2017年11月24日

サトミツ&ザ・トイレッツ インストアライブ&サイン会(017年11月24日@ ヴィレッジヴァンガード渋谷店)【SETLIST/ライブ後記】

昨日のこと。午前中から出かけてサトミツ&ザ・トイレッツのインストアライブ。祝日の渋谷は賑やか。自分が思っていた場所と違う場所にヴィレッジヴァンガードがあって、猫の目のように変わる渋谷の街の風景に目眩がする。メンバー全員でのリリース関連のストアイベントはこれで最後ということで、いつもより1曲多く演奏。みんな歌えて、しっかり演奏できて、MCも打ち合わせもせず噛み合うというこの感じは「バンド感」としか言いようがない。11月はサトミツ&ザ・トイレッツのみんなと色んな場所で演奏してほんと楽しかった。僕は自分のツアーで関東を離れるのでいよいよバンドから離脱、イベントには参加できませんが、週末には千葉県柏と横浜で演奏があります。それが年内最後の観覧無料のフリーライブになりますのでお近くの方はぜひ。

演奏終了後のサイン会でご来場のファンの方にタワー渋谷で伊藤銀次さんのインストアイベントがあることを教えてもらったのでもっくんと一緒に観にいった。45周年のキャリア、僕らは足元にも及ばないなあと感嘆。長門店長に引っ張り出されて少しおしゃべりさせてもらったが、銀次さんも杉さん同様本当に若く楽しく、そして優しい。もっくんの手からサトミツ&ザ・トイレッツのCDを銀次さんへ渡せたのが嬉しかった。大滝詠一さんのユーモアやオモシロを受け継ぐのはダジャレ好きな銀次さんや杉さんと村田和人さんのアロハ・ブラザースで、僕はサトミツ&ザ・トイレッツでその末端の系譜を踏めたらと密かに思っているのだ。




2017年11月24日(木祝)@ ヴィレッジヴァンガード渋谷店
サトミツ&ザ・トイレッツ インストアライブ&サイン会


1.日本のトイレからこんにちは
2.ぷりぷり行進曲
3.PULP!
4.僕の小さな悩み事
5.今夜はCLEAN IT!



年内最後のサトミツ&ザ・トイレッツのライブが決定しています。
今年のいろいろを洗い流すような夜に。

2017年12月29日(金)@ まほろ座 MACHIDA
佐藤満春 凱旋&レコ発記念 平成29年度 サトミツ&ザ・トイレッツ大忘年会

17:30開場 18:30開演/前売3,100円 当日3,500円(別途2オーダー以上)
出演:サトミツ&ザ・トイレッツ
[ 戸井廉太郎(佐藤満春 / どきどきキャンプ) / 猫すなお先生(山田稔明 / GOMES THE HITMAN)
サニタリー俊吾(伊藤俊吾 / キンモクセイ) / トイ・レノン(佐々木良 / キンモクセイ)
イトイレット・KEN(伊藤健太 / ex.ゲントウキ) / うんち森もり(森信行 / ex.くるり)]

【チケット販売】
・プレイガイド:Livepocket(11/10 12:00〜12/29 0:00)
 https://t.livepocket.jp/e/171229
※初回お申込みにはLivepocket新規会員登録が必要となります。

【電話予約】
・まほろ座(11/10 16:00〜12/28 19:30)
 042-732-3139(まほろ座16:00〜19:30)
※ご予約確定後のキャンセルはご遠慮ください。

【お問合せ】
・ticket@mahoroza.jp
・042-732-3139(まほろ座16:00〜19:30)

まほろ座 MACHIDA(http://www.mahoroza.jp
東京都町田市森野1-15-13パリオビルB1F
TEL 042-732-3021  

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2017年11月21日

ツバメコーヒー5周年アニバーサリー “飛び立つコトノハ”(2017年11月19日 @ 新潟 燕市 ツバメコーヒー)【ライブ後記】



こないだの週末の話。年に一度の新潟燕市への旅、毎年秋の紅葉を愛でながらの眼福を味わう行事だったのだけど、今年は例年よりも2週間ほど遅く設定されたため、トンネルを抜けると景色はもう冬でした。なかなかスリリングな運転でしたが、なんとか無事にツバメコーヒーに到着。雪の多い国の人たちの暮らしは本当に大変なのだなあと改めて思いました。アアルトコーヒー庄野さん、大塚いちおさんも到着、ツバメコーヒーのタナカさんがいつものように出迎えてくれました。足元の悪いなかたくさんの方にご来場いただき嬉しかったです。

「光と水の新しい関係」とか「アップダイク追記」といった秋の歌を並べたセットリストだったのを急遽変更してGOMES THE HITMAN「北風オーケストラ」、雪から雨に変わった窓の外を眺めながら「雨の夜と月の光」と臨機応変にできるのがソロ弾き語りのいいところ。僕の燕市の印象はとにかく夜が暗い街。「home sweet home」はそんな目をつぶっても変わらないような、しかし目が慣れてくると星が瞬くような燕の空を思いながら歌いました。

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ここ数年は僕の演奏にあわせた大塚いちおさんのライブペインティングをやっていたのだけど、今年は「僕たちはこんな歌を聴いて育った」的なトークと、いちおさんからのリクエストに応えるパートを企画しました。いちおさんと僕は少し年が離れていますが、お互いがエコーズ(辻仁成を中心にした80年代に活躍したロックバンド)好きというカミングアウトから始まった音楽談義は好きなものの共通項が多くて響き合うのです。まず最初のいちおさんからのリクエストはストリート・スライダーズでした。僕が初めて組んだバンドはスライダーズのコピーバンドだったので得意分野(もっとも当時僕は歌を歌っていなくてギタリストでしたが)、彼らのデビューアルバムから名曲「のら犬にさえなれない」を歌いました。みんなポカーンとしながら聴いてるかなあと思ったけど、アンケートを読んだら「蘭丸のギターが聞こえてきました!」とか静かな反響があった。

いつもツバメコーヒーではエコーズのカバーを織り交ぜるのですが、今年はちょっと変化球、辻仁成のソロアルバム(なんとムーンライダーズ鈴木慶一さんのプロデュース)から「僕たちの結婚」という隠れ名曲をディグ。「山田さんの歌みたいだった」という声を多数いただいた。そして、僕がまったく聴いたことがない、いちおさん青春ミュージック、甲斐バンドの曲を演奏することに。「LOVE MINUS ZERO」という曲がとてもツバメコーヒーの夜の雰囲気に似合いそうだったのでセレクト、主語の「おれ」を「僕」に変換して本気でアレンジして歌いましたが、いちおさんにもとても喜んでもらえて嬉しかったです。

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好きなものを好きでいること、好きでい続けることって本当に楽しいなあと改めて思う夜になりました。ツバメコーヒーでのイベントは今年で6年目でしたが、ずっとこの機会が続きますように。ツバメコーヒー5周年おめでとうございます。小さな町を照らす光であれ!

また来年!

  
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2017年11月15日

トイレッツがやって来る ジャー!ジャー!ジャー!in OSAKA 大阪(2017年11月5日 @ 大阪 中谷運輸築港ビル)【ライブ後記】



海岸通文化祭 みなとミーツの2日目は前日からガラッと雰囲気が変わります。僕が猫すなお先生として参加するサトミツ&ザ・トイレッツの東京以外で初お披露目となるライブのため、前夜遅くまで打ち上げをしていたにも関わらず朝早くから楽器搬入。サトミツさん、もっくん、良くんは東京から朝一番の新幹線で会場を目指します。みんなが揃ったのがお昼、そこからサウンドチェックですがほぼリハーサルなし。バンドの演奏をこの日のドリンクを担当してくださったチャッツワース岸本さんや五十嵐くんに聴いてもらいスピーカーの位置などを調整、バンドサウンドが音響的にとても難しい会場でしたが奇跡的なバランスで歌が響いたと思います。

ワークショップの部屋ではアアルトコーヒー庄野さんのコーヒー教室、タカテツさんやイトシュンも参加して大盛況でした。この日から販売となったえちがわのりゆきさんイラストによるTシャツやバッジも大人気。メジャーデビューのCD発売直前、大阪での初ライブは満員御礼、会場の熱気もヒートアップしていきます。「はいはい、どうもー。みなさんこんにちはー!」という芸人然としたサトミツさんの掛け声でライブはスタートしました。

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11月10日に発売になるメジャーデビューアルバム『ホワイト・アルバム』を曲順通り頭から演奏するという構成。アニマックスうたのじかんタイアップ曲「僕の小さな悩み事」のみ解禁前ということでスキップしましたが、このアルバムを作るときに曲順に関してみんなでああでもないこうでもないと侃々諤々やったのが功を奏して、とてもいい流れのステージとなりました。大阪限定「トイレの神様」を一節歌うシーンも含めて、とにかく笑いの絶えない楽しい時間。イトシュンの「トイレと革靴」、僕の「答えはトイレのなか」でちょっとウルッとしてジワッとくるのも良いバランス。トイレッツ流ヒップホップ「今夜はCLEAN IT!」では会場全体がコール・アンド・レスポンスでひとつになりました。

お笑い芸人のサトミツさんが音頭を取ってトイレについての歌を歌うという時点でユーザー側からしたら相当バイアスがかかるのは重々承知していますが、百聞は一見にしかずというか、『ホワイト・アルバム』というCDは本当に良い作品なのでぜひ手にとって聴いてもらいたい。で、きっとCDよりさらにライブのほうがもっと楽しい。この日は特にサトミツさんの話芸がテンポよく、お客さんもみんな笑顔でした。その後のレコ発、インストアといい調子なのもこの日の成功があったからだと思います。終演後、イベントもすべて終了し、みんなで片付け。長い長い一日でした。ご協力いただいた皆さんに心から感謝。実行委員長のギャラリーグルッグ和田さんも本当にお疲れさまでした。このビルがある限り、また来年やりましょうね。

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サトミツ&ザ・トイレッツ『ホワイト・アルバム』はこちらから  
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“コーヒーと音楽と猫”(2017年11月4日 @ 大阪 中谷運輸築港ビル(旧商船三井築港ビル)【ライブ後記】



とにかく慌ただしい毎日で、大阪での奇跡みたいな2日間から10日ほど経ってしまいました。それでもいろんなことを明確に憶えていて、きっとずっと忘れないのだろうなと思います。前日の設営から旅の行程などについてはfishing with john 五十嵐くんのブログに面白く書かれていて、共演の高橋徹也さんも彼のブログに早々に詳しく記してくれています。おおくぼくんのブログも面白かったな。とにかく準備段階から不確定要素が多くて、どうなることかとざわざわしながら迎えた「海岸通文化祭 みなとミーツ」でしたが、たくさんのご来場者に助けられてとても楽しい2日間となりました。くたくたになったのにまた来年もあったらいいな、と思っている自分がいます。2日間に渡ったステージの模様をひとつずつ振り返ってみたいと思います。

会場は、レトロビルといえば、響きはいいのだけど、普段は使われていない古いビルの一室。蛍光灯しかない部屋でした。窓の外には電車が走るのが見えます。東京から音響機材を持ち込み前日のうちにセッティング、そしてLEDライトや家中の照明器具
を持ち寄って殺風景な空間に柔らかい明かりを当てることに苦心した。おおくぼあおいもなかくんはステージ背後にクラフト紙を貼ってライブペインティングの準備を。日が暮れて到着した僕らが会場の準備をすべて終わらせたのはもう23時を回ったころでした。そして翌日、まだよく晴れて太陽の光が明るい時間にライブが始まったのでした。満員御礼の会場、音楽を鳴らすのに完璧な空間がそこにありました。

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僕とタカテツさん、ふたりとも出ずっぱりという去年から4度目となる共演。今回は背後でおおくぼくんが絵を描いています。僕が先攻、秋の季節ということで「光と水の新しい関係」「アップダイク追記」で幕開け。タカテツさんはリリースしたばかりの新作から「Style」「八月の疾走」とテンポよく続きます。おおくぼくんは楽曲の歌詞にインスパイアされた絵を自由に描いては消していきます。せっかくだから普段やらないことをやろう、ということになってお互いの好きな邦楽カバーのコーナーを作ったのですが、お互いの演奏を聴くのはこの日が初めて。僕はb-flowerの「つまらない大人になってしまった」、タカテツさんはザ・ピロウズ「ストレンジ・カメレオン」を歌った(僕は八野さんに、タカテツさんは山中さんにカバーすることを報告していました)。そしてふたりとも影響を受けたフィッシュマンズ「エブリデイ エブリナイト」のセッション、これがとても良かった。歌いながら感動したのです。

ちょうどこの頃になると日が陰り、暖色のライトが壁を染め始めました。窓の外にはうまい具合にオレンジの明かりに照らされた街路樹。おおくぼくんがラップスティールギターを担当し、タカテツさんの迷曲「猫とホテル」を3人でセッション。これも最高でしたね。音源化するなら僕も入りたいです。このイベントにコーヒーを提供してださったアアルトコーヒー庄野さんが編纂した本のなかから朗読を。僕は「大阪の可能性」という織田作之助の随筆を一節。そしてタカテツさんが島崎藤村の「太陽の言葉」を読み、僕とおおくぼくんが音を添えました。これも奇跡的なタイミングで素晴らしいセッションだったと思います。「わあ、ぶっつけでこんなにうまくいった!」とびっくりしました。

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後半は駆け足で進んでいきました。僕はバリ島へ行って書いた新曲を。タカテツさんは「Style」から切ない歌を。特に「夕暮れ星」という曲が僕は大好きで聴き入ってしまいました。「小さな巣をつくるように暮らすこと」では最後のラララをお客さんにもタカテツさんにも歌ってもらった。「真夜中のドライブイン」では僕がハーモニカを。ふたりの共演での「幸せの風が吹くさ」も堂に入ってきました。大好きな人、お店、もの、音楽ばかりをかき集めたこのイベントには「Favorite」という言葉がキーワードのような気がしました。まずタカテツさんの「My Favourite Girl」、そして僕の「my favorite things」をふたりで演奏してイベントは大団円を迎えました。皆さんの手拍子が効いて、この2曲がハイライトでした。

慌ただしく駆け抜けた2時間半でしたが、お互いへのリスペクトがなければこんな構成のライブはできないなあと改めて思ったのです。おおくぼくんのウィットに富んだ絵やギターもよかった。終演後、背景の絵を眺めながら3人で「ふー」と深い息を吐いたのでした。この日の打ち上げはとにかく楽しかったな。酒豪の庄野さんを前に珍しく熱燗を呑むタカテツさんや、やけに声の大きな五十嵐くん、前の晩に猫30匹とともに保護猫シェルターで過ごした話で盛り上がるおおくぼくん。地下階でのライブのために札幌から来ていたカポウさん、前乗りしたイトシュンも含めて、様々な点と点が線に繋がっていく感じ。こういう感じが僕は大好きなのです。海岸通文化祭 みなとミーツ初日、無事終了。

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2017年11月13日

サトミツ&ザ・トイレッツのレコ発ウィーク終了|まだまだ関連イベントは続きます



11月5日の大阪から始まって、6日の名古屋浜松でのラジオプロモーション、8日の生放送3本出演にオールナイトリハーサル、そしてFMヨコハマでの生演奏、月見ル君想フでのレコ発に週末タワーレコードでのインストアとものすごい慌ただしさで過ぎていきました。一言でいうと「楽しかった!」で片付けられるかもしれません。昨日のタワーレコード池袋も本当にたくさんの人が集まって足を止めてくれて嬉しかったです。みんな満身創痍くたくたですが、ずっと笑っていた1週間でした。

2017年11月12日(日)@ タワーレコード 池袋店
サトミツ&ザ・トイレッツ
ニューアルバム『ホワイト・アルバム』発売記念 ミニライブ&サイン会


公開リハーサル:答えはトイレのなか(サトミツVOバージョン)
1.日本のトイレからこんにちは
2.ぷりぷり行進曲
3.KUSOしてみて
4.今夜もCLEAN IT!


次回皆さんに観ていただけるサトミツ&ザ・トイレッツは11月23日(祝)渋谷ヴィレッジヴァンガードでのインストアイベントですが、今週われわれバンドは一般人参加不可という某トイレメーカーの社内イベント、さらには日本トイレ協会が主催する全国トイレシンポジウムという催しで演奏するという、いよいよその道をひたすすむ活動を重ねることになっていますので、また面白い話ができるかと思います。サトミツ&ザ・トイレッツのCDは現在Amazonなどで品切れで入手しにくい状態になっていますが、もうしばらくしたら解決すると思いますのでお待ち下さい。


2017年11月23日(木祝)@ ヴィレッジヴァンガード渋谷本店 店内イベントスペース
14:00スタート/観覧無料

出演:サトミツ&ザ・トイレッツ(フルメンバーでの演奏を予定)
問い合わせ先ヴィレッジヴァンガード渋谷本店
03-6416-5649  
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2017年11月01日

遅れてきた青年 @ 新宿JAM|“秋色テンダネス”(2017年10月29日 @ 下北沢 風知空知)【ライブ後記】

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先週末日曜日のこと。夕方から下北沢でライブがある日だったのだけど、大学時代の先輩が新宿JAMでライブをするというので出かけた。台風が近づいて不穏な天気。雨もどんどん強くなっていったけど今年いっぱいでなくなる新宿JAMでのステージは見逃すわけにはいかなかった。そのバンドは「遅れてきた青年」という名前、僕はかつてギターで参加していた。ボーカルの東さんは僕が東京に来て初めて出会った詩人である。憧れたし影響を受けた。今でも会うと緊張する。僕のライブハウスデビューはもしかしたら遅れてきた青年で新宿ロフトに出たときだったんじゃないかな、と思う。

本当に久しぶりに観た遅れてきた青年はメンバー構成こそ違えども、なんにも変わっていなかった。気の利いたMCもないし、愛想もない。東さんのリッケンバッカーはヒリヒリと震え言葉は相変わらず研ぎ澄まされていた。大学時代の先輩後輩って何年たっても揺るがない関係性だ。旧友、音楽仲間にも会えて嬉しかった(この日のドラムはうちの須藤さんだった)。大いに刺激を受けて外へ出ると土砂降りの雨が新宿を水浸しにしていました。

僕も負けてられない。下北沢へ着くとますます雨がひどくなっているが、溝渕健一郎、新井仁と盟友揃い踏みの楽しいステージ。すべてのセッションがぶっつけ本番で知らない曲でも果敢に挑戦。緊張感よりも音楽で会話する楽しみのほうが大きい。僕は買ったばかりの新しい古いギターを初めて弾くことにした。

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雨がひどくなってきたけれど開演。僕はトップバッター、「手と手、影と影」「星に輪ゴムを」とGTH楽曲でスタートさせたのはPLECTRUMに続き15年来の盟友健一郎との共演だったから。ジャクソン・ブラウンのライブをきっかけに買ったギターなので、ジャクソンの「青春の日々」を日本語詞で歌ってみました。健一郎さんをドラムに迎えてセロファンの「ストレンジャー」をカバー。「雨の夜と月の光」もほぼぶっつけ本番でしたが、やっぱりこのあたりの曲を彼の身体が憶えていました。

健一郎さんも新井さんもそれぞれ個性的なステージ。MCも含めてとてもリラックスしていて、外の雨風と対照的。台風のピークを迎えた世田谷、しかし風知空知では穏やかな時間が流れていました。最後のセッション、まずは僕と新井さんで去年やったサニーデイ・サービス「あじさい」に健一郎ドラムが加わって。そして健一郎「スーパーマーケット」、僕は初めて聴いた曲だったけど今度は僕がドラムにまわりました(僕はドラムが大好きなのです)。そして最後は新井さんのレパートリー「今夜はブギーバック あの大きな心」。3人での演奏がとても楽しかった。なんと演奏すべて終了した時点で雨風が止むという出来すぎた展開に。荒天のなかたくさんのお客さん、友人知人が何人も来てくれて嬉しかったです(ハックルベリーフィン ハジくんは無茶振りでステージにあげられてた)。こういう夜があるんだから台風襲来も悪いことばかりじゃないな。ありがとうございました。




  
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2017年10月31日

夜の科学 in 札幌ー秋の日の記録と記憶(2017年10月22日 @ 札幌 レストランのや)【ライブ後記】

札幌2デイズの振り返り。市電貸切ライブでは打ち上げも楽しく喋りすぎて喉も疲れていたのだけど、やっぱり札幌に来ると行きたいお店や場所があって昼からうろうろ。レコードと服を買って散財したあと1年ぶりのレストランのやへ。文字通り「ただいま」という感覚。リハーサルで音を出した瞬間にピリッとなるのはやっぱり空間の力か。10月初めに喉を壊したのがようやく完全復帰した実感がありました。

満員御礼の会場、僕を初めて観る人も多いので緊張感とリラックスした感じとのバランスが程よい。『DOCUMENT』の冒頭2曲から始まるセットリスト、そこに秋の歌「アップダイク追記」、日曜日に映える「glenville」、第二の故郷に捧げる「home sweet home」と続き、前日とは全く違う雰囲気でステージは進んでいきます。サトミツ&ザ・トイレッツ楽曲から始まる新曲群も手応えがあった。

「小さな巣をつくるように暮らすこと」を歌うあたりからどんどん自分の声が伸びて艶やかになっていくのがわかった。これはまさにのやの空間とお客さんの熱視線との相乗効果だと思いました。前日の市電貸切ライブで練習までしたのに本番演奏しなかった「光の葡萄」も心を込めて。ライブでの定番曲になった歌たちも毎夜違うノリと響きをはらむからいつも面白い。この日の「calendar song」も独特のものがありました。

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アンコール、最後に歌った「hanalee」はひとりでギターを背負って音楽の旅を始めた最初期から歌ってきた歌。もう10年になるが、それをソロ最初期からお世話になっているレストランのやで今も変わらず、満員のお客さんを前に歌えることがどれほど幸せなことか。遠くから、近くからご来場いただいた皆さん、どうもありがとうございました。そしてかとちゃん、さきちゃん、松川くんはじめ親戚のように僕を迎えてくれる第二の故郷のやのみんなに心から感謝を。

また来年に!



