2019年11月14日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】7

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サンフランシスコ旅行4日目、9月1日。サンフランシスコ市内で3泊したティルデン・ホテル最後の朝、身支度をして部屋を見回す。なんだかんだ言って快適な部屋だった。ホテルがたくさんあるダウンタウンに宿を取ったけど、自分の行動(レコード屋巡りなど)から考えるともっと観光地っぽくない、辺鄙な場所でもよかったのかもな、と今は思う。ビクトリアンハウスにも泊まってみたいなあと夢見るし、次にアメリカに来る時はモーテルを渡り歩く旅もしたい。枕元にチップを置いて、来るときより重くなったスーツケースを引きずって部屋を後にした。

カルトレインの駅へ。初めての体験でドキドキする。サンフランシスコからパロアルトまでは1時間弱くらいだった。大阪から京都くらいかな。カルトレインは2階建ての大きな列車だった。旅人気分でそわそわする僕とは対照的に、通勤で使ってる人が多い感じ。向かう先がシリコンバレーだからIT関係の人も多いのだろう。自転車ごと乗り込む人のための車両もあるし、僕はスーツケースみたいな大きな荷物がある人用の車両へ乗り込む。

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パロアルトはスタンフォード大学のある街だ。グレイトフル・デッドが結成された街としても有名。僕がそもそも今回サンフランシスコまで来たのにはわけがある。このパロアルトにあるフロスト・アンフィシアターという野外音楽堂でTHE NATIONALのコンサートを見るのが目的、まさに音楽の旅なのである。自分自身が音楽家として全国でライブをしていると、遠くからわざわざ会場まで足を運んでくれる人がたくさんいて、彼ら彼女らは一様に旅人の顔をしていて興味深い。僕もこの日は音楽と旅を全身で楽しむトラベラーだった。電車の旅は楽しい。駅に停車するたびにその街の暮らしが垣間見える。映画みたいな風景がずっと続く。1時間弱の移動が終わり、僕はパロアルトの駅に降り立った。空は抜けるように青くて、これ以上なにを望む?というような満ち足りた気分。夜には大好きなバンドのライブがあるなんてな。

自然が豊かな街並みを歩き、ホテルへチェックイン。24時間しかないこの街の滞在時間を目一杯楽しもうと思う。(気まぐれに続く)

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2019年10月18日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】7

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サンフランシスコ3日目、8月31日。お昼過ぎにケーブルカーでフィッシュマンズワーフからチャイナタウンへ移動。漢字だらけの看板が続く街を歩くと不思議な気分になる。しばらく歩いてノースビーチにあるシティライツブックストアへ。ここに来るのは二度目か。カウンターカルチャーの源、サンフランシスコのランドマーク的な場所だから立ち寄らないわけにはいかないのである。ただ店内を歩くだけで詩人になったみたいな気分になる。

歩きすぎたのと、照りつける日差しで少し疲れて、 North Beach Pizzaというお店で休憩。ビール1杯と簡単なサンドイッチみたいなものを食べても3000円とかになるし、やっぱりここは物価が高いなあと思う。この界隈には素敵なカフェが多く、楽しげなバンドの生演奏の音が聞こえてくる。街はやっぱり連休で少し浮かれている感じがした。

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本屋の次に向かうのはやっぱりレコード屋さんである。101 Musicは予想していたよりもオールジャンルで充実したお店だった。楽器やメモラビリアもあって眼福。カセットテープの棚を指で辿っている途中で「わ!」と変な声が出てしまう。中学生の頃から好きなバンドToad the Wet Sprocketの、メジャーデビュー前にカセットテープだけでリリースされた幻の1stを見つけてしまったからだ。こういう出会いがあるからレコードハンティングはやめられない。レコード屋さんで何かを買うたびに「お、いいの選んだね」とか「気に入ったらいいね」とか店員さんが声をかけてくれるのも楽しい。

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ノースビーチからUberでミッション地区まで移動。前日にも訪れたHeath Ceramicを再訪、改めて陶器を厳選して購入。きれいな色のお皿、うっとりしながら。買おうか買うまいが悩みに悩んだ大きなサイズのトートバッグは、結局買わず(今とても後悔している)。夕方の橙色の日差しのなか、ミッション地区をひたすら歩いてみる。ストリートアート、おしゃれなカフェ、犬を連れたサンフランシスカン。この日はサンフランシスコ市内で過ごす最後の日だったから、「ああ、このままずっとこの街の住人でいたい」と思ったのでした。

ガイドブックで「THE EXPLORIST INTERNATIONAL RECORDS」を探して辿り着いた場所には、PYRAMID RECORDSという名前のお店があった。居抜きで入れ替わったのだろうか。小さな店内ではTHE SUNDAYSの1stアルバムが大きな音でかかっていた。看板犬のフレンチブルドッグが僕にずっとついてきて可愛かった。サンフランシスコでは一匹も猫を見なかったけど、たくさんの犬がいた。

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サンフランシスコ市内で最後の夜はさすがに歩き疲れ、Walgreen(日本だとマツキヨとかサンドラッグみたいな?)でビールと簡単なスナックを買ってそれを夕飯にした。3泊目の宿では、もう慣れたもので、簡単に眠りに落ちた。明日はカルトレインに1時間ちょっと揺られてパロアルトという街へ行く。グレイトフル・デッドが結成された街だ。(断続的にもっと続く)  
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2019年10月16日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】6

ライブのたびにサンフランシスコ旅行のことを話すので、その都度いろんなことを思い出してしまうので、まだまだ引き続き旅日記を更新していこうと思います。旅の3日目は8月31日。アメリカでは9月2日の月曜日が「Labour Day(労働者の日)」という祝日で、その直前の週末はアメリカ人にとって夏の終わりのタイミングなのだそう。街はまさに「WEEKEND」という感じの賑わい。

まずUberでフェリービルディングへ。ここはサンフランシスコのオーガニック食文化を象徴するフードコートであり市場。ファーマーズマーケットでは色とりどりの果物や野菜。うさぎの尻尾を使った幸運のチャームを売っているお店があって、ポチ実のお土産に、と最後まで迷ったのだけど悩んだ挙句買わなかったことを今はとても後悔しています。そこからMUNIメトロに乗ってフィッシャーマンズワーフへ。サンフランシスコの乗り物はどれも可愛い。

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これまでの3回のサンフランシスコ探訪のたびに立ち寄っているのはフィッシャーマンズワーフがこの街の“象徴”だからかもしれない。抜けるように青い空、懐っこいカモメたち、上機嫌な観光客、お土産物の陽気な客引き、駆け抜けていく自転車、路面電車、ベイブリッジ、海の上にはアルカトラズ刑務所が浮かんでいる。僕は今回もここでパンのポットに入ったクラムチャウダーを食べるのだ。「I'm in San Francisco」という感じ。朝は涼しかったけれどお昼になって日差しが強くなってきた。

僕は汗をぬぐいながらケーブルカー乗り場へ歩き、そこからまたダウンタウンのほうへ向かう。僕が軍手チミ猫とケーブルカーの写真を撮っていたら「あら、あなた、その猫はサンフランシスコで買ったの?」と話しかけてきたから「これは日本から来た僕の猫」と答えた。「本人は留守番しているんです」というと「まあかわいそう。でも留守番してえらいわね」と笑顔が返ってくる。そろそろポチ実のことが恋しくなってきた?(まだまだ断続的に続く…)

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2019年09月27日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】5

サンフランシスコ2日目も長い一日。ミッションドロレスパークで風に吹かれたら体力復活。予定していいなかったミッション地区を歩くことにした。この日僕が歩いた距離を地図で眺めてみると、ちょっと尋常じゃない。フジロック一日分といってもイメージが沸かないだろうか。ノーチェックだった1-2-3-4-GO! Recordsはロック系の品揃えが嬉しいお店、ここでもカセットテープを購入。DOG EARED BOOKSも目に楽しい本屋さん、長い時間をそこで過ごしてしまう。翌日出くわすことになるALLEY CAT BOOKSはここの系列店。猫についての詩の本を購入。サンフランシスコでは猫に一匹も会わなかった。かわりに大型犬を散歩させている人がとにかく多くて、レコード屋さんのなかにも犬を連れた人がいるし、アニマルフレンドリーな街だなという印象を持った。

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だんだん日が暮れてきて、今日の最後は前日に続いてまたスーパーマーケット。Rainbow Groceryはバルク、いわゆる量り売りで有名なオーガニックと地産地消のスーパー。「へええ」と声が出るほど広い。ここで買った量り売りのお茶(オーガニックラズベリーティーとかいろいろ)は友達へのいいお土産になった。最近日本のスーパーでも様々な種類のトマトを選べるトマトバイキング的なものがあるけれど、ここにはきのこバイキングがあった。アメリカの豊かさと鮮やかさを実感。しかしとにかく物価が高くて、ちょっとしたものにもお札がどんどん飛んでいって、ハッと目が覚めて冷静になる。つつましく、つつましく、と。

ピニャータという飾りを売っていて、調べてみるとメキシコのお祭りで使うものだったり、売り場によっては居住者たちのダイバーシティを改めて感じさせる部分もいたるところに。見たことのない地ビールがたくさんあってパッケージもデザインが面白くて、毎晩ひと缶の晩酌を楽しんだ数日だった。スーパーからダウンタウンまではさすがにUberで。もう足がパンパン。

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夕飯はホテルのそばにあったMASON DINER。いわゆる絵に描いたようなアメリカンダイナー、映画みたいでわくわくする雰囲気がある。昔みたいにステーキとかハンバーガーとかこってりしたもをあんまり食べなくなっている自分に時間の経過を感じつつも、この日はアメリカらしい夕食を。遅い時間にちょっと緊張しながらリカーストアでポテトチップスを買ったりするのもいい。2晩目となる宿もだんだん自分の巣のように感じてきた。さあ明日はフィッシャーマンズ・ワーフへ行ってクラムチャウダーを食べよう。(断続的にまだまだ続く…)

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2019年09月25日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】4

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ヘイト・アシュベリーからテクテク歩いてロウワー・ハイトへ、途中コーヒースタンドThe Grindでアイスコーヒーを飲む。ちょっとしたイートインも緊張、もっと英語が喋れたらなと思う。アメリカのアイスコーヒーもすっきりした味のものが多くて美味しかった。Groove Merchant Recordsは小ぶりだけど品揃えが僕好みでとても良いお店だった。ここではレモンヘッズとビリー・ブラッグのカセットテープを買った。たくさんのアナログ盤を持って帰るのはしんどいなあと思っていたのでカセットテープは思い出作りにちょうどいい。Vinyl Dreamsはテクノ、エレクトロやEDMの専門店、日本のレコードもたくさんあった。サンフランシスコに来て感じたのはデフォルメすぎないジャパンカルチャーが自然に受け入れられているということ。カタカナのTシャツ着てる人とかいっぱいいるし。Rooky Ricardo's Recordsはとにかく7インチの量が圧巻だった。お店の奥では店主と仲間たちがカードゲームをしていて、好き勝手にレコードを試聴しているお客さんがふたり。僕は名前も知らないバンドのレコードをジャケ買いした。

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夕方5時前、太陽の光に少しオレンジの色味が加わるけれど、まだまだ日が高い。ロウワー・ハイトから歩いてミッション地区のほうへ。サンフランシスコは気持ちのいい都会だ。路面電車と車が華麗に交差する。目指すのはミッション・ドロレス・パーク、ここは映画『スウィート・ノーベンバー』に登場した公園。この『スウィート・ノーベンバー』が転じて「sweet december」という曲が誕生したと思うと立ち寄らないわけにはいかなかった。果たして、辿り着いたのはサンフランシスコ市民の憩いの場、息をのむほど美しい公園だった。小高い丘からは海が見え、太陽の光を日暮れまで楽しむ人たちがたくさん転がっていた。夢みたいな街だなあ…と思った。(断続的に続く。まだ2日目…)

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2019年09月24日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】3

サンフランシスコに行ったの、もう1ヶ月前のことになってしまう。時が過ぎるの早い。現実逃避で旅日記を。サンフランシスコ2日目は8月29日、この日はとにかく徹底的にレコード屋を巡る日と決めていた。レコードハンティングの旅はロックの聖地ヘイト・アシュベリーからスタートだが、まずその前に行ってみたかったHEATH CERAMICSへ。サンフランシスコ生まれのヒース・セラミックの食器はなかなか日本では売ってなくて、あったとしてもとても高い。僕はマグカップひとつだけ持ってたんだけど、やっぱりご当地で見てみたいと思ったのだ。とてもスタイリッシュで、NEWSSTANDと名付けられたショップにはかわいい雑貨が並んでいて、来た甲斐があった。最後まで悩んで、トートバッグを買わなかったことを後悔している。

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午前中をHEATH CERAMICSで過ごして、お昼になってヘイト・アシュベリーへUberで移動。車窓からの景色がすべて目に鮮やか。ヘイト・アシュベリーは1960年代後半のヒッピームーブメントの中心地であり、'70年代はゲイカルチャー高揚の舞台。さまざまな文化にとっての聖地。さあ、レコード屋散策の始まりだ。前日はバークレーにあるアメーバ・ミュージック(Ameoba Music)に行ったけど、今日はヘイト・アシュベリーにあるサンフランシスコ店へ。ここもとにかく大きい。バークレー店も相当な時間を夢中になって過ごしたけれど、サンフランシスコ店では気づいたら2時間経っていたから驚いた。このペースはやばいと思ったので少し早足に。ここではR.E.M.の海賊盤レコードとThe Nationalの持ってなかったCD、そしてお土産用のTシャツやロゴ入りのピックを買った。

そしてまた前日と同じくラスプーチン・ミュージック(Rasputin Music)のサンフランシスコ店も覗いてみた。ここにはたくさんのTシャツを売っていた。今巷ではメタル系のビンテージTシャツが流行っていて、僕もあわよくばカリフォルニアで掘り出し物でもあればと思ったのだけど、かっこいいやつはどれも値段が高い。古着屋に入ってもメタルTシャツコーナーのものは値段の桁がひとつ違う感じだった。全世界同時進行的なメタルTシャツブーム。ネットで調べて手帳に書きつけていたヘイト・アシュベリー・ミュージック・センターという楽器屋はなんと閉店セール中だったが、さすがにギターを買って帰るわけにはいかないのだ。

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サンフランシスコの街歩きはとても楽しい。いたるところにグラフィティが描かれていて、それがいちいちかっこいいし、なんということもない通りでも家の形や色が可愛いし特徴的。つまらない風景がないからついつい歩きすぎてしまう。この日も尋常じゃない距離を僕は歩いた。感覚的に言うと、恵比寿から新宿までを寄り道しながら歩く感じだろうか。次のレコード屋さんまでは少し離れていたんだけど、なぜかあっという間に歩けてしまう。途中ブエナビスタ公園というところで座ってしばし休憩、時計を見るともう午後3時になっていた。

まだまだこの日の散策は続くけれど、旅日記はまた気まぐれに断続的に続きます。まだ2日目の途中。

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2019年09月16日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】2

サンフランシスコ旅行の一日目、8月29日。レンタカーで走り出したのはお昼過ぎだった。ホテルのチェックインまではまだ時間を持て余してしまうから、車を借りたのは正解だった。初日は車でしかいけない場所へ行こう。まずはサンフランシスコの象徴ゴールデンゲイトブリッジを目指す。三度目のサンフランシスコだが、金門橋はやっぱり毎回行かないと気が済まない。車で橋を渡ると、やっぱりテンションがあがる。橋のサンフランシスコ側にお土産やさんがあるウェルカムセンター、渡った先に景色の綺麗なビスタポイントがあるが、『ripple』のジャケット撮影のときにはこの観光客ひしめく場所で僕は猫の被り物で撮影した。14年前の話だ。

インターナショナルオレンジと称される橋の美しさもさることながら、サンフランシスコ湾の向こう側に見える市街地の、空と海の淡い青に溶けていく感じがとても良い。早速いろいろ細々としたお土産を買って、先が思いやられる。お土産を選ぶときは「わー、これ微妙!面白いから◯◯くんにあげよう」というのが基本姿勢。この旅行最初の食事はウェルカムセンターにある Bridge Round Houseでラテとビスケット。汗ばむくらいの晴天。

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初めてサンフランシスコを訪れた時に印象に残ったのがベイエリアの町バークレー。UCB(カリフォルニア大学バークレー校)で有名な学園都市だが、やっぱり僕の根っからのモラトリアム気質と空気が合うのだろうか。ゴールデンゲイトブリッジから車で1時間かけてバークレーへ向かうことにする。サウサリートやミルバレー(エイブラムズ先生とストロベリー・ポイント小学校4年生の奇跡の名盤が生まれた町だ)といった自然豊かな風景を駆け抜けて、サン・クェンティンからリッチモンドまではサンフランシスコ湾をまた別の長い橋で渡る。

