2022年09月25日

「ニャンとなるSONG」のこと

猫町フェス2022の東京でのステージで演奏した「ニャンとなるSONG」がとても好評で、「歌詞が読みたい」「どこかで聴けるところがないか」と少なくないメッセージやリクエストがあってとても嬉しいです。「ニャンとなるSONG」は今年の2月に書いた歌です。コロナ禍のため開催スケジュールが変更になり「ちよだ猫まつり」に出演できなくなった僕は代替案としてちよだニャンとなる会が手掛けた保護猫カフェで無観客ライブをしてそれを配信する、というのをやったのですが、そのときにスタッフの皆さんへのサプライズとして新曲を書き下ろして、それがこの歌だったのです。一日かけて突貫工事したデモ音源もちよだニャンとなる会にプレゼントして、それは神保町にある「オープンシェルター by ちよだニャンとなる会」(9月に名称が変更になりました)でBGMとして流れたりしています。このシェルターには町田尚子さんの大きな絵が飾られていて、無観客ライブはその大きな絵の前で歌いました。2月当時というのは町田さんが愛猫白木さんを亡くしたタイミングだったので、町田さんと白木さんへのメッセージも包括した歌になっていますし、何より僕自身が猫と暮らす日々のなかで出会いと別れを経験しているので、嬉しいことも悲しいことも全部詰め込んだ優しい歌にしたいなと思って書きました。興味のある方はぜひオープンシェルター by ちよだニャンとなる会へ足をお運びください。

猫町フェスで演奏する曲目を考えていたときに、この歌をみんなで演奏することほど相応しいことはないなと思いました。キーを元の歌から全音上げにして(僕より高いところを歌えるむぎちゃんがいたから歌ってもらおうと思いました)、ギターのアルペジオイントロからみおさんのバイオリンが導いてイトケンズがリズムイン、僕もむぎちゃんもイノトモちゃんもみんな口を大きく開けて歌い、かっこいいギターソロを近藤さんが弾いて、お客さんが泣いたり笑ったりしている。2月にはなんとなく「つながるころがる」という仮タイトルで呼んでいたこの歌が、猫町フェスバンドで演奏したら「ニャンとなるSONG」というちょっと間抜けなとぼけた可愛いタイトルに確定、完成した!と思いました。遠くない将来にみんなで録音したいですね。以下に歌詞を掲載します。初めてこの曲を歌ったちよだニャンとなるカフェ(現在のオープンシェルター by ちよだニャンとなる会)で行ったライブは今でもYoutubeでご覧いただけますのでぜひお楽しみください。




ニャンとなるSONG

君と初めて 出会った日のことを
ぼんやりと僕は また思い出してる
ほこりまみれで痩せて頼りないくせに
まんまるな目で僕を睨みつけてた

名前をつけて 呼べば君は応えて
新しい暮らし ふたりは仲良し

毎日おもしろい 思いがけない
昨日も今日も たぶん明日もあさっても
泣いたり笑ったり めくるめく日々
魔法みたいに 全部つながって転がってくのさ


付箋をつけて 思い出たばねて
記念日だらけの 僕らのダイアリー

毎日が愛おしい かけがえがない
一日中 「おはよう」から「おやすみ」まで
晴れたり曇ったり めくるめく日々
こんなふうに 僕ら絡まって繰り返すのさ

途方に暮れる日だってあるさ
眠れない夜だってあるさ
なんとなく「ニャン」と鳴く
なんとかなるから きっと大丈夫

毎日おもしろい まるで足りない
季節はいつも 早送りで過ぎてゆく
ねえあとどれくらい? 愛すべき日々
魔法みたいに全部つながって 転がってくのさ
全部つながって 転がってくのさ


作詞/作曲 山田稔明  

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2021年09月27日

猫町フェス2021閉幕

20日の本番から配信アーカイブ期間の26日(日)が終了し、怒涛の猫町フェス2021が幕を閉じた。「閉幕」という言葉が似合うなあと思う。実質2週間くらいこのライブのことばかり考えていたからかなりの脱力感がある。最後の夜はむぎちゃんのツイキャスを介してお客さんもメンバーもみんなであの時間を反芻。こういうのもコロナ禍以降のアイデアなのだと思うと、人間は案外どういう状況になっても面白いことや娯楽を作り出せるのかもしれない。結構強いし、負けない。