  
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2017年10月28日

猫町ソワレ(2017年10月21日 札幌市電貸切ライブ)【ライブ後記】

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1週間前、札幌遠征を振り返ります。台風近づく雨の東京を発って辿り着いた札幌はなんと季節外れのあたたかい晴れの日。もうそれだけで気分が盛り上がる。今年は雨が多すぎる。札幌2デイズの初日は札幌市電貸切ライブ、路面電車を借り切って街を移動しながらの宴だ。盟友キッコリーズとの合奏、楽しくないわけがない。うきうきしながら電車事業所へ。ここは電車が眠る倉庫、鉄道好きではない僕でも特別な場所に足を踏み入れている気分になる。キッコリーズと合流してPAのセッティング、ささやかな電飾やポスターなどスタッフ有志が手伝ってくれた。キッコリーズの3人と向き合って演奏、もう最初から最後まで全員出ずっぱりで、お互いの曲に合いの手をいれることになった。

すすきの電停でお客さんが乗車。満員電車が走り出し、まずキッコリーズの演奏。もう長い付き合いになったキッコリーズ、知っている曲ばかりなので僕もコーラスを添えたり手拍子をしたり。東京の都電荒川線でのライブと違うのはもうすでにとっぷりと日が暮れて街の灯が揺れていること。東京での「まちねのわだち」に対してこの日のイベントを「猫町ソワレ」にしたのは「Matinee(昼興行)」じゃなくて「Soiree(夜興行)」だから。飲食自由というのもこっちの特色で、お客さんのなかにはもうお酒を飲んでいる人もいるし、なによりカポウさんたちがビールをプシュッと開けている。「線路は続くよどこまでも」の合唱で第一部終了。

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街なかを走って事業所に戻ってトイレ休憩の間に東京から手伝いにきたまちねのわだちスタッフがLullalooお菓子(イベント時にもお世話になった)を販売、hoopline特製の市電バージョンポチバッジはとても可愛くて、あっという間に完売していました。第二部は僕の歌に裕さんのバイオリンを織り交ぜながらスタート。本当にぶっつけ本番の、音楽の会話のようなセッションでした。「blue moon skyline」「街をゆく」と旅の歌から始まり、リクエストのあった「memoria」では乗客のコーラスを煽るのにはしゃぎすぎた僕が変なテンションになったかもな(セイ!)。とにかく楽しくて笑いながら電車は進む。「きみは三毛の子」のバイオリンとのアンサンブルがすごく良かった。正規録音バージョンのヒントになりました。

キッコリーズとの合奏で高野寛さんのカバー「確かな光」、この非日常の環境で日常を愛おしむ歌を歌い上げました。「やまびこの詩」の輪唱も美しかったし、面白くて楽しかった。僕のキャリアの最初のほうには路面電車が出てくる歌が多いのだけど、それはサンフランシスコに憧れていたから。改めて考えてみると長崎、松山、広島、そして札幌と路面電車が走っている街が僕は好きなのだな。二度目のトイレ休憩が終わっていよいよ終点へと向かう折り返し。キッコリーズと僕はまるでひとつのバンドみたいになって、どんなに控えめに言っても最高な演奏をしていたと思います。最後は「線路は続くよどこまでも」の大合唱。ああ、楽しかった時間も終わるなあとしみじみしていたら車窓の外には選挙応援でマイクを握る北海道の大スター松山千春さんが!みんなキャーキャー騒いで奇跡みたいな大団円となりました。

この日のライブを事故なくトラブルなくスケジュール通りに実現させられたのはカポウさん、池ちん、裕さんのキッコリーズチーム、そしてまちねのわだちスタッフの献身的サポートのおかげでした。いろいろスムーズな進行のために協力してくださった皆さんにも感謝。またやりたいなあと思いました。秋晴れの北海道で最高の一日でした。




  
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2017年10月25日

政治とくらし&経済のこと ー 民主主義のバージョンアップ(2017年10月20日 @ 等々力 巣巣)【ライブ後記】

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先週末金曜日、等々力巣巣で行われた保坂展人世田谷区長のトークイベントで歌を歌うことになった。当初巣巣店主岩崎さんにはトーク合間に「小さな巣をつくるように暮らすこと」を歌ってほしいというリクエストだったのだけど、期せずして選挙期間となってしまって保坂区長が応援演説でスケジュールが不確定になったため、保坂区長が到着するまでミニライブと相成った。「音楽に政治を持ち込むな」という意見が話題になる昨今だけど、僕は音楽のことも猫のことも政治のことも日々の暮らしのなかで同じように思考する。そういう趣旨のことをMCでは述べました。佐々木真里さんが遊びにきてくれたのでふたりで「月あかりのナイトスイミング」、そして保坂区長到着のタイミングで「小さな巣をつくるように暮らすこと」を歌い、第一部のライブが終了。

後半は保坂展人世田谷区長と巣巣岩崎さんの対談形式のトーク、のはずが「山田さんも一緒に話をしましょう」と登壇させられることに。保坂さんがロッキン・オンから本を出していたり、ジャーナリストとしてのリベラルな出自も少し本で読んだことがあったのだけど、この日語られたロックコンサートを企画したりした過去のキャリアには驚かされた。ここ最近の世相について「山田さん、どう思う?」と聞かれて必死に答えて、それを受けて保坂区長がまた話し出すという、緊張感のある時間でしたが途中からどんどん面白くなっていって、かなり長い時間のイベントとなりました。保坂区長の凛としていてよく通る声が印象的。選挙直前、「日本のケネディ」だと思っていた保坂さんが「日本のバーニー・サンダース」という印象になった夜でした。誘ってくれた巣巣岩崎さん、参加していただいた皆さんありがとうございました。


  
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PLECTRUM presents “Boys Don't Cry 6”(2017年10月18日 @ 下北沢 CLUB Que)【ライブ後記】

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1週間前の今日のこと。下北沢CLUB Queにて盟友プレクトラムとの共演ライブの日がいよいよやってきた。彼らが13年ぶりの新譜を出したときのレコ発ライブの打ち上げで、「プレとの2マンなら、ゴメスに断る理由はないよ」と話したあと、すぐにボーカルのタイちゃんがこのライブを決めてくれた。ずっとわくわく待ち遠しかったライブ。リハーサルから2バンドとも飛ばしていたな。やっぱりいくつになってもライバルなのだなあと感じる。事前練習ができなかった藤田顕くん(アッキー)との久しぶりのセッションも当日のリハで大急ぎで。なんだか気恥ずかしさもあったけど、ふわふわ嬉しい気持ちが勝っていました。プレクトラムとのセッションも楽しい予感しかしない音楽での会話。

平日の夜にも関わらずたくさんのお客さんが来てくれて、まずはGOMES THE HITMANが先攻。オールスタンディングライブはなんと10年ぶりということで、「饒舌スタッカート」で始まるアップテンポなセットリスト。「光と水の関係」「アップダイク追記」と疾走。そして「何もない人」、この曲はようやく上手に詩世界を表現できるようになったなあと今年感じた曲。季節はずれだけどまた歌えて嬉しかった。今回のライブではできたての新曲を披露した。メンバーにも前日に初めて聴かせた新曲「BABY DRIVER」、懐かしい感じもするし今ままでになかった感覚もある。バンドでどうなっていくかがこれから楽しみ。

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「街をゆく」のアウトロでいよいよアッキーを呼び込む。最初からトップギアで登場したアッキー、これくらいの演出のほうが照れなくて済む。2002年、今から15年前に一緒に録音した「夜明けまで」を演奏しながら猛烈に感動していました。間奏のギターリフを誰かがちゃんと弾いてくれるのを久しぶりに聴いた。そして2005年『ripple』から「サテライト」を。当時この曲のアレンジに相当悩んだことを思い出す。これで正解なのかどうかわからないまま録音して、リリースして、12年が経ったけど「なんてカッコイイ!」とこの日思えたことが答え。

「手と手、影と影」はGOMES THE HITMANの代名詞的曲。こんな曲がなんで書けたのだろうか、といつも思う奇跡みたいな歌。「雨の夜と月の光」は曲作りのなんたるかがわかってきたころに閃いたクリーンヒット、「僕はネオアコで人生を語る」は初期衝動のビギナーズラック。その3曲でステージを締めくくる醍醐味よ。プレクトラムのライブも素晴らしかった。羨ましさや嫉妬もちゃんと感じている自分がいる。

最後のセッションも楽しかった。あんなぴょんぴょん飛び跳ねたりしたことがこれまでにあったかな。「楽器をやり始めた男子がキャッキャ言って騒いでるみたいで最高だった」と知り合いに笑われた。年に何回かこういう機会があるのがいい。みんなちゃんと歳をとっても変わらない部分が変わらないで、それぞれを思いやる想像力があって、諦めないで、やめないで続けていくこと。長く音楽をやってると楽しいことが波のように寄せては返す。この日はやめないで続けてきたことへのご褒美のような夜だった。またみんなでどこかで合流しましょう。

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むさしの猫のマルシェ(2017年10月15日 @ 武蔵境 境南ふれあい広場公園)【ライブ後記】

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先々週の日曜日のこと。屋外のイベントなので天気が心配だったのだけど、この日はずっと冷たい雨が降る天候となりました。午前中から武蔵境へ出かける。雨の中でテント設営やお店の準備をする皆さんの姿を見ていたら、なんだかフェス感覚になってきた。そう、今年のフジロックも雨が止む時間はなかったけどあんなに楽しかったじゃないか。近藤研二さんもお昼過ぎに到着してわれわれquilicoのテントも準備万端、足元の悪いなかイベントスタートからひっきりなしにいらっしゃるお客さんに感謝の気持ちしかありませんでした。

僕の最初の出番は山下しづ香さんの『明日もいっしょにおきようね 捨て猫、でかおのはなし』朗読。実際にあった話をもとにした物語に耳を傾けながら音楽を添えました。テントでの様々なお店も猫をテーマにした興味深いものばかり。仲良しのカフェ長男堂率いる「出張 猫屋横丁」のあたたかいスープが冷えた身体に染みます。自分が晴れ男だという自負があるので「やまない雨はないさ」と空を見上げていたのだけど、そううまくは事は運ばない。ついに降り止まない雨のなか近藤研二さんとのステージが始まります。

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傘の花がたくさん咲くなかで、リハーサルがてら「雨の夜と月の光」を。寒い日には身体を揺らすことができる歌がいいね。近藤さんとのデュオは2月のちよだ猫まつり以来。僕らの住む猫町は今年はタフな年になったけど、こうやってニコニコ演奏できることが嬉しい。「太陽と満月」「猫町オーケストラ」「日向の猫」もちろん猫の歌ずくし。僕はソロで「きみは三毛の子」、近藤さんは「猫のふみふみ」。好きなものを好きだと宣言することでポジティブな力が波及していくように「my favorite things」。「calendar song」でコール・アンド・レスポンスしていたら、は!雨が止んでいる!みんなが傘をたたみ始めた。みんなに笑顔が灯って嬉しかったです。

泣きやんだ空、だんだん暮れていく日差しのなかで演奏は佳境。「第2の人生」という言葉は保護猫活動をサポートするときに有効なキャッチコピーだなと思いました。いいことがあるように唱えるおまじない「toi toi toi」で締めくくる素晴らしい流れになりました。この日の近藤さんとのセッションは打ち合わせなし、ぶっつけ本番の真剣勝負でした。quilico編成は阿吽の呼吸なのです。長時間のイベント、足元の悪いなかたくさんのご来場本当にありがとうございました。そして猫のマルシェ開催のために長い時間をかけて準備してきたスタッフの皆さんの労力に心から感謝を。心づくしの猫の祭典でした。また来年も。

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toshiaki yamada×TRAVELER'S FACTORY 『notebook song』発売記念 山田稔明ライブ(2017年10月14日 @ 中目黒 トラベラーズファクトリー)【ライブ後記】

どんどん時間が過ぎていき、ひとつひとつのライブを振り返るのにもアワアワしてしまうような10月です。10日前、中目黒トラベラーズファクトリーでの二部制ふたつのステージについて。なんと6年目となったトラベラーズファクトリーでのコラボレーションイベント。毎回アアルトコーヒー庄野さんにコーヒーを淹れてもらって、オリジナルノートを作ってもらって、なんと素晴らしいタッグチームかと感慨深い。今回はついに初めて共同でCDを作った特別な6周年。いつもは真夏の盛りにやっていたお祭りを今年は秋に。

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14時に始まった第一部、今年は基本に立ち返って、「blue moon skyline」「街をゆく」「pilgrim」と“旅”にまつわる歌から始まるセットリストに。秋のアンセム「アップダイク追記」はアアルトコーヒー庄野さんと繋がった曲。この前日に観た映画『パターソン』は僕の中で完璧に「notebook song」と符号が一致。映画の話とあわせて演奏、良いタイミングでした。バリ島で作った新曲もほやほやの状態で披露しました。ギタレレで歌った「ぼくのミシシッピ」は子供の頃大好きだったアニメ「トム・ソーヤーの冒険」のエンディングテーマ。人生で初めて聴いた旅の歌、かもしれない。自分の世界観はこの歌に色濃く影響を受けていると改めて思いました。

17時の第二部、高橋徹也さんや佐々木真里さんが遊びにきてくれて、またピリッと背筋の伸びたライブができた気がします。「遅れてきた青春」の「何を言えば君のお気に召す詩人になれるんだろう」というフレーズからまた映画『パターソン』の話へ。ジャクソン・ブラウンのカバー「青春の日々」も交えて夕暮れ時に相応しい内容になったと思います。最後の最後に「hanalee」、最近この歌がまた大好きになってきた。もはや僕の手を離れた、信じられないほど良い曲。

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この日はコラボレーションCD発売という記念すべき日だったのですが、「山田さん、これプレゼントです」とトラベラーズチームから渡された包を開けるとそこには特製のギターストラップが!昨年の打ち上げで僕がトラベラーズノートの革でストラップ作ったら素敵じゃないか、と話していたことを具現化してくれたのだ。ギターストラップって市販のものは本当に長さやサイズ、色が理想にかなうものが少なくていつも課題だったのだけど、トラベラーズファクトリーが作ってくれた完全オーダーメイドのこれはきっと一生モノのやつだ。今年の打ち上げはやたら楽しくて何を話したか忘れてしまった。また来年のトラベラーズファクトリーとのイベントにつながる何かがそこにはあっただろうか。

また来年!  
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2017年10月17日

THE PIED PIPER HOUR(2017年10月16日 @ タワーレコード渋谷店5階)【SETLIST】【ライブ後記】



2017年10月16日(月)@ タワーレコード渋谷店5階 パイドパイパーハウス
タワレコTV “THE PIED PIRER HOUR”


1.Brand New Day, Brand New Song(『DOCUMENT』村田和人 カバー)
2.青春の日々(ジャクソン・ブラウン カバー)
3.小さな巣をつくるように暮らすこと(『DOCUMENT』)

EN
4.my favorite things(『the loved one』)



パイドパイパーハウスの長門芳郎店長から電話をもらったのが1週間前、タワレコ渋谷毎月恒例のプログラムにゲスト出演させてもらった。長門さんと初めてお会いして19年近く経つのだけど、ラジオやイベントでずっと仲良くさせていただいていて光栄だ。特にタワー渋谷の5階にパイドパイパーハウスが復活してからはいつでも会いにいけるのが嬉しい。長門さんがパイドお休みの日もバイヤー塩谷さんがあれこれグッドミュージックを教えてくれるし、東京で一番好きな音楽に触れられて知らない歌を発見できる場所は、2017年現在やっぱりこのタワーレコード渋谷なのである。

番組開始早々からずっと出演させてもらってレコードの話をいろいろ。誰かがお薦めの音楽を「ふむふむ」と聞くのは楽しい。ローラ・ニーロとトム・ペティ、いなくなってしまった人の音楽も誰かが語り継げば未来へ繋がっていく。そういう思いを込めて『DOCUMENT』でカバーした村田和人さんの「Brand New Day, Brand New Songs」を歌った。来日公演が始まるジャクソン・ブラウンの「青春の日々」、そしてライブ盤が初出になった「小さな巣をつくるように暮らすこと」と披露して本番終了。放送が終わってからは観覧に来てくださったお客さんのために「my favorite things」を歌いました。

雨の一日でしたが、良い一日でした。またレコードをたくさん買って帰宅。


  
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マキノゲンお誕生日会(2017年10月15日 @ 下北沢 風知空知)【SETLIST】【ライブ後記】



2017年10月15日(日)@ 下北沢 風知空知
マキノゲンお誕生日会


<山田稔明ゲスト出演パート>
1.オーバーオール(ザ・カスタネッツ カバー)
2.浮き草(牧野元 山田稔明 共作曲)
3.小さな巣をつくるように暮らすこと(『DOCUMENT』)
4.新世界のジオラマ(『緑の時代』)

だいじょうぶ(オールキャスト)



牧野元先輩が50歳になるというので「やーまだ、歌いにこれないか?」と誘いを受けたこの日、むさしの猫のマルシェの予定が先に決まっていたけど、先輩のお祝いの会を断れるわけがないのだ。武蔵境から急いで下北沢へ向かい、本番、自分の出番ちょうどに間に合った。ハックルベリーフィンのさくちゃん、ベーシスト鈴木淳さん、と元さんのソロプロジェクトのパートナーが勢揃いするなか、僕は初代裸眼サポートということで思い出話など。完全なぶっつけ本番でしたが息の合った演奏ができたような気がします。「浮き草」は元さんとふたりで作った曲、もう10年くらい前かな。「新世界のジオラマ」は元さんからのリクエスト。「ありゃ良い曲だ」と。とても嬉しいセレクトでした。

フィッシュマンズ「むらさきの空から」、ミッシェル・ガン・エレファント「世界の終わり」という明治学院大学の同輩カバーも良かったな。カスタネッツ小宮山さんも加わって最後は「だいじょうぶ」をみんなで。これが元さんのキャリア始まりの歌とは知らなかった。フィッシュマンズ「チャンス」の影響を感じた。きっと元さんは佐藤さんが大好きだったんだろうな(伸治さん、と元さんは呼ぶ)。打ち上げも楽しくて、なんだか風知空知の一角が大学のサークル部屋になったみたいだった。元さんはかっこつけないところがかっこいい。なんと素敵な50歳だろう。おめでとございます。これからも仲良くしてください。  
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2017年10月10日

貸切り図書館 52冊目 - miyazono spoon for Autumn(2017年10月8日 @ 鎌倉 moln)【ライブ後記】

先週末、日曜日の話。この日は昼と夜のダブルヘッダー。自分で組んだスケジュールだったけど、なかなかタイミング的にタフなシチュエーション。鎌倉molnの名物企画「貸切り図書館」ということで紹介する本は本棚からひとつかみ持ってきたのだけど、演奏曲目が未定のまま。夕方サローネからmolnに入って歌う曲を決めるという慌ただしさでしたが、miyazono spoonの展示も賑やかで、勝手知ったる空間ではホッとリラックスできるのが良い。急遽オープニングアクトを務めてくれることになった草とten shoesのリハーサルを聴きながら、彼女たちに提供した「冬の日の幻」をセルフカバーしてみようと思ってササッと歌詞を聴き取る。僕は開演前にカフェ・ヴィヴモン・ディモンシュへ挨拶へ。なんと今年初めてのディモンシュだった。それだけ慌ただしいのだな。

会場は盛況。昼のJAMJAMJAMから、あるいは前日のギャラリー自由が丘と続けて来てくださった方も多かっただろう。草とten shoesを控室で聴いたが去年12月の初ステージから曲目も増え、なんだかいっぱしのバンドみたいになっていて、そのポジティブな表現精神に感心する。きっと永井宏さんの意思を継いでいるのだろうな。僕がべた褒めするのもうそ臭いので言葉多くは語らなかったけども草とten shoes、たいしたもんだな、と思う。僕のステージ、GOMES THE HITMANの「思うことはいつも」で始めた。新しい季節の境目に歌いたくなる曲、9月のバンド演奏ではうまく歌えなくて心残りだった歌。