やっぱりバークレーは時間の流れ方が独特な、居心地のいい町だった。最初に向かうのはもちろんレコードショップだ。カリフォルニアに来たら行かないといけないお店、Amoeba Music(アメーバ・ミュージック)は体育館みたいなところに無限にCDとLP、Tシャツやらバッジやらメモラビリアがひしめくお店。初めてここに来た2000年(19年前!)、僕は圧倒されて頭が痛くなり、なぜかキャロル・キング『つづれおり』の中古CDだけ1枚買った。今回はたっぷり時間をかけて広い店内を散策、そして散財。カリフォルニアとレコード、なんと幸福な時間。

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そしてアメーバの隣にあるのがRASPUTIN MUSIC(ラスプーチン・ミュージック)。ここも地下のアナログフロアとCDのフロアとものすごい量の音楽。お店に入るとバッグや荷物をカウンターに預けるように言われた。以降、古着屋さんなどでもこの荷物預けパターンが多かった。どのレコード屋さんにもお客さんがたくさんいて活気がある。一生かけても聞けない数のレコードが世界に溢れていて、無限のコレクターがいるわけだけど、僕はジャズやソウルにはそんなに食指が伸びないので、ロックの、それも80年代以降のインディの棚をパタパタとすれば気が済む。ラスプーチンではThe Nationalのライブにオープニングアクトを務めるカナダのALVVAYSのレコードを買った。

アメリカに来て一番重宝したのは僕が使っている携帯キャリアが提供するアメリカ放題というサービスだった。SPRINTという回線のあるところなら日本にいるときと同じようにiPhoneが使えてお金もかからないし、フリーWi-fiも街中のそこかしこにあるから地図だってお店の情報だって簡単に調べることができた。バークレーで有名なスーパーマーケットがあるのを知って立ち寄った。Berkeley Bowl(バークレー・ボウル)という、オーガニックなスーパーマーケット。売り場に溢れるその物量と質、色鮮やかさは眼福。日系のお店らしくてお寿司なんかもたくさん扱っていた。結局この日の晩御飯はここでサラダバイキング、それとクラムチャウダーとおにぎり、それをイートインスペースで。さすがに疲れてきた。

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カリフォルニアの太陽はなかなか沈まず、19時頃からだんだん日が暮れてくる。夕暮れ時にフリーウェイをバークレーからサンフランシスコに向かって走ると、耳の奥にサイモン&ガーファンクルの「America」が流れてくる。左ハンドルと車線にも慣れて、独特なスカイラインを眺める余裕もできた。市内に入ると急な坂の上り下りが増えてきてワクワクする。ビクトリア様式の家が並ぶ。ダウンタウンに入ってくると治安の良し悪しが雰囲気でわかった。僕の泊まるホテルはかつて「マーク・トウェイン・ホテル」という名前だったらしいが、リノベーションされてシンプルで小ぎれいな宿に変わっていた。昔はどんなふうだったのかな。この部屋にこれから3日間お世話になる。

チェックインしてスーツケースを広げたら、またひとつ身軽になった気がした。もう21時前、夜の街を歩いてみるとUrban Outfitters(アーバン・アウトフィッターズ)があったので覗いてみる。前回2005年に来たときは洋服だとかいろんなものを買ったお店、今回は品物を眺めて少し子どもっぽいなと思ったところに時間の経過を感じる。ケーブルカーとすれ違うと、やっぱりワクワクした。借りた車は翌日の朝に返却することになっていたから、もう少し夜のサンフランシスコ市街を流してみることにした。

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2005年に『ripple』のジャケット撮影で偶然たどり着いたとても風景の美しい印象的な場所があって、それは高級住宅街のなかにあって、ベイブリッジと高層ビル群と海を見下ろす丘だった。車をゆっくり走らせて、かすかな記憶を頼りにiPhoneの地図を睨む。ものすごい傾斜の坂を上ったり下ったり。そしてNob Hill(ノブ・ヒル)とRussian Hill(ロシアン・ヒル)の中間くらいのところに「ここだった!」という間違いない場所を見つけた。とても静かで、風がやんで凪の状態になると遠くの潮の音が聞こえて
、14年前と何にも変わってないように思えた。あ、14年前はサンフランシスコ名物のアシカの声が聞こえたのを憶えている。今回はついにアシカの姿を見なかった。

サンフランシスコはアメリカのなかでもとにかく抜群に家賃や物価が高い街で、そのなかでも一番裕福なエリアを歩いてみると、ほのかな灯が漏れるマンションや瀟洒なビクトリアンハウスの窓からは、それでも、この街ならではの日常的な営みを感じる。もちろんこんなところに住んだりはできないけど、もしここに住んだら…ということを夢想してみるのも楽しい。夢とうつつを行き来する感覚。そろそろ眠たくなってきた。僕の時計には現地時間とあわせて日本の時間もディスプレイされているから2つの時間を過ごしているようにも感じる。ホテルに戻って、スーパーで買った地ビールを飲んで就寝。長い一日、DAY1終了。(断続的にしばらく旅日記が続きます)

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2019年09月14日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】1

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夏の終わりの旅の記録を備忘録的に。旅のことを反芻すると幸せな気持ちになるので、慌ただしく忙しい日々からの逃避行のような感じで、だらだらと何回にも渡って書き綴っていきたいと思います。

ここのところ毎年9月に旅行をすることになっている。恒例の7月の何かしらのリリースとそれに伴う制作と一連のライブを切り抜けた自分へのご褒美みたいなものとして、ここ2年連続でインドネシアのバリ島で休暇を取った。今年は春からすっきりしない健康問題(そして昨年末からの個人的ないろいろも含めて)夏が本格的に始まる前にくたくたになっちゃって、これはいかん、何か刺激的な予定を人参のように目前にぶらさげなくては、と思ったのだ。

ちょうどその頃、数年前から大好きなThe NationalというバンドのライブをYoutubeで毎晩のように観ているうちに彼らをアメリカ本国で観てみたいという欲望がむくむくと膨らんできて、ネットで予定を調べるとヨーロッパツアーから帰還して夏の終わりからアメリカ国内のツアースケジュールが。ロサンゼルスなら飛行機代も安いし!と調べたらライブの良い席はあらかた売れていてがっかり。しかしその前日のサンフランシスコ公演ならフェス方式で入場料一律、がんばれば良い位置を確保できるかもしれない。憧れのサンフランシスコ…、特別な場所へ行ってしまう?そこから電卓を叩いたり、さまざまな旅のアプリをダウンロードしたりして予定が決まったのは6月の終わり頃、心臓の手術が終わってしばらくしてからでした。

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本当ならGOMES THE HITMANのアルバム制作作業がひと段落してからの晴れて休暇旅行の予定だったわけだけれど、全然予定は予定通り進まなくて、様々なあれこれが終わらない状態でどんどん日々は進み、旅の準備や下調べ等なにひとつできないまま出発の日を迎えることになった。マリッジブルーならぬ旅行ブルー、嗚呼この旅行がなかったらあれもこれも進められるのに!と複雑なテンションに。心配事がいくつも残されたまま、トランクに荷物を詰める。ひとつだけ、MOLESKINE City Notebookのサンフランシスコ版を購入したことが光明だった。もう廃番になっていた手帳のデッドストックを見つけて手に入れた。僕はその手帳の地図に友達から聞いたりネットで調べたりしたレコード屋をびっしりと書き込んだ。

8月29日、出発の日がやってきたが、朝からトイレの水が流れなくなって往生し、サトミツさんとずっとLINEで話してレクチャーを受けたりして(言われた通りにやるとちゃんとなおるところがサトミツさんのすごさだ)バタバタしながら、成田へ。アメリカに行くのは2005年以来14年ぶり、その前は2000年の暮れ。サンフランシスコへは3度目の渡航となる。14年の間にすべてが変わったと言っても過言ではない。搭乗手続きから何からがすごく簡単になっていた。待ち時間もないし、緊張するやりとりも必要なかった。チェックインして荷物を預けて、お世話になっているトラベラーズファクトリーの成田空港店に初めて立ち寄ることができた。MOLESKINEの手帳にトラベラーズファクトリーのスタンプを押す背徳感…。

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成田を29日の17時に飛び立った飛行機は時間を巻き戻ってサンフランシスコの29日の朝10時半に着くことになる。9時間少しのフライト。時差ボケなどの心配は結局、食事以外のほぼすべての時間をガーガー寝てしまって杞憂に終わることになる(出発前の数日よく働いたからな)。たくさん観られる映画のなかから僕が選んだのは『ガーフィールド・ザ・ムービー』で、それも途中で寝てしまった。機内食は最初と最後の2回。チキンの照り焼きとオムライス。この旅で最初に触れる外国的な食べ物、昔から僕はこの味気ない感じの機内食が嫌いじゃない。ビールを一缶もらってすぐ夢の中へ。

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何度目かの目覚めの後、いよいよサンフランシスコ空港へ着陸。イミグレもバゲージクレームも問題なく(英語脳に切り替えるためにどんどんカタカナになっていく言葉)、カリフォルニアのブルースカイが僕を迎える。さあ、何も決めてない一日目をどうするか。とりあえず無料のエアトレインでレンタカー会社のカウンターがひしめくレンタカーセンターへ。予約もしてないからいろいろあわあわ。値段を比較しつつ「ここで借りてダウンタウンで返したくて」「保険も最低限つけて」とか身振り手振りで、しかし、なんとか鍵とエコノミー車を手に入れて時間をかけて左ハンドルを把握。走り出す前にラジオをロックのステーションに設定するのを忘れずに。

果たしてサンフランシスコ旅行の一日目が始まる。夏の終わりのカリフォリルニアは日の射すところでは汗ばむほど暑いが、カラッとしていて風が吹くと涼しい。僕は何度もウィンカーとワイパーを間違えながらハイウェイ101をサンフランシスコ市内方面へと走る。ラジオからはチャンス・ザ・ラッパーの新しい曲が何度も流れた。途中間違って一般道に降りてしまったけれど、そこには憧れた彼の地の街並が続いた。さあ、どこへ行こう。ここではない場所へ。(以降断続的に旅日記が続きます)

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2019年09月02日

夏の終わり

先週の木曜日からアメリカはサンフランシスコへ。9月の第一月曜日の2日がLabor Day=労働者の日という祝日だったので、その直前の週末は電車が休みになったりレンタカーの値段が上がったり、旅に少なからず影響があったけれど、とにかく僕がいた5日間はずっと天気がよくて、日差しのあるところでは汗ばむくらいでも風が吹くと涼しいし、空気が澄んだ感じがして心地いいし、夜になって長袖を羽織るのも「ああ、これくらいがちょうどいい」って思った。中学生の頃から憧れてきた彼の地はまさにこんなイメージの世界だった、ということを思い出した。

アメリカではLabor Dayが夏の最後の日を意味するそうだ。九月から新学期が始まるから日本の春はアメリカにとっての秋なのかもしれない。心機一転、いろんなことをやり直したり新しく始めたりするタイミング。ほんの少しの時間だったけれど、そういう季節をカリフォルニアで過ごせて幸せだった。Labor Dayで静かな街を出発してサンフランシスコ空港から飛行機にのったら9月3日の東京にたどり着いて土砂降りの雨だった。明日からまた頑張ろうと思う。

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2019年09月01日

THE NATIONAL @ Frost Amphitheater

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ここ数年で自分のなかで一番重要なバンドになっていたThe National、来日公演が来年3月に決まったのだけど、どうしても本国アメリカで観たくなった。ちょうど心臓の手術をしたあとくらいに、思い切って今回の旅を決めたのだけど、あっという間に9月がやってきて、僕はカリフォルニアのパロアルトという、ヒューレットパッカードとスタンフォード大学で有名な街にある伝説的なフロスト・アンフィシアターの最前列にいた。オープニングアクトはフジロックでは雨の中音だけを聴いたALVVAYS。彼らも素晴らしかったけれど、とにかくThe Nationalのライブは2時間半ずっとハイライトといってもいいほどの多幸感に包まれていて、僕が今まで観たライブのなかで一番すごいライブだった。また改めて振り帰りたいと思います。

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2019年08月30日

旅の記憶とスーベニア

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毎年9月に旅行をすることにしていて、ここ2年はバリ島に行っていたのが、今年はアメリカにしようと初夏からバタバタと準備して、28日に出発してサンフランシスコに来ています。14年ぶりです。短い旅ですが、そのぶん濃厚な記憶が残ったらいいなあと思っております。とにかくレコード屋ばっかりの時間を費やして東京にいるときとそんなに違うか?とも思うのですが、やっぱり確実に違う。そうだ、おれは14歳のときからずっとアメリカという国がが大好きだったのだな、ということを再確認しています。

インスタグラムにいろいろリアルタイムで投稿していますので。来週帰ります。

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2018年10月02日

猫町旅日記ーバリ島 2018(後編)

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バリでの日々も時計の針は前へ前へ、決まった速さでどんどん過ぎていく。5日目、朝早く起きて、お世話になっているトシコさんと連れ立って朝市へ。すれ違う村人たちはパッと見た感じは強面なのだけど、トシコさんを見ると「スラマッパギ!(おはようございます)」とパッとくしゃくしゃの笑顔になる。僕もスラマパギとおじぎ。出店でお粥を買ってそれを朝食に。すっかりバリ島に胃袋を掴まれてしまった。お粥さえ美味しい。

この日はお昼からスカワティのマーケットで買い物。ここで買ったのは木彫りの猫、持ち手がウサギの杖(年を取ったら使うのだろうか)、ガラクタみたいなメモラビリア、両親へのお土産など。街歩きすることをインドネシア語で「ジャランジャラン」というんだけど、やっぱり日差しが地味に強烈で汗をかいてくたびれていくから、宿に戻って読みかけの本のページをめくったり、プールの水面をぼんやり眺めたりするのが良い休憩になる。なにごともバランス。

午後からまたウブドゥへ出かけて「Taco Casa」のメキシコ料理でランチ。これも美味しかった。異国で食べる異国料理というのも楽しいものです。「Cantika Zest」でヘッドマッサージをしてもらったけど、これも気持ち良さを堪能するまえにカクッと寝てしまった…。その後はウブドゥの街を散策するわけだけど、東京でバカみたいにレコードとか洋服とかで散財する自分がお金を全然使わない。欲しいものが何もないのです。景色とか温度とか吹いてくる風とか匂いとか、そういうものばかりをたくさん吸収する旅。夜になってレゴンダンスを堪能(去年に続いて2度目だったので本当は少し居眠り)、今回のバリでの最後の夜も楽しく終了。

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最後の朝も早起き。完全に朝型の体になってしまっている。最後にもう一回近くの市場へ行ってお土産を物色、いくつかのインドネシア語が自然と口をついて出るようになって自分で驚く。「ミンタ○○(○○をください)」「アダ○○?(○○はありますか?)」「ブラパ?(いくら?)」とか簡単な会話、一番使ったのは「ディスコン(まけて!)」と「ティダ(いらない)」という言葉だったかな。帰り支度をして、6日間お世話になったお礼にトシコさんのためにミニライブ、「小さな巣をつくるように暮らすこと」「セラヴィとレリビー」を歌い、またの再会を約束。

飛行機の時間までまだ余裕があったので、夕陽を観にクタのビーチへ。ここは有名リゾート地なのでとにかく賑やかで華々しく活気がある。小一時間くらいの間に海へと太陽が沈んでいく、いわゆるマジックアワーに遭遇。こんな絵に描いたようなサンセットは生まれて初めての体験。最後の最後にスペクタクルな風景を見せてくれたバリ島でした。帰りの飛行機ではびっくりするくらい寝た(7時間のフライトのうち6時間寝てた)。我ながら素晴らしいスイッチの切り替え、素晴らしい6日間でした。(完)

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猫町旅日記ーバリ島 2018(前編)
猫町旅日記ーバリ島 2018(中編)  
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2018年09月29日

猫町旅日記ーバリ島 2018(中編)

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バリ島3日目は長い1日。ガムランワークショップの後はサヌールへ移動して、Tandjung Sari(タンジュン・サリ)へ。ここはミック・ジャガーやデヴィッド・ボウイが愛した宿として知られる伝説のリゾートホテル。ゲートでチェックを受け趣きのあるエントランスを進むと屋外のカフェとプライベートビーチがあった。バリの日差しは強く、ちょっとでも水分補給を怠るとすぐ軽い熱中症みたいになる。このときもヘトヘトになりながらカフェに辿り着いたのだけど、広がる青い空と砂浜、透明な海には心が踊った。昨年のバリ旅行では海を眺める機会がすくなかったのでこの景色を見てあらためて自分が南国にいることを思い知る。

