みうらじゅんの小説「色即ぜねれいしょん」読み終えました。ため息が出るほど素晴らしい青春小説。この懐かしい感じはそれこそ芦原すなお著「青春デンデケデケデケ」に通じるセンチメンタリズムで、笑いと泣きが交錯して最後には感動が勝ってしまうような夏が舞台のストーリーを、この歴史的猛暑の2004年夏に読めた幸せ。
みうら氏本人がモデルの主人公は一人っ子で、個人的にはその一人っ子特有の親との距離感(反抗したいのに何でも買い与えてくれたりおせっかいを焼いたりして手に負えない)とかがやけにリアルで感情移入も容易だったし、読後の清涼感みたいなものが最近の読書の中ではずば抜けていました。センチメンタルってこういうの?