2023年08月18日

松本、この夏一番暑い日

山登り好きで信州松本に詳しい長男堂店主に「車が劇的に混むから松本にイベント当日入りは危険」と諭されて前乗りすることにした今回の旅。10年ぶりの弾き語りライブだけど、実は2019年の春にサトミツ&ザ・トイレッツで一泊の遠征をしているので過去の記憶と比較的近い記憶で頭の中が少し混乱してしまう。街を歩いていると少しずつ、あるいは突然いろんなことを思い出すから不思議。

もしかしたら東京や遠方から松本でのイベントに来られる方も多いかもしれないので今回立ち寄った場所をメモ。まず長男堂に薦められた「カレーとおやきsomething tender」はスパイスの効いたとても元気が出る美味しさであった。松本は36.6度を記録する今年最高気温の猛暑日だったらしく、僕も少し暑さにぐったりしていたけれどカレーで復活しました。「ちきりや」という民藝のお店に行きたかったけどそこは閉まっててまた改めて挑戦したい。ライブで何度かお世話になった「豆とコーヒーLaura」も閉まってたのはお盆明けだから例外的なお休みだったのかな。ふらっと入った「手仕事商會すぐり」では猫の展示をやっていて可愛かったです。古着屋さんがたくさんあって、かなりレアがビンテージバンドTシャツを発見して絶句したり(REM3万円!ソニック・ユース8万円!とか言って)。

レコード屋さんはマストで、BEATNIKSという老舗、MARKING RECORDSっていうインディー系マニアックで面白いショップを訪ねるのは2度目。もう何件か行きたいレコード屋さんがあります(セラーレコーズっていうとこに行ってみたい)。気になっていた「本・中川」という本屋さんで坂本千明さんの展示をやっていたので滑り込み。猫好きにはたまらない、贅沢な空間でした。店主さんがポチ実のことを知ってて一気に会話が弾んで、猫ってホント尊いなと思った。

夜はお店が閉まるのが早い。お蕎麦の口になっていたんだけど、「民芸レストラン盛よし」というお店でえらく肉肉しい夕飯を食べて翌日のライブに向けて精力を。涼しくなった夜の街を歩くのも楽しくて、松本はとてもモダンな街だなあとたくさん写真を撮ってしまいました。暑くて汗だくでクタクタ。多分ライブ当日も灼熱でしょう。とにかく健康第一で夏の思い出作りを楽しみましょう。インスタグラムにいろいろ投稿していますのでぜひご覧ください。

土曜日、松本手紙舎文箱で。

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2023年8月19日(土)@ 長野 松本 手紙舎文箱(1F喫茶スペース)
山田稔明 LIVE with 福田利之 at 浅間温泉 手紙舎文箱

16:30開場/17:00開演/18:30終演予定
*バスをご利用の方は、店舗目の前から19:18発松本駅行きのバスがございます。
定員:40名(先着順)
料金:3,500円+1drink 500円
申込み:以下サイトにてお申し込みください
https://coubic.com/tegamisha/473244
*お支払い方法はクレジットカードによる事前決済となります。

問合せ:TEL 0263-87-2716(手紙舎 文箱)
*ワークショップにご参加の方にはライブ時の1drink代をサービスいたします!

アルバムのジャケットイラストを福田利之さんが手掛けるなど親交の深いシンガーソングライター
山田稔明さん(GOMES THE HITMAN)のライブを手紙舎 文箱にて開催します!
ライブの合間には、福田さん作・山田さん編曲の「くりさぶろう」絵描き歌も聴けるかも!?


<車でお越しの方>
松本ICから7.1km、約25分。 長野道 松本ICを降り→国道158号を松本市街方面へ2km
→中央1丁目交差点を左折→道なりに4km直進→浅間橋東交差点を直進→中浅間交差点を過ぎ右手
<バスでお越しの方>
1)松本駅前バスターミナルまたは松本駅お城口バス停よりアルピコ交通バス浅間温泉行き利用28分、
ホットプラザ浅間前バス停下車(徒歩0分)
もしくは
2)松本駅前バスターミナルから「横田信大循環線」「信大横田循環線」に乗車、「浅間温泉入口」下車(徒歩約7分)
<タクシーでお越しの方>
松本駅前から約20分。浅間温泉郵便局を目指してお越しください。
<自転車にてお越しの方>
松本駅から20〜30分。

松本 手紙舎文箱(https://tegamisha.com/news_cat/tegamisha-fubako/
長野県松本市浅間温泉1-30-6(浅間温泉郵便局」隣)  

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2023年07月28日

故郷にて

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故郷に1週間ほど滞在した。とにかく暑くて、危険な気温で、母親の車が全然エアコンが効かないのでレンタカーを借りて動いた。九州は東京と比べると40分くらい日が長いだろうか。19時になっても明るい空がだんだん暮れていくのを何回か眺めて、その瞬間は少しだけ涼しい気持ちがした。僕が生まれたのは鳥栖市で、実家があるのは基山町。そこからはだいたい1時間半くらいで唐津へ行ける。

ぽっかり空白の時間ができたので思い立って長崎へ行った。長崎も車で1時間半。長崎は佐賀よりももっと暑かった。アスファルトがたぎって、何を触っても熱かった。8月にコンサートを行う長崎歴史文化博物館のホールを下見。100人以上収容の大きな立派な会場でした。町田尚子さんの絵本原画展、ぜひお越しください。

長崎から佐賀への帰路も夕暮れトワイライト。何色とはっきり名前を言えないような空の色を眺めながらGOMES THE HITMAN『ripple』(地元のブックオフで救出した)を聴いてしみじみしました。

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2023年8月5日(土)@ 長崎歴史文化博物館 1階ホール
町田尚子トーク&山田稔明ライブ
キコエマスカ?〜衛星(ほし)に願いを

出演:山田稔明/町田尚子
13:30開演(15:15終了)/観覧無料ですが本展観覧券が必要です(半券可)
15:30から町田尚子さんのサイン会があります(すでに締切)

http://www.nmhc.jp/exhibition/2023/sukiarabaneko/index.html

長崎歴史文化博物館(http://www.nmhc.jp/
〒850-0007 長崎市立山1丁目1番1号  
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2023年07月16日

8月19日は長野松本でライブ|まつもと観光メモ

唐津、長崎とこれから旅が続きます。九州は遠い…という方も長野県松本ならと新幹線や車での旅行を計画している人もいるかもしれません。長いことブログを書いていると(来年の春で20年になります)かつて旅した記録が残っていて興味深いです。松本への旅を予定している方のために紹介したいと思います。

信州まつもと旅DAY1(2012.5.19)
信州まつもと旅 DAY2(2012.5.20)
“brand new blue” tour 2013(10月12日 長野 松本 豆とコーヒーLaura)

インスタグラム画像のリンクが壊れてしまっていますがクリックすると見ることができます(インスタももう随分長いことやってるのだなあ)。ここのコメント欄にも当時ファンの方がくれた情報があったり。10年くらい前の情報なので改めて確認していただきたいですが、「野麦」というお蕎麦屋さんは今でも人気。福田利之さんのお薦め蕎麦は「もとき」だそうです。「まるも」のプリンもまた食べたい。「松本民芸館」でものつくりの素晴らしさを堪能することお薦めです。「ちきりや」っていう民芸店にもお立ち寄りください。あと、「マサムラ」という洋菓子店、ここのシュークリーム、これ絶品。「栞日」も絶対寄りたい素敵なお店。松本市美術館では「草間彌生 魂のおきどころ」という通年展示をやっていて、これも見モノですね。会場の手紙舎文箱は松本駅からバスや車で2〜30分ですが、早めに動いて風情ある街を散策するのがいいですね。

8月、松本でお会いしましょう。チケット申し込み受付中です。

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2023年8月19日(土)@ 長野 松本 手紙舎文箱(1F喫茶スペース)
山田稔明 LIVE with 福田利之 at 浅間温泉 手紙舎文箱

16:30開場/17:00開演/18:30終演予定
*バスをご利用の方は、店舗目の前から19:18発松本駅行きのバスがございます。
定員:40名(先着順)
料金:3,500円+1drink 500円
申込み:6月8日(木)12:00より以下サイトにてお申し込みください
https://coubic.com/tegamisha/473244
*お支払い方法はクレジットカードによる事前決済となります。

問合せ:TEL 0263-87-2716(手紙舎 文箱)
*ワークショップにご参加の方にはライブ時の1drink代をサービスいたします!

アルバムのジャケットイラストを福田利之さんが手掛けるなど親交の深いシンガーソングライター
山田稔明さん(GOMES THE HITMAN)のライブを手紙舎 文箱にて開催します!
ライブの合間には、福田さん作・山田さん編曲の「くりさぶろう」絵描き歌も聴けるかも!?


<車でお越しの方>
松本ICから7.1km、約25分。 長野道 松本ICを降り→国道158号を松本市街方面へ2km
→中央1丁目交差点を左折→道なりに4km直進→浅間橋東交差点を直進→中浅間交差点を過ぎ右手
<バスでお越しの方>
1)松本駅前バスターミナルまたは松本駅お城口バス停よりアルピコ交通バス浅間温泉行き利用28分、
ホットプラザ浅間前バス停下車(徒歩0分)
もしくは
2)松本駅前バスターミナルから「横田信大循環線」「信大横田循環線」に乗車、「浅間温泉入口」下車(徒歩約7分)
<タクシーでお越しの方>
松本駅前から約20分。浅間温泉郵便局を目指してお越しください。
<自転車にてお越しの方>
松本駅から20〜30分。

松本 手紙舎文箱(https://tegamisha.com/news_cat/tegamisha-fubako/
長野県松本市浅間温泉1-30-6(浅間温泉郵便局」隣)  
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2023年06月26日

名古屋ともだち旅

今年早々から予定を立てて進めてきた高橋徹也さんとの2マンライブシリーズ「YOU'VE GOT A FRIEND」、朝9時に東京を出発。最初の回は夏編、名古屋公演が終了しました。ふたりの音楽性はかなり違うはずなのに、僕のソロもタカテツさんのソロも同じようにお客さんが音楽に合わせてゆらゆら揺れていて、お客さんもいっぱい入って手応えのあるライブでした。ドライブ旅、渋滞にはまることもなくて、梅雨時なのに雨にも降られなくて、いい旅になりました。

終演後の打ち上げは美味しい中華料理で、「今日は飲む」と宣言していたタカテツさんと青島ビールで乾杯。久しぶりの旅を存分に楽しんでくれたようでよかった。東京に帰る前にちゃんとレコード屋散策。名古屋といえばバナナレコード、そしてFILE UNDER RECORDS。帰りはタカテツさんも運転してくれて音楽もかけないでしみじみ話しこんで良い時間でした。また秋に。

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2023年05月21日

沖縄DAY3

猫町フェスOKINAWA、昼夜2公演と夜中までの打ち上げを経て3日目は東京に戻る日。イノトモちゃんは連夜のライブに備え、みおさんは昼の飛行機で帰路。僕、近藤さん、イトケンさん、健太は飛行機最終便なので、残りの時間をむぎちゃんにアテンドしてもらって観光を楽しみました。雑貨屋でお土産を買ったりステーキに舌鼓を打ったり海を見てぼんやりしたり。2019年に消失してしまった首里城、しかし時間をかけて首里城公園を歩いて、再建したときにまた来たいなと思った。最後に食べたソフトクリームが美味しかった。何から何までお世話してくれたむぎちゃんに心から感謝を。

またすぐ戻ってきたい。沖縄が大好きになりました。

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2023年05月19日

猫の町、沖縄

沖縄へはライブの前日に入りました。梅雨入りしたばかりで、天気には期待してなかったんだけど、まったく雨に降られず、青空さえ見えてラッキー。昨年末に来たときは沖縄といえども肌寒かったので、独特の湿気も含めて南国気分が盛り上がりました。国際通りややちむん通りを散策して初日を過ごしました。

本当にそこかしこに猫がいる。猫町フェスチームはみんな猫好きなので、いちいち足が止まって猫の気をひこうと必死。みんな痩せ気味だけど毛艶がよくて、やたらと愛想がいい。うちのチミちゃんよりも僕にすりすりしてくれるから嬉しくなるね。那覇は猫の町でした。

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2023年01月15日

福田さんとの東北・北関東旅の記録

福田利之さんとの宮城県NAKAO CAFEでのイベント、僕は車で、福田さんは飛行機で前日に仙台入りして合流、夕飯を食べるとこからスタート。やっぱ牛タンでしょ、と予約して老舗へ。いつも仙台に来ても時間がなかったりお酒を呑みたい人がいるから居酒屋に行ったりして、ゆっくりお店で舌鼓を打つ機会ってなかなかない。福田さんはお酒を飲まないので牛タンを食べた後はコーヒーを飲みにMOTHER PORT COFFEEへ。ここは気仙沼のアンカーコーヒーの姉妹店。とても気持ちのいいカフェ、福田さんがコーヒーのパッケージを手がけているからなおさら特別。

イベント当日、カフェモーツァルトアトリエで遅めの朝食。NAKAO CAFEで昼からの長丁場、ワークショップ、機材をセッティングして夜のライブまでとにかく頑張った。結構クタクタで、夜も遅いし、美味しいご飯は食べられないんだろうなと思っていたらお世話になってるラジオディレクターさんが素晴らしいお店をセッティングしてくれた。セリ鍋、これが唸るほど美味しかった。セリ鍋を食べているときの福田さんの顔がこれだ。

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イベント翌日は東京へ戻る日だけれど、東京まで福田さんとのドライブ旅ということになった。帰り道は福田さん主導の「寄りたいお店に寄る旅」だ。朝早くにチェックアウトして那須へ。NASU SHOZO CAFEは気持ちのいい山のカフェで、朝ごはんを飛ばしていた僕には食べるもの全部が美味しくてコーヒーも堪能。「温泉行きましょうか」と連れて行かれたのが鹿の湯。1300年続く湯治場、41度から48度まで(女風呂は46度まで)あって、熱いお風呂が苦手な僕は頑張って46度に数秒。さすが福田さんは48度風呂に浸かっていました。至福の時間。もうフニャフニャに。

ホカホカの体で黒磯の1988 CAFE SHOZOへ。このカフェを中心に「SHOZO通り」と呼ばれ雑貨屋、洋服屋、ギャラリー、レコード屋もある。小さな街がパッと華やかに咲くようなエリア。この日の朝SNSを眺めていたら鎌倉からmolnの綾ちゃんとカマクラ張子の五十嵐くんが出店しにきているというウソみたいな偶然に気づき、内緒でサプライズ訪問。こんなところで会えるなんてね。省三さんにもお会いできて、なんと直々にコーヒーを淹れていただいた。福田さんのおかげでいっぱい奇跡みたいな時間が。