サヌールからデンパサールまで移動してPlaza Renonというショッピングモールへ。ここに「パパイヤ・スーパーマーケット」という日系のスーパーがあり、夕飯を購入することになった。辛いバリの料理ばかりでは胃腸が疲れてしまうからお寿司やサラダなどをチョイスしたけど、日本では見ないような具材も多くて新鮮だった。ダイソーがあったり、人気の雑貨屋さんがあったり、ペコペコ寿司っていう面白い名前のチェーン店もあった。ホームセンターにも行った。バリ島にもキャットフードや電球や傘、体重計、高枝切りバサミなどがある。当たり前のことだけど旅先では当たり前のことも面白い。

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去年初めてバリに来たときには全然心惹かれなかった石像。それがなぜか日本に帰ったあとで猛烈に欲しくなる。僕はそれがとても不思議だった。石像ショップが並ぶエリアでいくつもの店をまわる。僕は猫の石像が欲しかったんだけど、ない。猫はインドネシア語で「Kucing(クチン)」、僕は「クチン?クチン?」と聞いてまわったけどなかなか猫は見つからなかった。「なぜ日本人は猫を欲しがる?」と思われたかもしれない。もし今頃バリの石屋さんに猫があふれていたら僕のせいだ。代わりに仏頭とガネーシャを買った。インドの神ガネーシャ(『夢をかなえるゾウ』ですね)がバリ島にたくさんあるのは、バリの宗教がバリヒンドゥーだからだそうだ。富の神様らしいが、そういうことはたいてい日本に帰ってきてから知る。そして今、我が家の庭先ではありがたい仏様が呑気に遊ぶ猫を見つめているわけだ。

バリの気候は風が吹けば気持ちがいいのだけど日差しが厳しく、外歩きをするとすぐ疲れてしまう。長かった3日目は日が落ちる前に家に帰り、プールに浮かんで夕暮れを眺める。どこからか野生の猿が現れて庭木や花にいたずらしようとするのを「こら!」と注意したり。この日は夜になって停電になってしまったからネットも繋がらなくなって、北海道の大きな地震のことは次の日の朝になってようやく知った。夜空に南十字星を探したが見つからず、うっすらと天の川が見えた。ビンタンビールを飲んだらすぐ眠くなって気づいたら夜明け。

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バリ島4日目は海沿いの町「パダン」にある天然塩の直売所へ。以前お土産でもらったここの塩がとても美味しかったから、そのシンプルでありつつ手間のかかった塩の精製の様子が興味深い。海から塩水を汲んできたおじさんがそれを砂の上に撒くと、塩の結晶がキラキラと光ってきれいだったな。シドメン村というところまで移動して、ソンケット(Songket)と呼ばれる「浮き織物」のお店へ。若い女性たちがときおりiPhoneを覗き込みながら織り物をしているのが印象的でした。やっぱり異国の色彩感覚というのは面白くて、目が喜ぶ感覚がある。僕は赤い、丈の長いソンケットを購入。いろんな動物が織り込まれていて、寒い冬にこれを眺めたらちょっと体感温度があがるんじゃないかな、と思った。しかし、やっぱり暑さにすぐにバテてしまうのだ。日陰で犬と休憩(バリには猫も犬もいっぱい)。

シドメン村から1時間くらい車で移動。結構でこぼこ道。今回も運転はエヴァンさん、昨年「baby driver」っていう新曲ができたのは彼のおかげ。会話帳を持っていってたから去年よりはコミュニケーションがとれた(英語は通じない)。有名なAmankila(アマンキラ)というリゾートホテルまで行ってお茶と甘味。バリで食べるものは本当に全部美味しい。僕はこの滞在中に3キロ太った。青い空と青い海、静かな波音。海へと落ちてゆくプール。もうここがどこかとかがどうでもよくなる時間。非現実的でぼんやりしてしまう。

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バリ島旅行記は気まぐれに続く。  
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2018年09月26日

猫町旅日記ーバリ島 2018(前編)

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9月の頭に無理やり1週間休みを取ってインドネシアのバリ島へ行ってきた。去年に続いて2回目だが、なぜバリ島?という問いにはそこでバリ島が受け入れてくれたから、というのが一番しっくりくる答え。今年は1月からずっとせわしなく動き続けたのでとにかく僕は何も考えずに休みたかった。レコード屋も本屋も流行りの洋服屋もないバリ島は何もしないのに最適な場所なのです。成田を朝に発った飛行機がバリ島に着く頃には黄昏時、イミグレを終わらせて外に出る頃には夜の帳が下りていました。夕飯はシンプルなバリの家庭料理。とにかく1日3食たっぷり食べまくるバリ滞在になった。

朝日が昇るのは6時半頃だけど、なぜだかやっぱり暗いうちから目が覚める。だんだん明るくなっていく空を眺めるのが好き。バリ2日目、朝早くから出かけてバリ式のマッサージへ。去年も来たKARSA SPA(カルサスパ)という、ウブドゥで一番人気のスパ。マッサージを受ける時って寝ないで気持ち良さをずっと感じていたいのに簡単に寝落ちして気づいたら終わってる。昼ご飯はThe Kayon(ザ・カヨン)という高級リゾートのレストラン。素敵なホテルに泊まってる妄想を抱きながらの食事はリーズナブルで良い。なんでも美味しかった。テガララン・ライステラスはその景色が旅人を圧倒する棚田。

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この日はウブドゥの街を散策。暑さとか日差し、「そうそう、この感じ」とワクワクしてくる。スーパーマーケットに行くのが面白い。普通のパンとかお惣菜とか生活感のあるものが余計に異国情緒を醸し出す。バリ島は果物の種類が豊富で、見たことのないようなものも多い。今回の旅で好きになったのはドラゴンフルーツ。グラノーラやシリアルにフルーツとヨーグルトをあわせて食べるのが朝の楽しみでした。ビールはビンタン。7月と8月にお酒をあんまり飲まなかった反動でバリ滞在中はビールばっかり飲んでた。この日も夜はシンプルなバリ家庭料理。鶏肉が美味しかったな。やっぱり暑い昼間に動き回ると夜は自然と眠くなる。いつのまにか眠りに落ちててハッと気づいたら丑三つ時というパターンが多かった。

3日目の朝も早く起きた。この日はガムランワークショップを受けることになっていて、音楽家のはしくれだから、そういう体験型のイベントをとても楽しみにしていた。デンパサールの「Mekar Bhuana(メカル・ブアナ)」、レクチャーしてくれるのはニュージーランドから移住してきたという白人の先生。僕よりひとつ年下だったけど、物腰柔らかに丁寧に教えてくれました。プリミティヴで即興的なものだと想像していたガムラン音楽が、規則的なパターンの組み合わせで構成されたものだということに驚かされたし、演奏の興が乗ってくると気持ちがどんどん高揚していくのもわかった。得難い経験をしました。

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バリ島旅行記はきまぐれに続く。  
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2018年09月08日

ただの旅人

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月曜日から1週間の個人的夏休みの終わり。その間に台風と地震があって、たくさんの知人に無事を尋ねる連絡をしたり、夢とうつつを行き来するような奇妙な感覚。帰ったらやることいっぱい。お待たせしてしまっている諸々、急ぎます。次のライブは下北沢leteでの弾き語りワンマン2days(リクエストあればコメント欄に書いてください)、16日の朝にはインターFMの人気番組「Lazy Sunday」に生出演します。

いつもの日常を愛おしく思うような不思議な非日常の数日間でした。  
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2018年09月05日

バリ島午前三時



一昨日からインドネシアのバリ島に来ています。去年の9月以来2回目、前回よりも2日長い1週間の滞在。とにかく休息を、と去年選んだ旅先にまた戻ってきたのはここが何もしないで夏休みを過ごすのにうってつけの場所だからだ。レコード屋とか本屋とか好みの洋服屋さんとかがないから(もちろんあれば鼻息荒くして出かけていくわけだけどね)美味しいものを食べて、ビンタンビールを飲んで、日本から持ってきた本を読んで、眠くなったら寝て、明るくなる前には目が覚めて、ただただ時間を時間のぶんだけ過ごすのがいい。今朝もハッと起きたら午前三時で、灯りひとつない夜に変な生き物の鳴き声を聞いたのです。

東京にいて慌ただしくしているときも、この一年はずっと「バリが待っている…」と唱えながらやってきた。下北沢lete2公演にはなにかお土産を買っていきます。僕が描き入れたりするものも多いので通販も今週いっぱい発送をお休みしますのでお待たせしたお客さんにも何か南国の香りのするものを。

新しい季節のいろいろは来週月曜日から始めます。  
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2018年07月04日

村田和人 & HIS FRIENDSレコ発ツアー DAY2



村田和人 & HIS FRIENDS『ド・ピーカン』発売記念ツアー、2日目は神戸の朝からの始まり。僕は大阪で人と会う予定を入れていたので、杉さんや村田バンド一行とは別行動。三宮から大阪へ、と思い歩き出したらすぐステーキランド神戸の看板に出会い吸い込まれるようにランチへ。もう10年くらい通っているお店でパワー補給。大阪へ到着する頃には真夏の暑さになっていました。京都に着くともっと暑くて、ド・ピーカン日和だなあとしみじみ。

都雅都雅は初めての会場。前日の順調な滑り出しのおかげでみんながリラックスしているのがわかる。早々にリハーサルを終えて、僕は思う存分河原町でレコード屋めぐり。この日のライブも最高でした。終わるのがさびしい。急なお誘いにもかかわらずb-flowerの八野さんが観にきてくれた。八野さんはナイアガラトライアングルから杉さんの歌を好きだったそう。村田さんの音楽も聴いていらっしゃったそうで楽しんでもらえてよかった。終演後に杉さんを紹介したときの八野さんの様子はまさに音楽大好き少年のそれでした。

打ち上げもまた遅くまで。杉さんは夜になればなるほど元気になるモンスターか。日付が変わってもしばらくは宿に帰れず。長く楽しい1日でした。  
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2018年07月03日

村田和人 & HIS FRIENDSレコ発ツアー DAY1



昨日は村田和人 & HIS FRIENDSのCD『ド・ピーカン』の発売日、そして3日間のレコ発ツアーの初日でした。現地集合して現地解散するというスタイルの旅でしたが、行きの飛行機は杉真理さん、村田バンドの山本圭右さん、小板橋博司さんと同じ便だったので賑やかな旅に。東京は絵に描いたようなドピーカン、神戸に着くと雲がかかってたんだけど、それでも夏らしい天気に村田マジックを見ました。

僕は当初弾き語りで数曲、という話だったのが「山田くん、これコーラスしてちょ」とか「山田、このパートは好きなだけ歌っていいよ」とか「なんか知ってるとこ歌えばいいからこれも出てこいよ」とか、どんどん話が変わってきて、いろんな曲に参加することができて嬉しいです。神戸のステージ初演は最高なものになりました。『ド・ピーカン』全曲とお馴染みの村田ソングスにお客さん皆さんも泣いて笑って忙しかったことでしょう。

こないだカスタネッツの練習に加わって、そして今回村田バンドの爆音のなかで歌ってみて、自分の中でのなんらかのスイッチがONになったような感覚があります。そんなふうに思っていたときに杉さんが打ち上げで(真夜中2時でした)奇しくも「感覚のスイッチっていうのは背中の、手の届きづらいとこにあって、だれかに押してもらうのが必要なときっていうのがあるんだよね」とおっしゃったのでびっくりしました。そういうことなのかもしれません。

今日はこれから移動して京都。都雅都雅のステージは初めてです。たくさんの笑顔に会えることを楽しみにしてます。  
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2017年11月07日

大阪 to 名古屋 to 浜松 to 東京



大阪2日間の大イベントから無事帰京しました。金曜日朝からずっと手探りで手作りで準備設営し、高橋徹也さんとのスペシャルな共演、サトミツ&ザ・トイレッツの笑顔満載のステージと駆け抜けました。ご来場いただいた皆さん、参加してくれた作家さん、お店、スタッフ、グルッグ和田さんはじめ実行委員の皆さんに感謝したいです。すごく大変だったけど、それ以上にずっと楽しくて面白くて充実した数日間でした。

昨日は東京に戻る帰路でサトミツ&ザ・トイレッツのキャンペーン。大阪を発つ前に「おれのわがまま聞いて!」と立ち寄った大好きな本屋スタンダードブックストア心斎橋ではタイミングよく中川社長に会えて、トイレッツの話をしたらとても面白がってくれて、遠くない未来に繋がる縁ができてよかった。以前から誘われいているポエトリーリーディングのイベントもあわせてまた大阪へ行くのを楽しみにしています。そこから名古屋へ、ドラムもっくん仕切りでのラジオ収録、ひつまぶしも美味しくいただいた。日が暮れて静岡は浜松へ。今度はキンモクセイ良くんブッキングのK-MIX生放送出演、これが異様なハイテンションで本当に楽しかった。

東京に帰ってきたのは日付が変わった真夜中過ぎ。長い長い旅でした。今週はラジオにライブにインストアに、とサトミツ&ザ・トイレッツのリリースに付随する特別強化週間です。






  
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2017年10月06日

猫町旅日記ーバリ島編7(最終回)

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いつの間にか眠りに落ち、昨日と今日が重なりうように入れ替わり、日の出前の鳥のさえずりと広場からのお経と音楽で目が覚めたバリ島滞在最終日(9月14日)。この日もウソみたいにきれいな朝焼けに目を奪われていたら「ミャー」と高く澄んだ声でタマが鳴いて擦り寄ってきた。期せずして出会った可愛い猫との別れを惜しむ時間。この日僕はデンパサールからの最終便で帰国することになっていた。出発までに約半日の時間があるので、遠出はせずに、ここから歩いて回れる範囲でバリの村の風情と雰囲気を楽しんで過ごすことに。バリ島にはガイドブックに載るような特別な観光地ではないエリアにも古い仏塔やバリらしい門構えがたくさんあって、どこを眺めても飽きることがない。色鮮やかなチャナンがあちこちに供えられて、本当にそこかしこに神様がいるように思えてくる。

朝食のあと、歩いて朝市まで出かけることにした。まだ正午前だが太陽は高く昇り色濃い影を映しながら容赦なく降り注ぐ。暑さと汗と湿度を噛み締めながらマーケットを往復してたくさんのお土産を買う。コンビニ事情も知りたくて入ってみたのはインドマレット(Indomaret)。バリにはサークルKやアルファマート、ミニマートとたくさんのコンビニがありましたが、インドマレットはインドネシアで一番大きなチェーン店だそう。ぱっと見た感じは日本のコンビニとそっくりなんだけど、やっぱりよく見れば文化の違いが面白い。調味料売り場にはインドネシア名物サンバルの小分けパックなどがたくさんあってお土産にちょうどよかった。コーヒーとかお茶などの暮らしに密着したものの微細な違いも興味深い。インドネシアのお金はルピア、日本円の100分の1という感覚。ゼロの数が多くて最初戸惑ったけれど一番高額な10,0000ルピア紙幣が約1000円だと考えるとすぐに慣れました。

友だち連中に配るお土産として買ったのは前述したサンバル、お香、石鹸、豆菓子なんかも日本には売ってなさそうな、美味しそうなやつが多かった。ここぞとばかりに散財。マーケットの一角には趣向を凝らした木細工屋さんがたくさんあって、猫の形をした秘密箱が可愛くて購入、父親への土産に。バティック(バリ特産の布)で織られた部屋着によさそうなムームー的なワンピースを母親に。自分用にいかにもバリ的な、なにか形に残るものを探していたんだけど、僕の心を撃ち抜いたのはシャムみたいな柄の猫が瞑想している木の人形でした。

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買い物をたくさんして満足。英語がほとんど通じないはずなのに、身振りや指先の仕草で3日前よりうまく意思疎通ができるようになっていることに気づいてハッとした。炎天下、日陰を探しながらゆっくり街歩きを楽しみました。放し飼いの犬、スマートな猫、咲き誇る花、クスクスと笑いあっている子どもたちが「ハロー」と僕に手を振るので「ハロー」と手を振り返すと、またクスクスと笑って走り去っていった。昼食は町の屋台で買ったナシチャンプルー、とても安くて美味しかった。お昼過ぎに家に戻り、僕は名残惜しくて、またぷかぷかとプールに浮かぶ。水に疲れたら日陰で本を読んで、眠くなったら寝るという至福の数時間。トシコさんのお気に入りだというマッサージ師を呼んでくださったので、僕も旅の疲れを揉みほぐしてもらった。完璧なバカンスである。