吉祥寺スターパインズカフェから届いた興行成績も予想を超えるものだった。また来年も続けられるんじゃないかなと思う。次はミュージカルかもしれない。今から準備しておこうと思う。

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2021年06月20日

Qui La La の夏物語

2014年6月19日に公開された「Qui La La の夏物語」。雨ふり水無月、桜桃忌も過ぎて。
イラストレーター中村佑介くんの絵に僕が詩を書いて、さらにそれをメロディに乗せたもの。
きらきらのサマーソングですね。ぜひこの時期に聴いてください。




Qui La La の夏物語 (作詞作曲/山田稔明)


雨ふり 水無月 桜桃忌も過ぎて
赤いチェリーは そっとソーダの泡に沈んでく

嗚呼、太宰ならこう言うさ
“ぼくらは恋と革命のために生まれてきた”と

ほら また 夏のはじまり
新しい読み切りのストーリー


猫の目 空模様 土曜日の放課後に
赤いマニキュア 人差し指かざして風を待つ

ねえ、あなたならどう言うの?
今宵は織姫と彦星の逢瀬 流れ星 きらら

今 ほら 恋のはじまり
めくるめく夏物語


ねえ、海まで連れてって
僕らはビニールプールのなかで夢を見る魚

ほら また 夏のはじまり
新しい読み切りのストーリー
今 ほら 恋のはじまり
めくるめく 夏物語  
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2021年06月16日

『mono』想いにふける

毎週恒例の「水曜日のインスタライブ」、山田稔明全詩集を頭から全部歌っていく企画は2002年GOMES THE HITMAN『mono』の佳境、そのハイライトともいえる3曲「笑う人」「忘れな草」「百年の孤独」を歌った。夜の11時に歌うにはなかなかカロリーの高い選曲だけど、時系列でやっていくことになってるから避けられないのだ。『mono』というアルバムは思い詰めた感じがする、とずっと思っていたけれど2005年の『ripple』も相当思い詰めてるし、結局『cobblestone』以降ずっと僕は思い詰めているのかもしれない。思い詰めてるけど楽しいこともあるし、嬉しいこともあるし、幸せを感じたり胸が痛くなったりする。それが人生なのだ。

次回で『mono』を完走/完奏、7月からは『omni』で、なんだかんだとても楽しみ。最新回アーカイブをインスタグラムのIGTVに公開しました。ぜひご覧ください。

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2021年04月28日

水曜日の雨の日には

いつも仕事部屋に組んである配信のシステムを先週末全部富山に運んだのを、また改めて組み直して定例「水曜日のインスタライブ」。急に部屋が広くてキレイになったな、と思っていたのも束の間、また元通りの混雑したスペースに戻りました。山田稔明全詩集を頭から順番に歌っていくインスタライブ企画は『cobblestone』のハイライト。「太陽オーケストラ」「シネマ」「keep on rockin'」とスケール大きめの重要曲3つを歌う夜。掃除をしていたら出てきた当時の写真、CDブックレットに使用された映画館に僕がひとりポツンと座っている写真は三軒茶屋シネマで観客入れ替え時にゲリラ撮影したものだった。2014年に閉館し60年の歴史に幕をおろした、今はもうない場所。

次回で『cobblestone』完奏し「maybe someday ep」に突入する。最新回をインスタグラムIGTVに公開しましたのでGWのおうち時間でお楽しみください。

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2021年03月19日

サン・ラーとラナ・デル・レイ

映画『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』を観にいった。アメリカの音楽家、詩人、思想家であるサン・ラーの映像作品だというくらいの認識だけを携えて、なんだかすごそうな感じ…と思ってスクリーンと対峙したわけだけど、おれ今これ何を見せられているのかと終始くらくらするようなギラギラと奇天烈な刺激的な映画だった。近年のBLACK LIVES MATTERと絡めて語ることも無理やりならできるかもしれないけれど、とにかく鮮烈でユニーク、時空の歪んだ宇宙的物語だった。「アフロ・フューチャリズム」と呼ばれる思想がある。音楽家に限らず黒人アーティストたちによるこの思想は、アフリカという精神的故郷を失った黒人が「宇宙人に連れ去られた」「本来はわれわれは宇宙出身だ」と自らの暮らしや文化のルーツを宇宙に求めることで、ピラミッドやファラオといった、エジプト文明もそのモチーフとなる。P-FUNK一派やアース・ウィンド&ファイヤーのビジュアルに伺えるが、今も連綿と続くアフロ・フューチャリズムの系譜に興味が湧いた。

