2023年09月11日

911から22年

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2001年9月11日のアメリカ同時多発テロから23年が経った。23年前、東京は台風が通り過ぎた後で、夕方にものすごくきれいな夕焼けが空を染めたことを憶えている。当時住んでいた池袋のマンションの最上階からその夕焼けを映像に撮ったからだ。夜になって臨時ニュースが入って、テレビが全部切り替わり、2機目の飛行機がワールドトレードセンタービルに突入するのをリアルタイムで目撃してしまう。それから朝までNHKやCNNをぼんやり眺めて、翌日はレコーディングスタジオでCM音楽の仕事だったんだけど、ずっと音を消したテレビをつけたまま作業したのも忘れない。

それから一ヶ月後、2001年10月7日はGOMES THE HITMANが事務所からもレコード会社からも独立した後初めて自ら企画したワンマンライブ、下北沢CLUB Queがぎゅうぎゅう詰めになるくらいの華々しい夜だったのだけど、その打ち上げの最中にアメリカによる報復戦争が始まったのを知って、みんなでため息をつきながら帰ったことも、記憶から消えない。僕はこの頃随分気がふさいでしまって、そのうつむきがちな視線や厭世感はそのまま『mono』というアルバムに反映された。

僕が大好きだったアメリカって、どのアメリカなんだろうか。サイモン&ガーファンクルの「America」は1968年に発表された歌。僕は大学生のときこの曲の歌詞を小さな文字でタイプした紙片をしおりがわりにしていつも持ち歩いていたから今でも全部そらで歌える。この曲のなかで、最初は希望に満ちた恋人たちはやがて苦悩や悲しみの感覚へと転じていく。アメリカを探す旅とは何か。歌とはかくも時代を越えて、意味を超えていくのだな、と心が震えたのは2001年10月マディソン・スクエア・ガーデンで行われた追悼コンサート「ザ・コンサート・フォー・ニューヨーク・シティ」の1曲目にデヴィッド・ボウイがこの「America」を歌ったの聴いたときだった。まだみんなずっと探している。ずっと旅の途中。



Posted by monolog at 23:34│Comments(0)