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2曲目に「冬の日の幻」を。「夏の日の幻」という曲の姉妹曲を書いてみようと3分でちゃちゃっと書いた曲だけど、そういう曲は迷いがなくてすーっと真っ直ぐ伸びていく歌になる。歌うのがとてもむずかしい歌だと思った。草tenは頑張って演奏している。miyazono spoonのために「スプーン」が歌の中に登場する「歓びの歌」を歌った。「コーヒーカップとクロスワードパズルで眠らない街/甘い吐息と沈んでゆく言葉をかき混ぜたスプーン」秋の夜長の歌だ。「貸切り図書館」は自分の好きな本を紹介しながら歌を歌うイベント、まず最初に3冊紹介する。

コーヒーテーブルブックとは辞書で調べると「(コーヒーテーブルに置いてあるような)大型の立派な本、画集や写真集など」とあるが、僕が選んだのは日本の狭小なリビングにも似合うような、ささやかな写真集。『Metal Cats』は海外のヘビメタ兄ちゃんたちと愛猫の写真集。タトゥーだらけで長髪強面の男たちと猫のアンバランスな2ショットが微笑ましい。飼い主と猫の顔が似てるのも面白い。『Bad Cat』は悪い顔をした猫ばかり集めたポストカードサイズのペーパーバック。かわいい猫が一匹もいないのが何まわりかして、かわいい。もう一冊は音楽好きに間違いなくアピールする『Sleeveface』。これはいわゆるレコードジャケットを使った顔ハメ写真集で、僕もたまにインスタグラムで「#sleeveface」というハッシュタグをつけて投稿するレコードコレクターの嗜みです。

秋の歌を集めて「アップダイク追記」「glenville」、そして今最も香る花、金木犀が登場するサトミツ&ザ・トイレッツのために書いた「答えはトイレのなか」を演奏。この日は残暑的な晴れた日でしたが夜になるとやっぱり秋の風が吹いていました。本紹介コーナー2は「自叙伝」をテーマにセレクト。最近読んだ本のなかで飛び抜けて面白かった向井秀徳著「三栖一明」は同世代同郷の音楽家が青春を綴った本。僕自身が書いた『猫と五つ目の季節』も猫という媒体を通して書いた半生記と言えるでしょう。そして今読み進めているThe Smithsのギタリストによる『ジョニー・マー自伝』の3冊を紹介しました。そのままThe Smithsの「ASKをカバー」、ここからカバー曲コーナー。先月バリ島を旅行したときにずっと僕の頭のなかで鳴っていた細野晴臣「恋は桃色」を初めて歌ってみた。前日に歌った大瀧詠一さんの「青空のように」も「恋は桃色」も松本隆作詞じゃなく本人の言葉なのが興味深い。風街から通りいくつか離れた街の歌。fishing with john五十嵐くんが昔やっていたバンド各駅停車の曲「君と犬だけ連れていく」をサプライズで披露。素振りも見せずぶっつけだったのでキーが少し低かったかな。

本紹介パート3は片桐はいりさんの『もぎりよ 今夜も有難う』。映画好きなはいりさんによる美しくウィットに富んだ言葉で綴る映画エッセイです。今年の夏にはいりさんとご飯を食べているときに僕が「はいりさんの一番好きな映画は何ですか?」と聞いたときの、はいりさんの苦みばしったような、本当に心苦しいような困った顔を忘れない。「そ、それは難しい質問ね…」と言って結局はいりさんは答えることができなくて、僕は「ああ、はいりさんは本当に映画というものが好きなんだなあ」と感動すらおぼえた。一番好きなものがたくさんあるっていう感覚がいいな、と思ったのです。そこから「my favorite things」へと繋がり、「小さな巣をつくるように暮らすこと」「きみは三毛の子」と好きな人、好きなものが書かせてくれた曲で締めくくり。最後に「calendar song」で楽しい掛け合いをして長い一日が終了。いっぱいしゃべって、いっぱい歌いました。ご清聴ありがとうございました。

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「貸切り図書館」は本当に楽しいイベント。2年ぶりでしたが、またすぐにやりたいなと思いました。ご来場ありがとうございました。。五十嵐くん、綾ちゃん、草tenのみんな、宮薗さんにも心から感謝を。  
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JAMJAMJAM音楽祭2017(2017年10月8日 @ 鎌倉 西御門 サローネ)【ライブ後記】

先週末の話。日曜日は朝から気持ちよく晴れた。完璧なドライブ日和だ。「my favorite things」のなかで「横横で海まで走るのが好き」と歌うフレーズは東京から第三京浜を経由して横浜横須賀道路で鎌倉方面へドライブすることを歌っているのだけど、この日は連休の真ん中ということで渋滞、ナビは首都高神奈川二号三沢線を通る迂回道を示した。鎌倉に着いてもどこかしこでイベントごとが繰り広げられていて駐車場を探すのに苦労した。太陽は人を外へと連れ出すのだな。

西御門サローネでのJAMJAMJAM音楽祭は2年ぶり(去年は大阪星が丘で開催された)。この集いのときに会う人がたくさんいて「お久しぶりです」と挨拶をたくさん。サローネは里見が大正15年に建てて住んだ邸宅、ここだけ時間の流れが違うような場所。JAMJAMJAM音楽祭は故 永井宏さんの意思を継ぐ同志たちが「誰でも表現者になれる」というテーマのもとに集まるお祭り。お昼過ぎに僕が到着した頃にはチャンキー松本さんの奇天烈なパフォーマンスの途中だった。みんな楽しそうで、そして上手。好きこそものの上手なれ、ということか。お客さんも一緒になって和やかなムードができあがっていた。

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二年前は安宅くんとデュオ、去年の星ヶ丘でもイシカワアユミさんや急遽参加のパーカッション川本くんとの合奏だったけど、今年は完全なソロでの独奏。少し緊張しながらステージへ。まず最初に、永井宏さん経由で知ったオクノ修さんの「夜がそこまで」のカバーを。お客さんが熱心に聴いてくれているのが視線で伝わってきて嬉しくなった。前の晩からずっと夢のなかで考えていたジャクソン・ブラウン「青春の日々」の日本語訳、最初のワンコーラスを日本語で歌った。「ちょっとそこまで/物思いにはいい距離さ/思うのは、そう/あのときこうしたらどうなって/違う未来が僕らを待ってた?とか/そういう夢ばかり見てる/この頃さ」という歌詞、結構気に入ってる。永井さんがデタラメな歌詞をつけたR.E.M.の「マン・オン・ザ・ムーン」も気持ちよく歌えた。

いつもヒックスヴィル中森さんと演奏する「レイン、レイン、フォーリング・ダウン」や「アイスクリーム・マン」もお客さんの気持ちや手拍子をお借りして良い感じ。会場には老若男女、まさに永井さんがかき集めた人たちがいて、それを音楽が一つにしているように思いました。今年の春に片桐はいりさんとカーネーション直枝さんと一緒に歌ったディランの「くよくよするなよ」をこの日はひとりで歌ったんだけど、ひとりじゃないような心強いヴァイブレーションがたしかにそこに漂っていたのです。「死んだ人ってすごい」という一見不謹慎ながら含蓄のある片桐はいりさんの言葉の意味を、この日会場にいたみんなが理解していたんじゃないかなあと思います。

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「小さな巣をつくるように暮らすこと」という曲はこの集いのことを言い表した歌だったかもしれません。大好きな誰かの笑顔を思ったり、小さな恋を語るように歌うことで、小さなサークルが少しずつ広がっていくような気がしました。「my favorite things」も同じようなことを言葉を変えて歌った歌なのかもしれません。バタバタと忙しく駆け抜けたイベントでしたが、JAMJAMの皆さんと会えて嬉しかったし、たくさんのお客さんに歌を聴いてもらえて嬉しかった。キッチンシスターズの大社優子さんが撮ってくださった素敵な写真にも感謝を。また来年も再来年も仲間に入れてください。

写真:大社優子  
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片岡まみこ個展「秋色〜秋の夜長に猫と音楽を聴こう」(2017年10月7日 @ 自由が丘 ギャラリー自由が丘)【ライブ後記】

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先週末はたくさん歌を歌いました。満員の会場で好きなだけ歌が歌える幸せというのを再確認した2日間でした。土曜日は夕方から自由が丘へ。ギャラリー自由が丘での片岡まみこさんの個展「秋色〜秋の夜長に猫と音楽を聴こう」のためのライブ。春にお誘いを受けて、夏に打ち合わせをして、季節をふたつ越えて辿り着いた本番の日でした。片岡さんとはSNSと猫が繋いでくれた縁。片岡さんが描き出す猫は「可愛い」という一言では片付かない、なんとも言えない表情をしている。粘土を使った立体の人形は片岡さんの2次元の猫がそのままムクッと起きだしたような風情があって、なんと「にゃまださん」という、僕を擬猫化したものも作ってくれた。隣にはポチ実がモデルの猫もいる。

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僕は久しぶりに少し緊張しつつ、「猫のいる暮らし」でライブはスタート。猫をテーマにした演奏のときにいつも感じるのは歌が進むうちに歌詞と呼応してお客さんの顔がほころんだり柔らかくなったりすること。「傷だらけの床で/寝転んで僕を誘うから」と歌うと「そうそう、猫ってそうなの」とみんなが頷く雰囲気を感じるのです。猫が出てくるカバー曲を、と考えたときに浮かんだのは大瀧詠一さんの「青空のように」でした。この曲を僕はフィッシュマンズの「Walkin'」というシングルのカップリング収録のカバーで初めて知ったのだけど、まるで気まぐれな猫に話しかけるような歌、という印象がある。スピッツの「猫になりたい」のカバーももはや堂に入ってきたような。

片岡さんを呼び込んで打ち合わせなし、ぶっつけ本番のトークへ。人前でおしゃべりすることに躊躇する片岡さんを無理やり引っ張りだしたわけですが、人知を超えた能力を持つ猫の風子ちゃんの話をはじめとても面白い猫のエピソードを聞かせてくれました。「猫はあくびをするときに鼻の穴が閉じている」という片岡さんの大発見の話に会場が沸くシーンも。後半は「ポチの子守唄」で鼻をすする音が聞こえてきたり、「日向の猫」できれいなコーラスが響いたり、なんだかとてもいい時間だったなあ、としみじみ思い返します。終演後も猫の話を皆さんと。ものつくりをしている作家さんがたくさんいらっしゃっていたのも印象的でした。

ご来場の皆さん、ギャラリー自由が丘のスタッフの皆さん、そして片岡さん、楽しい一日をありがとうございました。作品展示は12日まで。会場では僕の歌が鳴っているそうです。ぜひ足をお運びください。

10月6日(金)ー12日(木)
ギャラリー自由が丘(12:00〜19:00)
片岡まみこ個展「秋色〜秋の夜長に猫と音楽を聴こう」


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2017年10月02日

“夜の科学 in 下北沢ー小箱のなかの音楽 22”(2017年10月1日 @ 下北沢 lete)【ライブ後記】



昨日のこと。朝早くから起き出して取りかかっていた新曲を3つ完成させ、下北沢へ向かう。思えば2、3日前からなんとなく嫌な予感はしていたのですが、リハーサルで声が出づらくなって、本番を待つ1時間でみるみる声が出なくなってしまいました。2年前の鎌倉ディモンシュ本番でなった時と同じ感覚。こうなったらまったく歌が歌えないことが経験上わかっていたので、最初に謝って、1時間くらい低い声でおしゃべりをしました(lete町野さんにも急に登場いただいたり)。体調管理などプロ意識にかけた状況となってしまい皆さまには本当に申し訳なく思います。貴重なお金と時間をかけて日曜日の夜を楽しみにしていた方ばかりだったと思いますが、あらためて振替公演日時、ならびにご来場の難しい方へは入場料金を返金をさせていただきます。すでに振替公演日がほぼ決定していますので、あらためて明日以降にメールでお知らせします。

明けて今朝、耳鼻咽喉科で診てもらいましたが(ファイバースコープ飲んだのは久しぶりでした)なかなかひどい咽頭炎のようで、数日間声を使わないように言われているので、ファンの皆さんだけでなく関係者各所にもご不便をおかけします。週末には良くなる予定ですのでご心配なきように。皆さんからの喉に効くいろいろな情報ありがたくいただいて、ついさっき梨をまるごと蒸したやつをいただいたところです。自分自身に過信してしまうクセがあるので、もうちょっとちゃんと年相応の気持ちを持たないとダメだなと反省しています。

ご迷惑とご心配をおかけしてしまい本当に申し訳ありません。  
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2017年09月25日

峠まつり2017(2017年9月24日 @ まほろ座 MACHIDA)【ライブ後記】

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昨日のこと。昼前から町田へ出かけて峠恵子さん主催「峠まつり2017」、2DAYS開催の2日目に出演。思えば先週は伊藤俊吾ワンマンへのゲスト、ベーシスト伊藤健太主催のイトケンフェス(言うなればイトケンまつり)、そして峠さん仕切りのイベント、と誰かがお膳立てをしたステージでの歌唱が続いた。普段ワンマンライブばっかりやっている自分にとっては新鮮で貴重な機会だったような気がする。峠まつりはリハーサルの段階からとにかくカオス状態で、とても長い秋の一日であった。

僕は第一部にてイトシュンと良くんのキンモクセイコンビと一緒に、先日メジャーデビューの報が出たサトミツ&ザ・トイレッツの「PULP!」と「答えはトイレのなか」を演奏。そして後半に再び3人で「月あかりのナイトスイミング」、イトシュンの「ちょうちょう」、そして僕の「my favorite things」を歌いました。この日のハイライトは、何か一曲カバーを、ということでナイアガラ・トライアングルの「A面で恋をして」を3人で演る予定が、なんとサントリィ坂本さん、W関さんのリズム隊、ギターの稲葉さんが合わせてくれて完璧なアンサンブルで歌えたこと。イトシュンが大瀧さん、僕が杉さん、良くんが佐野元春役。初めて歌ったけど楽しかった。

スペシャルゲストで石井明美さんが登場して「CHA CHA CHA」と「ランバダ」を歌ったり、ドラァグクイーンのエスムラルダさんがステージで短刀を抜いたり、なんだかもう目眩がするような振れ幅のたっぷり3時間でしたが、打ち上げまで楽しく、ずっと笑っていました。大人数のイベントを取り仕切るのはとにかく大変なこと。峠さん、2日間お疲れさまでした。  
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2017年09月23日

イトケンフェス(2017年9月22日 @ 月見ル君想フ)【SETLIST】【ライブ後記】




2017年9月22日(金)@ 南青山 月見ル君想フ
“イトケンフェス”


<サトミツ&ザ・トイレッツ>
1.THEO
2.日本のトイレからこんにちは
3.PULP!
4.Callin'(with amiinA)
5.おしぼりを丸めたら(with 阿佐ヶ谷姉妹)
6.答えはトイレのなか
7.ノー・トイレット・ノー・ライフ
8.あしたトイレに行こう

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9.ぷりぷり行進曲(with amiinA、阿佐ヶ谷姉妹)




ベーシスト伊藤健太(イトケン)がオーガナイザーとして企画された“イトケンフェス”にサトミツ&ザ・トイレッツとして参加しました。2人組アイドルユニットamiinA、2人組女性お笑いコンビ阿佐ヶ谷姉妹、そしてトイレのことしか歌わないトイレッツという、バラエティに富みすぎた出演陣。リハーサルからずっと駆け回って働くイトケン。こんなイベントはなかなかあり得ないなあと思いながら、一日ずっと笑って過ごしました。amiinAのパフォーマンスを初めて観ましたが、素晴らしかった。アレンジ含めて楽曲が素晴らしく、二人が駆けて舞う様が可愛くてかっこよくて、客席のファンのサポートも力強かった。阿佐ヶ谷姉妹が登場すると世界がピンク色に塗り替えられた。さすが、圧巻のステージング、客いじり、コール・アンド・レスポンスで会場を一丸とさせる様に見とれていました。

サトミツ&ザ・トイレッツは大きなニュースの発表という案件を抱えて、少し緊張したステージだったかもしれませんが、amiinAとの共演、阿佐ヶ谷姉妹のバックバンド化というピリッとしたスパイスもあり、1時間のステージを駆け抜けました。11月のレコ発ライブではアルバムの全貌をお見せすることができると思います。バカバカしいことを真剣にやるのって楽しいし、大人の特権のような気がしています。面白がって関わっていこうと思います。雨のなかの長丁場のイベント、たくさんのご来場ありがとうございました。テコナベーグルワークス、月見ルスタッフ、そして主催者のイトケンにも大きな感謝を。  
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2017年09月22日

GOMES THE HITMAN “kichijoji rhapsody”(2017年9月9日 @ 吉祥寺 Star Pine's Cafe)【ライブ後記】

9月9日のGOMES THE HITMANのライブから2週間が過ぎようとしていますが、改めて振り返りたいと思います。ギタリスト橋本哲さんを迎えての5人編成でのライブは2015年「まちづくり3部作」と題して「new atlas ep」『cobblestone』「maybe someday ep」の3作を曲順通りに演奏した公演以来、そのときも会場は吉祥寺スターパインズカフェでした。お世話になっている会場の20周年記念アニバーサリーをバンドでお祝いさせていただけることが嬉しい。奇しくも僕らも初めてCDを出した1997年から数えて今年で20年。リリースタイミングでもなんでもないGOMES THE HITMANに夏に続いて席が埋まるほどにたくさんのお客さんが来てくれることは本当にありがたいこと。静かな熱気のなかで幕が上がりました。開場時に会場に流れていたのはblueboyの『if wishes were horses』という、バンド結成時に僕がすり減るほど聴いていたレコード、そして去りゆく夏を惜しんで「サマージャム'95」のインストゥルメントトラックの鳴り響くなか、まず4人だけのGOMES THE HITMANがステージへ。

オープニングの「way back home」「遅れてきた青春」「アップダイク追記」という流れは、実は2015年秋に行ったライブとまったく同じ曲順だった(けっちゃんに指摘されて気づいた)。夏の終わり、秋の始まりにはこれがGTHスタンダードなのだなと再確認。しかし残暑を感じさせる久しぶりのこの日の晴天を受けて「今日までが夏」宣言、そして「光と水の関係」「何もない人」と『weekend』楽曲を。橋本哲さんが加わって5人編成になって「太陽オーケストラ」、ギラギラした日差しに目を細めながら、かげろうの向こうへと夏を送りました。

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5人編成になって『cobblestone』期の歌を歌っているといろんなことを思い出す。僕が持っていったギターポップ然としたデモが杉さんと一緒にアレンジすることでポップスへと昇華したこと。とまどい。感嘆。音楽を作ることに関しての意識の変化。1999年から2000年へとまたぐ瞬間(2000年問題!)をスタジオで過ごしたこと。17年後の今になって思うのは、今自分が音楽を生業として続けている起点があの時間にある、ということだ。「太陽オーケストラ」は鮮烈なイントロから一転、Aメロで突然転調して景色を変え、後半ではシタールの音さえ聞こえてくる目まぐるしいアレンジだが、こないだバリ島に行ったときに「はっ!」としたのはその湿気と日差しはまるで「太陽オーケストラ」みたいな感じだった。「午後の窓から」はキャロル・キングとジェームズ・テイラーを1曲のなかでオマージュした歌だ。僕はこの曲を書いて初めて自分が“シンガーソングライター”になったと思っている。

哲さんにギターを添えてもらって演奏した「サテライト」は2005年『ripple』(現時点でのバンドの“最近作”だ)収録の、バンド内の雰囲気が相当停滞していたころの楽曲。ぱっと聴いた感じでは軽快に響くこの歌を僕は鬱々とした気持ちで書いて、同じような気持ちで歌っていた。そこから10余年経ってみると自分のなかで意味合いが変わったことに気づいて、今ではニコニコしながら歌えるのだから何事も続けることが大事だなと思う。未発表曲「houston」は「サテライト」の続編のつもりで書いた歌。バンドで演奏するのが相応しいと感じたから、今後はGOMES THE HITMAN楽曲というフォルダに。「memoria」も5人編成、さらには満員のお客さんのコーラスにも後押しされた。まだ完成形のない曲だが、哲さんも美しいアルペジオで曲を大きくしてくれました。ここで再び4人だけの編成へ。

