2004年09月07日

ポール・オースター / トゥルー・ストーリーズ

村上春樹アフターダークを読み始める前に読み終えたかったオースター。長いのも短いのも混在したエッセイ集なので時間がかかりましたが空腹の技法よりも集中して熱心に読めました。

「言葉の海に声を沈めて」という曲はオースターばっかり何冊も読んでる時期に書いた曲なので「尾行」とか「探偵」とか違和感のある(使い慣れない)言葉を多用してサウンド的にも深遠な感じを表現したのでした。小説にしてもエッセイにしても真実と虚構の間を行き来して読者を煙に巻くオースターの作風は面白くて惹き込まれてしまいます。印象的な言葉もたくさん。チャールズ・レズニコフいわく「大事なのは速く歩きすぎないことだ/時速三キロ以下のペースを自分に強いて初めて、見たいものが全部見えるんだ」と。普通に歩くとだいたい5キロ/hですから。

Posted by monolog at 21:30│Comments(4)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
おおお、私もさっきamazonでチェックしたばかり...!!なんだか嬉しくなってしまったのでカキコです。
"夜の科学"楽しみにしていまーす!
Posted by PawsAtWork at 2004年08月11日 14:57
オースターやっと読み始めたとこです。ゆっくり読みます。
なんで大学のときにもっと夢中にならなかったのかと思う。
Posted by ymd at 2004年08月12日 09:45
私、個人的に、オースターとカポーティは学生を終えた後のほうが、
はるかに味わいが増した気がしております...
どうぞ じっくり お楽しみください...

#あ。GTH から感じるものもね、年をとるたびに深さが増していってる気がします。
#若い GTH ファンの皆さんに「どうぞ加齢をお楽しみに!」とお伝えしたいくらいです。
Posted by PawsAtWork at 2004年08月13日 03:20
確かにオースター作品は読んでいると書き留めたくなる表現やコトバが多くあると僕も感じます。
そんなことあまりしない僕も別紙に書き写したりしたもの。
急に物語がスピードを増して渦を巻くように集まって引き込まれるような感覚が好きです。
レズニコフのことは知らないけれど本当にそう思います。
だから買ったカメラやメモ用紙。
立ち止まることやしゃがんでみることの奥行き。
目的や未来や将来を急ぐのではなくいま居る場所をたくさん感じることが生きることなんじゃないかと思ったり。
縦ではなく横。他人からしたら縦、生きた縦の時間の長さで「たくさん生きたなあ」なんて言うけれど、横の時間の方が大切ですよね。
、、なんて、秋っぽい書き込みになってしまったぁ。
そんなことを考えていたら「猫のいる暮らし」という曲を思い出しましたよ。
Posted by masda at 2004年09月08日 00:08