原題「The Electric Life of LOUIS WAIN」、この“Electric”という単語が気になった。ルイス・ウェインは精神を病み、画風もメンタルの具合に伴い変容していったわけだが、可愛い顔をした猫がサイケデリックに歪み、閃輝暗点したみたいにギザギザになっていくときに本人の目には何がどう映っていたのだろうか。この波乱万丈なイラストレーターにほんの少しの時間でも愛妻と愛猫との穏やかな時間があったことに救われる。そして現在のように猫を飼うこと/猫と暮らすことが一般的ではなかった時代に彼の描くイラストによって「猫とはかくも面白く可愛く愛すべき生き物である」という機運が高まり、それが猫の幸せに繋がったと考えるなら、彼がこの世界に残した功績はとても大きい。
H.G.ウェルズ役がニック・ケイブだった!
