こないだ映画『パブリック 図書館の奇跡』を観た。大寒波の夜に図書館で起きた小さな革命。エミリオ・エステベスが監督と脚本、そして主演。エステベスは聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼(=pilgrimage)を実父マーティン・シーンを主演に起用した『星の旅人たち』もじわじわと心が熱くなるような映画だったが、この映画もよかった。くすくす笑いながらも静かに感動した。2010年代の「オキュパイ運動」、昨今のBLM、分断化、そういう問題を思考させ続ける作品、観て良かったと思った。
先日放送されて、録画しておいたドキュメンタリー番組『磔磔というライブハウスの話』も、観た。その長い歴史と物語の芳醇さ、時間と空間の濃密な蓄積が芳ばしく漂ってくるような素晴らしいプログラムでした。僕は2008年に一度だけそのステージに立ったことがありますが、わくわくと震えるような体験でした。下の写真はそのときに撮った楽屋。魂が立ち込めてる感、ある。オンデマンドで今月いっぱい見られるようです。ライブハウスに出かけられない2020年ですが、ライブハウスでしか味わえない幸せを知っている人はぜひ、これから知る人もぜひともご覧いただきたい。
R.E.M.の1999年のグラストンベリー・フェスティバルのフルステージが72時間限定で公開されたので感動しながら歌いながら観た。Youtubeをテレビに映し出せるようになってグッと動画鑑賞に向き合えるようになったこの頃。昨日は高野寛さんのトークイベント「夢の中で会えるでしょう」に見入って(聞き入って)しまった。ゲストは曽我部恵一さん。急遽ライブ配信となったけれど、たくさんのカメラが入って映像のクオリティも素晴らしく、なによりも高野さんと曽我部さんのトークが興味深く、世代感の少しの差によるものかちょっとした緊張感もあって、とても刺激的でいろいろ考えさせられた。15分にも及ぶふたりのセッションも奇跡的な美しさで、いろいろ思っていた以上の内容。とても良い時間だった。元気が出た。
今日はラジオの前にNHKでやってた映画『この世界の片隅に』を見始めたら結局最後までテレビの前から動けなくて、劇場公開のときにも観たのに、その淡々と過ぎていく時間に引き込まれる。普段テレビなんて全然見てられないのに(すぐ寝てしまう)、不思議な日もあるものだ。