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僕らは全員同じ東京外国語大学の出身、今年で出会って25年、なんとも大した時間だ。来年は僕がこのバンドを組んで四半世紀ということになる。MCで少しバンドの昔話をした。黎明期からのメンバーながら最初の練習をさぼった堀越、「あの頃はこの曲好きじゃなかったんだけど今聴くといいね」と暴言の高橋、ベーシストを探しているときに「山田、すごい頑張ってるからおれベース手伝ってもいいよ」と言って加入した須藤。言葉にしてみると全部のことが興味深くて面白い。「会えないかな」という大学時代から歌っている曲を4人で。この曲はほとんど毎回ぶっつけ本番なのでアレンジが全部違う。「手と手、影と影」は僕らを少しシリアスなバンドへと変遷させた曲だけど、何回歌っても自分で感動する。歌の力が勝手に育っている気がします。本編最後は「ホウセンカ」。この曲をきちんと録音して世に出すのが楽しみ。

山田稔明としてソロ活動を初めて10年経って、一人で歌うときにステージで緊張することはもうほとんどないし、毎回納得のいく歌を歌えるようになったという自負があるんだけど、バンドで集まるとその経験値のようなものが一旦リセットされて、いつも駆け出しのバンドマンみたいな丸裸の気分になるのは何なんだろうなあと毎回GOMES THE HITMANのステージのあとに思う。つんのめったり、つまづいたり、メロディを見失ったり、また捕まえたりしながら、肩で息をしながら汗かき駆け抜けてゆく感覚。きっと50歳になってもそんな感じなのだろうな。大学2年生のときに組んだこのバンドで歌うときは、痩せっぽちで丸メガネの19歳のもう一人の僕がずっと隣に立っているのかもしれないな。アンコールでは「maybe someday」。これも相当の集中力と体力を必要とする曲。メンバーみんなのコーラスも心強い。最後まで付き合ってくれてありがとう。言葉ではうまく言えないけれども。

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ピアノのイントロに導かれて「雨の夜と月の光」、この曲で僕は思わずハンドマイクで歌い出してしまう。哲さんのギターも鳴っていたし、気分が高揚してしまったのだな多分。2番からギターを持とうと思ったんだけど間奏もずっと歌ってるし、結局最後までマイクを握ったまま。お客さんは総立ちになっていて、なんだかとても特別なキラキラした時間だった。こんなことならもっと立ち居振る舞いを研究しておくべきだったな。昔からのファンの人も初めてバンドを観る人も、老若男女さまざまな世代がみんなニコニコしているのを眺めるのは幸せなこと。これはステージに立つ仕事をしている僕の特権。ダブルアンコールで最後の最後に「僕はネオアコで人生を語る」。今から20年前、GOMES THE HITMANが初めて世に問うたCDの1曲目の、始まりの歌。ミラーボールが回るのを見上げて感動しました。たくさんのご来場ありがとうございました。また10月18日に下北沢で、そして12月8日(僕の誕生日)に恵比寿でGOMES THE HITMANを目撃してください。

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撮影:祖父江綾子  
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2017年09月20日

夏から秋へのグラデーション



昨日のこと。夕方までずっと録音と編集作業。10月に予定されている(詳細発表がまだの)イベントのためにいろいろやっている。夕方から下北沢へ出かけて伊藤俊吾(イトシュン)のライブにゲスト出演するため事前にちょっと練習。イトシュンは歌がうまい。ビブラートや楽曲のコードプログレッション、自分にない才能を持つ人の演奏を聴くのは新鮮。キンモクセイはGOMES THE HITMANの3年後に同じレーベルからデビューしたバンドで、僕らは入れ替わりでレーベルを離れたこともあって、ずっとなんとも微妙な関係だったわけだけど(僕がひねくれて意固地だっただけなのだな、結局)、15年経ってサトミツ&ザ・トイレッツという大人の真剣なお遊びみたいなバンドのおかげでこうやってセッションするようになるなんて、歳を取るのも悪くない。

イトシュンのステージ、第二部にゲストとして呼び出され、「月あかりのナイトスイミング」をイトシュンのピアノに乗って歌いました。夏にHARCOとふたりで歌ったのを見てイトシュンが「良い曲ですねえ」と言ってくれたのだけど、イトシュンとやるのもとても新鮮。いっぱいおしゃべりをして「ディランならこう言うさ(仮)」を披露。この曲はやっぱりコーラスが入ると断然良くなる。アンコールでも「my favorite things」を歌わせてもらったが、僕の歌はずっとハーモニーを歌い続けるコーラスが多いからイトシュンみたいなシンガーが声を添わせてくれるのは本当に幸せな時間。

この日は高橋徹也さんが遊びにきてくれて、イトシュンと彼は初対面だった。タカテツさんにもイトシュンにも「君たちふたりは水と油だよ」とハードルを高くして、ざわざわとした緊張感を演出しておいたんだけど、結局終電近くまで3人で楽しく話し込んで、それがなんだか面白くて、これ絶対15年前にはあり得なかった風景だなあと感慨深く思いました。イトシュン、気持ちよく歌わせてくれてありがとう。ニコニコとあたたかく迎えてくれたたくさんのお客さんにも感謝。

  
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2017年09月09日

“夜の科学 in 名古屋ー夏の日の記憶と記録(2017年9月3日 @ 名古屋 大須 モノコト)【ライブ後記】

先週末の日曜の話。奈良をお昼過ぎに出発して車で2時間で名古屋へ。日差しも強くむっとする暑さ。8月は終わったが、まだ夏の名残りがある。モノコトについて準備をしている間もずっと汗が流れて大変だった。前回は高橋徹也さんとの2マンだったので名古屋でフルセットの弾き語りは1年ぶりか。とても熱心に歌に耳を澄ましてくれる街、という印象がある。男性客が多いのも特徴。9月に入ったので“9月の歌”を残らず演奏しようと思った。とても静かな9月の夜、まずは「harvest moon」からスタート。

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「遅れてきた青春」は「夏休みの最後の日曜日に」というフレーズを抱くが、残暑のこの日はまさにその日という感じがした。秋の風の気配を探しながら。「どこへ向かうかを知らないなら…」も9月になると思い出すことを歌う曲。大阪で評判のよかったサトミツ&ザ・トイレッツの曲も披露。リクエストを受けて歌った「愛すべき日々」がこの日はなんだかとてもいい具合に(自分に)響いた。良い曲だなあと客観的にしみじみ思ってしまったのだ。

「小さな巣をつくるように暮らすこと」は『DOCUMENT』収録の新しい曲だけど、歌うたびに大きく育っていく感じがして頼もしい。もはや自分の手を離れて歌が自我を持ち始めている。「calendar song」、さらにリクエスト曲として「SING A SONG」を演奏。「memoria」もそうだが、みんなで一緒に音楽を奏でる時間というのは本当に楽しい。アンコールでは前日に初披露した「僕たちの花火」を特別に再演、夏の最後の思い出作りを。「あさってくらいの未来」も声がすーっと伸びていくのがわかって良い歌を歌えたなあと思いました。最後は生声、生ギターでキャリア始まりの歌「僕はネオアコで人生を語る」で締めくくり。とてもいいライブだったと思います。

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大須モノコトはおもちゃ箱をひっくり返したような楽しいハコ。大須の街の猥雑とした愉しさも相俟っていつ来てもワクワクします。また来ます、名古屋。たくさんのご来場ありがとうございました。  
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福田利之+高橋久美子+山田稔明「絵と言葉と音楽 奈良三重奏」(2017年9月2日 @ 奈良 NAOT NARA)【ライブ後記】

先週末の土曜日のこと。ずっと1週間ごとにいろんな出来事、風景、歌とお話が積もり積もって振り返るのが大変。この日は奈良NAOT NARAでイラストレーター福田利之さんと作詞家・作家の高橋久美子ちゃんとのイベント。絵本『赤い金魚と赤いとうがらし』の原画展にあわせてのコラボレーションは静岡に続いて2回目。福田さんとはこの場所で昨年末にフィンランドに関するイベント、そして久美子ちゃんとは蔵前のNAOTでのセッションが恒例になっているので、点と点が繋がっていく感覚。僕はその日の朝東京を出発し夕方に奈良に到着。福田さんがもうひとつの展示をやっていたボリクコーヒーにも立ち寄れた。会場設営をして、開演前に久美子ちゃんと秘密の特訓。

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開演、まず福田さんと久美子ちゃんのトーク、もはや夫婦漫才のようでとても面白い。感性が響き合っているのがよくわかる。ふたりが初めて会ったとき僕も同じ場所に居合わせたことを思い出す。そのふたりが1冊の本のなかで共同作業を…と感慨にふけっていたらステージへ呼ばれて僕もおしゃべりの渦へ。笑いの絶えない夜となりました。僕のライブコーナーはまず久美子ちゃんと「太陽と満月」を朗読と歌でセッション。この歌の完成版を初めて披露したのは奈良でした。巻き戻る時間。魚にちなんで前回のイベントに続いてフィッシュマンズのカバーを。そしてカバーをもう一曲、これは初めての試みチャットモンチーの「CAT WALK」(魚に対して猫ということで)。僕がチャットモンチーの大ファンだったことが彼女との縁となったのだけど、『告白』というアルバムは今でも思い出したように聴く名作。そのなかの高橋久美子作詞曲をセレクトしました。NAOTの冊子のために彼女が作詞をして僕が曲を付けた「わたしのドライバー」もここで演奏するのは何回目になるかな?みんなで歌うコーラスも楽しくて盛り上がった。音源化したいですね。

朗読の時間になり、無作為に選ばれたお客さんと僕と福田さんを久美子ちゃんが率いて朗読オーケストラのパフォーマンス。「奈良の山」という言葉遊びが面白い詩を読む。僕も久美子ちゃんも教職免許を持っているという共通点があるが、彼女が先生になっていたら相当面白い授業をやっただろうなと思う。言葉と音楽のセッションも充実したものになったが、シンプルな朗読「十年」という詩が僕は大好きだ。福田さんが再びステージへ、金魚の絵描き歌を考えたり「絵と言葉と音楽 奈良三重奏」というタイトルに相応しい内容。『赤い金魚と赤いとうがらし』の朗読セッションも僕が気まぐれに持ち込んだ小さなキーボードが功を奏したかとてもイマジナティブなものになったような気がしました。

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たっぷり3時間にも及んだイベントでしたが、最後の最後にNAOTへのプレゼントとして新曲を披露しました。東京蔵前にあるNAOTは隅田川沿い、そこからは隅田川花火大会で打ち上げられる花火を堪能することができるのですが、昨年初めてその場所で“花火革命”を味わった僕と久美子ちゃんの共作、作詞高橋久美子、作曲山田稔明で夏の終わりを見送る「僕たちの花火」という曲を。リハーサルでも「ふんふん」と歌詞を歌わずにハーモニーの練習をした成果がばっちり出て大団円となりました。NAOTスタッフの皆さん、ミルブックス藤原さん、ボリクコーヒーとカナカナの皆さん、手伝ってくれたスタッフにも感謝。福田さんと久美子ちゃんは言わずもがな、そして長時間のイベントに付き合ってくださったお客さん皆さんに「ありがとう」と心から言いたいです。

翌日は少し奈良でゆっくりできましたが、本当にいい町だと思いました。また来ます。  
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2017年08月31日

“夜の科学 in 大阪〜夏の日の記憶と記録”(2017年8月27日 @ 大阪 雲州堂)【ライブ後記】

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先週末、日曜日の話。加古川から大阪へ。晴れて暑くて、移動するだけで体力を消耗するから夏のツアーは大変。雲州堂は昨年秋のバンド編成でのライブ以来。2010年の夏に初めて演奏してから、この元そろばん倉庫という変わったヴェニューはいつも素晴らしい音で僕を魅了する。ずっと変わらず小谷さんという女性がPAをやってくれているけど、季節がいくつ過ぎても変わらない雰囲気が雲州堂にはあるのです。前日の加古川ではちょっと神経質にぎりぎりまで練習してしまったけど、この日はセッティングした後は開場前に訪ねてきてくれた友人と談笑しているうちにお客さんが列を作り始めた。満員御礼、当日券のお客さんもたくさん。

この日は『DOCUMENT』の冒頭を再して「blue moon skyline」から「太陽と満月」という流れでスタート。日曜日の穏やかさと切なさを「glennville」に込めて、「夏の日の幻」で残暑御見舞。落語のまくらのようになってきた「一角獣と新しいホライズン」の前のMCも初めて聞く人が多かったようでアンケートの反応も面白かったな。誰かが課外活動バンドであるサトミツ&ザ・トイレッツの曲をリクエストしてくれたので、トイレからボブ・ディランへと繋がっていく思いもよらない流れが生まれました。こういうことがあるから面白い(トイレッツの楽曲、非常に好評でした)。カセットテープ作品『INOKASHIRA』から2曲歌えたのもよかった。

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リクエストを受けて2003年の『omni』から「そばにあるすべて」。このGOMES THE HITMAN楽曲をきっかけに次に歌ったのは「houston」、これは随分昔に書いた未発表曲だけどGOMES THE HITMANのナンバーだと感じている曲で、ここ最近はバンドで演奏している。「悲しみのかけら」も同じようにバンドで完成させたい大きな曲で、リクエストのいくつかがGOMES THE HITMANのこれからに関わってくる曲に集中したことが大阪の特色だったかもしれません。この日の「memoria」の客席からのコーラスはとても軽快でした。その前にしゃべったMCが思いのほか受けて空気がとても和やかになった気がした。福山雅治ものまねなんて初めてやったしこんなに笑ってもらえるとは思わなかった。

アンコール、客席に小さなお子さんがいたので急遽予定にない「第2の人生」を。この日は老若男女、多岐にわたる客層で、でも様々な世代それぞれがみんな屈託なく笑顔なのがステージから見えて僕自身がとても楽しかった。MCもみんなに乗せられて饒舌になっていきました。最後「ハミングバード」で終わるつもりが、やっぱり最後は生音で「僕はネオアコで人生を語る」を。終わるのがさびしくなるような2時間半越えの充実したステージでした。終演後のサインの列も長かったな。

今週末は奈良へ行きます。2週連続でライブを観にきてくださる方も多いかもしれませんが、また秋に大阪の皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

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“夜の科学 in 加古川〜夏の日の記憶と記録”(2017年8月26日 @ 加古川 チャッツワース)【ライブ後記】



先週末の関西ツアーはとても内容も(集客的にも)とても充実したものになりました。スタジオ作業が続いたので約一ヶ月ぶりのライブとなりましたが、ご来場者の皆さんからのリクエストを反映した、ソロ、GTH含めてバラエティに富んだものに。まずは東京を発って神戸、そこから兵庫の加古川へ。この街に初めて来たのは2008年の2月。チャッツワース店主の岸本夫妻に初めて神戸バックビートで出会ったのが前年なので、なんと今年で10年になるのですね。通算20回目のライブ、この10年の記憶を思い起こしながらチャッツワースへ向かいました。

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ここ数年チャッツワースでライブがあるときは、ライブ会場である2階の階下、1階店舗で立食スタイルの「ティーパーティー」が開催されていて、お店の飲み物や料理を楽しみながらファン同士が歓談するという時間が設けられています。チャッツワースがライブ会場として他と少し違う特別な雰囲気を持つのは店主岸本さんの創意工夫の賜物かもしれない。実際僕はチャッツワースの料理が大好きなのだけど、ライブだけではその魅力がお客さんに伝わらない。こういう試みはお店とお客さんを繋がりを強くする効果があります。階下の盛り上がりをひしひしと感じながら2階で準備、というか練習(久しぶりに歌う曲ばっかりだったから)。

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ライブは「歓びの歌」からスタート。この歌はチャッツワースで初演した歌、加古川までの旅路で歌詞を書いたので僕にとってはこの街と切っても切り離せない。ソロ作を発表する以前からライブをしていたチャッツワースではアルバム『pilgrim』へのリクエストが多かったのが印象的。「雨に負け風に負け」「ONE」「三日月のフープ」と新鮮な並び。「月あかりのナイトスイミング」は加古川から明石海峡大橋を渡って徳島までドライブする途中で生まれた曲。「手と手、影と影」は1回目のチャッツワース公演の1曲目に歌った歌だそうで、自分が忘れているそういうことをお客さんのリクエストは思い返させてくれることになりました。ご要望に応えて「笑う人」は15年前にリリースした『mono』から。「夜明けまで」も「幸せの風が吹くさ」も誰かがリクエストしてくれた曲。自分では思いつかなかったようなセットリストで、そこに新しい物語が付帯するようになる。この日も驚きと発見がいくつもありました。

歌もおしゃべりもたっぷり2時間半、やっぱりこの空間でしか鳴りえない音がなっていたと思うし、チャッツワースならではの幸せが滲んで広がっていくような感覚がありました。予定していなかったダブルアンコールの「僕はネオアコで人生を語る」は、今から20年前に初めて出したCDの1曲目、いわば初まりの歌。マイクを通さず生音で演奏する感じがとてもよかったな。近くから遠くからたくさんのご来場ありがとうございました。岸本さんはつ江さん、ケン坊さん、手伝ってくれたスタッフのみんなにも感謝。また来ますね。

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2017年08月11日

第六回吉祥寺祭りー SPC20周年記念 オープニングスペシャル(2017年8月6日 @ 吉祥寺 Star Pine's Cafe)【ライブ後記】



先週末のこと。吉祥寺スターパインズカフェの20周年アニバーサリーの幕開けとなる “第六回吉祥寺祭り”に初めて参加。別名トーベン祭りともビール祭りとも呼ばれる名物企画、新人枠として湯川トーベンさんが声をかけてくださった。トーベンさんは村田和人バンドのベーシストであり、昨年の村田さん急逝のあと何かとお会いする機会も多かったのだけど、この日村田さんとの思い出もたくさんあるスターパインズカフェのステージでトーベンさんと一緒にまた演奏できたことが嬉しかった。そして何と言ってもあの鈴木茂さんだ。リハーサルから興奮しながらその一挙手一投足に注目。しびれた。

僕はトップバッター。音楽仲間がたくさん集合していたのでせっかくだから、とまずイノトモちゃんにコーラスを依頼、さらに栗コーダーカルテットでのダブルヘッダーだった安宅浩司くんにも加わってもらって73年トリオのPPMスタイルで、「吉祥寺ラプソディ」「hanalee」を演奏。「光の葡萄」をやるつもりだったのが直前になって「光と水の新しい関係」に変更したのは、この曲がはっぴいえんどの「風をあつめて」がなければ存在しない曲だったから。最後の曲「my favorite things」ではイトケンさんにタンバリンを叩いてもらってカルテット編成。短いながらもドラマティックな演奏ができたと思います。

ゆるゆるとリラックスしたムードのなかで、しかし、演奏はいちいち素晴らしくて芳醇。“吉祥寺”の奥深さを目のあたりにするような夜でした。久しぶりに観たおおはた雄一くんの演奏も素晴らしかったな。そして鈴木茂さん、上原ユカリさんとトーベンさん藤原マヒトさんのステージには神々しささえ感じました。タイムトリップ感。アンコールは出演者全員でムッシュトリビュートで「バン・バン・バン」。鈴木茂さんの横で歌を歌うなんて想像もしないことでした。結局始まりから終わりまで5時間越え。杉祭りにも似た饗宴っぽさでした。たくさんのお客さん、長時間のイベントお疲れさま&ありがとうございました。来年もまた出たいです。

打ち上げも楽しかったな。マヒトさんと猫の話をして気がつけば明け方でした。

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2017年07月28日

“夜の科学 in 下北沢ー小箱のなかの音楽 20/21”(2017年7月21日/26日 @ 下北沢 lete)【ライブ後記】

先週末金曜日、そして一昨日と2日間繰り広げられた下北沢leteでの弾き語り「夜の科学」を振り返ります。初めて抽選申込制を試みた初日、そして福岡の旅を挟んで行われた追加公演。ソロ弾き語りで全編にわたってGOMES THE HITMANの楽曲のみを演奏するというのは意外にも初の試みでした。皆さんからのリクエストをセットリストに反映させたので2日間微妙に違う内容のストーリーに。

「新しい季節」からライブをスタートさせたのは7月16日のGOMES THE HITMAN公演の直後に梅雨明けが発表されたから。「スティーブンダフィ的スクラップブック」は恵比寿公演セットから抜け落ちたサマーソングでした。「光と水の関係」「down the river to the sea」は弾き語りだと改めて歌詞を味わいながら唇に乗せることができます。初日はこのあと「饒舌スタッカート」「ねじを巻く」とアップテンポ、追加公演では「自転車で追いこした季節」「午後の窓から」と落ち着いたトーンでコントラストがつきました。

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虹とスニーカー」は『SONG LIMBO』というレアなCDR作品からのチョイスでしたが、スピッツのコンサートを観たときにその色濃い影響をこの歌のなかに見たのでした。初日にリクエストに答えた「三叉路から」という曲はレア度でいくとトップクラスかもしれない。久しぶりに歌ってみたらやっぱり良い曲でした。追加公演では同じく『SONG LIMBO』から「山で暮せば」を。「夜に静かな独り言」も「ready for love」もどちらも秋冬の歌でしたがリクエストに応えました。

