2023年01月03日

猫の見え方を変えた画家|映画『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』

お正月といえば映画である。毎年新年2日か3日に新年の街を眺めて歩いて映画館へ出かけるのが常だったのが、去年はビートルズ『GET BACK』を観るのが忙しく、そして一昨年はコロナ禍ということもあり自粛、2020年の映画『YESTERDAY』ぶり、多分3年ぶりのお正月劇場鑑賞。観たのは昨年中から気になっていた『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』。19世紀末から20世紀の英国で、擬人化した猫のイラストで人気を博した画家の哀しく美しい半生を綴る映画だ。

原題「The Electric Life of LOUIS WAIN」、この“Electric”という単語が気になった。ルイス・ウェインは精神を病み、画風もメンタルの具合に伴い変容していったわけだが、可愛い顔をした猫がサイケデリックに歪み、閃輝暗点したみたいにギザギザになっていくときに本人の目には何がどう映っていたのだろうか。この波乱万丈なイラストレーターにほんの少しの時間でも愛妻と愛猫との穏やかな時間があったことに救われる。そして現在のように猫を飼うこと/猫と暮らすことが一般的ではなかった時代に彼の描くイラストによって「猫とはかくも面白く可愛く愛すべき生き物である」という機運が高まり、それが猫の幸せに繋がったと考えるなら、彼がこの世界に残した功績はとても大きい。

H.G.ウェルズ役がニック・ケイブだった!

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Posted by monolog at 23:13│Comments(0)