この日街へ出たのはラナ・デル・レイの新しいアルバムを発売日に購入するためだった。一昨年サンフランシスコに行ったときにレコード屋に並んでいた前作『Norman Fucking Rockewell!』で完全に虜になってしまった僕にとって1年半ぶりの待望の新作。間違いなく今年の個人的最重要作である。映画を見終わったあとついにアナログ盤を手に入れて早足で家まで帰り、ターンテーブルにレコードを乗せて針を落とす。歌詞を目で追うとなんとオープニングトラックに「Like Sun Ra/I feel small/But I had it under control every time」というフレーズがあり「なんだこれは」とそのシンクロニシティにびっくりする。Lana Del Rey『Chemtrails Over The Country Club』、ものすごく重厚で美しいレコード。ずっと聴いている。

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2021年03月18日

水曜日のインスタライブ#11

水曜日恒例、全詩集『HOW SHOULD I SAY TO BE YOUR FAVORITE POET?』を頭から順にすべて歌っていく企画の11回目。ちょっとずつやり方がアップデートされてて、今回のアーカイブは音のミックスをこれまでとは違うDAW(音楽制作ソフト)でたどたどしくやったので、個人的には新鮮なところがありました。いい年になって新しいことを憶えるのはなかなか大変で、それでも理解したり攻略したりすると超うれしい。

「猫といた暮らし」はリズムマシンと、「お別れの手紙」はギタレレで。「train song」を歌うと旅に出たくなります。いよいよ次回で『weekend』も完奏。せっかくなので「雨の夜と月の光」はミラーボール回しながらもう一回歌いましょうね。インスタグラムのIGTVからアーカイブをご覧いただけます。

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2021年03月12日

もう二度と帰らない瞬間

1999年のメジャーデビューアルバム『weekend』はバンドの本格的キャリアの始まり。「聴いていたあの頃が蘇ります」とか「いつまでも色褪せない」とかよく言われます。それは自分にとってもそうで、20数年前必死に頑張ってレコーディングしたこととか、頭の中にある理想像を具現化できないままいびつな形でできあがっていくがむしゃらな歌たちを、それでも嬉しくてCDになるまでに何度も聴いたこととか、あの頃お世話になった人とか今も一緒にいる仲間とか、もう会えなくなった人なんかを一気に思い出す、記憶回想装置みたいなところがある。それはもう二度と帰らない瞬間だけれども、目を凝らして思い出に焼き付けてあるから懐かしい。

今週の「水曜日のインスタライブ」はついに『weekend』に突入。冒頭3曲、「光と水の関係」「長期休暇の夜」「何もない人」と歌ってみて、嗚呼なんとGOMES THE HITMAN的な、と思った。「長期休暇の夜」はあとで気づいたけれど全音下げで演奏してしまってて、次バンドでオリジナルキーでもっと息を切らして歌いたいなと思いました。インスタグラムのIGTVでアーカイブをご覧いただけます。

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2021年03月05日

ネオン、ストロボ、そしてフラッシュライト

木曜日にやった「水曜日のインスタライブ」。全詩集から全曲歌う企画の8週目。『neon, strobe and flashlight』を歌い終えて、さらに『rain song ep』の3曲も駆け抜けた。自分のキャリアにとって大きな意味をを持つ4曲だったような気がして、なかなか充実した走馬灯のような40分弱だった。いよいよ次回から『weekend』に突入である。

『neon, strobe and flashlight』の締めくくりにブックレットに掲載されている詩を朗読しようとしたら文字が小さすぎて(実際は暗かったからだな)うまくよめなかったのが残念だったので以下に書き記したいと思います。水曜日のインスタライブは山田稔明のインスタライブ IGTVでアーカイブをご覧いただけます。

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ネオン、ストロボ、そしてフラッシュライト

いつも気付くと夕方で
僕の街のネオンサインは
どこか正常ではない昂揚の媚薬を
僕らの世代にふりまいたりする。

カメラのストロボは
二度と再生する事ができない瞬間たちに
フラッシュライトをふりまいたりする。

それから僕らは窓の外にネオンを見ながら
パズルピースのようなもので
隙間だらけの記憶を埋めていったりする。


GOMES THE HITMAN 山田稔明  
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2021年02月25日