1日目は『omni』楽曲を、追加公演では『mono』楽曲をセレクトして歌ったんだけど、この頃の曲はズーンと重いなあと改めて感じるし、あの頃には戻りたくないな、今が一番いいなと思う。歌の良し悪しではなく極めて個人的な感覚で。みんなそうじゃないかな?30代が一番いろんなことに悩む季節だと思うのだ。「長距離ランナー」はGOMES THE HITMANで完成させたい歌。「memoria」も「ホウセンカ」もそう。今回弾き語りバージョンをライブ盤に収録して自分の意思が明確になってよかったなと思う。

1日目の最後には20年前にリリースした初CDから「tsubomi」を演奏。そして追加公演ではおそらく体力的に消耗しきった自分の姿を想像し、敢えて「僕はネオアコで人生を語る」で締めくくることを決めていた。初めて作ったCDの1曲目が一番キーが高いっていうのが、なんだか怖いもの知らずで、若気の至りっぽくて僕は大好きなのだ。本当に20年のキャリアのなかで自分が作ったものを歌い続けられることが幸せだと思うし、「ああ、良い曲だなあ」と他人事のように惚れ惚れ眺めたりできることが僕の性分だと感じます。最後まで付き合ってくれてありがとう。言葉ではうまく言えないけれども。

夏の終わり、秋の始まりにまた4人のGOMES THE HITMANでお会いしましょう。




2017年9月9日(土)@ 吉祥寺 Star Pine’s Cafe
SPC 20th Anniversary
GOMES THE HITMAN “kichijoji rhapsody”


17:00開場 18:00開演/前売4000円 当日4500円(ドリンク代別途)
*整理番号順入場・全自由
出演:GOMES THE HITMAN
[ 山田稔明、堀越和子、盒況觧辧⊃榮俊明 ]

スターパインズカフェ20周年をお祝いして、今年CDリリースから
20年を迎えるGOMES THE HITMANがステージをロックします。

整理番号は通販STORE販売分→SPC店頭販売分→イープラス→ぴあ
という順になりますのでご参考にしてください。

オフィシャル通販STORE
イープラス
チケットぴあ
スターパインズカフェ店頭

吉祥寺 STAR PINE’S CAFE
info:0422-23-2251
〒180-0004 東京都武蔵野市本町1-20-16 B1  
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“夜の科学 in 福岡ー夏の日の記憶と記録”(2017年7月23日 @ 福岡 JOY TRIP CAFE)【ライブ後記】

福岡2日目、しかし金曜日の下北沢leteから数えると3日連続の弾き語りライブということで蒸し暑さも相俟ってかなりタフな予感。福岡は大好きな街なので行きたいところは多々あれど(だいたいレコード屋)体力を温存しておかなければ、とゆっくりな朝(というか昼までごろごろ)。それでも、いつも立ち寄る洋服屋さんで散財してしまい反省。この日の会場は福岡の“HOME”とも言えるジョイトリップカフェ。cafe Teco時代から数えるともう9年くらい通っている。

たくさんのお客さん、旧友の顔も見える。「blue moon skyline」から始まってドラムループに導かれて「太陽と満月」と進む、ライブ盤CDを同じオープニング。GOMES THE HITMANの「光と水の関係」「長期休暇の夜」と続くサマーソングコーナーでは客席から声にならない声が漏れ聞こえて、『weekend』というアルバムが誰かの青春サウンドだったのだなあと再確認。村田和人さんのカバー「brand new day, brand new song」ではサビでハンカチを掲げてぐるぐる回す人がたくさんいて、東京でもそんなふうにならないのに、地元福岡で予期せぬシーンを観ることができて嬉しかったです。まだ窓の向こうに日が残る夕方に始まって日が暮れていく時間帯が心地良い。

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ジョイトリップカフェはいつも予想以上に楽しいことが繰り広げられるハコなのだけど、今回は初めて女性コーラスをゲストに迎えた。GOMES THE HITMANと同じレーベルからデビューした後輩、Local Busというユニットの野見山睦未さん(のみさん)は福岡在住。古い付き合いになるが一緒に演奏するのは初。彼女が東京に来たときに簡単な打ち合わせをしただけで、ほとんどぶっつけ本番だし、僕が気まぐれに前日に増やした曲もあってかなり緊張した様子でしたが、彼女の凛とした歌は素晴らしかったです。

僕の大好きなblueboyというイギリスのバンドの「Sea Horses」という曲は男女のツインボーカルが素敵な歌、これをのみさんと二人でやりたいなと思ってカバー。そして彼女のユニットLocal Busの新譜のなかから「It's Fantastic Place」、そのまま同じテーマの「my favorite things」と続きます。再び僕ひとりの演奏で「小さな巣をつくるように暮らすこと」を初めて福岡で。本編最後の「calendar song」の前のMCでは門外不出の福岡の人にしか話さない秘密の告白がありました(心に秘めておいてください)。

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アンコールでは故郷である佐賀県基山町PRソング「言葉に感情を、心に感動を」を披露。これも地元でしか歌わない特別な歌になるのだろうな。九州では近藤研二さんが作曲、たんこぶちんMADOKAが歌って僕がギターとコーラスを担当したホームセンターグッデイのCMも相当流れているらしいのだけど、「第2の人生」にも拍手喝采をいただいた。最後はもう一度のみさんを呼び込んで「hanalee」で大団円。

箱崎と警固、二日間とも来てくれた人もたくさんいました。福岡外の遠方からはるばる遠征してくれた方も多かったですね。やっぱり自分は九州人なので特別な街なのですよ、福岡は。もちろん佐賀も。翌日はもう一度ジョイトリップカフェに舞い戻って美味しいお昼ごはんをいただき、しばし実家のある基山町に帰ってお墓参りをしたり友だちに会いにいったりして夜遅い便で東京に戻りました。今回の福岡3日間で出会った人たち、友だち、Local Busのみさんとケイジくん、ご来場いただいたファンの皆さんに感謝。スピタルハコザキの皆さんとはしもとみおさんにも大きな声で「ありがとう」と言いたいです。

また秋頃帰ってきますので。福岡、最高でした。

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“猫島ラプソディ”(2017年7月22日 @ 福岡 スピタルハコザキ)【ライブ後記】



先週の土曜日の話。あっという間に過ぎた1週間でした。福岡へ行くのは昨年11月以来。はしもとみおさんの福岡での初個展ということで、コラボレーションを提案された僕は二つ返事で快諾したのでした。みおさんとは今年3回目の共演。どんどん仲良くなって兄妹みたいになってきました。福岡空港に着くと友だち(Local Busのケイジくん)が車で迎えてくれて心強いサポート。箱崎という街は僕にとって初めての場所。会場のスピタルハコザキは一軒家をリノベーションしたギャラリーで、面白い作りだった。

みおさんが彫った猫たちがたくさん並ぶ。なかでも福岡にある猫島という別名でも知られる相島(あいのしま)でのフィールドワークが昇華した小さな木彫猫たちに息を呑む。それぞれの猫に個性があり、物語が付随する。気が遠くなるような作業をライフワークとして続けるみおさんは、しかし、朗らかな関西弁であっけらかんとして楽しく面白い。ブックスキューブリックという気になっていた本屋がすぐそばにあったので涼みがてら訪れたりしているうちに夕暮れ、そして満員の会場でのイベントが始まりました。

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前日に下北沢で衝動買いした猫柄の派手なシャツを着て出ていくと小さな笑いが。“出落ち”は成功。「猫のいる暮らし」から始まる“猫セット”だけど、実は根幹はそんなに変わらない。今回は展示のオープニングを飾るイベントなのでみおさんファンも多かったのだろう、僕のライブを観るのが初めてという人が半数以上だったので「一角獣と新しいホライズン」のお決まりのMCを、落語のまくらのように。つい先日名古屋で観たスピッツの「猫になりたい」も好評でした。

みおさんを迎えてのトークも楽しく進む。僕から見たみおさんは言うなれば“神様から愛された天才魔法使い”なのだけど、会話がいちいちグルーヴして最終的には会場全体がニコニコ笑っている。みおさんと笑顔のお客さんをかわるがわる眺めながら、いい時間が過ぎていくなあとしみじみしました。ライブ後半はみおさんの愛犬月くんに捧げる「月あかりのナイトスイミング」からスタート。

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「眠れねこねこ」「ポチの子守唄」で見えないゆりかごが揺れる。「my favorite things」「日向の猫」「光の葡萄」というラインナップは「猫」だとか「音楽」だとか、そういう線引が意味をなくすような自分の暮らしから生まれた歌。10年経っても歌っているのだろうな、と思う。「きみは三毛の子」「太陽と満月」と楽しく本編終了。アンコールでの「calendar song」のコール・アンド・レスポンスもさすが福岡、素晴らしい響きでした。終演後はたくさんのサインと握手。僕とみおさん、スタッフで連れ立って筥崎宮のそばにある屋台でラーメンと焼き鳥で打ち上げ。楽しい夜でした。スピタルハコザキでのはしもとみお個展「猫島物語」は8月6日まで開催中。ぜひその生き生きした作品たち、愛らしい猫たち(黒柴犬の月くんにも)に会いにいってあげてください。


はしもとみお 彫刻展
“猫島物語”

7月22日 - 8月6日まで開催中

スピタルハコザキ
福岡市東区箱崎1丁目32-31
11.30 - 21.00 (期間中休みなし)


  
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2017年07月26日

HARCO LIVE 2017 20th Anniversary Special -HIKINGS-(2017年7月8日 @ 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE)【ライブ後記】

ずいぶん時間が経ったように思いますが、3週間前のHARCO20周年のお祝いとレコ発ライブのことを振り返ります。このライブ出演が決定したのは1月でした。これが共作した「春のセオリー」を収録した20周年記念CDのレコ発になることはわかっていたけど、HARCO名義でのラストイヤーを飾る舞台になるとは想像もつかなかった。空気公団山崎さんやサトミツ&ザ・トイレッツでも一緒のイトシュン(イトケンも)、ゲントウキ田中くんと同世代の音楽家が集い、リラックスしたムードでリハーサルから終始進んでいきました。たくさんのお客さん、お祝いムードと少しのセンチメント。

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しばしの休憩を挟んだ後半トップにHARCOに呼び込まれてステージへ。さしたる事前打ち合わせもない、普段通りのおしゃべり。このテンポ感が心地いいなあと思う。HARCOとはふたりでこれまで下北沢、高知、新潟の燕市と新発田市、金沢と共演したから、この日ふたりだけで演奏した「月あかりのナイトスイミング」は旅を思い起こさせるものになった。R.E.M.の「Nightswimming」へのオマージュとして書いた曲だが、僕の大好きなHARCOの「ナイトハイク」も同じ曲に触発さえたということを知ったときは驚いた。

バンドと空気公団山崎さんが加わって空気公団の「レモンを買おう」を演奏。抑揚のあるメロディで歌うのが楽しい曲。そして「春のセオリー」を1年越しにまた同じステージで。歌詞が預言的と言われるが、もはや僕の手を離れて普遍的なポップソングになったその歌のフレーズを僕は客観的に眺めながら「ここでまた会おう」というリフレインにハーモニーを重ねていく。しみじみしました。年内もう1回くらい一緒に歌いたいな。4時間のステージを主役として、ホストとして八面六臂の活躍で切り盛りしたHARCOに喝采を。

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アンコールではキャスト全員でHARCOの「BLUE × 4」で大団円、さらに予定外のダブルアンコールをHARCO一人で。20年のお祝いということで、終演後には古い友人知人にたくさん会えて嬉しかった。HARCOのライブレポートはこちらに。HARCO名義での残り半年、最後までたくさんの旅をすることでしょう。どこかでまた合流できたら一緒に歌いましょう。僕らは三叉路に立ち、地図を読む。ここで出会って、また手を振って旅の途中。そんな気分なのです。HARCOの歩んできた20年、そして青木義則の未来に幸あれ。(写真:祖父江綾子)


HARCOとのネットラジオ「あさってくらいの方角へ」前後編ともに公開中です。ぜひお聞きください。


  
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2017年07月21日

GOMES THE HITMAN LIVE 2017 “summer songs”(2017年7月16日 @ 恵比寿 天窓switch)【ライブ後記】

先週末のGOMES THE HITMANライブを振り返ります。昨年末以来の、2017年初始動のステージでした。ぎりぎりまでリハーサルを粘ってしまい、入場時間が遅れてごめんなさい。4人での演奏はやはり何とも言えない空気感とか、言葉では伝わらない間合いみたいなものがあって、これがいわゆる“バンド感”なのだなあと思いました。満員御礼の会場、オープニングSEはフィッシュマンズの「夏の思い出」でした。この日は夏の歌満載のセットリスト。

1曲目は「ドラマのない夏などない」という宣言から始まる「センチメンタル・ジャーニー」、インディーズ時代のアルバムに収録された曲で、そのフィッシュマンズの影響が色濃い。青い暗幕を切り開くように「光と水の関係」、「平和なるサバービア」など、初期の歌は自分のなかで何周かして演奏していてとても楽しい。この日はMCがいつもより饒舌で毒舌だったかもしれないな、と振り返っています。リラックスした人間関係ゆえでしょうか。昔は僕がもっとピリピリしていたと思うんだけど、これを成長と呼ぶのかな。あるいは時間が何かを変化させるのか。

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この日のセットリストのなかでレアだったのは「晴れた日のアスリート」、2001年に『饒舌スタッカート』をリリースした後に所属レーベルと事務所がなくなった僕らが、須藤さんの自宅スタジオで録音してCDRで発売した『SONG LIMBO』からの歌。初めてのセルフプロデュース曲だと言える。15年以上経って演奏するのが感慨深い。「花開く瞬間に僕らが/しかるべき態度で振り下ろすこぶし/頭にくることもないくせに」というフレーズが僕らしいな、と今さら思う。15年前にリリースした『mono』のなかから選んだ「目に見えないもの」を丁寧に演奏できたのもよかった。この曲のMVは幼いポチが遊ぶ映像だった。いろんなことを思い出す。ライブ盤に弾き語りで収録した「memoria」をGOMES THE HITMANで演奏したことも意義深い。2019年が楽しみ。

もう何べん演奏したかわからない「雨の夜と月の光」で僕が歌を飛ばしてしまった。きっとこの2日間の疲れのピークがあの瞬間にあったと思う。本編最後の曲だったのでなおさら悔しかった。アンコールでもう一度、お客さんにも立ち上がってもらってやり直したが結果オーライでよかった。GOMES THE HITMANというバンドというのは不思議なもので、どれだけ時間がたっても成熟しない。楽々とライブができると高をくくっても必ずどこかにトラップがあるのだ。だからなおさら面白いのだけど。

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GOMES THE HITMANはまた9月にライブをします。その次の予定も見え隠れして、少し先の未来のことも考え始めました。2019年問題も含めて。昔から応援してくれている人も、GOMES THE HITMANと新しい出会いをした人も引き続き僕らの動向を気にしていただけたら嬉しいです。今日と来週の下北沢lete弾き語りではこの日歌えなかった夏の歌など補完しつつ、GTH楽曲を楽しみながら改めて紐解きたいと思います。リクエストがある人はコメント欄等に書き込んでください。

たくさんのご来場ありがとうございました。  
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“夜の科学 vol.52 - 夏の日の記憶と記録”(2017年7月15日 @ 恵比寿天窓switch)【ライブ後記】

先週末の『DOCUMENT』発売記念ライブを振り返ります。ライブ前日にCD製品版が到着し、ライブ当日に様々な印刷物が滑り込むといういつものギリギリ進行。もう大人なんだからもうちょっと計画的にいきたいものだ。何はともあれ晴天で気温がぐんぐん上昇するなかで恵比寿へ向かいました。もう実質的には梅雨は明けていたんじゃないかな。つつがなくリハーサルが終わり、満員御礼の会場でライブがスタート。オープニングのSEは僕の無人島ディスク、R.E.M.『DOCUMENT』1曲目の「最高級の労働歌」でした。

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ひとりステージに登り、まず弾き語りで「blue moon skyline」と「歓びの歌」。最初の2枚のソロアルバムの序盤を飾る歌。「blue moon skyline」は弾き語り盤のオープニングを飾る定番曲だけど「歓びの歌」は久しぶりの演奏。イトケンさん、安宅くん、五十嵐くんを呼び込んで「home sweet home」をシンプルなアコースティック編成、ソロ黎明期の風合い。だんだん人数が増えていくパターンは新鮮でした。

キーボード真里さんとコーラス綾香を呼びこんで6人編成で「hanalee」。この曲は折り重なる楽器、3声のコーラスが素晴らしく、ぐっと背中を押してくれる曲。「glenville」も何度演奏を重ねても飽きない宝物のような歌。ステージが進むほどに改めてメロディと言葉の力に支えられているなあと思うのだ。バンド編成は様々な楽器の音がその二つの要素をさらに高みへと運んでくれる。幸せだなあと思う瞬間が何度もあった。

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この日はステージに登場しなかった海老沼崇史くん、上野洋くん、近藤研二さんを含めたミュージシャン仲間、そしてエンジニア手塚雅夫さんに写真家杉江篤志くん、デザインを担当した吉積里枝さん、いろいろサポートしてくれるミルブックス藤原さんはじめ心強い友人たち、お世話になったライブ会場のスタッフも皆さんがいなければこのCDは完成しませんでした。そして何より楽しみに待っていてくれたファンの皆さま、どうもありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。「SING A SONG」からのスタンディングの客席の笑顔の風景が今も記憶に焼き付いています。

この日を機にニューアルバム『DOCUMENT』が皆さんの元へと旅立っていきました。長いこと楽しんでもらえる1枚になりますように。このCDを持って今週末から旅に出ます。またライブ会場で会いましょう。

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2017年07月03日

山田稔明 × 高橋久美子 × 福田利之 ライブ × 朗読 × トークセッション(2017年7月1日 @ 静岡 三保原屋LOFT店)【ライブ後記】

先週末土曜日のこと。朝10時に雨の吉祥寺を車で出発。高橋久美子ちゃんを途中で拾って静岡へ向かう。楽しい遠足のような雰囲気。久美子ちゃんとはいろんな場所でイベントをともにしてきたけど、こうやって(日帰りのあっという間の時間だけど)一緒に移動するのは初めてだ。いつもハプニングだらけの旅をしている彼女なので、この静岡への旅も楽しいものになるだろう。

静岡に着く頃にはすっかり晴れ上がってしまった。暑いくらいだ。「さわやか」というハンバーグ屋さんでランチするのを楽しみにしていたんだけど、実際行ってみるとびっくりするくらいの行列。時間がなくて諦めた。福田利之さんは新幹線で到着していて美味しそうな白玉団子を孤独と戦いながら食べていた。会場の三保原屋LOFT店は長く続く雑貨店。僕が知っているお店で言うならば諫早のオレンジスパイス、宮城のNAKAOに雰囲気が似ている。とにかくお店のスタッフの皆さんが親切でストレスなく準備ができました。たくさんのお客さんに来ていただいて、福田さんの前説からイベントスタート。

『赤い金魚と赤いとうがらし』という福田さんと久美子ちゃんの絵本の原画展のオープニングイベントなので、「さかな」が出てくる曲を探した。まず「僕らはまるで海の底/泳げない魚」と歌われる「月あかりのナイトスイミング」、この曲は2011年に徳島で開催されていた久美子ちゃんの展示「ヒトノユメ」を観にいく旅がきっかけでできた曲なのだから感慨深いものがある。GOMES THE HITMAN「太陽オーケストラ」には「僕らは海さえ知らない小魚みたいだね」と夏に目を細める若者の歌。さすがにそのふたつくらいしか「さかな」は出てこないから想像上の動物「一角獣」が出てくる歌を歌った(恒例のMCを福田さんにチクリと揶揄されたが)。「さかな」が出てくる歌のカバーを、と考えていたらフィッシュマンズの歌が浮かんだ。バンド名が魚だ。「まるで魚になった気分だよ。まるで泳がない魚」と歌う「Weather Report」は下北沢leteで歌って以来これまで以上に大好きになった歌。

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久美子ちゃんを呼び込んで「太陽と満月」で詩と歌のコラボレーション。2013年上田で行われた「ヒトノユメ」展からやっているセッションなので、もう4年にもなるのだな。久美子ちゃんの朗読に僕も参加、一緒に手をパチンと叩いたり、ギターを弾いたり音を添える。詩の朗読も彼女にかかるととても音楽的になる。やはり根っからのミュージシャンなのだ。

福田さんと久美子ちゃんのトークもとても面白い。愛媛弁の久美子ちゃんとしゃべっていると福田さんも関西弁になって、素の人柄が出て可笑しい。途中から僕も自然とその会話に加わっていた。『赤い金魚と赤いとうがらし』の朗読では福田さんも一節台詞が。笑顔の絶えない時間が続きました。再び僕は久美子ちゃんと「わたしのドライバー」という曲をセッション。これはイスラエル靴のNAOTのために高橋久美子作詞 山田稔明作曲でコラボレーションした楽曲。イベントの締めくくりに「小さな巣をつくるように暮らすこと」を歌いました。絵本だけでなく、僕のCDやグッズもたくさんの人にお買い求めいただいてとても嬉しかった。静岡というのは近くて遠い街、なかなか来る機会がないのだけど、こういうお店があるのならば年に数回は歌いにきたいと心から思いました。