今回の旅に僕はギタレレを持参していた。なにか思い立ったらすぐ楽器に手を伸ばせるようにしていたのだけど、そんなに簡単に音楽の神様は褒美をくれない。しかし旅の最終日にこのギタレレが役に立つことになろうとは…。午後の微睡みの時間を過ごしていた僕の耳に「キャッキャッキーッ!」と奇声が聞こえてきたので窓の外を見ると、野生の猿が10匹ほど徒党を組んで庭を闊歩していた。ここ最近野生の猿が悪さをして花や果物のつぼみを食べ散らかしてしまうことが続いているらしかった。「また来たわ、猿たち。こら!こら!!」とトシコさんがパンパン手を鳴らして猿を追い払おうとするも、猿たちは遠巻きにまだこちらを覗いている。ここは東洋から来た男が威厳を示さねばなるまい。僕はギタレレを片手に庭へ出て、E/F/Eとフラメンコみたいな調子でジャカジャカとかき鳴らしながら近づいていくと猿たちは「は!?」という顔をしてひるんだ。そしてギタレレのボディをバンバン叩いて庭を駆けると猿たちは散り散り四方へとに逃げ帰っていったのでした。「これでもうしばらくは来なくなるかもねえ」とトシコさんにも喜んでもらえた。この5日間の旅の間で一番息を切らした瞬間でした。

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最後に早めの夕飯に美味しいちらし寿司をいただく。あっさりした味が僕をスムーズに非日常から日常へと誘ってくれるような気がした。僕は最後にリビングで歌を数曲歌ってこの数日間のお礼を。ここでもギタレレが役に立ちましたね。本当に夢のような時間、どれだけ感謝しても足りない。お世話になったトシコさん邸を出発。空港までの道はエヴァンさんが車で送ってくれる。「指差しインドネシア語会話」という本で憶えた言葉で「ラジオつけてください」と言うと、エヴァンさんはニコっとしてご機嫌なチャンネルを鳴らしてくれた。もっといっぱい喋れるようにメモしてたんだけど、うまく切り出せなかったな。40分ほど走ったらデンパサール空港に到着。最後の最後に「Sampai jumpa lagi!(サンパイジュンパラギ=また会いましょう)」とちゃんと言ってエヴァンさんとハグすることができました。帰りの飛行機のなかから見た星がびっくりするくらいきれいで、このまま起きていようかと思ったけれど、気づいたらちゃんと朝まで眠っていました。

たった5日間の旅でしたが、自分にとってはとても良いタイミングでの心の開放だったような気がします。東京に帰ってきてからモノの見え方が変わった気もする。出会ったすべての皆さん、お世話になった方々に感謝。サンパイジュンパラギ、またすぐに会いましょう。以上、猫町旅日記バリ島編でした。

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2017年10月03日

猫町旅行記ーバリ島編6

まだまだ終わらない旅日記、滞在2日目(9月13日)を振り返ります。クロボカンでショッピングを楽しんだあと、そこからバリ島の南部バドゥン半島の断崖にあるウルワツ寺院へと向かう。車で1時間ほどの距離のはずがものすごい渋滞で車が進まない。僕はどんどん眠くなっちゃって気がついたら車窓の外はオレンジ色がかった夕方の空気。空気にも色があるなあとバリに来て何度も感じた。なんとか日暮れ前に到着、エヴァンさんが運転を頑張ってくれた。ウルワツ寺院からはインド洋を見下ろす雄大な景色がのぞめ、海へと沈む夕陽、そして伝統のケチャダンスが一度に楽しめる場所。

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ウルワツ寺院はとにかく風景のスケールが大きくて言葉でうまく表せないほど。一気に目が覚めた。寺院拝観料を払って、肌を隠すためのサロン(腰布)を巻いて気分が盛り上がる。寺院のなかにはは名物の野生の猿がたくさん。メガネを取られたりペットボトルを取られたりする被害が多く、この日も髪の毛を引っ張られて悲鳴を上げる観光客もいた。ここでは猿は神の使いだそうで、猿のやりたい放題なのです。断崖絶壁からの眺め、「インド洋の荒波」と呼ぶに相応しい白い泡を立てた波が無限に打ち寄せてくる海は圧巻だった。

メインイベントはなんといっても日没のタイミングで行われるケチャダンスだ。岬の突端、屋外に作られた円形のコロシアム状の会場へ入場するとすでにたくさんの観衆がダンスの始まりを待っていた。ケチャダンスとは数十人の半裸の男性が、座った状態で円陣を組み、リズミカルな「ケチャ、チャッ、チャッ」という合唱に合わせた舞踊。大きな鉄琴を叩き鳴らすガムランと違って楽器が使われずすべて声で構成されるのが特徴。きらびやかな衣装を来たダンサーたちが主役だが、その物語は前日に観たレゴンダンスとほぼ同様だったので、内容含めて面白く観劇できました。王宮での厳かなレゴンダンスに比べるとお客さんいじりの一コマがあったり、刻一刻と変化していく空の下で観ている一期一会感に興奮しました。燃え盛る炎の上を歩くファイヤーダンスもすごかったな。ただ日が暮れていく1時間の美しさ、かけがえのなさのようなものを味あわせてもらったような気がします。

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興奮冷めやらぬまま人の波に揉まれて会場を出ると、また何食わぬ笑顔でドライバーのエヴァンさんが簡単にこちらを見つけて車に乗せてくれた。僕は「テレマカシ(Terima Kasih)」と、ようやく憶えた感謝の言葉を笑顔とともに返す。また車に揺られてサヌールという町へ。今日は夕飯にインドネシア料理以外のものを食べようということになって、マッシモ(MASSIMO)というイタリアンレストランへ。地元で暮らすトシコさんは「毎日バリ料理食べてたら体が持たないわ」とおっしゃっていただけど、僕のおなかもちょうど一休みするタイミングだったかもしれない。人気のお店なのでパスタもピザも美味しく、まわりの顔を見渡しても世界中から旅人が集まっている感じがして居心地がよかった。自分もストレンジャー気分なのが良い。こっちではもっぱらビンタンビールを飲みました。とても飲みやすくて美味しい。帰ってきてからいろいろ探してるんだけど日本にはあんまり売ってない。

バリ島は市街地は夜遅くまでお店が開いていて明るくて賑やか。誘蛾灯におびき寄せられるように旅人たちがあちこちにたむろしている。夜更かしな町だなあと眠い目をこすりながら、車の窓を開け放って虫の鳴き声を聴きながら宿まで。さすがにこの日は予定を詰め込みすぎて、もうフラフラ。また気づいたら夢のなかにいて、夜明け前の五時に目が覚めたのでした。いよいよバリ島最終日となりました。(気まぐれに続く…)

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2017年09月29日

猫町旅行記ーバリ島編5

王宮のレゴンダンスを観てから宿に帰ってきたら、いつの間にか寝ていた。夜が明ける前から起き出して昼寝もせずに濃厚な時間を過ごしているから当然だ。この日はポチ実が夢の中に出てきた。今回の旅の間、我が家に若き猫番くんが泊まり込んでくれている。あの人見知りなポチ実が彼には慣れてしまって、庭の散歩をしたり甘えたりしてる画像が東京から送られてきて、僕はなんの心配もなく旅を楽しめた。これを2017年留守番革命と名付けたい。

2日目の朝も空が暗いうちに起床。村のお寺から聞こえてくるお経と音楽に、もはや熱心に耳を澄ます僕がいた。虫の鳴き声の響く庭に小さな影があった。目を凝らしてみるとそれは猫だった。首輪をつけたかわいい猫はお隣のおうちに飼われているタマという猫らしい。近づくと寄ってきて「ニャア」と高い声で鳴いた。スタイルが良くて、ちょっとエキゾチックな顔つき。やっぱり少しポチ実が恋しくなった。トシコさんの家のお隣はジャカルタで暮らす華僑の方の別荘、せっかく日本から来たのなら、とそのお宅を拝見させていただいた。水が漲るプール、アウトリビング、川と渓谷を見下ろす風景も素晴らしいし、門構えも立派でため息が出た。常夏の島で暮らす日常を夢想しながら、さんさんと太陽の光を浴びてプールに浮かぶ。素晴らしい時間。

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この日はバリ滞在中もっとも体力的に無茶なスケジュールを組んだ。海に沈む夕陽が見たいと僕がリクエストしたから、移動距離も増えることになった。まず車で走っている途中で気になったギターの看板を掲げたお店を覗きに。安物のウクレレにインドネシア風の絵を描いたものをお土産物屋でたくさん売っていたのだけど(きっとハワイにも台湾にも同じものがあるんじゃないかな)そういう類のものを予想していた僕らには圧倒的なギター工房だった。ブルーベリー・ギターズ(Blueberry Guitars)というそのお店、もともと仏壇職人だった方がギター作りをアメリカで学び、今では世界に名だたるプレイヤーにオリジナルギターを製作している。笑顔が優しいワヤンさんは「むかし徳島にいて仏壇を作っていたんだよ」と流暢な英語で話した。ギターの鳴りも素晴らしく、値段を聞いて納得した。「マーティンやギブソンは素晴らしいギターだけどただのギター。僕のは素晴らしいギターであり芸術品!」とニッコリ。

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ギター工房を出発して次に向かったのはバリの中心地デンパサール近くにあるクロボカンというエリア。家具屋やハイセンスなショップが並ぶ、ショッピングにも最適な街だそうだ。ワルン(warung)という庶民食堂でナシチャンプルを。ナシチャンプルとはごはんと数種類のおかずが一皿に盛られたワンディッシュプレートのこと。バンブク(Bumbuku)というお店に辿り着いて、美味しいランチに舌鼓を打った。昔は辛いものが苦手だった僕もなぜかこの10年ですっかり辛党になってしまって、バリ島のご飯は何もかもが美味しい。サンバルマタという唐辛子やレモングラス、シャロットなどを炒めずに作ったチリソースはくせになる。値段も本当に安くてびっくりする。ここでも細面の美しい猫に出会った。

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そこからしばらくショッピング。流木にガラスを吹き付けた花器がなぜか猛烈に欲しくなった。FOCUS
DESIGNというお店、ひとつひとつ形が違うなかから直感的にピンと来るものを時間をかけて選びました。レコード屋さんもあった。僕はガムランのカセットテープが欲しかったんだけど、もうテープの文化は終了しているみたいでCDがたくさん。欧米のレコードもたくさん置いてあって、R.E.M.もちゃんと2作品あることをチェック。CDはだいたい日本円で800円くらいかな。ペット用品店があったので入ってみたら「こんな地元の小さな店に何しにきた?」っていう顔をされたんだけど、ポチ実へのお土産に猫用のスナックを購入。バリにはとにかく犬がたくさんいる。道端を紐もつけずに我が物顔で歩いている犬天国だ。バリ島の代表的な産物としてバティック(Batik)と呼ばれる布がある。バティックとは「ろうけつ染め」のことで、布に“ろう”で模様を書き染料につけて布を染め独特の風合いを醸し出す。バティックも時間をかけて吟味して選びました。とにかく天気が良い日で、ちょっとこのとき僕は日差しにやられて熱中症寸前だったかもしれないな。

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一日が長い…。歩きまわってくたびれたところでエヴァンさんが車でピックアップしてくれた。道路はものすごい渋滞。ウルワツという岬にある寺院まで移動するのだけど、僕は車のなかでもう全然起きていられなかった。1時間ちょっとの道程だっただろうか、ハッ!と目が覚めるとさっきまでの街なかとは全然違う景色のなかにいた。(気まぐれに続く…)  
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2017年09月26日

猫町旅日記ーバリ島編4

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バリ島ではここ1週間くらいアグン山が噴火するかもしれないという不穏なニュースが連日届くけれども、旅日記の続きを続けます。まだ到着翌日の実質1日目(9月12日)のことを書き連ねています。スーパーマーケットでのショッピングを楽しんだあと、再び車に乗ってKARSA SPA(カルサスパ)という、ウブドゥで一番人気というスパへ向かう。街なかから結構な距離、景色はどんどん田園風景になっていくけれど、道を歩いている旅行者が多い。ロングステイしている西欧人はとにかくよく歩くらしい。1時間くらいの距離なら足で移動するみたい。たどり着いたのは蓮の池に花がきれいに咲く素敵なロケーション。見たことのないような花も咲いている。東京にいるときも整体やマッサージは比較的よく受けるほうだけど、こういうところでの本格的なやつは初めて。

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メニューの一番上に書いてあったコースを選び、すべてを流れにまかせる。とにかく忙しかった初夏から盛夏、僕の肩や背中はがちがちにこり固まっているから、なにをされたって気持ちがいいに決まっているのです。寝てしまうと気持ちがいい感覚を味わえないから、と貧乏根性で必死で起きていようと頑張ったけどやっぱりいつのまにか夢のなか、ハッと気づくと90分が過ぎていました。全身、頭も顔もふにゃふにゃに。「いいな!バリ島、なんか最高だな!」と、このあたりからもう旅が終わるのが寂しくなって、2回目のバリ島旅行のことすら妄想するようになっていました。

ウブドゥの町に戻って通りを歩く。ずっと車移動だったのが、ようやくここへ来て自分の足で闊歩。雑然としていて賑やかで色鮮やかで、強烈な異国情緒がある。印象的なのはチャナンという椰子の葉と花で作られたお供え物が至るところにあり、頭の上にチャナンをたくさん持った人が仏塔などにお供え物を置いてお線香をひとふり一礼している姿。車やバイクにもチャナンが結び付けられている。神がいたるところに存在するとされるバリヒンドゥー教ならではの風習だそう。

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賑やかな町を何往復かして、アルミの小箱やらざらっとした懐かしい手触りの紙と封筒とかを買ったりして、コーヒーを飲んで一休み。となったら猫好きの僕はコピルアックを飲まなければならないだろう。「kopi」は「コーヒー」、そして「luwak」(ルアック)は「ジャコウネコ」の意味。コピルアックは、ジャコウネコにコーヒーの実を食べさせ…それ以上の詳細は検索して調べてみてください。とにかく美味しくて貴重で高価と言われているコーヒー。普通のコーヒーの3倍くらいのお金を払って飲んでみました。濃厚、ベトナムコーヒーっぽいけど、まあ、普通。普段自分がいかに美味しいコーヒーを飲んでいるかということをいつも旅先では実感しますが、バリ島でもそうでした。夕飯は現地の人が演奏するジャズの生演奏を聞きながらサテ(焼き鳥みたいなやつ)。これも美味しかった。

そしてこの日のいくつかのメインイベントのトリを飾る、王宮でのレゴンダンスへ。ステージの左右にガムランが並ぶ様にワクワクする。あっという間に屋根がある半屋外の会場は満員になり、19時にガムランの荘厳な音楽が鳴り始めた。目もくらむような民族衣装を身に着けたダンサーたちが登場、その指先の動き、しなり、所作に釘付けになった。パンフレットにだいたいのあらすじが書いてあったので、ストーリーもだいたい把握。どんどん盛り上がっていく音楽と踊りにこの島のもうひとつの熱狂的な一面を見た思いがしました。美しかったなあ。宴が終わっても耳にはじんじんと金属音の響きが残っていました。

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スマホで連絡を取り合っているわけでもないのに運転手のエヴァンさんは完璧なタイミングで僕らを見つけてくれる。帰る道すがら、さすがにもうクタクタの僕は夢とうつつを行ったり来たりしつつ、カーラジオから流れてくるインドネシアンポップスに「これはWEEZER風、これはテイラー・スウィフト、これは韓流風?」と聞き耳を立てていました。車の窓を開け放ったままで。(気まぐれに続く…)  
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2017年09月24日

猫町旅日記ーバリ島編3

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バリ島で初めての朝、まだ夜が明けていない4時に目が覚めた。正確に言うと、外から聞こえてくる不気味な呪文のような声に起こされたのだ。それはお経?それとも酩酊したおっさんの叫び声?とにかく地の底から響くような声だった。僕は暗闇に目を凝らし、iPhoneのボイスメモにそれを記録した。そしてそこに音程のある打楽器の規則的なリズムが加わった。竹の筒を叩いているような軽やかな音。だんだん明るくなっていき、真っ赤な朝焼けの空がとてもきれいで一気に目が覚めた。呪文のような声は歌に変わった。異国にいる感覚が僕を包んでいく。「最高やんか…」僕はひとときもこの島にいる歓び愉しみを無駄にしたくないと思った。

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リビングに隣接したバルコニー、アウトリビングで朝ご飯。お香の匂いと蚊取り線香の匂い。パンとサラダ、そして極彩色のフルーツ。この日はお昼前には街へ出かけようということになっていたけど、朝食が終わった時点で8時。なんとゆったりとした時間。お庭に小さなプールがあるということを聞いていたから水着を持ってきていた僕、いったい何年ぶりの水浴びか。常夏のバリ島は、9月は乾季で昼間は30度になる。鳥のさえずり、虫の声を聞きながら浮き輪で浮かんで青い空と形を変えていく雲を眺める至福。日差しは熱く降り注ぐけど日陰に入ると涼しい風が心地良い。「地上最後の楽園」と呼ばれる理由がだんだんわかってきた。