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贅沢すぎる時間を過ごした後、茨城県結城市へと向かう頃にはとっぷりと日も暮れて、雨が強くなっていく。疲れてきて晴れ男のパワー切れか。1時間半走って辿り着いたのはカフェ・ラ・ファミーユ。福田さんは随分前からこのお店に僕を連れていきたいと言ってくれてて、それがついに叶う日。真っ暗な道を進んで突然現れた外国みたいな風景、想像していた以上に素敵なお店に疲れも吹っ飛びました。お店の中央にあるステージが可愛くて、いつかここでライブができたらなあと夢想。たらふく食べて満腹に。思えば3日間、美味しいものばかり食べる旅だった。こんな楽しい旅に連れ出してくれた「くりさぶろう」に感謝。またどこかの町へ福田さんとくりさぶろうと出かけていけたらいいな、と思います。福田センパイ、ありがとうございました。

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2022年12月16日

沖縄へ

3日間だけ休みをとって、沖縄へ。何から何までむぎちゃんにお世話になった。いろいろインスタグラムに旅日記を書いています。

https://www.instagram.com/toshiakiyamada/

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2022年11月22日

初めての唐津探訪|猫町旅日記

今回も数日間の短い佐賀の実家滞在だったのだけど、彫刻家はしもとみおさんがタイミングを同じく九州出張、少し先の未来の企画についての打ち合わせのために唐津を訪れるというので同行することに。僕の故郷鳥栖と唐津は同じ佐賀県ながら、人生をいくら振り返っても唐津に行った記憶がなかったから多分これが初の唐津。うちから唐津までは鳥栖のインターから高速道路と下道で1時間半くらい(思ってたより近い)。天気のいい、まさに小春日和でした。

唐津駅の真ん前にある、唐津近代図書館というとても立派な図書館、そこに併設する美術ホールの下見と打ち合わせが目的。僕もお邪魔して色々見学させてもらった。すごく豪華なロビーがあって大理石の大階段とシャンデリア、おおよそ図書館とは思えないような雰囲気。やはり唐津は後述する建築家 辰野金吾の出身地ということもあってレトロな明治時代のレンガと鉄筋造りの建築を連想させる意匠で作られているようだ。同じ佐賀・武雄図書館のモダンな感じとはまた真逆。素敵な図書館に来るといつも羨ましいなと思う。自分の街にもこんな図書館があったらいいのに、と。みお先生と学芸員さんたちの熱の入った打ち合わせ、来年夏に向けていろいろ計画が進んでいる。

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日が暮れるまで時間があったので(九州は東京より個人的体感として45分くらい夜が来るのが遅いし朝も同じだけ遅く太陽が昇る)初めての唐津を散策。唐津出身のPLECTRUMタイちゃん、唐津出身ガールズバンドたんこぶちんのディレクターJさんがいろいろお薦めしてくれた。虹の松原は日本三大松原(静岡の三保松原、福井の気比の松原、あるいは気比の松原の代わりに京都の天橋立を加える場合もあり)のひとつ。海からの防風、防砂のために作られたのかな、全然詳しくなくてなんとなく行ってみたけれどそのスケールに圧倒された。まさに「松原」としか言えない。見渡す限り松の木。そして松原を抜けた先の砂浜と海。唐津を甘く見ていた…。唐津からはフェリーで簡単に行ける島がいくつかあって、高島というとこまで行ってみたら、いわゆる猫島で、みんな人懐こくてほだされました。写真をいっぱい撮ったけど切りがないのでまた別の機会に改めて。みお氏はこのあとに北九州は小倉の猫島にも渡って取材したらしい。九州にはそういう猫の天国のような島がたくさんあるのだそうだ。

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唐津散策で個人的ハイライトは旧唐津銀行(辰野金吾記念館)。辰野金吾は明治の建築家で「日本近代建築の父」と呼ばれ、一番有名なのは東京駅(中央停車場)、他にも日本銀行本店本館、日本銀行旧小樽支店金融資料館、大阪市中央公会堂、と全国にその偉業は形を残している。この辰野金吾という方は、これまで僕にとっては「お隣の辰野さん」だった。僕の今住んでいる家の裏が辰野さんのご親族のお家で、数年前に庭師さんから「辰野さんちは御祖先が東京駅作った人なんですよ」と教わったのだ。東京駅を作ったうちの裏の辰野さんが、佐賀県の唐津出身なんて今回の旅まで知らなかった。びっくりした。この旧唐津銀行も1912年に辰野金吾が設計した登録有形文化財で、瀟洒で美しい建物。1階ホールではライブもできるらしい。かつて金庫だったところも公開されていて「この札束が1億円」という展示があったり金塊があったり、見どころも多かった。

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唐津といえば呼子のイカだけれど、唐津市からは車で少し走らないといけない。唐津近代図書館の「イカの学芸員」という異名を持つSさんが、「唐津でも美味しい活きイカ食べられるお店があるんです」とご指南してくださった料理屋で透き通ったイカをいただいた。いつもタイちゃんと同じ佐賀で鳥栖と唐津とどっちが良いとこかと小競り合いをしてきたけれど、完璧に唐津のほうが魅力的。日が暮れて辿り着いた実家の空も街灯が少なく、澄んだ夜空に星がきれいで、これはこれでいい風景だったけれども。全然知らない故郷のこと。

唐津に限らず、僕は本当に自分の故郷・九州のことを知らないな。またいろんな場所へ行きたい。  
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2022年11月21日

風の音しかしない場所|猫町旅日記

実家のある佐賀県基山町、山深い福岡との県境に近い「古屋敷」という集落があって、そこはうちの母親の出身地だ。いつかアンコール配信として再配信し、今でもなんとなくずっとそのまま閲覧できるようにしている「TRAVEL IN MIND in 佐賀県基山町」というプログラムでも冒頭でお墓参りに山を昇って辿り着く場所がそこ。途中から携帯の電波がなくなるので旅人が気軽に立ち寄るような場所ではなく、現在は限界集落となって住んでいる人はほんの1世帯になっているが、母方のお墓があるので里帰りするときは必ず立ち寄る。

そこに「古事記」に登場する木花咲耶姫(このはなさくやひめ)を祀る「此花宮」という、1765(明和2)年に創建されたという神社があったのが老朽化で近年いつ倒壊してもおかしくないほど朽ち果てていたのをその集落の出身者や有志が協力して小さな祠を再建したのがついこないだ。うちの母親からもその進捗がテンション高めに報告されてきたから、今回の帰省旅の最たる目的はその新しくなった祠を詣ることだった。

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祠はすべて手作りで再建、高齢の方でもお参りしやすいように石階段を登った山の上にあった本殿のこま犬や鐘、灯籠なども丁寧に手入れして、鳥居のある境内に移転再建されていた。祠を覗くと歴史の堆積を感じさせる御神体。子どもの頃から慣れ親しんでいた神社にこんなものが祀られていることを大人になって初めて知った。石階段を登ると今にも倒壊しそうな神社。これを作り直すのはきっともう無理なのだろうな。実はこの祠再建、先頭に立ってことを進めたのは先述したYoutube「TRAVEL IN MIND in 佐賀県基山町」で僕と奇跡の三線セッションをした長野和幸さんだった。和幸さんのバイタリティよ。

風の音しかしない場所。子どもの頃、小学校中学年くらいまでは週末になるとよく泊まりにいって、文字通り山や川を駆け回って遊んでいた頃を思い出す。カブトムシやクワガタ、ホタル、ハヤを釣ったり、木の実を取ったり。大きく見えた鳥居もいつからか頭が届きそうになった。この集落に伝わる、知らないことがたくさんある。今うちの母親はこの集落の歴史についてを語り合う集まりを不定期に行っているらしい。「人と会って話すと忘れていたこともいっぱい思い出す」と言っていた。ぜひ何かしらの書物にしてもらえたら、と思う。この場所がもう一度栄えたり賑わったりすることはないと思うけれど、誰かに思い出してもらえたり、せめて消滅しなければいいなと思った。

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11月は神無月、日本中の神さまが出雲に集う月だとされる(だから出雲地方だけは神“在”月となる)。今週末26日(日)に出雲へ出張した木花咲耶姫が無事に祠に帰れるように火を焚いて迎える、というかつて夜通し行っていた行事を有志が集まって再現するそうだ。うちの母親は“世話人”という役職を与えられて、さて何を担当するのやら。関わっている人たちがみんなとても楽しそうなのが印象的で、僕も故郷の歴史について少し興味が出てきたところ。

秋の色がとてもきれいだった。次は年明けにまた立ち寄るつもりです。

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2022年11月08日

札幌 旅日記|洞爺湖、そして目に焼き付いた紅葉

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札幌のやでのライブの翌日、保護猫支援チャリティーコンサートが急遽中止となってしまったため、東京へ帰るフライトまで1日半の自由時間ができてしまった。行楽シーズンの札幌の賑わい。レンタカーを調べまわって、ようやっと最後の一台だった日産NOTEを手に入れた。特に計画も立てずに南へ。時を同じくして札幌入りしていたアアルトコーヒー庄野さんが洞爺湖でワークショップをしているというので、そちらの方向へと車を走らせた。高速道路ではなく一般道、途中峠をのぼったり降りたり。眼の前に現れたの富士山みたいな山は羊蹄山。蝦夷富士と呼ばれている標高1898mのとてもかっこいい山。

走ること2時間、初めて訪れた洞爺湖はとても静かで美しい湖。日暮れ前の少し橙色みがかった時間。鳥の群れが家に帰る瞬間にも立ち会えた。アアルトコーヒー庄野さんがワークショップをした「toita」というお店は選びぬかれたあれこれが並ぶ雑貨屋さんで、お店の奥にあるギャラリーには先月まで展示されていた、奈良美智さんが洞爺の子どもたちと制作した絵の数々がまだ展示されていて、それも見ることができました。庄野さんに同行して札幌からポップアップショップで参加されていた北欧雑貨Piccolinaの金内さんもとてもフレンドリーな気持ちのいい方で、仲良くしてくれた。

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有名な石窯パンのお店ラムヤートはもうすでに閉店していたのだけど、庄野さんが「せっかくだから」連れていってくれた。ラムヤートの今野夫妻にも初めまして。で、そこにいたミギちゃんとヒダリちゃんという猫2匹が可愛くてデレデレと解けて長居してしまって、夕飯までお世話になってしまった。無計画な旅だったのにこんなに素敵な人たちに出会えて幸せ。庄野さんは自分のために買ったであろうラムヤートのパンを僕にお土産に持たせてくれた。その美味しいパンをかじりながらあの芳醇な時間を思い出しています。あんざい果樹園の伸也さんとも連絡を取りあっていたのだけどこの日は残念ながら会えず。また必ず行きたいな。素晴らしい場所でした。

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東京へと帰る日は夜のフライトまでの時間を北海道大学の散策へ。赤、黄色、茶色と深緑。何年分かの紅葉を目に焼き付けた気がしました。あんなキャンパスで勉強できたらどんだけ幸せかな。生協に行ってみたり、ベンチに座ってみたり、かつてのモラトリアムの時代を回想したりしながら。大学、大好き。あの頃に戻りたいとは全然思わないけども。さすがに病み上がりでクタクタになったので、のやでランチをいただく。通常営業のお店の雰囲気もとても良い。そしてせっかくなのでプー横丁にも寄って美味しいコーヒーを。どうなることかと不安しかなかった札幌遠征でしたが、なんとも充実した旅になりました。

旅先でお世話になった皆さん、ライブに来てくれた皆さんに心から感謝。

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2022年08月09日

詰め込み型 広島めぐり旅

防府でのコンサートが終わった後、僕とはしもとみおさんは広島へ移動。廿日市でのイベントを宣伝するためのラジオ出演の話をいただき、せっかくならZOOMリモート収録ではなく対面でやりましょう、ということになって急遽山口からの帰路、奇しくも8月6日という特別な日に広島を訪れることになったのでした。防府でのコンサートを観にきてくれたはつかいち美術ギャラリーの学芸員さんが車に乗せていってくださって本当に助かった。目に染みるような緑の山々を窓の外に眺めながら、夕暮れ時に広島廿日市に到着(防府から車で90分くらい)。会場の下見も兼ねて廿日市に宿泊することに。僕は人生初めての廿日市訪問。みおさんは何度か来ているそう。

老舗「うえの」のあなごめしをいただき、ヘトヘトになっていた我々は一気に元気を吹き返した。とっくに日も暮れていたけれど、宿の目の前にある宮島・厳島神社へのフェリーは22時まであるということで「もうこの際、行けるとこには行っとこう」ということになり夜の海を渡って世界遺産・日本三景の宮島へ。昼間の暑さが和らぎ、海上の風が気持ちいい。厳島神社の鳥居は令和元年以来改修工事が続いているが、金色にライトアップされて神秘的。現代アートみたいに見えた。きっと昼間眺める風景とは全然違う趣きだろう。帰りのフェリーで「もし明日体力あったら朝の宮島も見たいよね」「でももうきっと体力の限界」と相談しあった僕らは、しかし、次の日の朝も宮島に渡ることになる。このあたりから今回の短い広島滞在が「詰め込み型」の様相を呈してきた。

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朝6時起きで宮島再訪のあと、お昼前にはつかいち美術ギャラリーへ。市役所と隣接し、コンサートを行うウッドワンさくらぴあ小ホールとギャラリーは同じ建物。ピアノ発表会が行われていた会場を見学させてもらったけれど、とても立派で響きの良さそうな会場。ここで2週間後に猫町フェスバンドで演奏すると思うと緊張するけれど、それよりもさらにワクワクする。ギャラリーの皆さんもとても優しくて、「たくさんお客さんを集めたい!」という想いが至るところに掲示されたポスターや告知チラシから伝わってきました。

まずFMはつかいちのインタビュー収録。局長さん自らがレコーダーを回して話を聞いてくださった。みおさんは活字インタビューだと思っていたみたいで急に「はい!ということで今日は彫刻家はしもとみおさんにお話を伺いますー」と始まってドギマギしていたが、終始和やかに進んだ。みおさんは声がよく通るので実はラジオに向いている。そうこうしているうちにお昼になり、美術館そばのお好み焼き屋さんで広島お好み焼きをいただいた。昨日から食べるものが全部美味しい。

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広島市内へ移動。HFM(広島エフエム)へ。この放送局に来るのは、もう何年ぶりかわからない。20年は経っているだろう。かつてHFMには現在実況アナウンサーとして活躍している清野茂樹さんがいて仲良くさせてもらっていたから印象に残っているけれど記憶はおぼろげ。この日は「ホントーBOYS 文化系クリエーター会議」のゲスト収録。『迷路探偵ピエール』等で知られるイラストレーターのカミガキヒロフミさんと音楽ライター・作家の清水浩司さんの番組。そう、清水浩司さんはもう20年の付き合い、小説『コブルストーン』著者でもある清水さん、一緒にサンフランシスコを旅したお互いの酸いも甘いも知る仲。2019年1月の広島世羅でのイベント以来。「今度久しぶりに広島に行くんですよー」と僕がメッセージを送ったことがきっかけであっという間に決まったこの番組出演でした。

収録は本当にめちゃくちゃ面白かった。アートに造詣が深いカミガキさんならではの質問もそれに対するみおさんの返答も興味深かったし、清水さんとカミガキさんの<聞き出すチカラ>がすごい。このラジオ番組に錚々たるゲストがこれまで登場していることに納得の時間でした。30分番組 ✕ 2週分の収録だったのに90分くらい話していた気がします。いろいろおしゃべりしたなかである質問に対してみおさんが「わたしは哺乳類なので」と応えたのが、なんだかとてつもないパワーワードだったなあ。緊張していたみおさんがどんどんほだされていくのがわかりました。いろんな点が繋がって線になっていくのっていいな。放送は廿日市でのコンサート直前の8月19日(金)コンサート翌週の8月26日(金)夜10時半。また近くなったらお知らせします。清水さん、カミガキさん、ありがとうございました。お世話になりました。また廿日市ですぐお会いしましょう。