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終演後は美味しいおでんをご馳走になった。静岡おでん、味噌につけて青のりをかけて食べるのが新感覚、なにもかもが美味しく、みんなご機嫌。創業330年という三保原屋、古いアルバムを持ってきてくださって、貴重な写真も拝見させていただきました。またゆっくり訪れたいお店。

帰路は福田さんも含めて運転を分担しながら、あれこれ尽きない話をしていたらあっという間に東京に到着。忙しない日帰り静岡旅でしたが素晴らしい時間を過ごすことができました。


  
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Add Some Music To Your Friday × POPS PARADE 〜RHAPSODY一周年記念EXTRA公演(2017年6月30日 @ 下北沢ラプソディ)【ライブ後記】

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先週末、金曜日の話。Swinging Popsicleデビュー20周年と下北沢ラプソディの1周年を祝うイベントにrisetteとともに出演した。Swinging Popsicleと最初に出会ったのは1998年なので(キリンジとSwinging Popsicleを誘ったGOMES THE HITMAN企画の渋谷クアトロだった)もう19年が経つことになる。みんな風貌もそれほど変わらずに元気に活動を続けられていることが何より素晴らしい。初めて下北沢ラプソディのステージで歌ったのだけど、地上五階からの下北沢の風景が新鮮で、夕暮れ時の窓の眺めがとてもきれいな、心地良い空間でした。

僕は20年前にリリースした初CD作品『GOMES THE HITMAN in arpeggio』のなかから「朝の幸せ」を演奏した。もしかしたら19年前のSwinging Popsicleとのイベントでも歌った歌かもしれないな、と過去に思いを馳せながら。下北沢ラプソディ、猫町ラプソディ、と狂詩曲繋がりで新しく書いた「吉祥寺ラプソディ」を久しぶりに。新旧のコントラスト。20年で変わったような、変わらないような。「光の葡萄」で締めくくりました。

3者3様にそれぞれの歌が響いた夜でした。最後のセッションはSwinging Popsicleとの共通のアイドルであるレモンヘッズのカバー「Bit Part」。学生時代に何度もコピーした青春サウンドを四十路を越えた20年選手たちとともに。満員御礼、ぎゅうぎゅうの会場で遅くまでありがとうございました。  
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2017年06月27日

“猫好きにわるいひとはいない vol.2” 山田稔明 × 峯村リエ(2017年6月25日 @ 下北沢 風知空知)【ライブ後記】

昨年緒川たまきさんをゲストに迎えて開催した「猫好きにわるいひとはいない」と題したトークイベント、その第2回目を今年も行うことができました。今回のゲストは女優の峯村リエさん。昨年秋に長男堂店主が「大河女優が山田さんの本を!」と峯村さんのTwitterを教えてくれて始まったやりとり。半年後にこのような楽しい夜を共有できたことがとても嬉しい。そもそも育“猫”ノイローゼ気味だった峯村さんが緒川たまきさんをきっかけにして『猫と五つ目の季節』を知ってくれたという経緯もあったそうで、本当に猫というのはいろんな縁を招く生き物だなあ、と感心する。

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満員御礼の下北沢風知空知、まず最初に猫にまつわる歌を2曲、そして峯村さんを呼び込みました。峯村さんの愛猫「日差(ヒザ)」の写真を大写しにして、猫トークの始まり。ヒザと出会うきっかけなどを興味深く聞く。すでに子どもを生んだ経験もある2歳だったヒザを譲渡会で引き取ったそうで、僕がポチを我が家に迎え入れたのも同じく2歳、さらには彼女も経産婦だったので、途端に親近感が沸いた。ちょっと不思議な日差(ヒザ)という名前は鈴木杏さんと真木よう子さんが名付け親というのも面白いエピソード。生活が一変した、と語る峯村さん。僕を猫先輩と呼ぶが、ペットロスについての質問については僕にも明確な答えは出せなかった。とにかく毎日毎日、一瞬一瞬を大切に暮らしたいなと思います。

峯村さんにエッセイ集『猫町ラプソディ』から朗読してもらった。「ノミの記憶」は子供時代に経験してトラウマのようにつきまとう、身の毛もよだつ記憶を綴ったものだが、峯村さんの朗読はむずがゆさまで再現させるようだった。本番前「この九州弁のイントネーション教えて」というやりとりもあったが、とにかく生き生きと映像が浮かぶようで、さすがだなあ!と感動したのです。ライブコーナーではもちろん猫にまるわる歌を。何度歌っても飽きることなく、そのつど思い出すものことがあって、それはまるで毎日会っているのに可愛さに慣れることのない猫みたいだ。

再び峯村さんに登場してもらい、エッセイ集のなかから「PとKの記憶」の朗読を。とても大切な思い出を丁寧に具現化してもらったような感じ。朗読から続けて「小さな巣をつくるように暮らすこと」を歌って、様々なことを想いました。そしてこの日のハイライト、「きみは三毛の子」をふたりで演奏。峯村さんはハーモニーボーカルを担当。うちのポチ実も峯村さんちのヒザも三毛猫ということで、この日限りの特別な歌詞を書き下ろしました。眼差しが印象的なヒザ、「ヒザも三毛の子/眼差しはグレタ・ガルボ」「市松模様のハンチング」などヒザの写真を見ながら書いた歌詞をとても喜んでもらえたたのも嬉しかった。峯村さんの歌も素晴らしかった(ハモるのって特殊技能だと思うのです、僕は)。

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とにもかくにも猫の話と猫の歌に終始した「猫好きにわるいひとはいない vol.2」、定期的に続けていきたいイベントです。終演後は新作Tシャツも(峯村さんのヒザTシャツも)とても好評、誕生日だったポチ実、3回目の命日だったポチにたくさんのプレゼントもありがとうございました。ご来場いただいたお客さん、立ち見で参加してくださった皆さん、風知空知のスタッフ陣、ミルブックス藤原さん、そしてお忙しいなかイベント出演を快諾していただいた峯村さんに大きな感謝を。

遊びにきてくれた片桐はいりさんは「好きなもののことを一生懸命話すのを聞くのは面白いわね」とニコニコ顔。そのまま峯村さん、はいりさん、同じく遊びにきてくれた高橋徹也さん交えて打ち上げ。僕とタカテツの音楽家コンビはふたりの大女優のお話と立ち居振る舞いを前にひしひしと刺激を受けたのでした。楽しい夜でした。  
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2017年05月28日

夜の科学 in 下北沢ー小箱のなかの音楽18/19(2017年5月23日/5月25日 @ 下北沢lete)【ライブ後記】

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今年2回目の下北沢lete公演はカバーと提供楽曲のみで構成するステージになった。2013年から続けてきたこの小さな空間でのライブが僕は大好きで、しかし、5年目となる今年はその心地良さにあぐらをかかずに毎回初めての試みにトライしようと思ったのだ。2月は男性客限定のライブを開催、満員御礼の素晴らしい夜になった。そして今回の「カバー&提供楽曲」限定のステージと相成った。チケットが瞬間的に完売してしまったのは物珍しさもあったからだろうか、leteのご厚意もあり追加公演とあわせて2日間のレアでエクスクルーシブな夜になりました(初日は前回の揺り返しか全員女性客という結果に)。

もしかしたら僕自身が一番楽しんだかもしれないステージを振り返ってみたいと思います。まずオープニングに選んだのは「happy days」というアニメ『あまえないでよっ!!』EDソングになった曲。大好きだった歌で、2000年代にはライブで演奏したことも多かった。ギターポップ+カントリーという趣き、「雨の洞窟を抜けたら」というポジティブなキーワードなど、自分らしさが詰まった歌だな、と改めて思いました。オリジナルはここで聴けました。この音源で僕はエレキギターを弾いてる。上野洋くん、安宅浩司くんと一緒に作業したことを思い出します。「セツナ」は2007年に坂本真綾さんに提供した、これもメロディと歌詞が美しくマッチしたタイプの、大好きな歌。「君を想うだけで」は珍しく男性シンガーに歌詞を書いた(作曲とプロデュースはラウンドテーブル北川くん)提供曲で伊礼亮さんが素晴らしく吹き込んでくれた。ここでダイジェストを聴けます。そしてこのライブで満を持して歌いたかった中島愛さんの「最高の瞬間」。今年リリースされた復帰作のために歌詞を書かせていただいた思い入れの強い1曲。歌ってみて、とにかく発語の快感のあるポップソングだと感動しました。作曲は古川貴浩さん。この歌をまめぐちゃんがステージで歌うところを早く観てみたい。

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そして“盟友コーナー”と名付けたパートへ。まずは同日同時刻(初日の23日)にleteから目と鼻の先でライブをしていた高橋徹也さんの「真夜中のドライブイン」を自分のキーに合わせて歌う。出会いの曲、20年が経った。好きな歌は上手に歌えるから不思議だ。続いて、なんと13年ぶりの新作をリリースしたPLECTRUM。ボーカルのタイスケくんは同郷人であり、ギタリストの藤田顕くん(アッキー)にはGOMES THE HITMANで5年くらいギターを弾いてもらっていたから他人事ではない。快作の発売を祝って2000年に彼らが出した「BOOKEND」という青春賛歌をカバー。

そしてPECTRUM、advantage Lucyとともに2000年代前半をともに過ごしたセロファンの「ストレンジャー」、これも感慨深かった。僕らはみんなセロファンという船のポップシーンへの帰還を待っているのだ。そしてHARCOとも20年ちかい付き合いになった。HARCO名義での音楽活動を今年で終了する彼は、そのニュースが世に出る前に電話で報告をくれたのだけど、僕にはポジティブな選択だと思えた。華々しいフィナーレと新しい出発を心からお祝いしたい。HARCOと昨年共作した「春のセオリー」を初めて一人で。とてもいい歌。完成したレコードの発売も7月の共演も楽しみ。

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GOMES THE HITMAN最初のライブは1993年の4月だったのだけど、そのステージで歌うために最初に選曲したのはR.E.M.の「THE ONE I LOVE」という曲だった。ボーカル人生の始まりの歌が世界一好きなバンドの歌だったなら物語は美しかったはずなのだが、結局僕はサビで「ファイヤー!!」と絶唱する部分を歌うことができなかった(声量的な限界、恥ずかしい…という理由で)。なので24年経った2017年に思い切り歌ったのだ、このライブで。そして、そのR.E.M.の曲の代わりに初ライブで披露したのがLEMONHEADSの「It's a Shame about Ray」だった。同名のアルバムのほとんどの曲をコピーしたから、この作品は自分にとっての教科書だ。今でも神々しい光を放ちながら折に触れてレコードがターンテーブルに乗る。

洋楽カバーは少なめにして、日本語の歌をたくさん歌おうと思った今回のステージ。「確かな光」は高野寛さんの歌のなかでも特に僕の心を掴んで離さない。循環コードでぐるぐると巡っていく。森山直太朗「風になって」は今回最も予想外のセレクトだったかもしれないけれど、この歌はちょうど10年前にリリースされた、彼のファンになるきっかけとなった大好きな曲。“そう簡単には感動させない”という心意気に共振する。1990年代にたくさん聴いた日本語のロックには大きな影響を受けたが、はっぴいえんどを“発見”したタイミングで出会ったサニーデイサービス『東京』は特別なレコードだった。そのなかから一番好きな「あじさい」をカバー。

もちろんフィッシュマンズは外せない。これまでも何度もカバーしてきたが、せっかくなら初めての試みを、と『宇宙 日本 世田谷』から「Weather Report」を弾き語りで。暑いくらいの春の日や台風の夜になると必ず口ずさんできたこの曲も今年でリリースから20年になる。20年唇になじんだフレーズがあるという幸せよ。そして小沢健二。小沢健二がいなければ僕は日本語で歌詞を書くようにシフトしなかったわけで、僕は小沢文法を学習して四半世紀近く歌を作り続けているのだ。この春出た新作「流動体について」について僕らは(僕と友人たちは)侃々諤々と議論を続けたが、僕は僕で「歌ってみたらもっと解明できることがあるかもしれない」と自宅でずっとギターを爪弾きながらぼそぼそと歌詞とメロディを追って季節を過ごしました。気づいたらこの難しい歌が弾き語りできるようになっていたので、初めて人前で。2回転調するところを僕は1回だけで。「続きをもっと聞かせて」という思いを込めて。

Eテレ0655おはようソングの「第2の人生」は声を提供した歌ともカバーとも呼べますね。ジャムの瓶、靴下、そしてもう1パターン録音したような気がしていたのだけど、それは夢か妄想か。本編最後は村田和人さんに2014年に歌詞を書いた「Brand New Day, Brand New Song」。ライブ前日に偶然杉真理さんからメールが来たので「明日歌うんですよ」と伝えると「いいねえ!」と返事が。僕と杉さんは村田さんの次に多くこの歌を歌っている。村田さん、もう僕の持ち歌みたいに思ってきましたよ。歌も残った僕らによって第2の人生を送るのです。

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アンコールではボブ・ディランの「Don't Think Twice It's All Right」に永井宏さんが日本語をつけた「くよくよするなよ」を。片桐はいりさんとヒックスヴィル中森さん、カーネーション直枝さんとの共演がフラッシュバック。最後の最後は故郷である佐賀県基山町のために書いたPRソング「言葉に感情を、心に感動を」。この曲は自作自演曲でありながら、この曲を受け取る人たちの立場に目線を合わせて書いたから提供曲的な感覚もある。あっという間に2時間を越えたライブ、2日間やれて本当によかった。東京以外の街でもやってみたいなあと思いました。すべての瞬間が楽しかったです。自分が書いた言葉でも自分ではない他の誰かが歌うとその人の歌になるし、誰かが書いたメロディも自分で歌ってみると自分の歌になる、と思った18回目と19回目の「夜の科学 in 下北沢leteー小箱のなかの音楽」でした。

2日間入れ替え制で満席のお客さん、ご来場ありがとうございました。感想をもっともっと聞かせてもらえたら嬉しいです。  
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2017年05月08日

“山田稔明 ソロ弾き語りライブ”(2017年5月6日 @ 等々力 巣巣)【ライブ後記】

4月後半から大型連休はずっとライブや展示が続き、あわせて依頼されていた楽曲をひとつ完成させるという、なかなかタフで充実した季節でした。その締めくくりのような巣巣ライブ。この春の慌ただしさは4月1日の巣巣でのはしもとみおさんとのライブから始まっていたようなところもあり、春に一区切りつけるような演奏でもありました。ぬいぐるみ作家金森美也子さんとワイヤー作家森永よし子さんの展示で賑やかな店内でのライブ。金森さんはそのぬいぐるみの本がマーサ・スチュワートに紹介されて全米17位(オバマ自伝を抜いた!)というマジカルな記録を持つ人気作家。森永よし子さんはかれこれ長い付き合いの、暮らしに寄り添う素敵なワイヤー雑貨を作る人。お二人のリクエストで実現したライブでした。

5月なのに初夏を思わせる気候が続いたので、セットリストも夏モードへ。「何もない人」は何度歌っても大好きな、カランカランとグラスと氷が当たる音が聞こえてくるような歌。「夏の日の幻」もアイスコーヒーが似合う。「緑の車」は20歳の頃書いた歌だけど、そのテーマに20年後にもう一度トライしたのが「saturday song」。そして大型連休にどこへも旅に出ず都内で過ごした僕の妄想と逃避行を「blue moon skyline」で。

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金森さんとよし子さんに「何か聞きたい曲はありますか?」と尋ねて、金森さんが申し訳なさそうに「第2の人生」を“軍手”バージョンで歌ってもらえないだろうかと言うので(金森さんは『軍手ネコのつくりかたBOOK』という本を出したばかり)ちょっと頭をひねってこの日しか歌わない門外不出の替え歌を。よし子さんと知り合ったのも巣巣が縁だった。このお店で僕は何人の物作りの人と知り合っただろうか。「やまびこの詩」はそんな巣巣との交流から生まれた歌。「小さな巣をつくるように暮らすこと」はきっと「やまびこの詩」の続編。

3月後半からこの日の巣巣まで10本近いライブがあって、そのたびにご来場いただいた皆さんには感謝しかないが、しかし、全部が全部違うライブなのだなあとこの日の「光の葡萄」を歌いながら思った。特に巣巣は窓の外を車のライトが流れていくのを感じながらの歌になるのでここ何回かの「光の葡萄」とは全然違う「光の葡萄」だった。アンコールではリクエストに応えて「あさってくらいの未来」。感じいってくれたのならよかったな。最後に歌った「ハミングバード」もひとつの季節に句読点を打つような響きがありました。金森さん、よし子さん、巣巣とスタッフ、友人たち、お客さんみんなに「ありがとう」と言いたい。ひとつの季節の終わり、新しい季節の始まり。

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2017年05月05日

“夜の科学 in 下北沢ーrhapsody in tricolor”(2017年4月28日 @ 下北沢 風知空知)【ライブ後記】

1週間前の今日のこと。まだあれから7日しか経っていないのか、というほど慌ただしい大型連休ですが、風知空知での『猫町ラプソディ』刊行記念ライブ第二弾を振り返りたいと思います。そんなに広くない風知空知のステージに5人(+シークレットゲスト)が乗るのはなかなか大変でその配置決めのために四苦八苦。しかし身を寄せ合ってぐるっと半円を組むようなフォーメーションはリハーサルスタジオ、あるいは部室の感覚に近く、背後の本棚等も相俟ってなんだかとても落ち着く感じになりました。演奏もしやすかったな。これまでは弾き語りとデュオ編成でしか歌ったことがなかったけれど、風知空知での合奏もいいな、と思いました。夕暮れの日差しのなかでのリハーサルは本番同様に和やかで多幸感溢れる時間でした。

この日も満員御礼、立ち見になった方ごめんなさい。イトケンさん、安宅くん、五十嵐くん、上野くんと僕のクインテット編成。五十嵐くんはこのところの定位置、ベースを担当してくれましたが、それ以外の4人は“kickingbirds”という名前で2007年から音を重ねた仲(五十嵐くんもその後すぐ加わります)。言わば僕のソロ活動の超初期から支えてくれている恩人。その頃のブログを読み返してみると個人的にはかなりタフで鬱屈した時代だったことを思い出し、そのメンバーで10年経っても音を鳴らせていることが嬉しいなと思いました。なのでこの日の演奏は10年総まとめ的なテーマがありました。

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ライブは「どこへ向かうか」で始まります。音がひとつずつ重なっていく象徴的な歌。最新アルバムからの「calendar song」を2曲目に置くことでその10年の歴史の長さを演出。「光と水の新しい関係」も音源化されるずっと前からバンドで何度も演奏した曲。そして始まりの曲とも言える「home sweet home」「glenville」はなんだかスタンダードな響きがあったなあ。「予感」では安宅くんのクラリネットと上野くんのフルートが織りなすつづれおり、しみじみと感動しながら歌っていました。

ちょうど展示期間と重なったキチレコのために作った『INOKASHIRA』から「my favorite badge」、独りで作った歌をみんなで演奏するときの楽しさったら、ない。これから先の未来にリリースされるであろう「吉祥寺ラプソディ」と「小さな巣をつくるように暮らすこと」も恵比寿での編成とはまた一味違う風合いの演奏になりました。そしてサプライズゲストとして近藤研二さんをステージに呼び込むと客席からは小さな悲鳴があがっていました。前回の風知空知のときはシークレットのつもりが看板に名前を書かれてしまうという失敗があったので、今回はちゃんと驚いてもらえてよかった。近藤さんの存在も『猫町ラプソディ』には欠かせません。『猫町ラプソディ』収録のために書きはじめた近藤さんとの交流についてエッセイは未完のまま僕のコンピュータのなか。モイの病気がわかって中断していますが、モイが良くなったら書きあげて『猫町ラプソディ2』に載せましょう。

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近藤さんにタンバリンを託して「my favorite things」、そしてギターを手にしてから二人で「第2の人生」。そして2年ぶりにバンド編成での「ポチの子守唄」を演奏しました。染みた。ポチのことも、紫陽花の季節のことも、あの猫のこともこの猫のことも、そしてあの人のこともこの人のことも思い浮かんだ。音楽はタイムマシンだな。そして「日向の猫」では会場全体がコーラスの響き。猫との暮らしのなかで作られた歌がみんなの歌になるのはとても嬉しいこと。この日のハイライトだったと思います。

本編最後は「hanalee」。もうこれはソロの最初からずっと演奏している曲。上野くんの鍵盤ハーモニカ、安宅くんのマンドリン、僕のギターと歌、それらを支えるイトケンさんと五十嵐くんのリズム。魔法の竜ではなく魔法の猫が見下ろしていたかもしれない。アンコールの「太陽と満月」では手拍子が響き、「ハミングバード」で大団円を迎えました。隅から隅まで楽しい2時間半、集まってくれたお客さん、友人たち、録音担当してくれた鈴木くん、関係者みんな、そして風知空知のスタッフ陣の優しさに心から感謝を。素晴らしい音楽人たちに支えられているなあと思った4月でした。イトケンさん、安宅くん、五十嵐くん、上野くん、近藤さん、そして真里さんにえびちゃんに綾香、ありがとうございました。