お昼前に出かけて、トゥグヌンガンの滝(Tegenungan Water Fall)へ。ウブドゥの南スカワティを流れるプタヌ川下流にある落差20mのこの滝の存在は、以前から地元の方に知られていたが、滝つぼまで下りる道が急なけもの道しかなかったため、遠くから眺めるだけの観光ポイントだったそうで、あまり人気がなく、知る人ぞ知るといった場所だったのが、近年滝つぼまで行ける道や駐車場などが整備されたことにより、観光客が立ち寄る、人気観光スポットになったらしい。

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バリ島はどこを眺めても緑が色鮮やかで目がすーっとする。トゥグヌンガンの滝を見下ろすこのあたりも言ってみればジャングルみたいなものだ。「滝つぼまで行きますか?」「降りて戻ってくるだけで小一時間かかるよね(そして足腰が終わっちゃうよね)」「んん、また次回で!」とその壮観な風景をこの目に焼き付けました。ここでの時間はゆっくり流れるけれど、やっぱり限りがあるものだから。お昼ご飯を食べにウブドゥへ移動。世界的に有名なアマンリゾーツが1989年、タイのプーケットに続いて2番目にオープンさせたアマンダリは宿泊するにはため息がでるような豪勢なホテルなのだけど、ここのレストランで美味しいご飯をいただくことができるのだ。プールで泳ぐ宿泊客を眺めながら(日本人客だった)僕はナシゴレンとノンアルコールのジンジャービアを。ひとくち食べてその複雑で奥深い味にびっくりした。ナシゴレンってだいたいフェスとかでしか食べたことなかった。1990年代に渋谷のモンスーンカフェでレコード会社の人に食べさせてもらったのが最初だったかな。これがリアルナシゴレンなのか!と目からウロコ。ジンジャービアもジュースみたいな味で最高。

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「バリ島のスーパーマーケットに行ってみる?」と問われ「Ya!(はい!)」と即答。ビンタンスーパーマケットに連れていってもらって、あれこれ日常品を買い物。ペット用品売り場ももちろんチェック。2階にはお土産品が並んでいた。やっぱり猫モチーフのものに目がいく。インドネシアの猫の置物は意匠に特徴があって、尻尾が長くて、ちょっとファンシー。町では太った猫を一匹も見なかった。外国のスーパーマーケットってとにかく楽しい。現地で暮らす人々の生活が垣間見えるし、色鮮やかで眼福。バリ島の一日、いろいろ詰め込んで堪能しているけれど、この時点でまだ14時。太陽は高く容赦なく降り注ぐ。(気まぐれに続く)

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2017年09月18日

猫町旅日記ーバリ島編2

バリ島デンパサール空港に到着、入国手続きを済ませてロビーに出るとさっそく熱気と街の喧騒が僕の目の前に押し寄せてきた。日本から朝8時の飛行機に乗ってバリは15時、まだまだ太陽は高いところにある。ホテルのネームプレートを持った大勢の群れ、タクシーの客引き、日本語も巧みに話しかけてくるのを「こっちにフレンドがいるから」と断りながら歩く。むっとした湿気にわくわくしてしまうのは日常を離れた異国にいるからだ。そうこうしているうちに運転手のエヴァンさんと落ち合うことに成功、荷物も運んでくれた。この旅の移動はずっとエヴァンさんにお世話になることになる。ハローとサンキューくらいで、エヴァンさんはほとんど英語を話さないから、ずっと僕らはニコニコと笑顔でお互いの気持ちをあらわした。バリ島ではサヌールとウブドゥの間にある小さな村にあるトシコさんのお宅に泊めてもらうことになっていて、まずは空港から40分ほどのお宅へ向かう。

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ものすごい数の車、バイクに圧倒された。走り出してすぐにバリ島独特な石造りの寺院やシンメトリーの門、彫刻の数々が流れていく。僕はずっと窓を開けて眺めていた。都市部を離れると信号がほとんどなくなって、車同士はクラクションを鳴らしながら走っている。普段の暮らしで聞きなれれたヒステリックな警告とは違って、まるで路上での会話のように感じる。だんだん黄昏れていく空を見上げると鳥の群れが旋回、と思ったらそれはいくつもあがった凧だった(インドネシア語では Layang layang ラヤン ラヤンと呼ばれる風物だそう)。バリでは乾季(5月から10月)にたくさんの凧揚げ大会が開催されるらしいので、その練習に余念がないのかもしれない。息を大きく吸い込むと街独特の甘い匂いが胸いっぱいになる。学生時代によく友だちが吸っていたガラムの煙草を思い出した。



トシコさんとは日本でも何度もお会いしているのだけど、春以来の再会が嬉しい。噂に聞いていた以上の素敵な邸宅でため息が出る。リビングから見える庭、プール、その向こうの空は夕焼けに染まっていた。まずはなにより腹ごしらえ、夕飯を食べにいこうということになりウブドゥの街へ。ウブドゥ村はデンパサール空港から北に20キロ、小さな村をひとまとめにした地域全体が「ウブドゥ」と呼ばれることが多い。バリの芸能・芸術の中心地として急速に観光化が進んできた街。杉真理さんからも「ウブドゥは最高」と聞いていたが、その何とも言えない、懐かしいような、実は見たことのないような風景は僕を一気に旅人気分にさせた。

アヒルを食べましょう、と向かったお店はBebek Tepi Sawah(ベベク テピ サワ)。広大な敷地のなかに田んぼがあり、薄明かりの雰囲気もバリで最初の食事には打ってつけだった。カリカリにあげたクリスピーダック、焼き鳥のようなサテ、一気に口の中の世界を塗り替えるサンバル、何もかもが美味しい。とっぷりと暮れた夜空にはきれいな星が見えた。インドネシアならではのビンタンビールも最高。「ビンタン」とはインドネシア語で星を意味するのだった。バリ島の街は夜遅くまで店が開いていて明るいが、それでもトシコさんの家まで戻ってくると漆黒の闇のなかで懐中電灯で照らして扉を開ける。寝室から見えるのは手の先も見えないくらいの夜の風景だ。それでも怖くないのが不思議だった。なんの虫だか分からない鳴き声、そして時折聞こえてくる獣の遠吠え。バリ島で最初の夜、僕はいつの間にか眠ってしまっていた。(気まぐれに続く)

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2017年09月16日

猫町旅日記ーバリ島編1



夏が始まる頃に思い立って旅の予定を立てたのは、今年もいつものようにCDをリリースした後に慌ただしい日々が続くことがわかっていたからだ。ここ数年、息をつく暇もなく季節を駆け抜けて年末を迎えて、気づいたら一つ歳をとるというのがお決まりのパターンだったから、2017年はいつもと違う1年にしたかった。インドネシアのバリ島を選んだことは偶然でもあり必然でもあった。心強い友人の手助けもあって事前の準備なしでも旅をするのにうってつけの環境だったし、航空券の値段も予算に見合っていた。僕にとってはどこにあるのかもわからない未知の場所だったのだけど。

出発前にポップスの大先輩でありシンガーソングライターの杉真理さんに会いにいった。杉さんは神々の住む島に魅せられた人、とても詳しくバリ島に通じている。思えば20年前にGOMES THE HITMANのプロデューサーとして初めてお会いした頃からバリの話は小耳に挟んでいた。これまでまったく興味を示すことがなかった僕がガイドブック片手に押しかけたものだから、杉さんも前のめりになってその魅力を面白おかしく説明してくれた。その時点で僕には良い予感しかなかったのだ。印象的だったのは杉さんが40代から50代へと変遷していくなかで、いかにバリが自分に影響を与えたかという話。バリ旅行を経てから、自分が普段やっていること、すなわち音楽が仕事なのか遊びなのかわからなくなって、それからずっと夢中で走り続けている、という言葉。僕には彼の地がどう作用するか。準備完了、いよいよ僕の旅の始まり始まり。

早朝の飛行機で出発するため、寝ないで成田空港まで走った。うっすらと明けていく朝、海外渡航は実に2005年のカリフォルニア旅以来となる(『ripple』のジャケット写真の撮影のためのハードな旅だった)。バリ島までは7時間のフライト、時差は1時間。腕時計の短針をひと回し巻き戻す。英語ではない外国語での機内放送、簡素でスパイシーな機内食、浅い夢、肩こり、ガイドブックをめくる指、窓から見下ろすどこかの島国。果たして僕の乗った飛行機はインドネシアはバリ島、デンパサール空港に辿り着いた。街の土産物屋から流れてくるガムランの音楽(目が覚めるような金属音より柔らかい竹ガムランの“ジェゴグ”のほうが僕は好きだ)を聞いてすぐに頭に浮かんだ曲があった。スザンヌ・ヴェガの大好きな曲、それが「Pilgrimage」というタイトルだなんて、なんてできすぎた話だろうか。それは果てなき「巡礼」を歌う歌だった。(不定期に続く…)

旅と到着を繰り返しながら
源へ向かって一歩一歩進む日々
彼方へ辿り着こう
時間に間に合うように



  
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2017年09月14日

遅れてきた夏休み3



バリ島は常夏、夜は涼しくて昼間は暑い。夜にはくたびれ果てていつの間にか深い眠りにつき、バリヒンドゥーのお経と歌で朝5時半には目覚めてしまう。今日は魔法みたいな朝焼けを見てYESの「燃える朝焼け」が頭の中で再生されました。もうすでに2回目にこの町を訪れることを楽しみにしている自分がいます。

もうすぐうちへ帰ります。週末土曜日にはむさしのFMのラジオに出演、来週19日は風知空知での伊藤俊吾くん(イトシュン)のライブにゲスト出演することになってます。  
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2017年09月13日

遅れてきた夏休み2



バリ島は犬も猫もいっぱい。意外とWi-Fiは少ない。あっという間に過ぎてゆく時間と日々です。  
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2017年05月13日

季節はずれの桜と夏の終わり

久しぶりに宿題のない数日ができたので、思い立ってコンパクトな旅に出ることにした。行き先は西の方、と考えたら、ずっと観たいと思っていた森山直太朗コンサートが神戸であることがわかって、友人でドラマーの朝倉真司くんにお願いしてチケットを手配してもらった。僕の森山直太朗ファン歴はアルバム『風待ち交差点』のときからだからもう10年を越えるのだが、生の歌を聴くのは初めてのこと。音楽活動15周年のアニバーサリーツアーということでキャリア集大成の内容、名曲も迷曲もたっぷり堪能した。花曇りのトンネルを通り過ぎた後の5月に聴く「さくら(独唱)」も、爽やかな初夏の夜に響く「夏の終わり」も、季節を越えて胸に響いた。簡単には感動させないユーモアとじらしと面白さも極めて森山直太朗的、2時間半があっという間で、想像以上に素晴らしかった。

終演後、直太朗氏本人に挨拶して少し話ができて嬉しかった。実は今から16年前、PLECTRUMタイちゃん、セロファンのシロウさんと健一郎と一緒にやっていたMac & Wendysという課外活動バンドで「直太朗」名義で活動していたデビュー前夜の彼と対バンした過去があったことを伝えた。圧倒的な歌を聴いたあとだったのでなんだか胸いっぱい。外に出ると雨がそぼ降っていて、神戸の街の明かりが滲んできれいだった。

やっぱりライブって最高だな、ということばかり感じている、最近。


  
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2017年02月05日

三重県探訪 ー in god's country(2017年1月30日 お伊勢参り〜way back home)



三重の旅、三日目の朝をtayu-tauで迎え、愛猫のんちゃんに気持ちよく起こされた。美味しい朝ご飯とコーヒーをいただく。tayu-tau飯島さんたちはパンを焼いたり料理の仕込みがあったりしてまだ暗いうちから働きだしていた。飯島さん夫婦はかつて揃ってタワーレコードに勤めていたそうで、それが今ではこんな素敵なお店を切り盛りしている。人生ってわからないものだ。スタッフの女の子たち3人もみんなとても親切で素敵な笑顔で癒される。朝の光のなか、展示最終日となったはしもとみおさんの作品たちをじっくり眺めた。これほど規模の大きい展示はみおさんの地元ならではで、なかなか他の場所では見ることができないのではないかな。はしもとみおさんはまた今年も春、東京等々力の巣巣で「机の上の犬と猫 vol.2」という展示があります(3月24日〜4月2日)。ワークショップも予定されているようです。また会えることを楽しみに。tayu-tauにも本当にお世話になりました。また年内にライブをぜひ。

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そぼふる雨のなかtayu-tauを出発して再び伊勢へ戻り、いよいよ伊勢神宮へ。外宮、内宮とその土地が持つ磁力みたいなものを全身に感じながら。樹齢何年か想像もつかないくらい力強い森を進んでいく。雨が止んで、青い空に日差しすらこぼれてきた。参拝するときに「御幌(みとばり)」という白い布が風もないのにふわっとめくれる、という話を聞いていたのだけど、僕は確かにそれを目撃した。神様はいると思った(僕のアーバンブルーズへの貢献)。近藤さんちのモイのこと、わが家のこと、世界平和までお願いしたのは少し欲張りだったか。厳かな境内と対象的に参道やおかげ横丁などとても賑やかで、3日間の旅を終えて東京に帰る道すがら、疲れくたびれるどころか僕はすこぶる元気だ。とても充実した“巡礼の旅”だった。また再訪したいと切に思う。(おわり)




まさにこの三日間の旅に相応しい「巡礼者」という題を冠した、今から10年前に書いた曲をお聴きください。
辿り着いたのが五つ目の季節ならどんなふうに僕ら名前をつけたかな。気がつけば僕ら逆さまの地図の上。

  
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三重県探訪 ー in god's country(2017年1月29日 @ 三重県津市 喫茶tayu-tau “薪ストーブと猫のいるライブ”)【ライブ後記】



“神の国”巡礼の旅、2日目は伊勢の宿で目が覚めた。気持ちいいほどの快晴。ライブ会場となるtayu-tauに入るまでの時間でどこまで回れるかを考えると、やはり伊勢神宮はライブ翌日の最後の日にして、この日はまず夫婦岩へ。駐車場のおじさんが「おや、はるばる東京から来たんか!」と声をかけてくれていろいろガイドしてくれる。夫婦岩で身を清めて、伊勢神宮を外宮、内宮と参るのが正しいと教えてくれた。そして、海の方を指差して「天気の良い日はあっちの方向に富士山が見えるよ」と。全然脳内コンパスが効かなくて不思議な感じ。初めて見る夫婦岩、ものすごくありがたい感じだ。過去から連綿と続く信仰の対象というのはそれだけでパワーを帯びるのだな。気付けば2時間以上この場所にいた。いろんな神様にお願い。いいことがあるように。

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勢田川沿いの河崎エリアへ。ここには猫がいる古本屋があると友だちに薦められた。ぽらんという本屋で小一時間。みおさん宅で会った月くんとのシンクロニシティ、月面着陸記念レコードを見つけて購入。行ってみたかったモナリザにも立ち寄れた。伊勢うどんも美味しかったな。そこから約1時間かけて津市のtayu-tauへ。晴れていた空が曇って雨粒も落ちてきた。Google Mapで見るとtayu-tauは駅の真ん前にあったのでもっと商店街っぽい街並みを想像していたのだけど、実際は全然違った。2001年に僕は『饒舌スタッカート』のキャンペーンで津市を訪れたけれど、その時のイメージともまったく異なる風景だ。tayu-tauに一歩足を踏み入れただけで、いいライブになる予感がした。まだ作りかけで完成には程遠い、と店主飯島さんは言うけれど、とにかくうっとりするほど素敵なお店だった。ここでも薪ストーブが暖かい炎をパチパチいわせている。

リハーサルを終えた頃にご近所の猫を取材に行っていたはしもとみおさんが画材のセットとスケッチブックを抱えてtayu-tauに到着。今度はtayu-tauの2階に住む2匹の猫たちを描くというので僕も階上へ。のんちゃんとうーちゃん、可愛い猫。みおさんは早速パレットを開いてスケッチ開始。その素早さに感動。あっという間に2匹のいきいきとした姿を紙の上に描きつけた。まるで魔法のよう。開場したお店では開演を待つお客さんがみおさんの展示に見入っていました。満員御礼、初めての場所でたくさんのお客さんの前で歌える幸せよ。



ライブはまず自己紹介的な“猫の出てこない歌たち”でスタート。今回の旅のテーマは巡礼なので『pilgrim』から「blue moon skyline」がよく似合う。「hanalee」は夫婦岩を見た後だったこともあってまた違った風景を想いました。GTH時代に一度も歌いにこれなかったので「手と手、影と影」で罪ほろぼし。みおさんの月くんに捧げて「月あかりのナイトスイミング」、「太陽と満月」も月つながり。前半最後はギタレレに持ち替えて、近藤研二さんの「眠れねこねこ」を様々な祈りと願いを込めて。