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そしてここから詰め込み型行きたいお店めぐりの始まり。まずみおさんリクエストの本屋 READAN DEAT(リーダン・ディート)、雑居ビルにひそやかに佇む素晴らしいセレクトの本屋さんでした。串田孫一の本を一冊購入。すぐそばにヲルガン座があり、みおさんの行きたいお店リストに名前があったので立ち寄って涼をとる。これまで2回ライブをしたヲルガン座はやっぱり独特の雰囲気。店主ゴトウイズミさんはご不在だったけれど、またここでライブをやりたいな。次に向かったのは花屋SHAMROCK。ここは2015年に高野寛さんと2マンライブをやらせていただいたお店で、みおさんがリクエスト。以前の場所から移動していたけれど雰囲気は変わらず、花たちも圧巻。立ち寄らせていただいた店にはギャラリーでの展示とコンサートのチラシを置かせていただく。広島は素敵なお店がたくさん。

平和記念公園をぐるりと車で一周すると前日の記念式典の会場はそのままになっていて手を合わせる旅人がいっぱい。原爆ドームを眺めて、しばし言葉を飲み込む。八月の蝉がずっと鳴いていた。最後は僕が行きたかったレコード屋さんSTEREO RECORDSに寄らせてもらう。うむー、予想以上のお店だった。あと2時間いられたな。何枚かレコードを買って挨拶して、ここにもフライヤーを置かせていただきました。みおさんはジャズのレコードを買ってた。滞在24時間に満たない間にどれだけの場所を回ったか。そのすべての場所をお膳立てしてくださって、車で連れて行ってくれた学芸員Uさんに心から感謝。この行程を自分たちの足で回っていたら多分ひからびて行き倒れてたと思う。

帰りの新幹線に乗り込み帰路。またすぐここに戻ってこれることが嬉しいです。はしもとみお木彫展 カタチの生まれるところは8月20日(土)にスタート。猫町フェスバンドでのオープニングコンサートは8月21日(日)18時半に開催です。チケットは絶賛発売中。ぜひお近くの方もご遠方からも夏休みの思い出作りにご来場ください。

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2022年8月21日(日)@ 広島 廿日市 ウッドワンさくらぴあ小ホール
猫町フェス2022 in はつかいち
ー夕凪キャラバン〜オンガクの生まれるところ〜

はしもとみお木彫展〜カタチの生まれるところ〜
<オープニングコンサート>
18:00開場 18:30開演/料金:全席自由 2000円
*3歳以上有料、2歳以下の膝上鑑賞無料、お子様の席が必要な場合は有料です)

出演:山田稔明、むぎ(猫)、近藤研二、
itoken、伊藤健太、イノトモ、はしもとみお

チケット発売;7月2日(土)
プレイガイド:はつかいち美術ギャラリー、ウッドワンさくらぴあ事務室
チケットぴあ(Pコード:220-500)ローソンチケット(Lコード:63349)
*コンサートチケット半券提示で一回に限り特別料金400円で展示会を観覧可能
*ライブ当日は展示開館時間を21:00まで延長します

主催:(公財)廿日市市芸術文化進行事業団、中国新聞社
info:はつかいち美術ギャラリー(TEL 0829-20-0222)

ウッドワンさくらびあ小ホール(https://www.hatsukaichi-csa.net/sakurapia/
〒738-0023 広島県廿日市市下平良一丁目11-1  
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2022年08月06日

この日が夏休み

佐賀の実家から山口県防府へ出発。博多駅から新幹線で新山口へ。そこから電車を乗り換えて防府へ。道のりとしては2時間ちょっとの予定が朝降った豪雨のせいでダイヤが乱れていてゆっくり進む鈍行の旅。緑が濃くて目に染みる。タイミングよくみおさんと合流できて木彫展開催中のアスピラートへ。チミトンや猫町の仲間の木彫り猫たちと再会。ここも素晴らしい展示。僕らはみおさんの彫刻作品を身近に見慣れていて、ついついその姿を当たり前のことのように感じて、触ったり、なでたり、「ちょっとどいてね」とか言ってラビットホールでは部屋の隅に追いやったりしちゃうんだけど、こうやって陳列され光を当てられた作品たちを前にすると改めてそのすごみのようなものを実感する。忘れているわけではないけど思い出す。

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ライブを行うコンサート会場ではサウンドチェックが行われていた。天井が高くてとても響きの良い素晴らしいホール。600人も入るそうで、背筋が伸びる。本来なら1階ロビーでの演奏だったはずがコロナ禍のため会場が変更、災い転じて福だと思いたい。何人のお客さんが来てくれるのか…。ずっと準備を一緒にしてくれていた学芸員さんがコロナ罹患のため立ち会えないというピンチを館長さんはじめスタッフの皆さんが見事に補いあってストレスのない現場になりました。

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近藤さん、むぎちゃん、むぎちゃんマネージャーげんちゃんも到着し、閉館後の展示を改めてみんなで堪能。月くんのスケッチに挑戦したのも楽しかった。夏休みの宿題制作みたいな。美術館から歩いて5分のところに素敵な老舗の純喫茶「エトワル」というのがあって、そこで翌日の本番に向けて打ち合わせ。パフェとかコーヒーゼリーとか小倉コーヒーとか、メニューすべてが写真映えする。この日は防府天満宮で3年ぶりの花火大会だということで、街には浴衣姿ふくむたくさんの人たちで賑わっていて、僕らも夜が近づくにつれてそわそわし始める。行くのか?やめとくのか?

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アスピラートの学芸員さんのご自宅が花火大会会場からほど近いお寺で、その境内(貸し切り状態)で花火を見ることができるという提案をいただいたので、僕らいい大人は「しゃ、行っとくか!」「せっかくここまで来たんだから!」ということになった。人混みを避けて縫うように歩くこと20分、どんどん日が暮れてきて、次第に道は真っ暗に。スマホのライトで道を照らしながらお寺に辿り着くころに花火が始まった。レーザーと音楽を併用したものすごいやつ。フェスみたいな花火大会。たくさん動画を撮ったけれどちょっとアゲアゲでパーティー感ありすぎて、SNS投稿するのを躊躇。大トリを飾ったのはトップガンだった。「トップガン」アンセムからの「デンジャー・ゾーン」、そしてレディ・ガガ。最後はゲラゲラ笑いながら見上げていた。

それからまた30分くらいかけて山を降りて、明日ライブなのに大丈夫なのこれっていうくらい全身汗まみれ。でもすごく楽しかった。僕は山口県に来るのは多分小学生のころにバス旅行で秋芳洞という鍾乳洞に来て以来のはずで、今回のコンサートがなければきっと防府の町に降り立つこともなかった。そこで偶然にも花火を観ることができて、嗚呼、これって多分今年一番の夏休みの思い出だな、と思ったのでした。

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2022年08月04日

夏の帰省

山口県防府市へ行くのに新幹線で5時間かけて旅することに少しひるんでしまい、いろいろ調べているうちに「あ、一回里帰りを挟んだらいいのか」となった。まあコロナ禍なので緊張感は伴うが、もう我々は3年目の夏を迎えているのだから、少し長い旅の予定を立てた。飛行機で福岡、そしてバスで実家へ戻る。今年の春以来の故郷は東京とは違う田舎の暑さ。家にばっかりいないで出かけたり散歩したりせんといけんよ、とは言えないほどの天気。思えば去年も一昨年も夏はいつも母親は入院していたなということに気づく。

コロナ禍だから友だちと集まることは取りやめた。実家で流れる時間はとても遅い。

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2022年04月03日

GOMES THE HITMAN LIVE2022 “SLO-MO REPLAY”(2022年3月27日 @ 吉祥寺 スターパインズカフェ)【ライブ後記】

3月27日のスターパインズカフェ公演からちょうど1週間が経った。ライブが終わってからしばらく忙しい日々だったりエイプリルフールがあったりしてバタバタしていたのが、昨晩アーカイブ視聴最終日に思い立って敢行したオンライン鑑賞会(あるいは反省会?)であの夜のことをすべて思い出した。昨日のように蘇った。少しソワソワしながら少し早めに会場入りするともうみんなメンバーが揃っていて、かなり余裕のある準備ができたこと、リハーサル中「溶けて死ぬのさ」をやっていたときに僕のギターの2弦が切れてそのまま「houston」まで続けて一旦ブレイクして「本番じゃなくてよかったね」と弦を替えたこととか、開演1時間前にはスタンバイができて差し入れでいただいた食べ物を楽屋でみんなで食べたこと、など。些細なことだけれどこれからもフッとこのときのことを思い出すのかもしれない。

昨年末に決めたこの日のライブ、『slo-mo replay』という作品にはまだその頃名前がなく、曲数も定まらず、本当に春のツアーがレコ発ツアーになるかどうかは五分五分っていう感じだったから、前の週の名古屋、京都、神戸の旅から繋がって吉祥寺にCDを持って辿り着けたことが本当に嬉しかった。この公演は唯一ライブ配信での中継があったのでライブのオープニング映像を前の日に作った。それがこれ。自分自身の高揚するテンションが観ているみんなにも伝染すればいいなと思ってワクワクしながら作ったのです。



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オープニングのBGMは須藤さんに頼んで「スプリングフェア(remix)」というのを急ごしらえしてもらった。その音を聴きながらステージへ。ツアーファイナルは「センチメンタル・ジャーニー」から。20数年前もこの曲からライブが始まることが多かった。続く「tsubomi」はメジャーデビュー時に再録したので今回のプロジェクトの対象からは外れたけれど紛うことなくインディー時代の核となる曲だったからこのツアーでは毎回演奏した歌。先週のラジオをみんなで録ったときに須藤さんが「遅れてきた青春」の完成版は録った音を適当な音量で再生してみたらもうそれでGOMES THE HITMANだった、という話が印象的だった。ライブで演奏しても同じようなことを僕も感じる。京都神戸そして東京と演奏した「keep on rockin'」、歌うのがとても楽しかった。“スローモーリプレイ”はこの歌から引いてきた言葉。

DISC1の秋冬から春のモードに対して、DISC2の夏感いっぱいの歌たちはきっとこれからの季節にすごくよく似合う。僕は今年四半世紀前に書いた歌たちをカーステで大きな音で鳴らしながら海へ行くことを楽しみにしているし、真夏のライブで汗いっぱいになりながらあの頃夢想した風景をリアルに感じながら演奏することを心待ちにしている。「believe in magic in summertime?」から始まるパートはまさに「夏支度の最中」という感じだった。「青年船に乗る」では日本ギタポ界のマイケル・ムーア監督登場。

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タイちゃんを迎えて「魔法があれば」。四半世紀前の楽曲群のなかにポーンと最近作の歌が登場、しかし地続きの道を淡々と歩いてきた感覚がある。ずっと見えない魔法について歌っているのだ、僕は。時間軸はまた25年前に巻き戻って「オレンジ〜真実」へ。再レコーディングして一番しかるべき形にトランスフォームした歌だと思っていて、ライブで演奏するときの気持ちも昔よりクリアになった。「レモンひときれ」も「coffee」もこの10年はアコースティックギターで演奏するのが当たり前の歌だったけれど、四半世紀前は楽器を持ち替えしたりしないでひとつのステージを一本のエレキギターでやってたのを思い出して、今回のツアーはアコギも車に積んであったけれど結局 MartinのエレキF-55だけしか使わなかった。これは個人的にはとても象徴的な出来事。

1998年「溶けて死ぬのさ」から2019年「houston」へと続く爆音パート、そこから「手と手、影と影」の流れが僕にとってのハイライトだっただろうか。「手と手」の感触が確実に変わったツアーだった。かけちがったボタン、傷つけたり気付いたり、目に見えない感情を想像することをやめないこと。想像とは創造でもある。REIMAGINEすることが『slo-mo replay』のコンセプトだったけれど、「手と手」まで再創造するとは思わなかった。

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告白的なMCから山田と堀越ふたりによる「会えないかな」。配信アーカイブを観たら他の3人のメンバーがちょこんとステージ袖に座って演奏を観ていたことに気付いた。僕とともに最古参のオリジナルメンバー堀越和子。来年で結成から30年になるのだな。本編の最後は「ブックエンドのテーマ」。この流れは毎回感慨深かった。さんざん20代前半に作った歌を歌った締めくくりに歌う同窓ソング。毎回本当に心から思うのです、みんなが元気でそして幸せでありますように、と。

アンコールからはさらにゆるく大学生的なサークル感が増大していく。「スプリングフェア」ではお客さんにステージ上の写真を撮影してもらう試み。公式LINEにたくさんの写真をありがとうございました。このブログの記事ではすべて野口耕一郎くんが撮ってくれた客観的で素敵な写真を掲げた(感謝!)。「僕はネオアコで人生を語る」は本当だったら出ないはずの、キー限界の音があるんだけど何故かステージ上ではスーッと歌えるから不思議。

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フィナーレは「雨の夜と月の光」、のはずだったのが鳴り止まない拍手に予定になかったダブルアンコール。ステージ裏で「どうする?なにやる?」とわちゃわちゃして「饒舌スタッカート」に。演奏も歌もめちゃくちゃ。でも超楽しかったよね。ステージ上の左右に置いてあったお立ち台に僕もタイちゃんも登ってギターソロ。大人げない。「饒舌スタッカート」って不思議な曲で、リハーサルで練習することもそんなになくて、ひとりでいるときにギター奏でたり鼻歌を歌ったりすることもない。ただお客さんが目の前にいるときにだけ本気で力の限りに演奏する曲。そんな曲が最後に残っててよかったなと思う。SPRING FAIR TOUR、病気も事故もなく、すべて完走。各地でお世話になった皆さん、ご来場いただいた皆さん、配信で参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。メンバーみんな、タイちゃんにも心から感謝を。

昨晩ツイキャスで配信したライブアーカイブを鑑賞しながらしゃべったりコメントしたりする試みは瞬発力と思いつきだけで敢行したものだったけれど、思いのほか充実したものになりました。スターパインズカフェ公演のアーカイブ視聴期間はもう終わってしまいましたがツイキャスのアーカイブを本日いっぱいくらい公開しておきたいと思います。3時間もあるんだけど、堀越さんが登場する 1:06:00 頃、高田タイスケくんが登場する 1:23:30 頃、けっちゃんが登場する 2:18:50 あたり、そして最後に再び堀越三登場の 2:32:10 くらいをつまんで観てもらうだけでも面白いかもしれません。いつもなら話さないような興味深い話をしています。ツイキャスのアーカイブはこちらからご覧ください。

3月はずっと楽しかった。春のツアーがようやくすべて終了した感じがします。またすぐに会いましょう。  
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2022年01月10日