打ち上げ、日付が変わったら安宅くんの誕生日。みんなで祝えてよかった。これからもみんなよろしくお願いします。


  
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2017年05月04日

キチレコソニック2017が終了しました

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4月27日から吉祥寺リベストギャラリー創で開催された「キチレコソニック2017」。今年僕は初参加させていただいたのですが、連日盛況のなか昨日でその幕を閉じました。毎日楽しかったな。イラストレーター、漫画家先生たちのバンドの演奏は、まさに「音を楽しむ」と書いて音楽なのを具現化したみたいな感じで、20年音楽家としてやってきた僕に、基本的な、忘れていた姿勢をいろいろ思い起こさせてくれました。展示初日に吉祥寺を抜け出して東京ドームでのポール・マッカートニーのライブを観たのも良いタイミングだったなあと思います。「そりゃ観たら良いに決まっている」と思ってこれまで足を運ばなかったレジェンドのステージは予想を遥かに越えるものだったからです。木を見て森を見ず。なんでもわかったふりをしていたら見落とすことがたくさんあります。

結局期間中は追加納品やら在廊やらでほぼ毎日顔を出したことになります。ご近所の、いつもその前を通る場所だったので、ギャラリーの方々とも仲良くしてもらえて嬉しかった。家にこもって2日かけて作ったカセットテープ『INOKASHIRA』、それを100本以上自分でダビングする作業もなんだか懐かしく(テープをダビングしつづけた春として記憶に残るでしょう)、「20年ぶりの初期衝動」とでも呼びたくなるような「音楽」を考える時間だったように思います。缶バッジも本も本当びっくりするくらいの人に手にとってもらって、嬉しい悲鳴をあげつづけた大型連休でした。『To-y』の上條淳士先生とお話ができたことも嬉しく、昔飼っていた猫に「カイエ」という名前を付けたことも思い出したりして(『To-y』の登場人物なのです。山田ニヤという女の子もいたなあ)それに関しては30年くらい時間が撒き戻りました。猫好きな方が多くて猫の話がたくさんできたのもよかったです。

遠くから近くから来ていただいたお客さん、期間中何回も遊びにきてくれた方たち、子供連れで来たママたち、僕のことを初めて知ってなんかよくわからないカセットテープを買ってくれた皆さん(再生機器を持っていない人も多いだろうに)、ライブに駆けつけてくれたたくさんの皆さん、どうもありがとうございました。最終日には峯村リエさんやイトケンさんも遊びにきてくれて嬉しかったです。今回キチレコに誘ってくれた伊藤健太、そして木原さん、仲良くしてくれたキチレコ先輩たちにも大きな感謝を。このキチレコの公開打ち上げ的なイベントが今月青山の月見ル君想フにて開催されます。僕も参加して何かやりますので、ぜひこちらもよろしくお願いします。


2017年5月21日(日)@ 青山 月見ル君想フ
“キチレコソニック2017大打ち上げ祭”

開場18:30 開演19:00/前売3,000円 / 当日3,500円(いずれも1drinkチャージ込み)
http://www.moonromantic.com/?p=34416





  
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2017年04月28日

「猫と暮らす人生は、かくも素晴らしい」(2017年4月23日 @ 下北沢 B&B)【ライブ後記】

先週末日曜日のこと、ここ最近本当に毎日賑やかであわただしくて、振り返ることに追われてしまいがち。時間に置いていかれないように。エッセイ集『猫町ラプソディ』の発売日に晴れて下北沢B&Bで出版記念イベント。ミルブックス藤原さんとは作り手側としてこだわった些細な部分について話せたらいいね、という感じでトークを。結構ぶっちゃけた話をしたような気がしました。

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続いてミニライブ、本屋さんで歌うのはとても心地良い。本に音が染み込んで、音の反射が少ない、すぐそばで鳴る歌。あえて「猫」の登場しない「何もない人」、猫ではなく一角獣が出てくる「一角獣と新しいホライズン」、魔法の竜の「hanalee」と動物括りでの選曲も自分のなかでは新鮮でした。歌っているとポチの姿見え隠れするから不思議。スピッツの「猫になりたい」のカバーもなんだかもう自分の歌みたいに思えてきたな。

この日のゲスト桑原奈津子さんを呼び込む。料理研究家であり人気書『パンといっぴき』シリーズの著者の桑原さんとはポチ実捕獲のタイミングでぐっと仲良くなった人。元野良のクロを慣らしていった話などとても参考になりお世話になった。ポチ実の捕獲前夜に2階建てのケージを貸してくれたのも桑原さん。猫が結び縁についての話をして、もうお一方、飛入りゲストとしてステージに下村しのぶさんをお呼びした。下村さんは写真家、『おばあちゃん猫との静かな日々』の著者。僕がこの本の感想をツイッターに書いたことがきっかけで知り合った。ポチの闘病中に僕を勇気づけ救ってくれた「腎不全の猫っていうのは痛いとか苦しいっていうのはない」という言葉をくれて「僕はパパじゃなくてお兄さんっていうことになってますから」という僕の空元気を笑って受け止めてくれた人。

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桑原さんの新刊『キップルとおやつパン パンで作るかんたんスイーツ』の写真撮影を下村さんが撮影したというのも何かに導かれためぐり逢い?僕の猫騒動クロニクルのなかでも重要なお二人をこの機会にお呼びできてすごく嬉しかった。桑原さんも下村さんもトークが苦手だというのを「猫が可愛いっていう話をすればいいだけですから!」と口説き落とした甲斐があったなあと思いました。

終演後はたくさんの本が旅立っていきました。自分でも大好きな本になったので評判が良くてとても嬉しいです。



  
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2017年04月15日

永井宏作品展 la musique sur l'elephant LIVE「音楽で表現すること」(2017年4月8日 @ 等々力 巣巣)【ライブ後記 その3】

カーネーション直枝さんとヒックスヴィル中森さんと僕の「EDO RIVER」セッションでロックした巣巣、いよいよスペシャルゲストの片桐はいりさんをステージへ呼び込みます。はいりさんが登場するとぐっと息を飲む客席、やっぱり空気がパッと変わる感じがしましたね。そもそもなぜ巣巣にはいりさんが?というストーリーと(ライブ後記その1に書きました)、永井さんとの思い出話を伺う。永井さんはかつてマガジンハウスの雑誌『BRUTUS』の編集者だったのだけど、劇団の広報も担当したはいりさんは演劇の記事を書いてもらうためマガジンハウスに出入りするようになり、そこで永井さんや中川五郎さんと知り合い、可愛がられ、バンド活動にも参加するようになったそうだ(中森さんはまさにそのBRUTUS時代の永井さんのもとでカメラマンとして仕事をしていた)。きっと永井さんもその交流のさなかに「イッツ・オールライトやで!」を目撃したのだろう。

永井さんと中川五郎さんとの対談で構成された『友人のような音楽』という本があり、そのなかで20th Century'sというバンドのことが語られている。はいりさんはこの本の存在をご存知なかったのだけど、そこには当時のバンド活動の様子が記されている。

ー片桐はいりさんとかもゲストで出てたとか。
永井 彼女は千景ちゃんと同じ劇団で、たいていライブの半ばくらいにゲストで出てきてもらって「ローハイド」とか(笑)「ハロー・アイ・ラヴ・ユー」とか歌ってた(笑)。
中川 当時から人気あったよね。「ローハイド」は彼女が自分でやりたがったんだ(笑)。
永井 「ハロー・アイ・ラヴ・ユー」はイントロをずっと続けて演奏していて、しばらくして、袖からぬっと出てくると、演奏がブレイクして、瞬間、「こんにちは、片桐はいりです」って挨拶して、フル・スピードで一気に歌い出すんです(笑)。
『友人のような音楽』中川五郎/永井宏 より引用

ということで、ステージ上では、はいりさんをメインボーカルにして4人で演奏することになった。まずその「ローハイド」から。アメリカドラマの主題歌だがブルースブラザーズが有名にした歌、はいりさんたちの打ち上げでの定番曲だったそうだ。自然に手拍子が鳴り出して、「ローハイド!」と締めくくる声で会場中が笑顔になった。続いてTHE DOORSの「ハロー・アイ・ラブ・ユー」、はいりさんは右手、左手と振り上げてジム・モリソンが降りてきたみたい。僕と直枝さんもコーラスを添え、中森さんのオブリガートも超クール。なんでぶっつけ本番でこんなふうにグルーヴしていくんだろうか。なんだかすごい時間と場所にいるなあとドキドキする。永井さんもきっと笑いながら眺めている。

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そして、ディランの「くよくよするなよ」の話。はいりさんの「イッツ・オールライトやで」をいたく気に入った永井さんはことあるごとにはいりさんに「あれ、歌わせてもらうから」と連絡をしてきたそう。永井さんの歌った「くよくよするなよ」ははいりさんの決め台詞となった最後の一節以外はすべて永井さんの言葉になった。この日は1番をはいりさん、2番が僕で、3番を直枝さんが担当。そして最後の4番ではいりさんに戻って、永井さんバージョンにはない5番が付け加えられたのだけど、その5番ははいりさんが考えてきたオリジナルの「くよくよするなよ」だった。

昨日桜の花を見ながら思った
死んだら終わりじゃないんだって
心臓が動いていてそこにいるってことだけが
一番じゃないんだって

たった今 僕がこの世界から消えて
消しゴムに生まれ変わったとしても
そう 君ならなんとかできる
だからくよくよしないで
イッツオールライトやで
(片桐はいり)

はいりさんが最後に「死んだ人はすごい」と、これだけかいつまむと語弊があるような言葉を述べられたのだけど、会場にいてこの日のライブを体験したみんなはきっと大きく頷いたのではないか、と思う。僕は永井さんに会うことが叶わなかった、間に合わなかったのだけど、もう永井さんのことをよく知っているような気分になっている。毎年毎年新しい出会いや新しい知識を永井さんを通して獲得しているのだから、「いなくなっても、いる」という確かな感覚がある。この日永井さんのことを知らずにライブを観にきた人が永井さんの本を一冊買って帰って読むことでまた新しい感情が芽生えて、それがだれかに伝わっていったり、全部のことが大きな流れになるのだな、としみじみと思った夜でした。

終演後の打ち上げもたくさんの人がそこかしこでいろんな話をしていて、巣巣っていう場所の磁場に改めて感心する。はいりさんもとても楽しそうに見えたし、みんなが一瞬一瞬を噛み締めている感じがした。永井さんの奥様、南里さんからもいろんな話が聞けた。永井さんは僕の大好きなR.E.M.を初期の頃から積極的に日本に紹介した方で、僕が大ファンであることを知っている南里さんは永井さんの遺品のなかから毎回ひとつずつR.E.M.に関するお宝を僕に授けてくれるのですが、この日は1986年のR.E.M.のアーティスト写真紙焼き、そして永井さん手書きのR.E.M.のライブ評生原稿を持ってきてくれた。R.E.M.のなかでも極めてドアーズ的な歌が詰まった『GREEN』時代のものだったのも数奇な符号の一致。南里さんと別れ際に握手しようと手を出したら「今日はハグしましょう」と言ってくれたのも嬉しかった。永井さんにまつわるものごとはとにかくいろいろロマンティックだ。

全部が終わって、岩崎さんは呆けたような顔をして、しかしとても幸せそうだった。また来年もこういうことができたらいいなあと思う。草とテン・シューズのみんな、直枝さん、中森さん、そしてはいりさん、南里さん、関係者の皆さん、友人たち、ご来場いただいたたくさんのお客さんに大きな感謝を。そしてなによりすべての点、点、点を力強い線で繋ぐような永井宏さんの“存在”に心からありがとうと言いたい。ずっとこの日のことを忘れないだろうと思います。

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永井宏作品展 la musique sur l'elephant LIVE「音楽で表現すること」(2017年4月8日 @ 等々力 巣巣)【ライブ後記 その2】

はいりさんを迎えるのに(直枝先輩も同様だが)緊張した僕は前の晩にヒックスヴィル中森さんと諸々確認作業、気づいたら日付も変わった真夜中だった。ニコニコ顔の中森さんがいてくれるからとても心強い。いよいよやってきた永井宏さん個展ライブ当日、わくわくしながら巣巣へ。カーネーション直枝さんも合流して巣巣に組んだステージで直前リハーサルを。そうこうしているうちにはいりさんがいらっしゃって、まず「くよくよするなよ」を稽古してみるが、もう最初の手合わせから素晴らしくて震える。キーを微調整したりして首尾よく完成。「あわよくば…」ということでリクエストしていた2曲も完璧。すごい夜になることはこの時点で決定していたのだ。写真はリハーサル時の和やかな様子。

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この日は満員御礼。巣巣にこんなに人が入れるのかというほどの盛況。はいりさんの出演はチケットが完売した後に発表されたのだけど、永井宏さんに縁のある方たちにもたくさん来ていただいた。永井さんの奥さま南里さんにも久しぶりにお会いできて嬉しい。スペシャルなステージに先陣切って登場したのは「草とテン・シューズ」だ。巣巣店主岩崎さん、鎌倉の雑貨屋molnの店主綾ちゃん(ふたりが店主だからテン・シューズ…)、永井さんの愛弟子イシカワアユミさん(草の研究家だ)、そして音楽面をまとめるfishing with john五十嵐くんからなる4人組は、もしかしたら「だれでも表現者になれる」という永井さんの意思をもっとも明確な形で受け継いでいるかもしれない。瑞々しい自作曲2曲と僕が書いた「冬の日の幻」「小さな巣をつくるように暮らすこと」を立派に演奏し、岩崎さんはイベントの趣旨をわかりやすくお客さんに向かって知らしめてくれました。

それを受けて僕と中森さんのデュオ。CCR「Down on the Corner」、ジミー・ウェッブ作の「ウィチタ・ラインマン」と永井さん好みな選曲を。「アイスクリームマン」は永井さんが日本語を付けたジョナサン・リッチマンの歌。そして草とテン・シューズのカバーを受けて「小さな巣をつくるように暮らすこと」本家版をイシカワアユミさんのピアノと一緒に合奏で。巣巣のために作った曲は巣巣で一番良く響くように感じます。カーネーション直枝さんを呼び込んでのセッションはAMERICA「名前のない馬」と「ヴェンチュラ・ハイウェイ」、男3声コーラスとギターアンサンブルに演奏しながらしびれっぱなしでした。

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直枝さんのステージも素晴らしかった。直枝さんも著書『マーキュリー・シティ』で永井さんのことを知ったそうだ。NRBQについての原稿を初めて書いたのは永井さんなのではないか、と心酔したそうで、ご本人に会って親交も深かったとのこと。トッド・ラングレン、ニール・ヤングとレアな選曲が続いたが、郷ひろみ「ハリウッド・スキャンダル」、さらには島倉千代子「愛のさざなみ」のカバーが圧巻だった。良いものを引き継いでいくという直枝さんの心意気にしびれた。再び僕と中森さんが直枝さんに加わりセッション。「多分、永井さんはストーンズ派だっただろうから気に食わないかもね」とにやりとしながらビートルズ「Two of US」を。直枝さんと中森さんのハーモニー、僕はジョージ・ハリスン役でギターでベースラインを弾いた。僕からのリクエストで「EDO RIVER」も3人でセッション。この歌が発売された1994年、僕は大学3年生、フィッシュマンズ『ORANGE』もその年にリリースされた。前年1993年には小沢健二『犬は吠えるがキャラバンは進む』、翌年の1995年にはヒックスヴィルが初めてのレコード『RIDER』を出した刺激的な時代。これらの日本語のポップス/ロックがなければ今の僕はいない。直枝さんと一緒に「東京から少しはなれたところにすみはじめて」と歌えて感慨深かった。いくつものハイライトがある夜。(続く)  
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永井宏作品展 la musique sur l'elephant LIVE「音楽で表現すること」(2017年4月8日 @ 等々力 巣巣)【ライブ後記 その1】

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先週末の巣巣、永井宏個展ライブでのこと。あれから1週間が経ってしまったけどまだじわじわと心が熱く、友だちに会えば「こないだすごかったんだよ」と詳細に報告しながらまた興奮を新たにしてしまうような、そんな一日でした。巣巣岩崎さんとイシカワアユミさん、ヒックスヴィル中森さんと始めた永井宏さんを回顧する音楽イベントは2014年以来今年で4回目となった。永井さんが日本語をつけて歌ったボブ・ディランのカバー「くよくよするなよ」を僕らは毎回演奏してきたのだけど、「くよくよしないで/イッツ・オールライトやで」と歌われるその歌を「永井さんは東京出身なのになぜ関西弁なんだろう」と答えの出ないまま、九州出身の僕と中森さんは「イッツ・オールライトばい」とか「オールライトたい」などと九州弁にさらに翻訳して歌ったりもしていた。

その関西弁の謎が少し解けたのはちょうど去年の春のこと。『マーキュリー・シティ』という永井さんの著書(絶版)のなかに「劇団『ブリキの自発団』の『柔らかい肌』のなかで女優の片桐はいりが、ボブ・ディランの『くよくよするなよ』に自分で勝手に詩をつけてPPM(ピーター・ポール&マリー)スタイルで歌っていた」という旨が書かれた一文を僕らが発見したことに端を発する。

だいじょうぶ、君なら何とか出来る。だから、くよくよしないで、イッツ・オールライトやで…と、キメの部分を大阪弁の語り口調でやるのだがとにかくここが良い。作・演出の生田萬のオーダーで俄仕立てのPPMをやることになったとのことだが、ギャグとか意表をついたとか以上に、彼女自身の存在や感情を、そしてその才能を軽いジャブのように伝える。そしてそのときに「イッツ・オールライトやで」と語りかける彼女に、女優としての彼女の在り方をものすごくロマンティックに感じてしまったのだ。(永井宏『マーキュリー・シティ』「思い出せるかぎりのフォークオリエンテッド」追記文より引用)

昨年のステージではこの事実の判明をMCで紹介したと思うのだけど、「いつか片桐はいりさんにもここに来て欲しいですよねえ」と言ってみんなで夢見がちに笑ったことを僕は憶えている。「イッツ・オールライトやで」についての詳細をご本人に確認するチャンスは実は去年の秋に訪れた。東京芸術劇場で舞台『あの大鴉、さえも』を観劇したときだ。片桐はいりさん、小林聡美さんと藤田桃子さんの三人芝居の終演後、僕は楽屋へ挨拶しにいく機会を得た。緊張みなぎるなか「実は僕は永井宏さんを歌い継いでいて…」などと言葉を組み立てながら向かった舞台裏、僕は小林さんに『ひなたのねこ』帯文の御礼を伝えるのが精一杯で数メートル先に見えるはいりさんには辿り着けなかった。はいりさんと小林さんが色違いのジャージ姿なのが印象的だった。

まだ寒い1月の終わり頃、巣巣岩崎さんと4回目の永井さんイベントについて打ち合わせをしていて、カーネーション直枝政広さんが永井さんとご縁があるそうなのでライブご一緒できないか、という話になり出演を打診、快諾をいただいた。「今年はなんだか今までで一番賑やかになりそうだ」と盛り上がるうちに「片桐はいりさんにも出てもらえたらすごいね!」ということになって、思いをこめた手紙をしたためたところ、快くお返事をいただけたのが3月。事前に巣巣で打ち合わせがあり、はいりさんに初めてお話を伺った。「私、この本持ってたのにどこにいっちゃったのかしら」と『マーキュリー・シティ』を懐かしそうに見入って、「イッツ・オールライトやで」のこともいろいろ明らかになっていった(舞台上での役柄が関西出身という設定だったから「〜やで」だったそうだ)。ギターを持っていった僕が「こんな感じで歌ってるんです」とやってみると、2番をはいりさんがおもむろに歌いだして本家の「イッツ・オールライトやで〜!」を目の前で目撃して僕も巣巣岩崎さんも言葉をなくすほど感動した。はいりさんの著書『グアテマラの弟』に書かれた弟さんが実は岩崎さんと同じ大学の先輩だったり、はいりさんが学生時代を過ごしたのが吉祥寺だったり、話は繋がって盛り上がって、はいりさんもどんどん当時のことを思い出して、永井さんについて僕らの知らないことがどんどん紐解かれていきました。

とにかくライブ当日は永井宏さんを回顧するトークとディラン「くよくよするなよ」を演奏したいことをお伝えして、その打ち合わせは終了。一ヶ月後の4月8日、永井さんの七回忌が行われる日に巣巣にみんなで集まることになったのでした。(続く)  
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2017年04月04日

