今回初めて、JOY TRIP CAFEの窓のある壁を背景にステージを組んでみた。窓からの夜の景色に加えて光の照り返しが予期せぬ演出をしてくれて良かった。セットリストを明確に決めず雰囲気にまかせて歌うスタイル、里帰りということで「home sweet home」からスタート。「夕暮れ田舎町」は実家のある基山の風景を歌った歌。「sweet home comfort」もただいまとおかえりの歌で、これはコロナから回復した後の札幌での1曲目に歌ったんだけど、超緊張してて声が震えてうまく歌えなかったから南の地でリヴェンジって思ったのでした。
ゲストにLocal Busの野見山睦未さん。レーベルの後輩だからどうしても僕が先輩風を吹かせてしまうけど実は歳は一個しか変わらない。ノミさんは初めて会ったときからずっと変わらないままだな。


人前で歌うのは前回の僕のライブに飛び入りしたとき以来だと、ノミさんも緊張していた。そういうときは一生懸命大きな声で早口で歌わないといけない曲をやるのがいい、と「my favorite things」からセッションスタート。ノミさんはノンビブラートで癖のない透明な水のような声。なのでハーモニーをつけてもらうとすごく心地良い。「houston」をやってみたい、と言ったのは僕で、音源ではGTHキーボード堀越さんがオクターブ上でユニゾンしているパートをノミさんが歌ったらどうなるか聞いてみたかった。すごく繊細で新鮮。「ミチユク日々」はLocal Busのナンバー、僕がコーラスを添えた。セッションの最後は「オレンジ〜真実」、このライブは副題を「橙色の風」にしていたんだけど、九州は東京より日が暮れるのが1時間弱くらい遅くて、空気が橙色になる時間がとても心地よかったから今回の旅に相応しい名前だったなと思う。
続いて「同じ窓から差し込む夕陽が僕らを橙色に焼き付け」るシーン。今回も同級生たちが集まってくれて本当にありがたい。リアル「ブックエンドのテーマ」である。そして書き下ろしの新曲。実家で過ごす何日間か、本当に夜が長くて持て余してしまい「やれやれ、この状況を歌にでもするか」とやりはじめて、ライブ当日の午前中に完成した。「走馬灯」という歌、また歌いたいと思います。何はなくともみんなが元気でいればね。ノミさん、来てくれた友人たち、JOY TRIP CAFEのスタッフ皆さん、ありがとうございました。そして近くから遠くからお越しいただいたお客さん全員に心から感謝を。