長男堂レコードの日

長男堂レコードの日というのに参加させてもらった。長男堂は吉祥寺と三鷹の間にあるカフェ、コロナ禍以降はお弁当とお惣菜屋さんだが、付き合いは古くもう10年とかそのくらい仲良くさせてもらっている。で、「長男堂レコードの日」というのは長男堂と親しくしているレコード馬鹿たちが手持ちの宝物を取捨選択して断捨離して放出するイベントで、数年前に開催された際は大行列ができてしまったという伝説のイベントなのだけど、今回もまあまあ盛況のうちに終了した。

僕は年末年始に部屋の模様替えをしたためレコード棚の盤たちを改めてアルファベット順に並べなおすという自己満足でしかない整理をしたのだけれど、そのときに「なんでこれ何枚も持ってるんだろうか」とか「これはきっともう聴かない」とか「他の誰かが持っていたほうがこのレコードは幸せなのかもしれない」とかブツブツ言いながらだいたい100枚くらいを段ボールに詰め、それを長男堂へ持っていったわけだけど、それらの半分くらいが新しいおうちにもらわれて(買われて)いくのを見届けるのはとても気分がよかった。ファンの方もたくさんいらっしゃってくれて、いつもよりゆっくりおしゃべりができた気がします。ありがとうございました。

それにつけても長男堂という空間の自由奔放な雰囲気よ。ずっとなくならないでほしい。写真は店主に書いてもらったありがたい御札とママン。

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2021年11月02日

富山へ

立山農芸祭21のために富山へ前乗り。富山へは車だと余裕を見て5時間。電車、新幹線だと吉祥寺からたったの3時間なのだそうだ。これまでなんの縁もなかった富山に巣巣が移転したのがきっかけで今年2回目の富山への旅。前回は春だったので桜を眺めながらの車窓が、今回はどんどんグラデーションで赤くなっていく紅葉を見ながらの眼福の旅となりました。走り慣れた東名高速道路と違って景色が新鮮でマンネリ感がなくて時間の長さを感じないのだけど、これもいつもの道に変わっていくのだろうか。

富山へはその前の日から草とテンシューズ組、高橋久美子ちゃんがすでに到着していて、岩崎さんと一緒に美味しいご飯をいただく。コロナ禍を経て、昔みたいにバカみたいに飲んだりすることはなくなったけれど、仲間と集まるとやっぱり楽しいし、「ああ、なんだか懐かしい」と感じる。何に似てるかと考えたら、“親戚集まり” の雰囲気だった。

立山農芸祭当日は朝8時半集合でゼロから音響を組み立てる。早寝、早起きしなければ。

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2021年07月20日

緑が目にしみる

九州から東京に帰る最後の日は早起きをして山に登ってお墓参り。日差しと緑が目に染みる。母親のワクチン接種に付き添いをした。今は別の用途の施設になっている元病院を接種会場にして一日数百人に対応しているそうだ。駐車場の誘導から受付、各導線に立つスタッフ、みんな休日返上で働く役場の人たちなのかな。同級生にも会った。とても暑い日。今年最初の蝉の声は佐賀で聞くことになった。帰路、福岡空港のそばで「天ぷら ひらお」を食べた。ものすごく久しぶり。

うどんを食べるタイミングがなかったから東京に帰ってきても美味しいうどんを欲している。

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2021年07月17日

古い友だち

実家に帰ると時間がゆっくり進む。朝も早く起きるし、夜が来るのも遅い。ちょっとした手続きをしに町役場に出かけたら町長とばったりお会いした。少し前にこのブログにも載せた作文の件、面白いのをありがとうございました、とお礼。来年2月開催予定の町の催しに誘ってもらった。都会に憧れて飛び出した自分が30年以上経ってまた町に歓迎されるのはこそばゆいけれど幸せなことだ。

夜になって小学校からの古い友だちと集まることになって、基山駅から鳥栖へ。基山にはJRと第三セクターの甘木鉄道という電車が走っている。甘木鉄道の車両ってこんなかわいい色味だったっけな、とか、ビュンと飛ぶように通り過ぎていく急行列車が向かうのは長崎か熊本か、とか、ホームで電車を待つこのそこはかとない感じの時間が都会にはない。電車に乗り込んで、あれ?昔はもっと斜めに傾いた電車だったのにな、とか。いろいろ考えては思考が通り過ぎていく。

鳥栖は普通に居酒屋もバーも営業していた。まずやっちゃんと待ち合わせて2人、てっちんが加わって3人に、仕事で遅くまでかかったみっちゃんが合流して最後は4人になった。それぞれの近況、仕事の話、家族の話、コロナの話、そして話す会話のほとんどは古い友だちの話、あの人誰やったっけ、知らん/憶えとる、昔もしたことがあるかもしれない会話だけど何回繰り返しても面白い話題、など。懐かしい名前、思い出してく顔、かけちがった記憶と昔話。しみじみと楽しい時間だった。

帰宅してまた段ボール箱を開けると小中高の卒業文集とか卒アルとか、むせるような気持ちになったのは埃だけのせいではないかもな。先日の小6時代の優秀賞を獲った作文に続き、小5のトシアキの作文が出てきたので掲載しておきたい。

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2021年07月16日

少年時代の自分との再会

ここ数年、いや、ここ10数年は実家に帰ると言ってもせいぜい一泊、寝て起きてまた出発するという具合だったのが、今回は何日もかけて家のあれこれをやることになっているので、見て見ぬ振りをしていたパンドラの匣のような、ブラックボックスのような段ボール箱や引出しや棚にもため息をつきながら手を伸ばす。そこにあるのは30余年前から時間が止まったままのモノたちだ。気が遠くなる。

僕は小学校1年生から5年生まで柔道を習っていたのだけど、そう言ってもみんな信じてくれない。埃をかぶったトロフィーを見つけて「そういえばトロフィーなんてもらったのはこれだけだな…」と両手で握りしめてみる。多分これは、柔道大会で身体の大きな選手と対決になり師範に「怪我しないように無理せず転がって負けてこい」と言われた試合、後ろに倒れこむ拍子に奇跡の巴投げが決まった大番狂わせのときにもらった優秀選手賞じゃなかったか。昭和58年というのは東京ディズニーランドが開園した年らしい。マイケル・ジャクソンが『スリラー』を出した1983年だ。僕は小学校4年生で10歳。

なんとなくトロフィーを東京に持って帰ってきた。仕事部屋に飾ろうと思う。

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2021年07月15日

なつやすみ 2021

なつやすみ、とは名ばかりで、不要不急ではないやんごとなき理由で帰省。東京は緊急事態宣言発令下でまだ梅雨空だが(14日時点)、福岡佐賀は蔓延防止解除で梅雨明けしている。厳戒都市からの逃亡のような感覚だ。実際たどり着いた故郷は絵に描いたような夏空。高速バス乗り場を降りて少し歩いただけで汗ばむ。タクシーを拾おうとしても流している車がないので少し途方に暮れる田舎あるある。

歩き疲れておなかがペコペコだったので、子どものころから通い慣れた地元のソウルフードである丸幸ラーメンセンターで「ラーメン定食」というのを頼んでしまったが、やっぱりもう子供じゃない自分には量が多くて後悔することに(ライスが要らなかったよね)。九州は東京より随分日暮れが遅くて、ようやく暗くなったあとも鳥栖駅の市街地では居酒屋やバーが普通に営業していて、もはや見慣れなくなった景色に妙なノスタルジーさえあった。

やることがいろいろある里帰り。うきうきする気持ちは皆無だが、旅ってやっぱり良いものだ。

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2021年05月16日

ある意味ファミリーコンサート

広島福山から兵庫加古川へ。普段は神戸側から電車に乗っていくところを逆方向に進む新鮮さ。この日も電車はガラガラ。チャッツワースでのライブはほぼ満席の予約をいただいていたところを中止に。とても残念だけれど仕方ない。もし前日の福山行きが実現しなかった場合はチャッツワースでライブ収録することも諦めようと思っていたのだけれど、2日続けて実に濃密な撮影となりました。加古川駅の改札まで迎えにきてくれたのはチャッツワース岸本家の娘ルナちゃん。初めて会った時は小学生だったのがもう大人になった。時は経つ。

到着するなり美味しいご飯をいただいて元気が出た。ここでも機材を黙々とセッティングして、夕方から夜までひたすら撮影。チャッツワース考案のレアなセットリスト、機材の操作をすべて岸本ファミリーに担当してもらったから、これはある意味 “ファミリーコンサート” である。くたくたになりながら終了。地元のB級グルメ「カツめし」のお弁当をディスタンス取りながら食べて新しいスタイルでのねぎらい。この日の様子もこれから編集して後日公開。どうなるか楽しみ。

福山と加古川、だれもお客さんのいない旅だったけれど、全然孤独じゃなかった。とても不思議な感覚。

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2021年05月15日

ナイト・ミュージアム・セッション

土曜日、朝の新幹線で広島県福山市へ。当初前日のうちに移動する予定だったのが感染症予防対策として最短時間での滞在を、ということから慌ただしい旅に。新幹線はガラガラ、僕の車両に旅人は僕だけだった。吉祥寺から5時間で福山へ。改札で迎えてくれたのは旧友であり盟友、元セロファン/カスタネッツ/DQS/Qubeの溝渕ケンイチロウ(福山在住)。今回はケンさんと音響の永田敬士くん(元カメラマンズ/Qube、三原市在住)にものすごく心強いサポートをしてもらった。

みおさんも同じタイミングで三重から到着、中止になってしまったワークショップの代替えとなるような映像が撮れないかと急遽セッティング。なんと1時間でみおさんはポチ実を彫り終えてしまう。その一部始終を映像に収められたのは貴重かもしれない。と、そのときに広島県に緊急事態宣言発出のため明日、日曜日から美術館での展示が5月いっぱい中止ということを知らされて呆然とする。もしこの来館タイミングが一日ずれていたら、ここに来ることも叶わなかった。ギリギリ。いつもそういうのばっかりだ。

閉館後の美術館に急いで機材をセッティングして準備。本来ならロビーでコンサートの予定だったのが、閉館後ということで展示の彫刻たちとともに演奏することができるという不幸中の大きな幸い。限られた時間で3つのシチュエーションで撮影するという、今思えばものすごく無謀なトライを、一瞬の休憩も取らず、気づけば一滴の水も飲まずに敢行。夜の美術館で彫刻たちは今にも動き出しそうだった。僕もみおさんも、ケンさんも永田くんも学芸員スタッフの皆さんも館内の方も文句ひとつ言わず一丸となった奇跡的な現場でした。みんなに感謝。最終的にどんなものができるか楽しみ(これから東京に戻って編集)。

そして美術館での展示が必ず再開することを心から祈ります。

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2021年04月24日

新しい巣|富山DAY2

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富山の朝。スマホで調べてモーニングセットの美味しそうなお店でご飯を食べて、富山城址あたりを散策。路面電車が走る街はやっぱりいいなと思う。護国神社も空気が澄んでいて気持ちよかった。白鷺がたくさんいてゴロゴロと喉を鳴らす音。よく晴れて気温も最適。昼過ぎに立山町にある巣巣へ。富山市内からは車で30分ほど。どんどん景色が変わっていき、美しい田園風景と雪山に息を飲む。

念願叶って辿り着いた新しい巣巣は思っていたよりも広く、陽当りのいい窓際があり、東京にあったころよりも時間がゆっくり流れる感じがした。それでも「ああ、巣巣だなあ」と思わせる何かがある。それは店主岩崎さんのブレない思考と趣味と主義の賜物だろう。安心したし嬉しかったし、なんというか誇らしかった。夕方になってみおさんが到着。2代目月くんも一緒、初めて会えた。

この日最後のお客さんが去ったあと、機材をセッティングして演奏シーンを撮影。みおさんとはメッセージのやりとりだけだったので、セッションはぶっつけ本番だったのだけど、もう奇跡的な集中力で素晴らしい演奏を記録することができて、本当にすごい夜だった。全部撮り終わったのは21時過ぎ頃だったか。真っ暗な夜道を走ってまた富山市内まで戻る道すがら。暗闇が車の窓の隙間から入り込んでくるみたいだった。

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2021年04月23日

山に囲まれた街|富山DAY1

富山巣巣からのライブ配信のため機材をいっぱい車に詰め込んで金曜日に東京を出発。県境を越えて北陸道をひた走る。緊急事態宣言発令直前にこうやって移動するのは本当に後ろめたい気分になるんだけど、まったく渋滞のない高速道路を走行していると窓の外に桜が咲いていたり雪山が見えてきたりして季節を逆行している感覚があり、コロナ禍ということをしばし忘れる。富山を訪れるのは11年ぶり。いろんな忘れていたことを少しずつ思い出す。

FMとやまの夕方の番組に生出演させていただいた。20年前FMとやまのイベントでGOMES THE HITMANで野外ライブをやったのだけど、そのときのことを知るスタッフがいて懐かしい。デビュー当時熱くバンドを応援してくださったプロデューサーの大西さんも挨拶に来てくれて、寄る辺のないアウェイな町だと思っていた富山にぐっと親しみが湧くからゲンキンなものだ。ファンの人が観覧に来てくれていたのも心強かった。人の温かさがとても嬉しい。夜はキトキトのお寿司を食べた。

この日のラジオの様子はこちらからタイムフリーでお聞きいただけます。

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2021年02月23日

生まれた町、育った町

先週末からの3日間の帰省、あっという間だけど長い、時間軸がぐいっとひんまがるようないつもの錯覚もあり、東京に帰ってきてからグタッと疲れてしまった。昨年秋が撮影や演奏を含むバタバタとした旅だったので、久しぶりにゆっくり町を歩くことができた。鳥栖は生まれた町、子供の頃に本やおもちゃや、キラキラした宝物がいっぱい売ってたアーケードを古地図を片手に歩く、みたいな感覚。基山は育った町。コンサートが終わったあと同級生たちと歓談、しかし「飲みにいこうか」とはいかないのが今。残ったみっちゃん、てっちん(やっちゃんは仕事で来れなかった)そして僕の三人で丸幸ラーメンへ。誰も替え麺しなかったのが大人になったしるし?