みおさんを呼び込んでトークの時間。みおさんが話し始めると雰囲気がふわっと弛緩するから面白い。ポチの話、月くんの話、もっといろいろ話したいこともあったけれど、また何度でもこういう機会が持てたらいいなあと思う。この日のステージはみおさんの彫刻作品たちに囲まれての演奏で、なかなか得難い経験でした。「この子たちを作ったときはだいたい山田さんのCDかけてたから、そのうち一緒に歌いだしますよ」とみおさん。

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後半のライブは「ポチの子守唄」からスタート。以降、演奏した曲はすべて猫の登場する曲だった。「猫町オーケストラ」を聴いた猫の保護活動をしているというお客さんが「染みました」と感動して話しかけてくれたのは嬉しかった。「日向の猫」ではお客さんみなさんの声を一緒に彫刻の猫たちの可愛い声も聞こえてくるような気がしました。「小さな巣をつくるように暮らすこと」は昨年末巣巣でライブで歌うために作った新しい歌。僕とみおさんが知り合うきっかけになったのも巣巣、そして春にまたみおさんの展示とワークショップが巣巣で行われるからこの日のセットにいれたが、「めっちゃ良い曲」と褒めてもらえて嬉しかった。

アンコールで「第2の人生」を歌ったら子どもたちが色めきだって、シンプルな歌の力を感じた。今年でインディー盤のリリースから20年となる「tsubomi」は山間部に雪が残る三重の風景にうってつけだった。「calendar song」のハンドクラップとコールアンドレスポンスも子どもたちが先導してくれて、盛り上がり大団円となりました。終わるのが寂しいようなライブ、またすぐに戻ってきたいと思う場所ができました。

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遠くから近くからのご来場ありがとうございました。tayu-tauの真ん前にある駅は一時間に一本というダイヤの運行だそうで、お帰りの際に息を切らして駆けた人もいるかもしれませんが、たくさんの方とのサインと握手、おしゃべりが楽しかったです。みおさんは月くんの待つ自宅へ急いで帰られましたが、またすぐに会えますね。この日僕はtayu-tau飯島さん宅にお世話になり、美味しいご飯と寝床を提供していただいた。懐っこい猫のんちゃんが定期的に僕の枕元に偵察に来るのがくすぐったくも心地よかったです。長くて楽しい、充実した一日でした。(つづく)

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2017年02月04日

三重県探訪 ー in god's country(2017年1月28日 薪ストーブと犬のいる家)



先週末の三重県津市喫茶tayu-tauでのライブとそれに伴う旅のことを振り返ります。とても充実した旅だったのでいろいろ反芻していたら1週間が経ってしまった。ちょうど一週間前の今日、東京を出発して三重県へ。よく晴れて富士山がきれいに見えました。僕の頭のなかではずっとU2の「In God's Country(神の国)」という曲が流れていて(この歌を聴いてから今年3月でちょうど30年になる)、それは今回の旅の最終目的地が伊勢神宮であるからだけではなく、友人が木彫刻家はしもとみおさんのことを称して「神様に愛された人」と言うのが妙に印象に残っていたからだ。普段なら三重のライブとくっつけてどこか他の経由地の公演を企画して2デイズツアーにするところだけど、どうしても今回はしもとみおさんのアトリエを見てみたくてライブ前日をお宅訪問にあてた。

みおさんのアトリエは三重県の北端、岐阜県と滋賀県に接する町にあって、田畑の風景が延々と続く道を進む。みおさんのインスタグラムでは猿が出るわ、大雪が降るわで彼の地まで辿り着けるかどうか不安だったが、果たしてみおさんが愛犬の月くんを連れて、手を振って迎えてくれたのでした(Google Mapだけでは不十分だった)。本物の月くんに会えるなんて感動、14歳の貫禄だ。みおさんのお宅には薪ストーブがあってとても暖かい。築年数も相当(80年以上?)だが、創意工夫のリノベーションも印象的。生活スペースのなかにも小さな彫刻作品がたくさん並んでいる。さっきできあがったばかりだという猫も見せてもらったが今にも動き出しそうだった。屋根裏のスペースはデッサン部屋だそうで、無数の精巧なデッサンが書き散らされた様子は圧倒的でした。

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そして足を踏み入れたみおさんのアトリエはちょうど夕刻の光が差し込んで、なんだかとても神々しい景色だった。この場所で大きいのも小さいのも、たくさんの作品が生を受けるのだな。僕が2014年にポチを亡くした後で彫ってもらったポチもここで生まれたのだろう。東京から350キロ、帯同した木彫りのポチをそっとその生まれた場所に置いてみる。これもひとつの巡礼の旅か。アトリエにはいたるところに、どこへ出すでもない作品たちが無数にひしめきあっていた。「作っている瞬間自体に興味があって作り終えるとほったらかしてしまう」というみおさんの言葉も忘れられない。

彫刻もデッサンも、すべてのものが生き生きとしていた。才能がほとばしっている、と感じた。とにかく刺激的なお宅訪問。「神様に愛された人」こと、はしもとみおさんが僕には魔法使いみたいな人のように思えて、それは翌日あっという間に猫をデッサンする様を目の当たりにして確信に変わった。この日はみおさんのお宅を日暮れ時に出発して伊勢の宿まで暗闇のなか車を走らせたのだけど、その間もずっとU2の「In God's Country」のエッジのギターがずっと頭のなかでディレイしていた。また巡りくる新しい季節に月くんに会いたいな。こうして“神の国”巡礼の旅の一日目が終わりました。(つづく)  
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2016年05月31日

Long Drive Home



昨日のこと、東京へ帰る日。今回大阪の2日間は父親のマンションに泊まった。父親の事務所には猫が住みついていて「トラ」と呼ばれていたのだけど、まさに「トラ」という感じの風貌で可笑しかった。そこは大阪の郊外で東京へ戻る高速道路にはすぐ乗れるのだけど、やっぱり大阪に来たからには好きな店に寄りたいと思って開店と同時に心斎橋のスタンダードブックストアへ。「おや、どないしはったんですかー!」と店長さん、イベントでいろいろお世話になった五百森さんとの嬉しい再会。そしてことごとくタイミング合わずご挨拶することができていなかった社長の中川さんにようやっと会うことができた。1時間たっぷり店内を散策。そしていつものレコード屋でまた1時間。自分へのご褒美のような時間。

そして、午後には果てしなく続く高速道路の上。久しぶりのロングドライブだったが、カーステレオからの音楽やラジオ、流れる風景、僕はこの旅のスタイルが一番好きだ。旅の良きBGMになったのはチャットモンチー『告白』、Homecomings、そしてGRATEFUL DEADトリビュート5枚組、そして完成間近な『pale/みずいろの時代』でした。帰路、思春期に夢中になって聴いていたモトリー・クルーを爆音で鳴らしながらワゴンは東京へと到着しました。京都で会った皆さん、お世話になりました。大阪での一日は奇跡みたいで感動しました。また関西に夏に戻ります。

ありがとうございました。  
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2016年05月18日

札幌旅DAY2|吹けよ風、パッチワークの大地(2016年5月16日)



札幌ライブの翌日は東京への戻り日、しかしいつものように最終便を選んだので丸一日北海道の空気を吸い込むのだ。ポチ実も留守番健闘中。北の大地は朝から暴風警報。ものすごい風が吹いているなかをいつものコース、お決まりのレコード屋さんへ。レコード人気なのか外国人も多く開店時間からすごく賑わっていた。ノーナ組のシゲくんともばったり。やっぱり風が冷たいけど、八重桜やムスカリ、チューリップたちが咲き誇り春をもう一回巻き戻して眺めているような感覚がありました。

のやファミリーが車で迎えにきてくれて、僕がリクエストしたのは空の上からパッチワークみたいに見えた町とジンギスカン、どこへ行くのかはまったく知らされない半日旅の始まり。そう、どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと、なのである。札幌の風景は高い建物がないからパッと開けて気分がいい。暴風は吹き止まず、いたるところで砂埃を巻き上げてある意味壮観な景色。最初にたどり着いたのは石狩川と石狩湾を臨むはまなすの丘公園、「晴れていたらすごく気持ちいいんだけど」と残念がるがこのまま何処かへ飛んでいけそうなくらいの風がだんだん面白くなってくる。はまなすソフトクリームなんかを食べて、その後は海鮮市場をいくつか回る。奮発してカニとかイクラを。



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平岡公園梅林はもう盛りが終わっていたけれど、とても気持ちのいい森林浴。そしてのやファミリーのログハウスを訪れるのはもう何度目か。少しずつ確実にハンドメイドで城が築かれていくのが面白い。今度来たときは泊めてもらおう。レコーディングや原稿執筆なんかにもばっちりかもしれない。札幌は思ったよりも日が長く、“パッチワークの町”を駆け抜けて夜の帳が下りる前にその風景に間に合った。とても広大、遠くの景色を眺めてリフレッシュしました。放牧の羊も見れたし、野生のキタキツネにも会えたのです、この日は。

夜になって空港まで送ってもらって、何から何までレストランのやファミリーにお世話になった。しみじみと語り合う時間もあったし、とても有意義な旅でした。またすぐに会いにいきます。さよなら北海道、ただいま東京の日常。


  
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2016年05月14日

福島日帰り旅|ふわり ゆらり hanalee



朝8時から出発して東北道を福島、あんざい果樹園へ向かう。お世話になっているin-kyoちえさんのウェディングパーティーに出席するための日帰り旅だ。3時間かけて辿り着くとそこにはたくさんの人々。すべて手づくりの素晴らしい宴だった。僕はお祝いの歌を歌ったのだけど、札幌たべるとくらしの研究所から帰ってきていた伸也さんファミリーの愛娘モモちゃんが最前列でキラキラした目で歌を聴いてくれたのが嬉しかったな。たしか初めてちえさんとイベントで長く話をしたときに「hanalee」という曲が大好きだと聞いたことがずっと忘れないから、今日もその歌を歌った。

あんざい果樹園を初めて訪れたのは2011年4月、東日本大震災の翌月。5年経って、それが長い時間だったかあっという間だったかわからないけれども、年に1度か2度遊びにいくたびに親戚のうちに寄るような不思議な感覚がある。今日もそうだった。ちえさんのin-kyoは蔵前から福島の三春に移転した。訪ねたい街がまた増えて、そのときを待ちながらワクワクしている。

ちえさん、大輔さん、おめでとうございます。  
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2015年12月15日

うきは猫町紀行



一昨日の基山でのステージの後、福岡県うきは市の筑後川温泉に宿をとった。うちの町からは約40分ほどだが、僕がこれまで一度も訪れたことのない場所。高校卒業して18歳で上京した僕には知らない地元の観光地がたくさんある。うきはに泊まったのには温泉で疲れを取るという自分へのご褒美であるとともに、もうひとつ目的があった。うきは市吉井町にある「四月の魚」というお店にずっと行ってみたかったのだ。吉祥寺の雑貨屋さんで関昌生さんの針金細工を手にとったのはもう数年も前のこと。その関昌生さんが営むお店が「四月の魚」だ。そしてタイミングのいいことにトラネコボンボン、中西なちおさんの『CATS』原画展が開催されていたのだ。

うきはでの朝はよく晴れた。今回の旅も雨に降られずに済んで本当によかった。筑後川の流れは美しく、うきはは水路が多くて景色が美しい。大した下調べもせずに来たのだけど、トラネコボンボンの展示は「四月の魚」だけでなく「山下カバン」「山口さんちの木工所」と3会場に渡って行われていることを知り、それぞれのお店をはしご。震災の日から毎日描かれた絵の展示『記憶のモンプチ』も素晴らしかった。「山口さんちの木工所」では期せずしてポチにそっくりな三毛猫に出会った。リールちゃん、5歳。ずっと遊んでいたかったが、そういうわけにはいかない。ひとつだけ絵を買って持って帰ることにした。九州の高速を走るのは楽しい。平地が続き田畑を焼く煙がたなびいてきたら窓を開けて深呼吸する。野焼きの匂いと子供の頃の記憶はセットになっている。可愛い猫にも何匹も遭遇した。ここは猫町?みんな幸せでありますように。


夜遅い帰りのフライトまで九州の風景を堪能した。
昔より九州が好きになっている気がする。
また春に帰れたら嬉しいな。  
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2015年11月28日

広島道中


  
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2015年11月17日

大阪DAY3|back to tokyo



最近手頃な値段のビジネスホテルがいつも全然空いてなくて、旅するミュージシャンたちはみんな困っている。宿泊問題はかなり深刻。大阪二晩目は久しぶりに泊まるホテルだったんだけど(値段はそこそこ)、温泉もあって部屋も広くてきれいで、(しかし気絶するように眠って)旅の疲れがどこかへ行ってしまうような夜だった。3日目の朝は快晴、この日は東京へ帰る日だが、お昼に父親とご飯を食べる約束をしていたので、それまで大阪を散策。東京から初めて大阪へ進出したレコードショップ、ディスクユニオンを覗いてレコハン、農林会館にある洋服屋さんで散財。そしてお昼すぎに父親の営む車屋さんへ。すると猫がいた。トラという名前だそうだ(キジ猫だった)。僕のことは警戒するが父親とは仲良しらしい。

そしてひたすら東京へ向かって高速道路を走ること7時間、渋谷WWWで行なわれたイトケンさんのソロアルバムリリースパーティーには残念ながら間に合わず、終演後片付け中のイトケンさんに挨拶。イトケンさんが着ていた赤いTシャツは僕が今年の誕生日プレゼントとして贈ったラモーンズTだった。すらりとしたジョーイ・ラモーンとキョウコさんのイメージがダブって選んだもの。絶対このパーティーにはキョウコさんも見にきてるはず!と思っていましたが、イトケンさんに貼り付いて応援していたのかもしれませんね。

日付が変わる前に渋谷から吉祥寺へ。週末の旅は一旦終了、ポチ実は元気に、不服そうに僕を迎えてくれました。次の音楽の旅は来週末。いよいよ5年半ぶりの広島です。  
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2015年10月29日

同じ窓から眺めた景色|母校と地元(DAY4:2015年10月27日)



佐賀でのライブが終わって里帰りツアー終了!と思っていたらFacebook経由で高校同級の旧友から連絡があり「山田くん、実家に帰ってきてるなら母校訪ねてみたら?当時の担任M先生もまだおるけん本出すこと言ったら喜ぶばい」と。わーM先生懐かしい!となって出かけていった学び舎は大学4年のときに教職免許取得のために教育実習でもお世話になった。「おお、山田、久しぶり。どがんしたとか?」と卒業して23年経ってもなお当時を知る先生がいるのは嬉しいことだ。齢四十歳を越えても教育指導の先生に会うとに緊張したりして。そういう久しぶりの再会はいいのだけど、そのまま理事長室に連れていかれて、初めてお会いする現校長先生、理事長、事務局長と「長」のつく方々との面談に。なんだこれ的な展開に。

「山田くん、君のプロフィールの『佐賀県鳥栖市生まれ』 と『東京外語大卒業』の間を省略せずに『基山町育ち』『東明館高校卒業』と書いてくれたらなお良いね。わはは!」とあたたかく叱咤激励を受ける。そのまま町役場まで“連行”されて副町長に挨拶しにいくことになりました。役場で働いている同窓生友人が何人かいるので、複雑な顔で手を振って挨拶。急展開の表敬訪問となりました。しびれた。面白かった。

そして東京に戻っていつもの日常、通販STOREプレオーダー分サイン入り小説「猫と五つ目の季節」発送作業を再開しました。そして今週末は新潟へ。10月31日(土)は燕市ツバメコーヒーでのイラストレーター大塚いちおさんとのコラボレーション、アアルトコーヒー庄野さんも一緒でツバメコーヒーの3周年をお祝いします。そして11月1日(日)は新潟市の本屋さん北書店でのライブ。原亜由美さんをトークゲストに迎えて本や猫の話もできればと思っています。ミニパネル展も同時開催予定。他の町ではできない特別な2日間になります。ぜひ遠くから近くからお越しください。予約絶賛受付中です。


2015年10月31日(土)@新潟 燕市 ツバメコーヒー
ツバメコーヒー 3rd Anniversary “大塚いちお & 山田稔明・飛び立つコトノハ”

18:00開場18:30開演/前売り3500円(1ドリンク込)
出演:大塚いちお、山田稔明、庄野雄治(アアルトコーヒー)、タナカヨシユキ(ツバメコーヒー)
*お昼にはアアルトコーヒー庄野さんとツバメコーヒータナカさんのトーク、
コーヒー教室なども開催される予定。一日中楽しいツバメコーヒー祭りです。
オフィシャルサイトRESERVEにて入場予約受付中です
ツバメコーヒーFacebookページにも詳細あり

新潟 燕市 ツバメコーヒー
〒959-0264 新潟県 燕市吉田2760-1
TEL 070-5371-3514


2015年11月1日(日)@ 新潟 北書店
小説「猫と五つ目の季節」発売記念ライブ

14:30OPEN 15:00START/料金2,000円
出演:山田稔明/トークゲスト:原 亜由美(写真の町シバタ)

