらず、花たちも圧巻。立ち寄らせていただいた店にはギャラリーでの展示とコンサートのチラシを置かせていただく。広島は素敵なお店がたくさん。
平和記念公園をぐるりと車で一周すると前日の記念式典の会場はそのままになっていて手を合わせる旅人がいっぱい。原爆ドームを眺めて、しばし言葉を飲み込む。八月の蝉がずっと鳴いていた。最後は僕が行きたかったレコード屋さんSTEREO RECORDSに寄らせてもらう。うむー、予想以上のお店だった。あと2時間いられたな。何枚かレコードを買って挨拶して、ここにもフライヤーを置かせていただきました。みおさんはジャズのレコードを買ってた。滞在24時間に満たない間にどれだけの場所を回ったか。そのすべての場所をお膳立てしてくださって、車で連れて行ってくれた学芸員Uさんに心から感謝。この行程を自分たちの足で回っていたら多分ひからびて行き倒れてたと思う。
帰りの新幹線に乗り込み帰路。またすぐここに戻ってこれることが嬉しいです。はしもとみお木彫展 カタチの生まれるところは8月20日(土)にスタート。猫町フェスバンドでのオープニングコンサートは8月21日(日)18時半に開催です。チケットは絶賛発売中。ぜひお近くの方もご遠方からも夏休みの思い出作りにご来場ください。

2022年8月21日(日)@ 広島 廿日市 ウッドワンさくらぴあ小ホール
猫町フェス2022 in はつかいち
ー夕凪キャラバン〜オンガクの生まれるところ〜
はしもとみお木彫展〜カタチの生まれるところ〜
<オープニングコンサート>
18:00開場 18:30開演/料金:全席自由 2000円
*3歳以上有料、2歳以下の膝上鑑賞無料、お子様の席が必要な場合は有料です)
出演:山田稔明、むぎ(猫)、近藤研二、
itoken、伊藤健太、イノトモ、はしもとみお
チケット発売;7月2日(土)
プレイガイド:はつかいち美術ギャラリー、ウッドワンさくらぴあ事務室
チケットぴあ(Pコード:220-500)ローソンチケット(Lコード:63349)
*コンサートチケット半券提示で一回に限り特別料金400円で展示会を観覧可能
*ライブ当日は展示開館時間を21:00まで延長します
主催:(公財)廿日市市芸術文化進行事業団、中国新聞社
info:はつかいち美術ギャラリー(TEL 0829-20-0222)
ウッドワンさくらびあ小ホール(https://www.hatsukaichi-csa.net/sakurapia/)
〒738-0023 広島県廿日市市下平良一丁目11-1