3日間ずっと佐賀はとてもいい天気だったから春を少し先取りした気分。梅の花がとてもきれいだった。最後の日はお墓参りして、ごぼ天うどんを食べて、母親のiPadにLINEをインストールすることに成功した。飛行場は羽田も福岡もほとんどの店が閉まっていて旅気分というにはさびしすぎた。東京の夜景を機上から眺めて「帰ってきた」とホッとするのも僕のような根なし草の恒例行事。春になったらもっと旅に出たい。

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2020年11月16日

a sort of homecoming|帰郷、のような旅(3)

行き当たりばったりなのにとても濃厚なものになった2泊3日の帰省旅。iPhoneの歩数計は記録的な数字に。GO TO案件を利用したため実家には泊まらず温泉のついたホテルを宿にして、僕は朝晩4回も湯に浸かることができたので1日の疲れをリセットできて助かった。東京へ帰る朝、まったく手をつけていないGO TO特典の地域共通クーポンがあることに気付いて福岡空港に行く前に天神の街を散策することにした。

地域共通クーポンとは旅行先の都道府県と隣接都道府県において旅行期間中に限り使用可能な、旅行代金何パーセントかに相当する商品券、紙クーポンと電子クーポンがある。どこで使えるのか、と調べるとまあだいたいどの店でも、空港のお土産でもなんでも使えるわけだけど、僕のは電子クーポンだったので「紙のみ」というお店では使えなかった。iPhoneを覗き込みながら、店員さんもマニュアルを見ながら計算する。ニュースで見聞きするだけではピンとこないことも実際経験すると「なるほどな」と思う。

前日にスニーカーがエミューの飼育場でどろどろになってしまってテンションが落ちてたので新品のコンバースを買った。あと、東京で見て「いいな」と思っていたTシャツがあったからそれも。結局お土産を買うためのクーポンはなくなってしまった。帰りの飛行機から眺めた富士山は宇宙!という感じで、とても美しかった。もし予定が次の週末だったとしたら旅はやめていたかもしれない。3日間ずっと晴れて温かくて、パズルのピースがかちっとはまったみたいな旅行だったなと思う。

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2020年11月14日

a sort of homecoming|帰郷、のような旅(2)

短い故郷滞在。行き当たりばったりで朝10時からお墓参りで山へ。おばあちゃんが住んでいた集落は、これぞ「山」という風景。うろうろしていたら農作業をしていたおじさんおばさんから「おーい」と声をかけられた。不審者がられるかと思いきや、うちの母親のことを知っている方だった。そこから予期せぬ流れで三味線とギターでのセッションに。「家族に乾杯」的な。喜納昌吉「花」と「涙そうそう」

つつじ寺として知られる大興善寺は平日にも関わらず紅葉で賑わっていた。同級生のみっちゃんと合流、みっちゃんは役場で働いていて、今回の山田稔明カレンダー展の仕掛け人でもある。子供のころから慣れ親しんだ場所だけど大人になってから来るほうがやっぱり味わい深い。長い石段で息が切れた。みっちゃんはこの石の階段を登った記憶がないという。地元にある場所ってそういうものだ。

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急遽、松田一也基山町長とのランチ。お会いするのは久しぶり。町長になられてからは初めてかも。エミュー定食という新しい基山名物を。飛べない鳥エミューを基山町が飼育しはじめて6年になるそうで、現在北海道に続いて基山にエミューがたくさんいる。脂身のない赤身の食べやすいお肉。実際にエミューを見てから食べるか、食べてから見るか迷って、食べてから見ることに。エミューに会いにいく前に町長から紹介していただいてPICFAという施設、スタジオへお邪魔した。障がい者支援施設、アート作品の創作活動を中心にアートを「お仕事」として位置付け活動を行なうピクファ。たくさんのメンバーが実際絵を描いている現場を目にして感心と感動。こんな素晴らしい空間があることを何にも知らなかった。
PICFAのスタッフの方から今度は地元の酒蔵 基峰鶴を製造する基山商店の蔵をリノベーションしたギャラリー「基肄(きい)の蔵」を見学させてもらった。帰ってくるたびに噂に聞いていた素敵な場所をようやっとこの目で見ることができた。

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エミューは思っていたよりも全然大きくて迫力があって、鳥というよりも恐竜。最初4羽から始まって今500羽以上を飼育しているそうだ。柵のなかにまで入れてもらってとても近くでエミューを観察。貴重な体験でした。大人しくて、ドッドッドッ、ホーホーと喉を鳴らして、その鳴き声でオスかメスかを判断するそう。卵を見せてもらったけれどとても大きくて、まさに恐竜が出てきそうな感じ。

夕暮れ迫る基山町を駆け巡り、気持ちのいい田園風景で写真を。「気持ちがいい」と感じるようになったのは僕が東京で暮らして四半世紀以上になるからかもしれない。高校生のときはこの町を抜け出して都会に行きたくて仕方なかったのだから。再び図書館に顔を出し、いろいろ撮影。2016年春に完成したこの新しい図書館はとても居心地がよくデザインも斬新。子供の頃にこんな場所があったら書物の森をさまよい歩いてたくさんの興味の扉がひらけただろうな、と羨ましく思う。信じられないくらい階段を登り降りし、歩き回った一日でした。いい旅。

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2020年11月13日

a sort of homecoming|帰郷、のような旅

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ネットでGO TOキャンペーンのことをいろいろ調べて、いろいろ複雑で困惑しながらもようやっと旅行程を整えて九州は佐賀県、故郷の基山町へ。慌ただしい短い旅。基山町立図書館で行われているカレンダー展をこの目で確かめて挨拶してお礼をするのが目的の旅だ。飛行機での旅行、最後はすでにコロナが生活に忍び寄っていた3月に所用があり福岡へ日帰りして以来。その前も2月の警固ジョイトリップカフェでのライブだったので、今年は3回目の福岡へのフライトということになる。タイミングがまた感染者数が急カーブを見せる時期と重なったことが後ろめたい。

平日でも飛行機は満席。何気にいつも楽しみにしている機内誌が、ない。コロナの影響か。福岡までは1時間半くらいの空の旅、そこから基山までは高速バスで30分。僕の故郷は非常にアクセスが良いとこにいある、と大人になってから初めて気づく。実家から車で5分走ったらそこは福岡だ。高速バスを基山のサービスエリアで降りるとそこにはスターバックスコーヒーがあって、ちょっと前まではこのスターバックスは観光名所だった(今は幹線道路沿いにたくさんスタバがある)。

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基山町立図書館に到着、スタッフのみなさんから「おかえりなさい」と歓迎を受けて照れくさい。追加の展示物として完成版の2021年カレンダー(それまで簡易印刷のものを飾ってもらっていた)と原画を数点。会期残り1週間のところで完成形に。2011年から2021年まで11年分のカレンダー。ひとつひとつはA5サイズでささやかだけど、132ヵ月分あると、自分が作ったものだけれど、やっぱり見応えがある。

今回設営のすべてをお任せしましたが、とても丁寧に立派に設えてあって本当に感動しました。聞くところによると関東や関西、とても遠くから、それこそ「GO TOを使って見にきました」という方が少なくないそうで、図書館スタッフに「『夕暮れ田舎町』の舞台となっている、何にもない町を見下ろす小高い丘はどこにありますか?」と尋ねる方もいたそうで、驚きました。

基山の町はいたるとこで紅葉がきれい。図書館の閉館時間になって外に出るころには日が暮れる直前の夕焼けで、山並みの形が赤く染まっていて息を飲むような美しさでした。あれ?自分の故郷ってこんな良い町だったっけな、と帰るたびに思ったり思い出したりするのです。

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2020年08月27日

想い出のサンフランシスコ

今からちょうど1年前、8月の終わりからサンフランシスコ旅行をした。 THE NATIONALというバンドのライブを観にいくための、5日ほどの短い旅だったけれど、県境すらまたげない今年の現状を考えると本当に夢のような時間だったと感じる。1年前はむりやりお金と時間を捻出したけれど、今は時間とお金があったとしても難しい。「想い出のサンフランシスコ」というスタンダードナンバーがあって、原題は「I Left My Heart in San Francisco」、心をサンフランシスコに置き去りにしてきた、と歌われる。がんばって働いてまたサンフランシスコに行きたい。

今一番楽しみにしている映画は『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』だ。今やジェントリフィケーション(高級化)によって全米一家賃が高い街となったサンフランシスコ、昨年旅をしたときもとにかく物価が高くて「なんでこんなにお金がどんどんなくなるんだろう」とゾッとした。あの見目麗しいビクトリア朝の家に住めるのはどんな人なんだろうかと夢想したけれど、この映画はまさにそういうサンフランシスコの光と影を物語にして見させてくれそう。

5日間の旅を気ままに綴った日記を配信サイトnoteのマガジンにまとめた。自分で読んでウキウキした気分に立ち返るための備忘録のようなものだけど、そのキラキラした空気をおすそ分けしたい。秋にはどこか、電車や飛行機に乗ったりして(ドライブ旅でもいい)旅に出られたらいいな、と願いながら。


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2019年12月31日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】9

サンフランシスコ郊外の街パロアルト、夜のとばりが降りてついにTHE NATIONALの面々がステージへ。Youtubeで漁るように観たダイナミックな演奏を生で、目と鼻の先で体験できる喜び。僕がTHE NATIONALを好きになったのは2017年『Sleep Well Beast』からで、それまでいっかいのUSインディーバンドでしかなかった彼らがどういうわけか突き抜けた存在になった。ファンクラブに入ってその動向を見守った。この感じは、あれだ、R.E.M.を好きな感じに似ている。R.E.M.が2011年に消滅した後を継ぐのが僕にとってこのバンドだった、ということになる。

2018年にリリースされた『I AM EASY TO FIND』は、そういうわけで僕にとって年間ベストレコードとなった。アルバムの内容はもちろん、その楽曲をサンフランシスコで浴びたことは何物にも変えがたい経験となった。ボーカルのマットはステージにとどまることなく何度も客席へ飛び出していき、そのたびにオーディエンスが熱狂の渦に。僕もその背中にさわった。マットも僕も汗びっしょりだった。すべての曲で観客がシンガロングするところがアメリカ本国だなあと感動した。

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2時間ずっと至福のときが続く。東京から遠く旅をしてきて、素晴らしい風土に興奮して、そこで大好きなバンドの歌を聴くという幸せよ。これからの音楽人生にとってひとつの指針になるはずだ。アンコールの最後の歌は「Vanderlyle Crybaby Geeks」、PAを通さない生音で、歌は観客が担った。スモークが残ったステージが幻想的で、その風景がとにかく美しくて、東京に帰ってきてからもこの曲ばっかり聴く何日かがあった。

興奮さめやらぬまま帰路へと向かう流れに乗って、肌寒くなったパロアルトの街を歩く。アルバムレコーディングの予定が大幅に遅れて(本当はこの頃アルバムが完成しているはずだった)かなり無理して詰め込んだ旅行だったけれど、このタイミングで自分が好きなアメリカで、大好きな音楽に抱かれる数日間があって本当によかった。時間が経つにつれて、すべてが点と点で繋がっていくのだろうな、と思う。ここ2年インドネシアのバリ島旅行が続いたけれど、サンフランシスコに行って「やっぱアメリカだな」と思ったのも束の間、帰国するなり曇天の東京の空の下で「やっぱバリも行きたい…!」と思っている自分がいた。旅は続く。果てしなく。

パロアルトのホテルで最後の夜を過ごし、サンフランシスコ国際空港まではUberで移動した。その車のドライバーさんは日本が大好きな人だった。バックミラーにたくさんの日本のお守りとかキーホルダーを下げていて、「僕の奥さんに大阪でプロポーズしたから思い出の街なんだ」とニコニコしながら語ってくれた。来年のオリンピックで日本に遊びにいきたいけど観戦チケットが取れなくて四苦八苦しているらしい。「baby driver」という曲はバリ島で作った曲だったけれど、今回の旅でUberに乗るとき頭の中で流れる曲も決まって「baby driver」だ。僕を連れていけよ、ここじゃないどこか遠くへ。2020年もまた新しい音楽の旅に出かけられたら、と思う。(完)


*サンフランシスコ旅行記をまとめたものがここにあります。

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2019年12月30日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】8

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今年のことは今年のうちに!と今でも夢見心地になる8月終わりから9月にかけてのサンフランシスコ旅行記の続きを書き上げたい。旅は4日目、9月1日。アメリカはLabor Day(労働者の日)という祝日の週末、この週末を境にして夏が秋に変わる。僕はその日の朝にサンフランシスコ市内からCaltrainで1時間かけてパロアルトという街まで辿り着いた。スタンフォード大学で有名なこの街にある フロスト・アンフィシアターでTHE NATIONALのコンサートを観ることがこの旅の目的だったので、旅のハイライトはこの日ということになる。

お昼過ぎにホテルにチェックインしてパロアルトの街を散策。お土産を買うなら流行りに乗ってTrader Joe'sへ行ってみたかった。色鮮やかなパッケージ、サイズ感も日本と違うし、とにかく楽しい。あれもこれもと友だちに自分に、と買い過ぎてしまう。ああ、アメリカよ、なんてあなたはアメリカなの、と思う。僕は昔からこういう色とか質感が大好きで、それが変わっていないのだ。しかし今回の旅で感じたのは他でもない、物価の高さである。ファーストフードで簡単に一食済ませたくらいの感覚なのに3千円くらい使っていたり、手持ちの現金がどんどん減っていって結局カードばっかり使ってしまう。この日食べたまともなご飯はテイクアウトのメキシカンだけ。

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買い物も済ませて、おなかもいっぱいになって、しばらく町歩き。郊外都市で木々の緑も多く、気温は高いけれど木陰を歩くと涼しい。ずっとこのままここにいたいな…。でもそうするとうちの猫はどうしたら…などと考えていたら僕の目の前を横切る影。野生のリスが上手に木を伝っていく。とてもかわいい。その姿を追っていくうちに、気づくと僕はコンサート会場であるフロスト・アンフィシアターに辿り着いていた。そもそもパロアルトはグレイトフル・デッド結成の地であり、フロストはデッドが何日間にも渡って伝説の演奏をしたヴェニューなのだった。ここ最近改修されてとてもきれいになった会場には気の早いファンがすでに集まっていて、僕もそのなかの一人になった。

リハーサルの音が聞こえてくる。警備スタッフの人に荷物検査について尋ねると(テロ等の防止のために透明なバッグしか認められないという厳しい持ち物規則があったのだ)「今から列になってもらうからそこに並べ」と言われて、僕は列の先頭で待つことになった。しばらくするとあれよあれよという間にスムーズに列が進み、僕は予定されていた時間よりも早く会場内に流れ込んだのである。

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THE NATIONALのコンサートはこの日以外に翌日のロサンゼルス公演が選択肢としてあった。ロスに行くほうが航空券が安いので最初はロス公演にするつもりだったのが、いい席があらかた売れてしまっていてオークションでも高騰してた。サンフランシスコのほうは料金一律フェス形式だからがんばれば良い場所で観られると思っていたけれど、まさか最前列に陣取れるなんて夢にも思わなかった。まだ開演までには時間があるけれど、天気も良くてビールも美味しいし、だんだん集まってくる観客の雰囲気がとても良い。僕はどんどんワクワクしてきた。このために日本からお金と時間をかけてやってきたのだ。

カリフォルニアの昼は長い。まだ日が高いうちにサポートアクトのALVVAYSの演奏が始まった。フジロックフェスティバルでも来日していたけれど雨がひどい日だったので彼女たちの演奏に間に合わず音だけを遠くに聴いた。そのことを後悔させるような素晴らしい演奏だった。こんな清々しいギターポップ久しぶりに聴いた。なんといっても最前列で観ているわけだから表情も演奏する手さばきもすべてを満喫した。ライブが始まってすぐ僕が手を滑らせてiPhoneを落としてしまい、手の届かない柵の向こう側へ転がっていってしまって、僕のとなりにいたきれいなブロンドのお姉さんが「Oh my God!」ととても心配してくれて「や、ほんと大丈夫なんで!終わったらでいいんで!」とやりとりしたのも良い思い出になりました。45年生きてきて、本物の「Oh my God!」を初めて聞いた気がする。とにかくALVVAYS、最高だった。帰国してからもずっと彼らのレコードを聴くことになる。