初めての小説「猫と五つ目の季節」発売を記念して新潟の
名書店での二度目のライブが決定しました。今回はお昼の
ライブになります。夜には明かりの灯る部屋でそれぞれ読書の時間を。
*オフィシャルサイトRESERVEフォームにて予約受付中

新潟 北書店
〒951-8124 新潟市中央区医学町通2番町10-1 ダイアパレス医学町101
TEL 025-201-7466  
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2015年10月26日

里帰り苦行|今日は佐賀RockRideにてライブです



昨日はオフ日、のはずだったのだけど…。福岡に来たならラーメンよりうどん、ということで美味しい昼食をとった後、太宰府天満宮で小説のヒット祈願。いつぶりだろう、25年ぶりくらいか。初めて九州国立博物館へ。その建築美を堪能。歴史探訪の趣き。久々に車窓から見る故郷の景色は変わっているところも変わらないところもあり、居心地の良さと悪さも共存する。

実家へ。日が暮れたら出かけて鳥栖の老舗おでん屋「志能」へ。母親の行きつけの店だが「小説ば出したならうちで即売会せんね!」ということになり、たくさんのお客さんを前に言わば親孝行興行。子どもから同級生、82歳のクラシック好き爺ちゃん、果ては柴犬まで多岐にわたるバラエティに富んだ観衆を前に「些細なことのように」「ポチの子守唄」を歌いました。持っていった本は完売、なんと泥臭い演歌的営業よ…。いい思い出になりました。30年ぶりに会った旧友が「山田くんはいつもギター弾きよったし、猫も可愛がりよったよねえ…」と感慨にふけっているのを見て自分が昔と何も変わらないことに改めて気付かされました。

今日は佐賀のライブハウスRockRideで中島孝(Nakakoh改め)さんとの共演、僕は20時から演奏します。佐賀でライブするなんて少し前までは全然想像もつかなかったのだけど、最近では新井仁さんが足繁く通っていたり、今度HARCOも佐賀に行くらしく、興味があったのです。佐賀鳥栖出身の僕はやっぱり久留米や博多、東京に憧れて上京したのだけど、地元に何かを還元するのも大切なことだと最近は思っている。これをきっかけに佐賀に定期的に来れるようになれたらいいなと思うけどすべては今夜の内容と印象にかかっています。15時頃からNBCラジオ佐賀の番組に生出演も。初めまして佐賀、どうかよろしくお願いします。


2015年10月26日(月)@ 佐賀 RockRide
中島孝 × 山田稔明 2MAN LIVE “tsuioku”

open 19:30 start 20:00
前売 2,000円当日 2,300円 (+1Drink Order)
LIVE : 中島孝 / 山田稔明 (東京)
*チケットはオフィシャルサイトRESERVEにて予約受付中

佐賀県鳥栖市出身なのに僕の佐賀市内でのライブはキャリア初となります。
キャンペーンにも行ったことのない近くて遠い街、緊張しますがワクワクもしています。

佐賀 RockRide
〒840-0824 佐賀市呉服元町2-4  
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2015年10月02日

「些細なことのように」第1位をいただきました|札幌DAY3(ラジオ出演情報)



札幌最終日はブログにすでに書いたようにラジオプロモーションでしたが、昨日放送のFMノースウェーブ「スマイルマルシェ」SUMAPPORO HOT 30で「些細なことのように」が1位を獲得しました。番組スタッフの独断と偏見によるチャートとのことで、しかし7月からずっとチャートインして秋の日にご褒美をもらったような感じです。今後もいろいろオンエアになるコメントがありますので引き続きチェックしてみてください。飛行機の時間が遅かったのでJR札幌タワー展望台に登って札幌の夜景を楽しんで3日間の旅は終了。お世話になった皆さん、ありがとうございました。


<ラジオオンエア情報>

10月4日(日)FM NORTHWAVE「BRAND-NEW TUNE」19:00-21:00
 コメントと楽曲オンエア

10月12日(月)STVラジオ「マッスルナイト」18:00-20:00
 コメントと楽曲オンエア

10月14日(水)FM NORTHWAVE「Radio WE!」23:00-24:00
 コメントと楽曲オンエア


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2015年08月14日

加古川での邂逅と合流|夜の科学 in 加古川 - for the loved one(2015年8月9日 ツアーDAY2)【ライブ後記】



神戸の宿で目覚めたらポチ実のお世話をお願いしている近藤家から報告が。なんとあんなに人慣れしていなかったポチ実が手からご飯を食べたり擦り寄ったりしてきたと!安心した。朝ご飯は南京町で北京ダックとココナッツタピオカジュースなどで中華街観光気分。いろんな人に薦められたフリークアウトレコーズを目指すも閉まっていて立ち尽くす。結局時間切れ、途中ハックルベリーとか噂に聞くレコードショップも見かけたのだけど、またの機会にゆっくりと。

明石海峡大橋と瀬戸内海を眺めながら新快速で加古川へ。ここへ来るのももう何度目か。今回のライブが16回目、それ以外でもふらっと立ち寄ったことがあるし、勝手知ったる街になった。チャッツワースへたどり着くとすでに今日のゲスト溝渕ケンイチロウ氏は到着して、もう店主岸本さんと話して盛り上がっていた。「InstagramなどのSNSでいいねを付け合うくらいの関係」だったケンイチロウさんとチャッツワース、実際に会えばヴァイブレーションのあう人たちは勝手に仲良くなる。美味しい賄いをいただき体力回復。そして1時間かけてリハーサルを。ケンイチロウさんはカホンとパンディロと小物パーカッションで合わせてくる。予想通り、なんの問題もない。広島県福山市に活動の場を変えた彼は1ヶ月前までうちから車で10分のところに住んでいたのだけど、離れたら離れたでこういう交わりができるのだな。会場はいつものように満員御礼。2008年まではどこにあるのかも知らなかった街が今では自分にとって大切な故郷みたいになっているのが不思議だ。

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ライブ第一部は僕ひとりでGOMES THE HITMAN、ソロ、GOMES THE HITMAN、ソロと交互に夏の歌を披露。これはフジロックでジョニー・マーがソロとスミスの曲を交互に演奏したことにヒントを得た演出。まだCDになっていない新曲ふたつがここでもとても好評で、演奏しているとお客さんが前のめりになって揺れるのがわかる。「ポチの子守唄」はポチと、去年の10月に旅立った岸本家の愛猫チャオ、そしてお客さんそれぞれの胸にあるラブドワンに捧げる。そして溝渕ケンイチロウを呼び込んでから第二部へ。

「太陽と満月」はセッションするのにうってつけの曲だ。ゆっくり始まってどんどん歯車が噛み合って最後にはエンジンがかかっている。「些細なことのように」はケンイチロウさんに「山田版LET IT BEだと思って叩いて」とお願いした。「my favorite things」でやわら立ち上がった彼がハンドクラップを煽り、コーラスを添えてくれて新鮮だった。僕の歌はシンコペーションが独特で合わせるのが難しいのだけどさすが15年来のライバル。彼が山田稔明ソロのバンドでイトケンさんの穴を埋めてくれたライブは2008年頃だったか。久しぶりに一緒に演奏した「hanalee」もとてもよかった。

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あっという間に本編終了。アンコールは第三部、遊びにきていた「ははの気まぐれ」のドラマー川本くんにカホンに座ってもらってケンイチロウさんもギターを持ってトリオ編成。彼がセロファン時代に書いた「ストレンジャー」のレコーディングに僕はコーラスで参加しているが、時を越えても色褪せない素晴らしい歌。個人的なこの日のハイライトは3人での「ストレンジャー」セッションでした。ぶっつけ本番で、まさに“音楽”を奏でている感じがしました。

「終わった!お疲れさま!」と讃え合っていたら客席からは予期せぬダブルアンコール、「ハミングバード」よりももっと二人で演奏するのに相応しい歌があったかなあ、と思ったけど、あの日あの時間に歌いたい歌は「ハミングバード」だったのだ。加古川はいつもライブで何かミラクルが起きる街。この日のライブも今までとは違うサムシングがありました。ケンイチロウ氏、川本くん、チャッツワース岸本さん一家、そして遠くから近くから集まっていただいたお客さんたちに心から感謝を。

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2015年8月9日 @ 加古川 チャッツワース
“夜の科学 in 加古川 − for the loved one”


1.スティーブンダフィー的スクラップブック
2.夏の日の幻
3.長期休暇の夜
4.一角獣と新しいホライズン
5.太陽オーケストラ

6.Qui La Laの夏物語
7.ブックエンドのテーマ
8.lucky star
9.ポチの子守唄
10.猫町オーケストラ

11.太陽と満月
12.些細なことのように
13.my favorite things
14.small good things
15.hanalee

EN
16.ストレンジャー(セロファン カバー)
17.月あかりのナイトスイミング
18.ハミングバード


with 溝渕ケンイチロウ(M11-16, 18)
with 川本健士(M16)



打ち上げも楽しかった。岸本さんたちとケンイチロウは山の話で盛り上がるし、長男カズトくんが「ちょっと聴いてもらっていいですか?」と自作曲をピアノで弾き語るシーンがあったり、ダンスを頑張っている長女ルナちゃんからはボルダリングの魅力を教わったり…。初めて会ったときはまるで子どもだった二人がこんなに大きくなったんだなあ。ぜひ今度はケンイチロウソロライブをチャッツワースでやって欲しいし、どこかの山で彼らが合流するのも時間の問題だろうなと思う。美味しいものを食べ、楽しい話をして、これ以上なにを欲しがるか。加古川の夜は完璧な夜でした。



明けて翌日は岸本家と淡路島観光からのKiss FM KOBE。神戸どうぶつ王国は次の季節に。充実の3日間でした。  
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2015年01月25日

嬉野ー佐賀ー鳥栖ー福岡ー帰京【九州旅DAY4】



昨晩はくたびれて嬉野温泉の宿に帰ってきて、ほろ酔いの両親を横目にざざーっと温泉に浸かってそのまま寝てしまったが、明けて街並みを眺めてみるとやはりいい場所に泊まったなあと嬉しくなる。贅沢な朝食をいただいたあと、正午チェックアウトだったので大きなお風呂をふたつはしごしてすっかり温まった。嬉野で飲むお茶はすべて香りがよくて美味しい。お茶の葉をたくさん買ってしまった。午後に宿を発ち、佐賀まで戻って僕が行ってみたかったレコード屋(リサイクルショップ?)で1時間くらいレコ掘り。奥深きレコードコレクター道。

その後両親の用事に付き合いつつ夕方に鳥栖まで戻って遅い昼食、そして僕はここで両親と別れ再び福岡へ。この日は福岡に泊まり翌日朝に東京に帰るという行程。福岡ではガッシュ/A Part of Apartというショップに挨拶に。ここで長話になり日が暮れた。夕飯は軽く(2日間質量ともに大物づくしだったので)以前ライブで一度お世話になったタロカリでいただこうと思ってふらっと立ち寄る。そこで偶然会った常連客は若い女性シンガー瀬戸口恵さんで、彼女は僕の教え子立花綾香と知り合いで共演もしているという奇遇。世の中は狭い。軽く一杯、というつもりが旧友と連絡がとれて駆けつけてくれて、さらには彼の同僚も合流して日付が変わる直前まで楽しいお酒とおしゃべり。最後の福岡の夜はいろんな偶然が重なって4泊5日の九州旅を締めくくるのに相応しい時間となりました。

翌朝、またPM2.5の靄のなかを飛行機は飛び立って僕は東京へ。今年もまたあと何回か違う季節に九州を旅したいと思います。またすぐ帰るけんね九州。


  
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2015年1月18日(日)@ 諫早 オレンジスパイス “ひなたのねこ”ライブ(ライブ後記)【九州旅DAY3】

前エントリーからの続き。再び嬉野から諫早まで、大村湾を眺めながらひとりドライブ。せっかくなのでぐるっと諫早市内をまわって、偶然見つけたハードオフで中古レコードや楽器を買ってしまったり、限られた時間でしたが諫早の街散策も完遂。お店に戻ってライブの準備、そして店長さん(老猫と暮らしていらっしゃる)と話して泣いたり笑ったり。この日は“猫”をテーマにしたライブなのでカフェテコとはまったく異なる内容に。





猫が出てくる曲ばかりをたてつづけに4曲。そしてポチなきあとにポチ実が登場したときの“恋の予感”エピソードと絡めて「予感」を。この日は声がスーッと良く出て、窓の外のメタセコイアのてっぺんまで登っていくような感覚でした。「ポチの子守唄」「些細なことのように」ではすすり泣く音が聞こえてきて、僕はそっちのほうを振り向けませんでした。ポチの写真に囲まれて歌うのはやっぱりとても特別な感じがして普段のライブとは全然違う感情。

本編最後に歌った「Auld Lang Syne(蛍の光)」は古き友との思い出を想う歌。僕はポチのことを考えながら歌いました。アンコールでは「SING A SONG」、そしてポチとの出会いとなった「饒舌スタッカート」収録の「拍手手拍子」で文字通り手を叩きながら「ひなたのねこ展」最終日を讃えました。・・・のはずが「もう少し展示を延長しましょう!」という嬉しいお言葉をいただいてまだポチは諫早にいます。2月1日まで写真を飾っていただいてますのでぜひお近くの方は足をお運びください。



終演後はお客さんみなさんといろいろな話。一緒に暮らしている猫の話からご自身の亡き息子さんの話など人それぞれの人生があって人それぞれの暮らしがあるのだなあと改めて思いました。みなさんの暮らしに音楽を添えられているのなら嬉しいです。オレンジスパイスのみんなとの打ち上げは長崎ちゃんぽんパーティー。こんなふうに鍋を囲んでちゃんぽんを召すのは初めてでした。またここで歌えたらいいな。心強いスタッフの皆さん、そしてご来場のお客さん、本当にありがとうございました。スタッフ全員に見送られながら僕は真っ暗な長崎自動車道を再び嬉野温泉へ…。




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佐賀川上峡温泉ー武雄市図書館ー波佐見ー諫早ー嬉野温泉【九州旅DAY2/DAY3】



福岡カフェテコライブの翌朝、旧友やっちゃんが迎えにきてくれて故郷佐賀県基山へ。里帰りの際の儀式のようになっている丸幸ラーメンセンターでラーメン。小さな頃から食べているソウルフード。博多ラーメンではなく久留米ラーメン。この味だ。ここから僕は両親と合流してしばし親孝行プレイ。この日向かうのは佐賀市内大和町にある川上峡温泉というところへ。僕は18歳で上京したので地元の名所などをほとんど何も知らないからこの“九州の嵐山”と呼ばれるところへ初めて来た。確かに静かでゆったりしたいい場所、春には川に鯉のぼりがたくさん踊るらしいし、夏には花火と灯篭流しで賑わうそう。とにかくこの日はお湯に浸かりぐっすり休む。

翌朝起きてひと風呂浴びて、宿をチェックアウトした後、行ってみたかった佐賀県武雄市の武雄市図書館へ。蔦屋書店(正確にはCCC)が管理する話題の複合図書館。朝10時過ぎに到着するとすでに駐車場は満車、館内の机はすべて人で埋まっていた。予想以上のスケールに唖然。一緒に行った両親も小一時間座って本を読んでいました(糖尿病の本と中性脂肪の本だった…)。こんな施設あったら休みのたびにここに来ちゃうな、という感じ。ワークショップなども行われていて老若男女が思い思いの楽しみ方で過ごしていました。



武雄市図書館を後にして今度は長崎県の波佐見市へ。ここは前回の諫早ライブの際に連れていってもらった街、波佐見焼という陶器で有名なところだが、HANAわくすいというお店を中心とする築80年以上の製陶所跡をリノベーションして作られた素敵空間を再訪。前回はなんと自分のCDがそこで販売されていてびっくりしたのだが、今回もスタッフの方が僕のことを憶えていてくれて嬉しかった。県境を越えてたくさんの観光客、週末でとても賑やか。人懐っこい猫にも会えました。

両親が退屈そうにしはじめたのでどうしようかと思案。嬉野温泉へのチェックインにもまだ時間があるし…ということで、この日ライブをする予定の諫早オレンジスパイスに連れていくことに。きれいにでぅスプレイしてあるポチの写真に見入る父と母、自分にとってはとてもシュールな光景。スタッフの皆さんがとても優しくしてくれて、美味しいランチをいただく。機嫌がよくなった母親は手作り柚子胡椒をカフェで使ってもらえないかと売り込みしていました…。そして両親を嬉野温泉へ連れていく(諫早から車で30分ちょっと)。ちょうど1月中旬というのは観光客が一段落するときなのか混雑せずにとてもゆったりした旅となりました。温泉宿にチェックインして僕はふたたび諫早オレンジスパイスへ。