はしもとみお個展「机の上の犬と猫」LIVE(2017年4月1日 @ 等々力 巣巣) 【ライブ後記】

去年から決まっていた巣巣での木彫家はしもとみおさん個展での近藤研二さんのライブ。僕はトーク、数曲の演奏で参加した。今年1月末の三重でのライブでみおさんのアトリエを訪問したときからずっとこの日のライブまでイベントは繋がっていた気がする。2月には我が町にみおさんがやってきて近藤家のモイとウニ、そしてうちのポチ実をスケッチしたが、それはもう至福の時間だった。いろいろなことを経てのイベント当日。その日は木彫りワークショップも行われていて、巣巣は楠の香りで満ちていました。満員御礼の会場、モイウニチミが見守るなか近藤研二さんのギター演奏がスタート。凛としていて心が整理されていくような音。新曲も歌声もよかったなあ。

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中盤、僕とみおさんがステージへ出て、近藤家とうちで行われたスケッチの映像を観ながらのトーク。力強い彫刻作品を見たあとにみおさん本人の姿に接するときっとみんな「こんなに小さくて可愛らしい人が!」と驚くと思うのだけど、みおさんの関西弁のおしゃべりもとても楽しくて心地よくて、僕らはこのチャーミングさに毎度魅せられる。映像のなかではモイのクールネス、ウニの太陽のような朗らかさ、うちのポチ実の怯えが克明に映し出されて笑いを誘っていました。

そのまま僕がステージに残って近藤さんとのセッション。まさに僕らが住むのは猫町、「猫町オーケストラ」では近藤さんのコーラスも気持ちいい。巣巣のために作った「小さな巣をつくるように暮らすこと」を初めて独奏以外で披露、どんどん良い曲になってきた。そして新年度の始まりということで「calendar song」を歌わせてもらいました。

アンコールでは「第2の人生」と「日向の猫」、最後に近藤さんの「toi toi toi」をモイ応援団が作った新しい歌詞で歌わせてもらった。1月にモイの病気がわかったときはどんな春を迎えることになるのか想像もつかなかったけど、1月があって2月を駆け抜けて3月を頑張って、そしてこの4月があるのだ。楽しい夏が来るのを期待している。秋に赤く染まって冬に真っ白な雪が降ることも。素晴らしい夜でした。みおさん、本田さん、近藤さん、いろいろな点と点を繋げてくれる巣巣、そしてたくさん集まってくださったお客さんと、猫たちに感謝を。

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2017年03月28日

ぱんださんの小径 個展「灯台守のうた」LIVE(2017年3月26日 @ 谷中 コーツトカフェ)【ライブ後記】



猫ラボ個展の翌日、イラストレーターぱんださんの小径個展「灯台守のうた」でのライブ。ものつくりの作家さんとのコラボレーションが続きました。会場は谷中、その昔写真家の斎門富士男さんに「ポチをもらってくれないか」と告げられた思い出の街。そこかしこに猫がたくさんいて、猫の町として知られています。パンダは「熊猫」って書くしな、昨日の猫と動物繋がり。コーツトカフェも雰囲気の良いお店でした。朝からそぼ降る雨、気の早い桜が眺められるかと思っていたのだけど、寒い春の日曜日になりました。

開場から開演までひるねこBOOKSさんに寄せてもらった。ここは猫本がたくさん置いてあって魅力的なものばかり。結局一度も椅子に座らず大判の猫写真集を購入してしまいました。この日もたくさんのお客さん。最初にぱんださんの小径とトーク。ご来場の皆さんも「パンダ」について妙に詳しくなったのではないでしょうか。リクエストを受けた「blue moon skyline」でライブスタート。「猫町オーケストラ」は飾られた“猫町交響楽団”の絵とリンクした。「星降る街」もぱんださんリクエスト、孤独な夜に星をたぐり寄せるような、これはなんと寂しい歌だろうか。

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桜並木が登場する「day after day」を歌ったのは、前述したように春の芽吹きを予想していたから。桜といえば井の頭公園、ということで「吉祥寺ラプソディ」。「notebook song」「小さな巣をつくるように暮らすこと」と新曲も肌に馴染んできた。「光の葡萄」「my favorite things」「calendar song」と続きライブはクライマックスへ。アンコールでは「glenville」、これは日曜日の歌だ。最後の最後に来るべき春に手招きするように「tsubomi」を。リリースから20年経った歌が今でも有効に響いたら嬉しい。

初めて僕のライブを観てくれた方もたくさんいたようで、こういう機会に生まれる新しい出会いって素晴らしいなあと感じるし、またいつか僕のライブに足を運んでもらえたら嬉しい。終演後コーツトカフェでいただいたご飯もとても美味しかった。魅力的なメニューが多かったのでまた再訪したい店リストにメモ。冷たい雨は結局降り止まず、しかしなんだかほっこりと温かい気分になる夜でした。ご来場いただいた皆さま、ぱんださんの小径、お手伝いいただいた皆さん、コーツトカフェに大きな感謝を。  
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猫ラボ個展「紫陽花の庭」LIVE(2017年3月25日 @ 南青山 ビリケンギャラリー)【ライブ後記】



先週末、猫ラボ個展「猫のいるところ」に際して行われたLIVE「紫陽花の庭」のことを。猫ラボさんのフェルト猫の繊細さ、精巧さはもう知っているつもりだったんだけど、やっぱり初めて見る作品たちを前にすると、今にもいきいきと動き出しそうで感動する。うちのポチ実、先代猫ポチ、近藤家のモイとウニ、そして通い猫チミママ、さらにはお隣のノアちゃんやご近所猫ミルちゃんなど、我が家から数百メールと範囲に住む猫が勢揃いして猫町のジオラマのようだ。

会場のビリケンギャラリーは老舗、たくさんのポップカルチャーの舞台になった空間。ビリケン代表の三原さんご夫妻との話題も多岐に渡って尽きることがなかった。歴史を重ねてビンテージになったおもちゃや雑貨が所狭しと並んでいて目にも楽しかった。この日のライブは満員御礼でぎゅうぎゅうでしたが、猫たちが見つめるなか、なんだかとても静かに開演しました。来場者には特典として「紫陽花の庭」ポストカードが配られ、最初は猫ラボさんとのトーク、出会いやこれまでの交流についての話。ポチが繋いだ縁だということができるでしょうね。

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猫が登場する歌をメインにしたライブ、しかしいつもとそんなに変わらない。「猫のいる暮らし」は久しぶりに歌いましたが、“たとえ今日が晴れた土曜日で/これと言ってなんの予定もないとしても” 早く家に帰って猫に会いたいという猫至上主義の歌。「午後の窓から」は猫ラボさんからのリクエスト。スピッツの「猫になりたい」は歌い始めると誰かがいつも「ヒャッ」という顔をする人気曲。目の前にモイとウニの姿を眺めながら近藤研二曲「眠れねこねこ」、そして「ポチの子守唄」と続けると涙を拭く人の姿が見えてあやうくもらい泣きするところでした。

続く「日向の猫」「小さな巣をつくるように暮らすこと」「光の葡萄」「my favorite things」とまあよくもこれだけ猫が出てくるものだなあと自分でも感心する。本編の最後は唯一猫の出てこない「calendar song」。そしてアンコールでの「月あかりのナイトスイミング」も猫ラボさんリクエスト(猫ではなくウサギが出てくる曲)。そして我が猫町の地図をフェルト猫で作り上げてくれたことに感謝を表して「猫町オーケストラ」で大団円。とても楽しい時間でした。

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また今週末も猫ラボ個展会場にて追加公演が行われます。追加公演が終わった後で改めて総括を。





2017年2017年4月2日(日)@ 南青山 ビリケンギャラリー
猫ラボ個展「紫陽花の庭」LIVE<追加公演>

19時開場 19時半開演/前売3000円
出演:山田稔明

南青山 ビリケンギャラリー
〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
お問い合わせ ビリケン商会:03-3400-2214  
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2017年03月17日

にゃなか presents “今夜は猫に感謝祭”(2017年3月17日 @ 渋谷 東京カルチャーカルチャー)【ライブ後記】

一昨日は長い一日で、とても濃密でくらくらするほどだった。お昼からガチガチに緊張しながら等々力 巣巣まで出かけて打ち合わせ。4月のイベントに出演していただく片桐はいりさんに店主岩崎さんとともにお話を伺う。はいりさんを見送った後ふたりして放心してしまうほど素敵で優しい方だった。そこから渋谷へ移動してGOMES THE HITMANが最初にお世話になったレコード会社時代のスタッフとの興味深いミーティング。そして気付くとカルチャーカルチャーへの入り時間になっていた。

女優の川上麻衣子さんが放送作家東野ひろあきさんらと中心となって立ち上げた猫好きが集うウェブサイト「にゃなか」の初イベント、仲間にいれていただいてとても嬉しかったが、川上さん以外初めてお会いする方ばかりで少し緊張。しかしスタッフのみなさんがとても優しくてストレスのない空間で、「猫を愛でるイベントなのだから当然か」と安堵。広い会場に続々とお客さんが入り、登壇者の方々も勢揃いで楽しいイベントの始まり。

ラサール石井さんは4匹の猫と暮らされていて、猫のことを語りだすと空気が弛緩していく。以前からSNSでやりとりをしていた峯村リエさんにこの日初めてお会いできた。峯村さんも「猫初心者です」と言いつつも大蔵卿局としての怪演とは真逆の、愛猫<日差>の写真に目を細める様が微笑ましい。動物虐待防止管理士の藤村晃子さんのお話、そして“缶詰博士”黒川勇人さんが登場して猫缶試食会というのが盛り上がった。いなばの国産猫缶は人間用のツナ缶と材料や工場が一緒で味付けだけが違うそうで、猫缶を恐る恐る口にすると、塩気がなくさっぱりしていて、美味しいとすら感じる。お客さんもみんなテーブルに配られた猫缶を口にしていた。こんなイベントはなかなかお目にかかれないだろうな。客観的に見たらやっぱりどうかしている。

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切り絵アーティストの高木亮さんは先月の千代田猫まつりですれ違いだったそうで、僕と近藤さんがライブをしたのが初日、高木さんは2日目にワークショップをされたそう。繊細な切り絵に歓声があがる。手の込んだ作品を作っている間に僕がステージに呼ばれ、川上さんとの出会いなどについて少しのトーク、そして「猫町オーケストラ」を歌わせていただいた。「にゃなか」という架空の街は言いかえれば「猫町」である。手拍子もいただいて嬉しかったです。

動物行動学の加藤由子先生の「看取り」についてのお話もとても興味深いものだった。僕も加藤先生の『ネコを長生きさせる50の秘訣』という本をポチが元気だった頃からずっと手の届くところに置いている。とにかくあっという間、ふわふわした柔らかい話題から避けて通れないシリアスな話まで、予想していた以上の充実した集まりに参加できてとても光栄でした。

川上麻衣子さんとの数年前の「あなた、相当猫にやられてるのね。私もよ!」の出会いがなかったらここに自分はいなかったのかな、と思うと感慨深い。猫の導きでずいぶんいろんなところへ辿り着くなあと思う。この日のイベントのタイトルは「今夜は♡猫♡に感謝祭」、まさにさもありなんと感じました。たくさんのご来場ありがとうございました。帰り道、久しぶりにタワーレコードでパイドパイパーハウスを覗く。気付けば23時をまわっていた。長い長い一日でした。


  
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2017年03月14日

NAOT TOKYO三周年記念LIVE〈高野寛×山田稔明×高橋久美子〉(2017年3月12日 @ 蔵前 NAOT)【ライブ後記】

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先週末のこと。昨年末からずっと楽しみにしていた蔵前NAOT TOKYOでのアニバーサリーライブ。もう今年で4回目、早春の恒例行事になってきた。この日の東京はよく晴れて、NAOTの窓から眺める隅田川もスカイツリーもすっきりと青空に映えていました。高橋久美子ちゃんとは彼女の「新春みかんの会」以来、高野寛さんとは昨年の広島世羅、そして先日の吉祥寺キチムでのトークイベント以来なので「やあやあ」という感じで穏やかにいつものように会場準備。このイベントにはいつも「あんまり事前練習をしないでおこう」という暗黙の了解がある。<happenstance=ハプンスタンス>という言葉があるが、僕がいつもNAOT TOKYOのライブで思い浮かべるのはその単語、<偶発事態>という意味だ。

そのような理由で、サウンドチェックが終わったらのんびりと隅田川を眺めながら、おにぎりを食べながら様々な会話。「今日は高野さんと小沢健二新作について話したくて」という僕に高野さんも「いいね」と前のめり、僕も高野さんも久美子ちゃんもそこにいたスタッフもみんなCDを買っている。そんなことってなかなかない。3.11についての話もしみじみと。3月は知らぬ間に、僕にとって蔵前NAOTライブと東日本大震災再考の季節になっている。和やかな歓談のなかあっという間に開場時間。今年も満員御礼。まず高橋久美子ちゃんの朗読のステージから。パーカッションやグロッケン、iPadからのSEが彼女の言葉の世界を広げる。人懐っこい語り口も天性のものだなと思う。風邪で喉を痛めて開演前はほとんどしゃべれなかったのに本番にはちゃんと声が出ていて、流石と感心。

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彼女がパーソナリティを務めるNHKラジオ第一の「ごごラジ!」でリスナーからの言葉を集めてまとめたという「春」という詩をふたりで一緒に演奏。「ラップみたいにしたいんです」という提案からリズムループとギターを添えたが、とても面白いセッションになったと思う。実はリハーサルでは高野さんが即興のギターで切り込んできて魔法みたいなシーンがあったのだけど、もったいぶって来年まで持ち越すことに。高野さんとの「夏」をテーマにした朗読セッションも通りすがりの犬が絶妙なタイミングで吠えた。まさに<happenstance=ハプンスタンス>である。

僕は「my favorite things」から演奏開始。もともとこの歌は徳島の14g開店に際して作った歌。好きな人との繋がりは音楽に昇華する。前日が3月11日だったのでいろんなことを考えながら、震災がきっかけで知り合ったファン“気仙沼くん”とのメールのやりとりを読み返した。市役所の復興課で働く彼のアドレスは「newatlas@…」と始まる。まちづくりのプロローグである「僕たちのニューアトラス」を歌うのに相応しい季節だと思った。「GOLDEN 8」(2004年『明日は今日と同じ未来』のカップリング曲)も春の歌だ。去る者と送る者との対比を書いた歌だけど、昔と違う印象を僕が抱いたのは前日に読み始めたばかりの『魂でもいいからそばにいて』の影響だったか。「notebook song」はNAOTとも縁の深い中目黒トラベラーズファクトリーのために書いた歌。そして「小さな巣をつくるように暮らすこと」も店主宮川夫妻と仲のいい等々力の家具と雑貨のお店 巣巣のための歌。いろんなお店からいい刺激を受けている。

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僕のステージラストは高野さんを呼び込んで「太陽と満月」をセッション。奈良NAOTの姉妹店 風の栖で初めて披露した曲、蔵前NAOTオープニングライブで初めて高野さんにギターを弾いていただいて、その後のレコーディングに至った象徴的な歌。高野さんと初めてNAOTでやったのが2014年、そのライブの直後に高野さんはブラジルにアルバム制作に行ったのでした。あっという間のようで、遠い昔のようにも感じる。時間の流れがよくわからなくなる。

高野さんのステージも素晴らしいものでした。絶妙の歌を披露してくれた犬の話から「Dog Year, Good Year」。「Portrait」という新曲も新鮮だった。『MEMORANDUM』という会場限定のアーカイブス集から歌われた「停留所まで」も好きな曲だったので嬉しかった。思えば1年前に過去のアーカイブスを音源にすることについて高野さんと話して覚悟ができて本気で取り組んだのが『pale/みずいろの時代』だったのだ。最後、PAを通さない生音で演奏された「確かな光」に心が震える。大好きな歌。恐れ多くも自分の「光の葡萄」は光の色味において通奏低音を共有していると感じている。6年目の3.11を過ぎても、真摯に響く言葉を紡ぎたいと思いました。

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最後は3人のセッション。久美子ちゃんがNAOTのカタログのために書き下ろした詩に、僕が曲をつけた「わたしのドライバー」。これまで奈良NAOTで2度演奏しましたが、東京で初めてお披露目。お客さんも大きな声でコーラスを手伝ってくれて嬉しかった。久美子ちゃんのチャーミングな言葉を見ると、やはり自分の詩作とは違う個性があって面白い。絶対にひとりでは作れない歌、今回は高野さんにアルペジオを重ねてもらってどんどん曲が大きくなっていく感じがしました。「ララララ」が「奈良奈良」に変化していった「わたしのドライバー」、それを受けてなんと高野さんの名曲「夢の中で会えるでしょう」も「ナララララ」バージョンに(そう言えばこの曲リハーサルなしだった)。会場全体がニコニコと陽性のヴァイブレーションに満ちていました。

打ち上げではまた小沢健二「流動体について」について熱い議論の続き。1993年に『犬は吠えるがキャラバンは進む』に出会って、所謂“小沢文法”から学んで日本語詞の歌を書きはじめた僕は新曲のコード進行を聴き取って弾き語ってみたうえでの雑感と検証、高野さんはTwitterにも書かれていた「童顔でパブリックイメージがさわやかな歌手がどうやって40代から50代へシフトするか」という見地に立っての意見の続きを。久美子ちゃんはリアルタイムのリスナーではない立場からの感想など、みんなそれぞれ語るべき想いを持っているのが興味深かった。NAOT宮川さんの「シンゴジラならぬシンオザケン」論にみんな唸ったりしながら。気づいたら真夜中近く。一日中ずっと楽しい日でした。また来年。



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2017年03月02日

“コーヒーと音楽とカレーな京都”(2017年2月26日 @ 京都 恵文社一乗寺店 COTTAGE)【ライブ後記】

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名古屋の朝は快晴。天気に恵まれる旅だ。高速道路を一路京都へ向かう。この日は高橋徹也ドライバーが運転を担当。なかなか稀有なシチュエーションで新鮮、面白い。京都について加茂川沿いの土手に寄り道、休憩。僕が一番京都っぽいと感じる場所。恵文社一乗寺店COTTAGEでのイベントはアアルトコーヒー庄野さんが企画してくれた。下北沢でやった「コーヒーと音楽」は庄野さんにとっても手応えがあったのか、「京都で同じことやりましょう」ということになったのだ。鳥取から夜長茶廊さん(タカテツさんと旧知の仲)がカレーをサーブしにきてくれることになったのも嬉しい。僕らがお昼過ぎに恵文社に着いたときにはもうこの日限りのカレーとコーヒーのカフェが大繁盛していた。



恵文社はいつ来ても楽しいし財布の紐がゆるくなるお店。僕もタカテツさんもやたらと本を買った。僕が買ったのは大島弓子『キャットニップ2』、1965年の古い写真集『From Kittens to Cats』(素晴らしい本だった)、僕と誕生日が同じジム・モリソンの詩集『Wilderness: The Lost Writings of Jim Morrison』。タカテツさんは野坂昭如の渋い本なんかを手にしていた。夜長茶廊さんのカレーもとても美味しかった。アアルトコーヒーのコーヒーも言わずもがな。PAのセッティングからリハーサルが30分ちょっとしかなかったのがしびれたけど、なんとか準備完了。長い一日がクライマックスへ向かって進む。当日券に並んでくださったお客さんも加えて会場はぱんぱんの満員御礼。

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僕は前日のセットに少し変更を加え、「どこへ向かうか」を「猫町オーケストラ」、「小さな巣をつくるように暮らすこと」を「ブックエンドのテーマ」(庄野さんからリクエストを受けて)に。タカテツさんもいくつかの微調整を施して。そしてお互い1曲ずつ、The Smithsのカバーを持ち寄ったので3時間近いライブになった。名古屋がフレッシュな感覚で時間軸にそって様子を伺いながらピークへ向かっていったのに対して、京都は最初からリラックスして冒険し、ハイライトがいくつもあるようなステージだった。どちらにもそれぞれの良さがあったと思う。

この日のライブを終えて思ったのは、またやりたいな、次はどんな街でこのシリーズを開催するのがいいかな、というポジティブなものでした。客観的に見てもとても野心的で特別なセッションになった。庄野さんも夜長茶廊さんもみんな一様にこのイベントが実現して嬉しそうな顔をしていた。僕はとにかく昼からずっと楽しかったな。お客さんにも同様に楽しんでもらえていたなら嬉しいなと思う。打ち上げではタカテツさんが珍しくお酒を飲んでいて(僕は1月からお酒断ちをしているのでソーダ水)、ここでも隠れ家的なお店の美味しいご飯にありついて、音楽の話ばっかりの数時間。夜長茶廊を訪ねていつか鳥取にも行きたい。長い長い、最高の一日でした。

アアルトコーヒー庄野さん、夜長茶廊の石亀夫妻、恵文社一乗寺店のいつも親切なスタッフの皆さん、スタッフのみんな、友人であり尊敬するタカテツさん、そして遠くから近くから駆けつけてくれたお客さん皆さんに感謝を。

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