どんどん日が暮れてきて、会場も満員に。気分も最高なのだ。みんながTHE NATIONALの登場を待つ。というところで、旅日記は次回へ。(断続的に続く…)

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2019年11月14日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】7

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サンフランシスコ旅行4日目、9月1日。サンフランシスコ市内で3泊したティルデン・ホテル最後の朝、身支度をして部屋を見回す。なんだかんだ言って快適な部屋だった。ホテルがたくさんあるダウンタウンに宿を取ったけど、自分の行動(レコード屋巡りなど)から考えるともっと観光地っぽくない、辺鄙な場所でもよかったのかもな、と今は思う。ビクトリアンハウスにも泊まってみたいなあと夢見るし、次にアメリカに来る時はモーテルを渡り歩く旅もしたい。枕元にチップを置いて、来るときより重くなったスーツケースを引きずって部屋を後にした。

カルトレインの駅へ。初めての体験でドキドキする。サンフランシスコからパロアルトまでは1時間弱くらいだった。大阪から京都くらいかな。カルトレインは2階建ての大きな列車だった。旅人気分でそわそわする僕とは対照的に、通勤で使ってる人が多い感じ。向かう先がシリコンバレーだからIT関係の人も多いのだろう。自転車ごと乗り込む人のための車両もあるし、僕はスーツケースみたいな大きな荷物がある人用の車両へ乗り込む。

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パロアルトはスタンフォード大学のある街だ。グレイトフル・デッドが結成された街としても有名。僕がそもそも今回サンフランシスコまで来たのにはわけがある。このパロアルトにあるフロスト・アンフィシアターという野外音楽堂でTHE NATIONALのコンサートを見るのが目的、まさに音楽の旅なのである。自分自身が音楽家として全国でライブをしていると、遠くからわざわざ会場まで足を運んでくれる人がたくさんいて、彼ら彼女らは一様に旅人の顔をしていて興味深い。僕もこの日は音楽と旅を全身で楽しむトラベラーだった。電車の旅は楽しい。駅に停車するたびにその街の暮らしが垣間見える。映画みたいな風景がずっと続く。1時間弱の移動が終わり、僕はパロアルトの駅に降り立った。空は抜けるように青くて、これ以上なにを望む?というような満ち足りた気分。夜には大好きなバンドのライブがあるなんてな。

自然が豊かな街並みを歩き、ホテルへチェックイン。24時間しかないこの街の滞在時間を目一杯楽しもうと思う。(気まぐれに続く)

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2019年10月18日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】7

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サンフランシスコ3日目、8月31日。お昼過ぎにケーブルカーでフィッシュマンズワーフからチャイナタウンへ移動。漢字だらけの看板が続く街を歩くと不思議な気分になる。しばらく歩いてノースビーチにあるシティライツブックストアへ。ここに来るのは二度目か。カウンターカルチャーの源、サンフランシスコのランドマーク的な場所だから立ち寄らないわけにはいかないのである。ただ店内を歩くだけで詩人になったみたいな気分になる。

歩きすぎたのと、照りつける日差しで少し疲れて、 North Beach Pizzaというお店で休憩。ビール1杯と簡単なサンドイッチみたいなものを食べても3000円とかになるし、やっぱりここは物価が高いなあと思う。この界隈には素敵なカフェが多く、楽しげなバンドの生演奏の音が聞こえてくる。街はやっぱり連休で少し浮かれている感じがした。

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本屋の次に向かうのはやっぱりレコード屋さんである。101 Musicは予想していたよりもオールジャンルで充実したお店だった。楽器やメモラビリアもあって眼福。カセットテープの棚を指で辿っている途中で「わ!」と変な声が出てしまう。中学生の頃から好きなバンドToad the Wet Sprocketの、メジャーデビュー前にカセットテープだけでリリースされた幻の1stを見つけてしまったからだ。こういう出会いがあるからレコードハンティングはやめられない。レコード屋さんで何かを買うたびに「お、いいの選んだね」とか「気に入ったらいいね」とか店員さんが声をかけてくれるのも楽しい。

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ノースビーチからUberでミッション地区まで移動。前日にも訪れたHeath Ceramicを再訪、改めて陶器を厳選して購入。きれいな色のお皿、うっとりしながら。買おうか買うまいが悩みに悩んだ大きなサイズのトートバッグは、結局買わず(今とても後悔している)。夕方の橙色の日差しのなか、ミッション地区をひたすら歩いてみる。ストリートアート、おしゃれなカフェ、犬を連れたサンフランシスカン。この日はサンフランシスコ市内で過ごす最後の日だったから、「ああ、このままずっとこの街の住人でいたい」と思ったのでした。

ガイドブックで「THE EXPLORIST INTERNATIONAL RECORDS」を探して辿り着いた場所には、PYRAMID RECORDSという名前のお店があった。居抜きで入れ替わったのだろうか。小さな店内ではTHE SUNDAYSの1stアルバムが大きな音でかかっていた。看板犬のフレンチブルドッグが僕にずっとついてきて可愛かった。サンフランシスコでは一匹も猫を見なかったけど、たくさんの犬がいた。

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サンフランシスコ市内で最後の夜はさすがに歩き疲れ、Walgreen(日本だとマツキヨとかサンドラッグみたいな?)でビールと簡単なスナックを買ってそれを夕飯にした。3泊目の宿では、もう慣れたもので、簡単に眠りに落ちた。明日はカルトレインに1時間ちょっと揺られてパロアルトという街へ行く。グレイトフル・デッドが結成された街だ。(断続的にもっと続く)  
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2019年10月16日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】6

ライブのたびにサンフランシスコ旅行のことを話すので、その都度いろんなことを思い出してしまうので、まだまだ引き続き旅日記を更新していこうと思います。旅の3日目は8月31日。アメリカでは9月2日の月曜日が「Labour Day(労働者の日)」という祝日で、その直前の週末はアメリカ人にとって夏の終わりのタイミングなのだそう。街はまさに「WEEKEND」という感じの賑わい。

まずUberでフェリービルディングへ。ここはサンフランシスコのオーガニック食文化を象徴するフードコートであり市場。ファーマーズマーケットでは色とりどりの果物や野菜。うさぎの尻尾を使った幸運のチャームを売っているお店があって、ポチ実のお土産に、と最後まで迷ったのだけど悩んだ挙句買わなかったことを今はとても後悔しています。そこからMUNIメトロに乗ってフィッシャーマンズワーフへ。サンフランシスコの乗り物はどれも可愛い。

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これまでの3回のサンフランシスコ探訪のたびに立ち寄っているのはフィッシャーマンズワーフがこの街の“象徴”だからかもしれない。抜けるように青い空、懐っこいカモメたち、上機嫌な観光客、お土産物の陽気な客引き、駆け抜けていく自転車、路面電車、ベイブリッジ、海の上にはアルカトラズ刑務所が浮かんでいる。僕は今回もここでパンのポットに入ったクラムチャウダーを食べるのだ。「I'm in San Francisco」という感じ。朝は涼しかったけれどお昼になって日差しが強くなってきた。

僕は汗をぬぐいながらケーブルカー乗り場へ歩き、そこからまたダウンタウンのほうへ向かう。僕が軍手チミ猫とケーブルカーの写真を撮っていたら「あら、あなた、その猫はサンフランシスコで買ったの?」と話しかけてきたから「これは日本から来た僕の猫」と答えた。「本人は留守番しているんです」というと「まあかわいそう。でも留守番してえらいわね」と笑顔が返ってくる。そろそろポチ実のことが恋しくなってきた?(まだまだ断続的に続く…)

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2019年09月27日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】5

サンフランシスコ2日目も長い一日。ミッションドロレスパークで風に吹かれたら体力復活。予定していいなかったミッション地区を歩くことにした。この日僕が歩いた距離を地図で眺めてみると、ちょっと尋常じゃない。フジロック一日分といってもイメージが沸かないだろうか。ノーチェックだった1-2-3-4-GO! Recordsはロック系の品揃えが嬉しいお店、ここでもカセットテープを購入。DOG EARED BOOKSも目に楽しい本屋さん、長い時間をそこで過ごしてしまう。翌日出くわすことになるALLEY CAT BOOKSはここの系列店。猫についての詩の本を購入。サンフランシスコでは猫に一匹も会わなかった。かわりに大型犬を散歩させている人がとにかく多くて、レコード屋さんのなかにも犬を連れた人がいるし、アニマルフレンドリーな街だなという印象を持った。

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だんだん日が暮れてきて、今日の最後は前日に続いてまたスーパーマーケット。Rainbow Groceryはバルク、いわゆる量り売りで有名なオーガニックと地産地消のスーパー。「へええ」と声が出るほど広い。ここで買った量り売りのお茶(オーガニックラズベリーティーとかいろいろ)は友達へのいいお土産になった。最近日本のスーパーでも様々な種類のトマトを選べるトマトバイキング的なものがあるけれど、ここにはきのこバイキングがあった。アメリカの豊かさと鮮やかさを実感。しかしとにかく物価が高くて、ちょっとしたものにもお札がどんどん飛んでいって、ハッと目が覚めて冷静になる。つつましく、つつましく、と。

ピニャータという飾りを売っていて、調べてみるとメキシコのお祭りで使うものだったり、売り場によっては居住者たちのダイバーシティを改めて感じさせる部分もいたるところに。見たことのない地ビールがたくさんあってパッケージもデザインが面白くて、毎晩ひと缶の晩酌を楽しんだ数日だった。スーパーからダウンタウンまではさすがにUberで。もう足がパンパン。

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夕飯はホテルのそばにあったMASON DINER。いわゆる絵に描いたようなアメリカンダイナー、映画みたいでわくわくする雰囲気がある。昔みたいにステーキとかハンバーガーとかこってりしたもをあんまり食べなくなっている自分に時間の経過を感じつつも、この日はアメリカらしい夕食を。遅い時間にちょっと緊張しながらリカーストアでポテトチップスを買ったりするのもいい。2晩目となる宿もだんだん自分の巣のように感じてきた。さあ明日はフィッシャーマンズ・ワーフへ行ってクラムチャウダーを食べよう。(断続的にまだまだ続く…)

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2019年09月25日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】4

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ヘイト・アシュベリーからテクテク歩いてロウワー・ハイトへ、途中コーヒースタンドThe Grindでアイスコーヒーを飲む。ちょっとしたイートインも緊張、もっと英語が喋れたらなと思う。アメリカのアイスコーヒーもすっきりした味のものが多くて美味しかった。Groove Merchant Recordsは小ぶりだけど品揃えが僕好みでとても良いお店だった。ここではレモンヘッズとビリー・ブラッグのカセットテープを買った。たくさんのアナログ盤を持って帰るのはしんどいなあと思っていたのでカセットテープは思い出作りにちょうどいい。Vinyl Dreamsはテクノ、エレクトロやEDMの専門店、日本のレコードもたくさんあった。サンフランシスコに来て感じたのはデフォルメすぎないジャパンカルチャーが自然に受け入れられているということ。カタカナのTシャツ着てる人とかいっぱいいるし。Rooky Ricardo's Recordsはとにかく7インチの量が圧巻だった。お店の奥では店主と仲間たちがカードゲームをしていて、好き勝手にレコードを試聴しているお客さんがふたり。僕は名前も知らないバンドのレコードをジャケ買いした。

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夕方5時前、太陽の光に少しオレンジの色味が加わるけれど、まだまだ日が高い。ロウワー・ハイトから歩いてミッション地区のほうへ。サンフランシスコは気持ちのいい都会だ。路面電車と車が華麗に交差する。目指すのはミッション・ドロレス・パーク、ここは映画『スウィート・ノーベンバー』に登場した公園。この『スウィート・ノーベンバー』が転じて「sweet december」という曲が誕生したと思うと立ち寄らないわけにはいかなかった。果たして、辿り着いたのはサンフランシスコ市民の憩いの場、息をのむほど美しい公園だった。小高い丘からは海が見え、太陽の光を日暮れまで楽しむ人たちがたくさん転がっていた。夢みたいな街だなあ…と思った。(断続的に続く。まだ2日目…)

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2019年09月24日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】3

サンフランシスコに行ったの、もう1ヶ月前のことになってしまう。時が過ぎるの早い。現実逃避で旅日記を。サンフランシスコ2日目は8月29日、この日はとにかく徹底的にレコード屋を巡る日と決めていた。レコードハンティングの旅はロックの聖地ヘイト・アシュベリーからスタートだが、まずその前に行ってみたかったHEATH CERAMICSへ。サンフランシスコ生まれのヒース・セラミックの食器はなかなか日本では売ってなくて、あったとしてもとても高い。僕はマグカップひとつだけ持ってたんだけど、やっぱりご当地で見てみたいと思ったのだ。とてもスタイリッシュで、NEWSSTANDと名付けられたショップにはかわいい雑貨が並んでいて、来た甲斐があった。最後まで悩んで、トートバッグを買わなかったことを後悔している。

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午前中をHEATH CERAMICSで過ごして、お昼になってヘイト・アシュベリーへUberで移動。車窓からの景色がすべて目に鮮やか。ヘイト・アシュベリーは1960年代後半のヒッピームーブメントの中心地であり、'70年代はゲイカルチャー高揚の舞台。さまざまな文化にとっての聖地。さあ、レコード屋散策の始まりだ。前日はバークレーにあるアメーバ・ミュージック(Ameoba Music)に行ったけど、今日はヘイト・アシュベリーにあるサンフランシスコ店へ。ここもとにかく大きい。バークレー店も相当な時間を夢中になって過ごしたけれど、サンフランシスコ店では気づいたら2時間経っていたから驚いた。このペースはやばいと思ったので少し早足に。ここではR.E.M.の海賊盤レコードとThe Nationalの持ってなかったCD、そしてお土産用のTシャツやロゴ入りのピックを買った。

そしてまた前日と同じくラスプーチン・ミュージック(Rasputin Music)のサンフランシスコ店も覗いてみた。ここにはたくさんのTシャツを売っていた。今巷ではメタル系のビンテージTシャツが流行っていて、僕もあわよくばカリフォルニアで掘り出し物でもあればと思ったのだけど、かっこいいやつはどれも値段が高い。古着屋に入ってもメタルTシャツコーナーのものは値段の桁がひとつ違う感じだった。全世界同時進行的なメタルTシャツブーム。ネットで調べて手帳に書きつけていたヘイト・アシュベリー・ミュージック・センターという楽器屋はなんと閉店セール中だったが、さすがにギターを買って帰るわけにはいかないのだ。

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サンフランシスコの街歩きはとても楽しい。いたるところにグラフィティが描かれていて、それがいちいちかっこいいし、なんということもない通りでも家の形や色が可愛いし特徴的。つまらない風景がないからついつい歩きすぎてしまう。この日も尋常じゃない距離を僕は歩いた。感覚的に言うと、恵比寿から新宿までを寄り道しながら歩く感じだろうか。次のレコード屋さんまでは少し離れていたんだけど、なぜかあっという間に歩けてしまう。途中ブエナビスタ公園というところで座ってしばし休憩、時計を見るともう午後3時になっていた。

まだまだこの日の散策は続くけれど、旅日記はまた気まぐれに断続的に続きます。まだ2日目の途中。

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2019年09月16日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】2