親孝行とライブが平行するなかなかタフな…、しかしかなり充実した旅行程でした。(続く)


  
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2015年1月16日(金)@ 福岡 cafe Teco “夜の科学 in 福岡ーnew beginnig”(ライブ後記)【九州旅DAY1】

1週間が経ってしまいましたが、先週の九州旅は素晴らしいものでした。今年のライブを故郷から始められたのはとてもよかった。ライブとその旅行程を振り返りたいと思います。



福岡まではとても安い航空券を手に入れたので千葉県成田からの旅の始まり。昼前に吉祥寺を出てお昼の飛行機に乗って午後には福岡へ。事前に知り合いから聞かされていたようにこの日の福岡はPM2.5の影響で空が真っ白。僕が子供の頃にはなかった気象。テレビの天気予報のあとにPM2.5予報もある。東京よりも1時間くらい日が長いこともあって東京と九州の地理を再認識。ホテルにチェックインしてから会場のカフェテコへ。2009年以来通いなれた道。

初めてのソロアルバム『pilgrim』をリリースしてしばらく足を運んでいなかった福岡でもライブをやりたくて、人づてに紹介してもらったのが警固にあるカフェテコでした。音響設備のないお店でしたがそのご飯の美味しさと店主テコさんの人の良さで以来僕の福岡での拠点となりました。1月24日(今日です)で13年続いたお店がクローズするということで依頼されたライブ、カフェテコでの最後の音楽イベント。たどり着いたカフェテコは準備でバタバタしていて感傷的な雰囲気とは程遠く、僕もバタバタと準備を。

Twitterで「リクエストがあれば」と投げかけると思いのほかたくさんの返答があったので、急遽セットリストを大幅に変えてあたふた。「残り物ですけど」と出してもらった賄い飯の美味しさにため息をつきながら「これが最後かー」としみじみ。金曜日の夜にも関わらず遠くからも近くからもたくさんのお客さん。開演の時間になりました。

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今年初めてのフルサイズの弾き語りワンマンは『新しい青の時代』を頭から3曲、そして『pilgrim』『home sweet home』の冒頭楽曲でスタート。思えば3枚とものレコ発ライブをやらせてもらっているのだから、その6年間というのはやはり長く内容が濃い。「カフェの厨房から」はリクエストをいただいた曲でしたが、「辿り着いたこの店が君の宿り木になったなら/私どもは幸せでそれだけでいいのです」というのは文字通りのカフェテコ賛歌になったような気がしました。「tsubomi」に出てくる「17歳の頃流した涙/思い出して笑う」というフレーズは福岡の警固公園での高校時代の思い出を歌っているからこの地でこの歌を歌うのは感慨深い。

カフェテコで何度もライブをやっている高野さんのカバー、ヒックスヴィルの話から絡めての小沢健二カバー、「月あかりのナイトスイミング」でたびたびピアノを弾いてくれたHARCOもカフェテコ仲間。故郷の友だち家族のために作った「この広い世界で」、これからCDになる新曲たちも並べて全部入りのセットリスト。「maybe someday」はカフェテコの有終の美を讃えたくて歌った。「Auld Lang Syne(蛍の光)」も素晴らしい響きでした。最初のアンコールのあとも興奮冷めやらぬ感じで、マイクを通さない生音で最後に「hanalee」を歌いました(この歌は最初のライブから毎回歌ったんじゃないかな)。



終演後はなぜかびっくりするくらい物販の商品が売れていました。売り切れたモノもあってごめんなさい。ローカルバスのケイジくんとノミさんも観にきてくれた。いつもの同級生チームも打ち上げまで楽しい気分にさせてくれました。九州全土、山口、広島からも駆けつけてくれたファンの皆さんに感謝。諫早オレンジスパイスからもこそっと遊びにきてくれたスタッフも。やっぱり福岡はよかとこ。これからカフェテコに変わる会場を探さないといけないのだけど変わらぬご愛顧をお願いします。

そしてテコさん、お店閉店の決断はとてもポジティブなもので気持ちいいくらいにさっぱりした表情が印象的でした。これからは福岡以外でもいろんな場所で会うことになるかもしれませんね。カフェテコはいよいよ本日24日(日)cafe Teco マルシェをもって最後となります。福岡の皆さん、ぜひ日曜日の午後にカフェテコまでお出かけしてはいかがでしょうか(詳細はこちら)。cafe Teco、そしてテコさん、6年間ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。




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2014年06月30日

センチメンタルな旅 初夏の旅



金曜日から昨日までの関西への旅、ライブ以外のことをメモ。びっくりするくらい安い大阪往復のチケットを獲得したので今回は成田からのフライト、しかし週末の朝の渋滞はとてもひどく「楽器なしで飛び乗る?」「乗れなかったらどうする?」と心せわしなかったがなんとか間に合った。以降すべての幸運をポチのおかげだと思うことにする。関空から京都までは「はるか」という電車で乗り換えなく快適。ここ最近うまく眠れず、移動中もずっと窓の外を眺めていたのだけど大阪というのは本当に大きな街だな。ホテルにチェックインしてしばし休憩してトーク&ライブ。もしも屋にはジャムという猫がいた。黒白で鼻筋が通っていて格好良い猫だったが触らせてはくれず。きれいな声で鳴いた。京都での夕飯はもしも屋で。とても居心地の良い店でまた来たいと思いました。紹介してくれた岡村詩野さんに感謝。

翌朝京都は降ったりやんだり。京都の朝はイノダコーヒに決まっている。この日は四条支店でエビピラフを。美味しいものを食べると元気がでる。しかしまだまだ元気足りないので、そういうときは買い物だ!とこれも京都に来ると必ず寄りたいモリカゲシャツで水玉のかわいいシャツを購入、嬉しい。斜向かいのお店に人だかりができていて覗くとフリーマーケットをやっていた。「ヌビ」という綿をいれながら縫っていくキルトのような肌触りの韓国布団を売っていて「これ絶対ポチが気にいるやつやろ」とお土産に。こうやって荷物が増えていく。新快速に乗って加古川へは1時間少しの旅。瀬戸内海と明石海峡大橋は灰色の風景。

加古川、チャッツワースについて食べさせてもらったのはライブでサーブされるランチセット。とても美味しかった。楽屋がわりの部屋にあったウクレレをポロポロ弾いていたら楽しくなって1曲ウクレレ伴奏で歌うことにしました。ライブ会場になった2階はとてもよい雰囲気に準備がなされていて気持ちのいい歌が歌えました。ポチが映ったDVDを持ってきていたのだけど壁一面に大映し。可愛かった。奇跡みたいな時間のライブの後は近くのセシルで打ち上げ。セシル店主シマダさんとのおしゃべりも久しぶりで楽しかったが、とにかくくたびれ果てて眠く、最後のほうは記憶が曖昧。

東京に帰る日は夜まで時間があったのだけどチャッツワース岸本さんが自宅へ招いてくれて、普段岸本家が食べている朝ご飯に混ぜてもらった。岸本さんの家にはポチと同じ15歳のチャオという猫がいて、僕は会うのが2回目だったけど撫でさせてくれて添い寝させてくれて、毛むくじゃらの猫の身体に触るのは1週間ぶりだったので少し心が柔らかくなったような気がした。岸本さんのレコードコレクションを眺めて話をしてゆっくり流れる時間がこの旅のなかのハイライトだったように思う。このタイミングで加古川に来れて本当によかった。

それから初めて明石の街へ。魚の棚という、海鮮市場を散策。そこで食べた明石焼きが絶品。こんなに食べられない!と思った一人前がぺろりと胃の中に。神戸へ移動してタワーレコードへ挨拶に。7月7日に全国発売になる『緑の時代』を応援してくれるお店、素敵女子バイヤーのスタッフを訪ねるとGOMES THE HITMANのときからファンだった、と嬉しい言葉。ポチの写真を使って立派な看板を作ってくださるそうなのでお近くの方はぜひ愛でにいってください。心強いサポートをしてくれた岸本ファミリーとお別れ、いつも愛情を受け取ってばかりでお返しできず申し訳ない。また来ます、加古川。

東京はひどい天気だったみたいだけど、帰り道の夜はいつもの東京でした。
この街はまるで光の葡萄みたいだな。いつもの台詞。


「センチメンタルな旅 春の旅」というタイトルの、2010年に他界した、写真家荒木経惟の愛猫チロの最後の数ヶ月を撮った80葉ほどのモノクロの写真集があります。900部限定の本なのでなかなか入手しにくい一冊なのだけど(「チロ愛死」というハードカバーのなかでそのなかの写真は見ることができます)、僕はこの本のなかでやせ細ってパサパサになっていくチロの生き切る姿を必死で目に焼き付けて、我が愛猫ポチのまだ未ぬ最期の床を想像したものでした。実際にはポチは最後までやせず毛艶もきれいなままで逝ってしまいましたが、この写真集は僕にとってとても大きな意味のある一冊です。今回ポチがいなくなって1週間後の、この60時間ほどの旅は何を見ても何を思っても僕にとっての“センチメンタルな旅”でした。まだまだこの旅は続きそうですが。  
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2014年03月27日

京都水族館から帰京(2014.03.24)

浜松、名古屋、京都と3つのライブとワークショップを終えて月曜日は東京へ帰る日、しかしずっと行ってみたかった京都水族館が宿から歩いてすぐの距離だったので朝いちで行ってきました。素晴らしい演出、童心に戻って軽やかな足取り。水族館でライブができたらいいな。イワシの渦をバックに歌ったり、ペンギンと見つめ合いながら歌ったり。水族館を堪能し、光と水がせめぎ合うこの風景こそ“新しい青の時代”によく似合うような気がしました。帰路中はずっと頭のなかで作詞の作業。実はこの日の夜いっぱいが締切の原稿があったのですが、なんとか満足行くものを納品することができました。金曜日からの長い旅でした。


  
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2014年02月27日

松山探訪/Glen Phillips LIVE @ bar TAXI



2月24日月曜日の夜10時に小倉港を出た船が松山観光港に到着したのは朝の5時。こんなに早く陸に放り出されても…と思っていたら船の中に7時まで待機できるとのことで、僕はゆっくり身支度をして6時半ころに上陸。歩いて10分の伊予鉄高浜線、高浜駅まで夜明けの海沿いを歩く。愛媛は父親の故郷なので子どもの頃によく来ていたのだけど新居浜とか土居の記憶はあるのに松山を観光した記憶はない。ほぼ初めての松山ひとり旅である。

海沿いを走る電車はだんだん街へ。通勤通学の時間になり僕は街の暮らしの一部に溶け込もうとする。松山市駅で降りて路面電車の一日券を購入、ホテルに荷物を預かってもらい解き放たれた鳥のような気分。朝6時からやっているという道後温泉にまずは向かいます。わー、なになにこの街の雰囲気!とどんどん楽しくなっていく。道後温泉本館は歴史的な景観。平日の朝で観光客も少なく、まずは温泉に入って船旅の疲れを流しました。畳の広間でお茶とお菓子をいただく。夏目漱石が名作「坊っちゃん」のなかで「3階では茶を飲みお菓子を食わせてもらえる」と書いた、その風景を追体験。

次に向かうのは松山城。今回の旅にあたって愛媛出身の高橋久美子ちゃんの徹底的なお薦めスポット指南メールに本当に救われた。なんとリフトとロープウェイのどちらもある麓駅から松山城までは小さな山登り。春の陽気のなか往路はまずリフトで、足をぶらぶらさせながら。世界遺産である姫路城を観たばかりだったが松山城も素晴らしいお城だった。なにより天守閣から見下ろす街並み。こんなところに住んだら…と妄想したりして。帰りは迷わずロープウェイ、この時点でまだ朝10時くらい。




次に向かうのは歴史的建造物である萬翠荘。ここが個人的には一番気持ちのいい場所でした。西洋建築の洋館、松山と日本の歴史に重要な役割を果たした空間。謁見の間、晩餐の間、応接室とどの部屋もため息が出るような光と影の風景。高橋久美子ちゃんはここで2011年にこの場所で「ヒトノユメ」展を開催したのだけど観てみたかったな。かったな。また僕は「ここに住んだとしたならば」と妄想。昼食も久美子ちゃんが推す喫茶店でフルーツサンド、そしてホテルに一度チェックイン、そのままバタっと倒れこむように小一時間爆睡してしまいました。



そしてムクッと起き上がり、路面電車に乗って松山駅方向へ。モアミュージックという広いレコード屋さんで気が済むまでレコードハンティング。手付かずの宝の山にショベルを持って出かけていってそのままミイラ取りがミイラになってしまうような男が、僕。知らない街をiPhoneの地図を頼りに歩くのは心細く寂しく、しかし楽しい。この日僕が松山へ来たのはToad the Wet SprocketのボーカリストGlen Phillipsのライブを観るためだ。音楽を欲する心が僕をこの街に連れてきた。

夜になってライブが行われるbar TAXIへと向かう。松山は日本一バーが多い街だそうで、雑居ビルにはたくさんのネオンや看板が揺れる。お店は2,30人入ると満員になりそうなスペース。手が届くような席から25年聴き続けているシンガーの歌を味わえる喜び。お客さんもたくさん、グレンのライブが始まりました。2曲目にToadの「Walk on the Ocean」、そらで歌える大好きな歌。ギターと歌のシンプルなサウンドだけど、彼のギターはベースとリズムとメロディのすべてを兼ね備えているので物足りなさを感じない。一緒に来ていた12歳になる娘のフレイアちゃんとのセッションも微笑ましかった。

休憩を挟んで2時間少しのステージ、ジェイムス・ブレイクのカバーという意表を突くセレクトも良かったが、ポール・サイモンの「American Tune」を歌い始めたときには息が止まるかと思った。Toadの新曲はもちろん、「ALL I WANT」「FALL DOWN」など思春期に熱中した音楽はこんなに気持ちをハッとさせるものか。終演後にグレンにサインをしてもらうときに『新しい青の時代』を渡しました。すると彼は「Oh!君はGOMESの!」と昔渡したCDのことも憶えていてくれてとても嬉しかった。彼に「こないだToadのカバーを歌ったんです」とiPhoneで徳永憲くんと一緒にやった「Way Away」を観てもらう。ワオ!とにこにこしながら。フレイアちゃんからは「素敵な声!」と言われたので「You too!」とお返し。夢のようなひとときでした。あー、幸せだったな。松山まで来て正解だったなあ。



音楽のある暮らしが僕をどこかへ連れていったり誰かを僕の前に連れてきたり、衣食住に音楽がなくてもなんとか生きていけるのかもしれないけれど、僕にとってはなくてはならないものだなあと実感した福岡、そして松山への旅。興奮冷めやらぬまま翌朝早起きして坂の上の雲ミュージアムに行ったりさらなる街歩きをしたりして最後まで松山を満喫、最後に立ち寄ったスターバックスコーヒーでは店員さんに「山田さんですよね?ずっとファンです。ぜひ松山でライブしてください!」と声をかけられるという奇跡で長い旅は幕を閉じたのでした。これはまた近い未来にここへ戻ってこなくてはいけないということだな。松山、大好きな街になりました。




  
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2014年02月26日

松山堪能、そして帰京しました



Toad the Wet SprocketのボーカリストGlen Phillipsの来日公演の関東2ヶ所が自分のライブと重なってしまい(前回もそうだったのだ)昨年からToadの活動と新作リリースというタイミングのグレンの歌をどうしても聴きたくて福岡からフェリーで向かった松山公演。行ってよかった、間違いなかったと思える素晴らしい時間でした。愛媛は父親の故郷なのだけど子供の頃からもう長いこと疎遠だった街。朝からいろいろ思う存分散策して大好きな街になりました。今年は松山でライブがやりたいと思いました。ライブのことや詳しい旅日記はまた改めて。出会ったすべての人に感謝。松山情報をたくさんくれた知人たちにも「ありがとう」を。今週末はいよいよ蔵前NAOT TOKYOのオープニングライブ、高野寛さんとのライブです。とても楽しみ。


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2014年3月1日(土)@ 蔵前 NAOT TOKYO
“NAOT TOKYO OPENING LIVE:高野寛 X 山田稔明”

17:00開場/17:30開演/料金3500円
出演:高野寛、山田稔明

ライブ・イベント等でお世話になっている奈良風の栖がイスラエルの
手作り靴NAOT(ナオト)の日本直営店が東京蔵前にオープンさせます。
そ開店をお祝いするライブイベントに高野寛さんと一緒に参加、特別な
宴になりそうです。スカイツリーを眺める墨田川のリバーサイドで始まる
新しい物語にご注目ください。

*THANK YOU!SOLD OUT!

NAOT TOKYO(3月7日OPEN!)
台東区駒形2丁目1-8 楠ビル301
http://naot.jp/
  
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