サンフランシスコ旅行の一日目、8月29日。レンタカーで走り出したのはお昼過ぎだった。ホテルのチェックインまではまだ時間を持て余してしまうから、車を借りたのは正解だった。初日は車でしかいけない場所へ行こう。まずはサンフランシスコの象徴ゴールデンゲイトブリッジを目指す。三度目のサンフランシスコだが、金門橋はやっぱり毎回行かないと気が済まない。車で橋を渡ると、やっぱりテンションがあがる。橋のサンフランシスコ側にお土産やさんがあるウェルカムセンター、渡った先に景色の綺麗なビスタポイントがあるが、『ripple』のジャケット撮影のときにはこの観光客ひしめく場所で僕は猫の被り物で撮影した。14年前の話だ。

インターナショナルオレンジと称される橋の美しさもさることながら、サンフランシスコ湾の向こう側に見える市街地の、空と海の淡い青に溶けていく感じがとても良い。早速いろいろ細々としたお土産を買って、先が思いやられる。お土産を選ぶときは「わー、これ微妙!面白いから◯◯くんにあげよう」というのが基本姿勢。この旅行最初の食事はウェルカムセンターにある Bridge Round Houseでラテとビスケット。汗ばむくらいの晴天。

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初めてサンフランシスコを訪れた時に印象に残ったのがベイエリアの町バークレー。UCB(カリフォルニア大学バークレー校)で有名な学園都市だが、やっぱり僕の根っからのモラトリアム気質と空気が合うのだろうか。ゴールデンゲイトブリッジから車で1時間かけてバークレーへ向かうことにする。サウサリートやミルバレー(エイブラムズ先生とストロベリー・ポイント小学校4年生の奇跡の名盤が生まれた町だ)といった自然豊かな風景を駆け抜けて、サン・クェンティンからリッチモンドまではサンフランシスコ湾をまた別の長い橋で渡る。

やっぱりバークレーは時間の流れ方が独特な、居心地のいい町だった。最初に向かうのはもちろんレコードショップだ。カリフォルニアに来たら行かないといけないお店、Amoeba Music(アメーバ・ミュージック)は体育館みたいなところに無限にCDとLP、Tシャツやらバッジやらメモラビリアがひしめくお店。初めてここに来た2000年(19年前!)、僕は圧倒されて頭が痛くなり、なぜかキャロル・キング『つづれおり』の中古CDだけ1枚買った。今回はたっぷり時間をかけて広い店内を散策、そして散財。カリフォルニアとレコード、なんと幸福な時間。

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そしてアメーバの隣にあるのがRASPUTIN MUSIC(ラスプーチン・ミュージック)。ここも地下のアナログフロアとCDのフロアとものすごい量の音楽。お店に入るとバッグや荷物をカウンターに預けるように言われた。以降、古着屋さんなどでもこの荷物預けパターンが多かった。どのレコード屋さんにもお客さんがたくさんいて活気がある。一生かけても聞けない数のレコードが世界に溢れていて、無限のコレクターがいるわけだけど、僕はジャズやソウルにはそんなに食指が伸びないので、ロックの、それも80年代以降のインディの棚をパタパタとすれば気が済む。ラスプーチンではThe Nationalのライブにオープニングアクトを務めるカナダのALVVAYSのレコードを買った。

アメリカに来て一番重宝したのは僕が使っている携帯キャリアが提供するアメリカ放題というサービスだった。SPRINTという回線のあるところなら日本にいるときと同じようにiPhoneが使えてお金もかからないし、フリーWi-fiも街中のそこかしこにあるから地図だってお店の情報だって簡単に調べることができた。バークレーで有名なスーパーマーケットがあるのを知って立ち寄った。Berkeley Bowl(バークレー・ボウル)という、オーガニックなスーパーマーケット。売り場に溢れるその物量と質、色鮮やかさは眼福。日系のお店らしくてお寿司なんかもたくさん扱っていた。結局この日の晩御飯はここでサラダバイキング、それとクラムチャウダーとおにぎり、それをイートインスペースで。さすがに疲れてきた。

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カリフォルニアの太陽はなかなか沈まず、19時頃からだんだん日が暮れてくる。夕暮れ時にフリーウェイをバークレーからサンフランシスコに向かって走ると、耳の奥にサイモン&ガーファンクルの「America」が流れてくる。左ハンドルと車線にも慣れて、独特なスカイラインを眺める余裕もできた。市内に入ると急な坂の上り下りが増えてきてワクワクする。ビクトリア様式の家が並ぶ。ダウンタウンに入ってくると治安の良し悪しが雰囲気でわかった。僕の泊まるホテルはかつて「マーク・トウェイン・ホテル」という名前だったらしいが、リノベーションされてシンプルで小ぎれいな宿に変わっていた。昔はどんなふうだったのかな。この部屋にこれから3日間お世話になる。

チェックインしてスーツケースを広げたら、またひとつ身軽になった気がした。もう21時前、夜の街を歩いてみるとUrban Outfitters(アーバン・アウトフィッターズ)があったので覗いてみる。前回2005年に来たときは洋服だとかいろんなものを買ったお店、今回は品物を眺めて少し子どもっぽいなと思ったところに時間の経過を感じる。ケーブルカーとすれ違うと、やっぱりワクワクした。借りた車は翌日の朝に返却することになっていたから、もう少し夜のサンフランシスコ市街を流してみることにした。

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2005年に『ripple』のジャケット撮影で偶然たどり着いたとても風景の美しい印象的な場所があって、それは高級住宅街のなかにあって、ベイブリッジと高層ビル群と海を見下ろす丘だった。車をゆっくり走らせて、かすかな記憶を頼りにiPhoneの地図を睨む。ものすごい傾斜の坂を上ったり下ったり。そしてNob Hill(ノブ・ヒル)とRussian Hill(ロシアン・ヒル)の中間くらいのところに「ここだった!」という間違いない場所を見つけた。とても静かで、風がやんで凪の状態になると遠くの潮の音が聞こえて
、14年前と何にも変わってないように思えた。あ、14年前はサンフランシスコ名物のアシカの声が聞こえたのを憶えている。今回はついにアシカの姿を見なかった。

サンフランシスコはアメリカのなかでもとにかく抜群に家賃や物価が高い街で、そのなかでも一番裕福なエリアを歩いてみると、ほのかな灯が漏れるマンションや瀟洒なビクトリアンハウスの窓からは、それでも、この街ならではの日常的な営みを感じる。もちろんこんなところに住んだりはできないけど、もしここに住んだら…ということを夢想してみるのも楽しい。夢とうつつを行き来する感覚。そろそろ眠たくなってきた。僕の時計には現地時間とあわせて日本の時間もディスプレイされているから2つの時間を過ごしているようにも感じる。ホテルに戻って、スーパーで買った地ビールを飲んで就寝。長い一日、DAY1終了。(断続的にしばらく旅日記が続きます)

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2019年09月14日

夏の終わりとサンフランシスコ 2019【猫町旅日記】1

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夏の終わりの旅の記録を備忘録的に。旅のことを反芻すると幸せな気持ちになるので、慌ただしく忙しい日々からの逃避行のような感じで、だらだらと何回にも渡って書き綴っていきたいと思います。

ここのところ毎年9月に旅行をすることになっている。恒例の7月の何かしらのリリースとそれに伴う制作と一連のライブを切り抜けた自分へのご褒美みたいなものとして、ここ2年連続でインドネシアのバリ島で休暇を取った。今年は春からすっきりしない健康問題(そして昨年末からの個人的ないろいろも含めて)夏が本格的に始まる前にくたくたになっちゃって、これはいかん、何か刺激的な予定を人参のように目前にぶらさげなくては、と思ったのだ。

ちょうどその頃、数年前から大好きなThe NationalというバンドのライブをYoutubeで毎晩のように観ているうちに彼らをアメリカ本国で観てみたいという欲望がむくむくと膨らんできて、ネットで予定を調べるとヨーロッパツアーから帰還して夏の終わりからアメリカ国内のツアースケジュールが。ロサンゼルスなら飛行機代も安いし!と調べたらライブの良い席はあらかた売れていてがっかり。しかしその前日のサンフランシスコ公演ならフェス方式で入場料一律、がんばれば良い位置を確保できるかもしれない。憧れのサンフランシスコ…、特別な場所へ行ってしまう?そこから電卓を叩いたり、さまざまな旅のアプリをダウンロードしたりして予定が決まったのは6月の終わり頃、心臓の手術が終わってしばらくしてからでした。

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本当ならGOMES THE HITMANのアルバム制作作業がひと段落してからの晴れて休暇旅行の予定だったわけだけれど、全然予定は予定通り進まなくて、様々なあれこれが終わらない状態でどんどん日々は進み、旅の準備や下調べ等なにひとつできないまま出発の日を迎えることになった。マリッジブルーならぬ旅行ブルー、嗚呼この旅行がなかったらあれもこれも進められるのに!と複雑なテンションに。心配事がいくつも残されたまま、トランクに荷物を詰める。ひとつだけ、MOLESKINE City Notebookのサンフランシスコ版を購入したことが光明だった。もう廃番になっていた手帳のデッドストックを見つけて手に入れた。僕はその手帳の地図に友達から聞いたりネットで調べたりしたレコード屋をびっしりと書き込んだ。

8月29日、出発の日がやってきたが、朝からトイレの水が流れなくなって往生し、サトミツさんとずっとLINEで話してレクチャーを受けたりして(言われた通りにやるとちゃんとなおるところがサトミツさんのすごさだ)バタバタしながら、成田へ。アメリカに行くのは2005年以来14年ぶり、その前は2000年の暮れ。サンフランシスコへは3度目の渡航となる。14年の間にすべてが変わったと言っても過言ではない。搭乗手続きから何からがすごく簡単になっていた。待ち時間もないし、緊張するやりとりも必要なかった。チェックインして荷物を預けて、お世話になっているトラベラーズファクトリーの成田空港店に初めて立ち寄ることができた。MOLESKINEの手帳にトラベラーズファクトリーのスタンプを押す背徳感…。

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成田を29日の17時に飛び立った飛行機は時間を巻き戻ってサンフランシスコの29日の朝10時半に着くことになる。9時間少しのフライト。時差ボケなどの心配は結局、食事以外のほぼすべての時間をガーガー寝てしまって杞憂に終わることになる(出発前の数日よく働いたからな)。たくさん観られる映画のなかから僕が選んだのは『ガーフィールド・ザ・ムービー』で、それも途中で寝てしまった。機内食は最初と最後の2回。チキンの照り焼きとオムライス。この旅で最初に触れる外国的な食べ物、昔から僕はこの味気ない感じの機内食が嫌いじゃない。ビールを一缶もらってすぐ夢の中へ。

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何度目かの目覚めの後、いよいよサンフランシスコ空港へ着陸。イミグレもバゲージクレームも問題なく(英語脳に切り替えるためにどんどんカタカナになっていく言葉)、カリフォルニアのブルースカイが僕を迎える。さあ、何も決めてない一日目をどうするか。とりあえず無料のエアトレインでレンタカー会社のカウンターがひしめくレンタカーセンターへ。予約もしてないからいろいろあわあわ。値段を比較しつつ「ここで借りてダウンタウンで返したくて」「保険も最低限つけて」とか身振り手振りで、しかし、なんとか鍵とエコノミー車を手に入れて時間をかけて左ハンドルを把握。走り出す前にラジオをロックのステーションに設定するのを忘れずに。

果たしてサンフランシスコ旅行の一日目が始まる。夏の終わりのカリフォリルニアは日の射すところでは汗ばむほど暑いが、カラッとしていて風が吹くと涼しい。僕は何度もウィンカーとワイパーを間違えながらハイウェイ101をサンフランシスコ市内方面へと走る。ラジオからはチャンス・ザ・ラッパーの新しい曲が何度も流れた。途中間違って一般道に降りてしまったけれど、そこには憧れた彼の地の街並が続いた。さあ、どこへ行こう。ここではない場所へ。(以降断続的に旅日記が続きます)

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2019年09月02日

夏の終わり

先週の木曜日からアメリカはサンフランシスコへ。9月の第一月曜日の2日がLabor Day=労働者の日という祝日だったので、その直前の週末は電車が休みになったりレンタカーの値段が上がったり、旅に少なからず影響があったけれど、とにかく僕がいた5日間はずっと天気がよくて、日差しのあるところでは汗ばむくらいでも風が吹くと涼しいし、空気が澄んだ感じがして心地いいし、夜になって長袖を羽織るのも「ああ、これくらいがちょうどいい」って思った。中学生の頃から憧れてきた彼の地はまさにこんなイメージの世界だった、ということを思い出した。

アメリカではLabor Dayが夏の最後の日を意味するそうだ。九月から新学期が始まるから日本の春はアメリカにとっての秋なのかもしれない。心機一転、いろんなことをやり直したり新しく始めたりするタイミング。ほんの少しの時間だったけれど、そういう季節をカリフォルニアで過ごせて幸せだった。Labor Dayで静かな街を出発してサンフランシスコ空港から飛行機にのったら9月3日の東京にたどり着いて土砂降りの雨だった。明日からまた頑張ろうと思う。

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2019年09月01日

THE NATIONAL @ Frost Amphitheater

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ここ数年で自分のなかで一番重要なバンドになっていたThe National、来日公演が来年3月に決まったのだけど、どうしても本国アメリカで観たくなった。ちょうど心臓の手術をしたあとくらいに、思い切って今回の旅を決めたのだけど、あっという間に9月がやってきて、僕はカリフォルニアのパロアルトという、ヒューレットパッカードとスタンフォード大学で有名な街にある伝説的なフロスト・アンフィシアターの最前列にいた。オープニングアクトはフジロックでは雨の中音だけを聴いたALVVAYS。彼らも素晴らしかったけれど、とにかくThe Nationalのライブは2時間半ずっとハイライトといってもいいほどの多幸感に包まれていて、僕が今まで観たライブのなかで一番すごいライブだった。また改めて振り帰りたいと思います。

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2019年08月30日

旅の記憶とスーベニア

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毎年9月に旅行をすることにしていて、ここ2年はバリ島に行っていたのが、今年はアメリカにしようと初夏からバタバタと準備して、28日に出発してサンフランシスコに来ています。14年ぶりです。短い旅ですが、そのぶん濃厚な記憶が残ったらいいなあと思っております。とにかくレコード屋ばっかりの時間を費やして東京にいるときとそんなに違うか?とも思うのですが、やっぱり確実に違う。そうだ、おれは14歳のときからずっとアメリカという国がが大好きだったのだな、ということを再確認しています。

インスタグラムにいろいろリアルタイムで投稿していますので。来週帰ります。

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2018年10月02日

猫町旅日記ーバリ島 2018(後編)

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バリでの日々も時計の針は前へ前へ、決まった速さでどんどん過ぎていく。5日目、朝早く起きて、お世話になっているトシコさんと連れ立って朝市へ。すれ違う村人たちはパッと見た感じは強面なのだけど、トシコさんを見ると「スラマッパギ!(おはようございます)」とパッとくしゃくしゃの笑顔になる。僕もスラマパギとおじぎ。出店でお粥を買ってそれを朝食に。すっかりバリ島に胃袋を掴まれてしまった。お粥さえ美味しい。

この日はお昼からスカワティのマーケットで買い物。ここで買ったのは木彫りの猫、持ち手がウサギの杖(年を取ったら使うのだろうか)、ガラクタみたいなメモラビリア、両親へのお土産など。街歩きすることをインドネシア語で「ジャランジャラン」というんだけど、やっぱり日差しが地味に強烈で汗をかいてくたびれていくから、宿に戻って読みかけの本のページをめくったり、プールの水面をぼんやり眺めたりするのが良い休憩になる。なにごともバランス。

午後からまたウブドゥへ出かけて「Taco Casa」のメキシコ料理でランチ。これも美味しかった。異国で食べる異国料理というのも楽しいものです。「Cantika Zest」でヘッドマッサージをしてもらったけど、これも気持ち良さを堪能するまえにカクッと寝てしまった…。その後はウブドゥの街を散策するわけだけど、東京でバカみたいにレコードとか洋服とかで散財する自分がお金を全然使わない。欲しいものが何もないのです。景色とか温度とか吹いてくる風とか匂いとか、そういうものばかりをたくさん吸収する旅。夜になってレゴンダンスを堪能(去年に続いて2度目だったので本当は少し居眠り)、今回のバリでの最後の夜も楽しく終了。

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最後の朝も早起き。完全に朝型の体になってしまっている。最後にもう一回近くの市場へ行ってお土産を物色、いくつかのインドネシア語が自然と口をついて出るようになって自分で驚く。「ミンタ○○(○○をください)」「アダ○○?(○○はありますか?)」「ブラパ?(いくら?)」とか簡単な会話、一番使ったのは「ディスコン(まけて!)」と「ティダ(いらない)」という言葉だったかな。帰り支度をして、6日間お世話になったお礼にトシコさんのためにミニライブ、「小さな巣をつくるように暮らすこと」「セラヴィとレリビー」を歌い、またの再会を約束。

飛行機の時間までまだ余裕があったので、夕陽を観にクタのビーチへ。ここは有名リゾート地なのでとにかく賑やかで華々しく活気がある。小一時間くらいの間に海へと太陽が沈んでいく、いわゆるマジックアワーに遭遇。こんな絵に描いたようなサンセットは生まれて初めての体験。最後の最後にスペクタクルな風景を見せてくれたバリ島でした。帰りの飛行機ではびっくりするくらい寝た(7時間のフライトのうち6時間寝てた)。我ながら素晴らしいスイッチの切り替え、素晴らしい6日間でした。(完)

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猫町旅日記ーバリ島 2018(前編)
猫町旅日記ーバリ島 2018(中編)  
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2018年09月29日

猫町旅日記ーバリ島 2018(中編)

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バリ島3日目は長い1日。ガムランワークショップの後はサヌールへ移動して、Tandjung Sari(タンジュン・サリ)へ。ここはミック・ジャガーやデヴィッド・ボウイが愛した宿として知られる伝説のリゾートホテル。ゲートでチェックを受け趣きのあるエントランスを進むと屋外のカフェとプライベートビーチがあった。バリの日差しは強く、ちょっとでも水分補給を怠るとすぐ軽い熱中症みたいになる。このときもヘトヘトになりながらカフェに辿り着いたのだけど、広がる青い空と砂浜、透明な海には心が踊った。昨年のバリ旅行では海を眺める機会がすくなかったのでこの景色を見てあらためて自分が南国にいることを思い知る。

サヌールからデンパサールまで移動してPlaza Renonというショッピングモールへ。ここに「パパイヤ・スーパーマーケット」という日系のスーパーがあり、夕飯を購入することになった。辛いバリの料理ばかりでは胃腸が疲れてしまうからお寿司やサラダなどをチョイスしたけど、日本では見ないような具材も多くて新鮮だった。ダイソーがあったり、人気の雑貨屋さんがあったり、ペコペコ寿司っていう面白い名前のチェーン店もあった。ホームセンターにも行った。バリ島にもキャットフードや電球や傘、体重計、高枝切りバサミなどがある。当たり前のことだけど旅先では当たり前のことも面白い。

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去年初めてバリに来たときには全然心惹かれなかった石像。それがなぜか日本に帰ったあとで猛烈に欲しくなる。僕はそれがとても不思議だった。石像ショップが並ぶエリアでいくつもの店をまわる。僕は猫の石像が欲しかったんだけど、ない。猫はインドネシア語で「Kucing(クチン)」、僕は「クチン?クチン?」と聞いてまわったけどなかなか猫は見つからなかった。「なぜ日本人は猫を欲しがる?」と思われたかもしれない。もし今頃バリの石屋さんに猫があふれていたら僕のせいだ。代わりに仏頭とガネーシャを買った。インドの神ガネーシャ(『夢をかなえるゾウ』ですね)がバリ島にたくさんあるのは、バリの宗教がバリヒンドゥーだからだそうだ。富の神様らしいが、そういうことはたいてい日本に帰ってきてから知る。そして今、我が家の庭先ではありがたい仏様が呑気に遊ぶ猫を見つめているわけだ。

バリの気候は風が吹けば気持ちがいいのだけど日差しが厳しく、外歩きをするとすぐ疲れてしまう。長かった3日目は日が落ちる前に家に帰り、プールに浮かんで夕暮れを眺める。どこからか野生の猿が現れて庭木や花にいたずらしようとするのを「こら!」と注意したり。この日は夜になって停電になってしまったからネットも繋がらなくなって、北海道の大きな地震のことは次の日の朝になってようやく知った。夜空に南十字星を探したが見つからず、うっすらと天の川が見えた。ビンタンビールを飲んだらすぐ眠くなって気づいたら夜明け。

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バリ島4日目は海沿いの町「パダン」にある天然塩の直売所へ。以前お土産でもらったここの塩がとても美味しかったから、そのシンプルでありつつ手間のかかった塩の精製の様子が興味深い。海から塩水を汲んできたおじさんがそれを砂の上に撒くと、塩の結晶がキラキラと光ってきれいだったな。シドメン村というところまで移動して、ソンケット(Songket)と呼ばれる「浮き織物」のお店へ。若い女性たちがときおりiPhoneを覗き込みながら織り物をしているのが印象的でした。やっぱり異国の色彩感覚というのは面白くて、目が喜ぶ感覚がある。僕は赤い、丈の長いソンケットを購入。いろんな動物が織り込まれていて、寒い冬にこれを眺めたらちょっと体感温度があがるんじゃないかな、と思った。しかし、やっぱり暑さにすぐにバテてしまうのだ。日陰で犬と休憩(バリには猫も犬もいっぱい)。

シドメン村から1時間くらい車で移動。結構でこぼこ道。今回も運転はエヴァンさん、昨年「baby driver」っていう新曲ができたのは彼のおかげ。会話帳を持っていってたから去年よりはコミュニケーションがとれた(英語は通じない)。有名なAmankila(アマンキラ)というリゾートホテルまで行ってお茶と甘味。バリで食べるものは本当に全部美味しい。僕はこの滞在中に3キロ太った。青い空と青い海、静かな波音。海へと落ちてゆくプール。もうここがどこかとかがどうでもよくなる時間。非現実的でぼんやりしてしまう。

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バリ島旅行記は気まぐれに続く。  
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2018年09月26日

猫町旅日記ーバリ島 2018(前編)

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9月の頭に無理やり1週間休みを取ってインドネシアのバリ島へ行ってきた。去年に続いて2回目だが、なぜバリ島?という問いにはそこでバリ島が受け入れてくれたから、というのが一番しっくりくる答え。今年は1月からずっとせわしなく動き続けたのでとにかく僕は何も考えずに休みたかった。レコード屋も本屋も流行りの洋服屋もないバリ島は何もしないのに最適な場所なのです。成田を朝に発った飛行機がバリ島に着く頃には黄昏時、イミグレを終わらせて外に出る頃には夜の帳が下りていました。夕飯はシンプルなバリの家庭料理。とにかく1日3食たっぷり食べまくるバリ滞在になった。

朝日が昇るのは6時半頃だけど、なぜだかやっぱり暗いうちから目が覚める。だんだん明るくなっていく空を眺めるのが好き。バリ2日目、朝早くから出かけてバリ式のマッサージへ。去年も来たKARSA SPA(カルサスパ)という、ウブドゥで一番人気のスパ。マッサージを受ける時って寝ないで気持ち良さをずっと感じていたいのに簡単に寝落ちして気づいたら終わってる。昼ご飯はThe Kayon(ザ・カヨン)という高級リゾートのレストラン。素敵なホテルに泊まってる妄想を抱きながらの食事はリーズナブルで良い。なんでも美味しかった。テガララン・ライステラスはその景色が旅人を圧倒する棚田。

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この日はウブドゥの街を散策。暑さとか日差し、「そうそう、この感じ」とワクワクしてくる。スーパーマーケットに行くのが面白い。普通のパンとかお惣菜とか生活感のあるものが余計に異国情緒を醸し出す。バリ島は果物の種類が豊富で、見たことのないようなものも多い。今回の旅で好きになったのはドラゴンフルーツ。グラノーラやシリアルにフルーツとヨーグルトをあわせて食べるのが朝の楽しみでした。ビールはビンタン。7月と8月にお酒をあんまり飲まなかった反動でバリ滞在中はビールばっかり飲んでた。この日も夜はシンプルなバリ家庭料理。鶏肉が美味しかったな。やっぱり暑い昼間に動き回ると夜は自然と眠くなる。いつのまにか眠りに落ちててハッと気づいたら丑三つ時というパターンが多かった。

3日目の朝も早く起きた。この日はガムランワークショップを受けることになっていて、音楽家のはしくれだから、そういう体験型のイベントをとても楽しみにしていた。デンパサールの「Mekar Bhuana(メカル・ブアナ)」、レクチャーしてくれるのはニュージーランドから移住してきたという白人の先生。僕よりひとつ年下だったけど、物腰柔らかに丁寧に教えてくれました。プリミティヴで即興的なものだと想像していたガムラン音楽が、規則的なパターンの組み合わせで構成されたものだということに驚かされたし、演奏の興が乗ってくると気持ちがどんどん高揚していくのもわかった。得難い経験をしました。

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バリ島旅行記はきまぐれに続く。  
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2018年09月08日

ただの旅人

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月曜日から1週間の個人的夏休みの終わり。その間に台風と地震があって、たくさんの知人に無事を尋ねる連絡をしたり、夢とうつつを行き来するような奇妙な感覚。帰ったらやることいっぱい。お待たせしてしまっている諸々、急ぎます。次のライブは下北沢leteでの弾き語りワンマン2days(リクエストあればコメント欄に書いてください)、16日の朝にはインターFMの人気番組「Lazy Sunday」に生出演します。

いつもの日常を愛おしく思うような不思議な非日常の数日間でした。  
Posted by monolog at 23:07Comments(3)

2018年09月05日

バリ島午前三時



一昨日からインドネシアのバリ島に来ています。去年の9月以来2回目、前回よりも2日長い1週間の滞在。とにかく休息を、と去年選んだ旅先にまた戻ってきたのはここが何もしないで夏休みを過ごすのにうってつけの場所だからだ。レコード屋とか本屋とか好みの洋服屋さんとかがないから(もちろんあれば鼻息荒くして出かけていくわけだけどね)美味しいものを食べて、ビンタンビールを飲んで、日本から持ってきた本を読んで、眠くなったら寝て、明るくなる前には目が覚めて、ただただ時間を時間のぶんだけ過ごすのがいい。今朝もハッと起きたら午前三時で、灯りひとつない夜に変な生き物の鳴き声を聞いたのです。

東京にいて慌ただしくしているときも、この一年はずっと「バリが待っている…」と唱えながらやってきた。下北沢lete2公演にはなにかお土産を買っていきます。僕が描き入れたりするものも多いので通販も今週いっぱい発送をお休みしますのでお待たせしたお客さんにも何か南国の香りのするものを。

新しい季節のいろいろは来週月曜日から始めます。  
Posted by monolog at 09:02Comments(2)

2018年07月04日

村田和人 & HIS FRIENDSレコ発ツアー DAY2



村田和人 & HIS FRIENDS『ド・ピーカン』発売記念ツアー、2日目は神戸の朝からの始まり。僕は大阪で人と会う予定を入れていたので、杉さんや村田バンド一行とは別行動。三宮から大阪へ、と思い歩き出したらすぐステーキランド神戸の看板に出会い吸い込まれるようにランチへ。もう10年くらい通っているお店でパワー補給。大阪へ到着する頃には真夏の暑さになっていました。京都に着くともっと暑くて、ド・ピーカン日和だなあとしみじみ。

都雅都雅は初めての会場。前日の順調な滑り出しのおかげでみんながリラックスしているのがわかる。早々にリハーサルを終えて、僕は思う存分河原町でレコード屋めぐり。この日のライブも最高でした。終わるのがさびしい。急なお誘いにもかかわらずb-flowerの八野さんが観にきてくれた。八野さんはナイアガラトライアングルから杉さんの歌を好きだったそう。村田さんの音楽も聴いていらっしゃったそうで楽しんでもらえてよかった。終演後に杉さんを紹介したときの八野さんの様子はまさに音楽大好き少年のそれでした。

打ち上げもまた遅くまで。杉さんは夜になればなるほど元気になるモンスターか。日付が変わってもしばらくは宿に帰れず。長く楽しい1日でした。  
Posted by monolog at 13:17Comments(0)

2018年07月03日

村田和人 & HIS FRIENDSレコ発ツアー DAY1



昨日は村田和人 & HIS FRIENDSのCD『ド・ピーカン』の発売日、そして3日間のレコ発ツアーの初日でした。現地集合して現地解散するというスタイルの旅でしたが、行きの飛行機は杉真理さん、村田バンドの山本圭右さん、小板橋博司さんと同じ便だったので賑やかな旅に。東京は絵に描いたようなドピーカン、神戸に着くと雲がかかってたんだけど、それでも夏らしい天気に村田マジックを見ました。

僕は当初弾き語りで数曲、という話だったのが「山田くん、これコーラスしてちょ」とか「山田、このパートは好きなだけ歌っていいよ」とか「なんか知ってるとこ歌えばいいからこれも出てこいよ」とか、どんどん話が変わってきて、いろんな曲に参加することができて嬉しいです。神戸のステージ初演は最高なものになりました。『ド・ピーカン』全曲とお馴染みの村田ソングスにお客さん皆さんも泣いて笑って忙しかったことでしょう。

こないだカスタネッツの練習に加わって、そして今回村田バンドの爆音のなかで歌ってみて、自分の中でのなんらかのスイッチがONになったような感覚があります。そんなふうに思っていたときに杉さんが打ち上げで(真夜中2時でした)奇しくも「感覚のスイッチっていうのは背中の、手の届きづらいとこにあって、だれかに押してもらうのが必要なときっていうのがあるんだよね」とおっしゃったのでびっくりしました。そういうことなのかもしれません。

今日はこれから移動して京都。都雅都雅のステージは初めてです。たくさんの笑顔に会えることを楽しみにしてます。  
Posted by monolog at 10:12Comments(1)