お気に入りの詩人

定例「水曜日のインスタライブ」のアーカイブを公開した。物販の宣伝や冗長な部分をカットした編集版になっていて、インスタグラムのIGTVからご覧いただけます。メジャーデビューミニアルバム『neon, strobe and flashlight』から「ストロボ」、基山でのコンサートに続いてまた「夕暮れ田舎町」、そして「アップダイク追記」と3曲を演奏。アルバムタイトルについて、そのネタ元がサイモン&ガーファンクルの「Sounds of Silence」だという話を冒頭にしているけれど、自分にとっての「FAVORITE POET」は間違いなくポール・サイモンである。今も昔も自分にとってソングライティングとは詩作のこと。初期の楽曲を歌いなおすと改めて自分が目指した目標を再確認することになる。まだまだ辿り着けないけれども。

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山田稔明|インスタグラム  
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2021年02月18日

インディー時代を完奏|水曜日のインスタライブ

今年に入って山田稔明全詩集「HOW SHOULD I SAY TO BE YOUR FAVORITE POET?」を頭からずっと演奏するという企画になった毎週水曜日23時からの「水曜日のインスタライブ」。今週は京王百貨店催事の設営のあと、バタバタしながら仕事部屋に戻ったのでなんだか落ち着かなかったのですが、もともとインディー時代の作品は落ち着きのないCDたちなのでちょうどよかったかな。「溶けて死ぬのさ」「coffee」「恋はワイルドシング」「universal student」と4曲演奏して『down the river to the sea』全曲をさらいました。「universal student」という意味深なタイトルのネタばらしは初めてだったんじゃないかな。

インスタグラムのIGTVにこれまで全6回分すべてアーカイブしてあります。ぜひ歌詞を眺めながらご覧ください。

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2020年12月21日

ダブル・ファンタジー展

なんとか12月のうちに、と思っていたジョンとヨーコの「ダブル・ファンタジー」展に行ってきた。自分の誕生日がジョンの命日である僕にとって(1980年12月8日に僕は7歳になった)ずっとビートルズよりもジョン・レノンのほうが大きな存在だったからビートルズの代表作を聴くよりも先に『ジョンの魂』とか『サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ』とか、なかなか子供には難しいアルバムを聴き漁っていた。高校生の頃一番好きだったのは『心の壁、愛の橋』で、それはジョンがヨーコと離れてめちゃくちゃな生活をしていた「失われた週末」の季節に作られた作品だったことを後で知る。

ジョンは40歳までしか生きなかったから、自分が40歳を越えてからはなんだか不思議な感覚だったんだけど、今回の展示で一番最初の年表を見て、ジョンが40歳で死んだときにヨーコは今の僕と同じ47歳だったということに気づいて、ぐっとヨーコにそれまで感じ得なかった親近感を持った。その感覚のなかで数時間かけて展示を見て、嗚呼、ジョンはジョンだけでは「ジョン・レノン」にはなれなかったんだなあと改めて思った。ジョンが生きていたら今年で80歳で、ヨーコもそれより7つも上。ヨーコの記憶や想い、ヨーコの中のジョンの魂があと何年も、いつまでも残ったらいいな、などとないものねだりをしてしまう。

素晴らしい展示だった。みんな見にいくといい。来年1月11日まで。

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2020年09月17日

思春期に立ち返る音楽

僕が人生において一番好きなバンドはR.E.M.である。そしてR.E.M.に関して熱心なコレクターでもある。なかなかR.E.M.の話で盛り上がれる人っていないもので、もうすでに解散したバンドだし、だからいつも1人か2人のR.E.M.友だちと「そういえば」という感じで話をする。僕のR.E.M.友だち達は引っ越しとか断捨離とか、人生の岐路に立ったときに僕にR.E.M.グッズを段ボール箱で送ってくる。例えば雑誌とかCDとかTシャツとか。先日久しぶりにR.E.M.宝箱が荷物として届いた。もはやオフィシャルリリースされているCDの類は持ってないものはないからそこはアレなのだけど、日本盤だったりヨーロッパ盤だったり、プロモオンリーのものだったりで結局ワーキャーいちいち喜ぶことになる。

今回の宝箱にはブートレグの映像作品がたくさん入っていて、結局僕はこの数日間ずっとR.E.M.の映像を見続けていて、そうすると中学2年生のときに初めて「世界の終わる日」という曲のビデオを観たときに立ち返るし、日本武道館公演の荒い海賊盤もあったのでついつい見入ってしまって、ああ、おれR.E.M.が好きでホントよかった、幸せだなあ、というふうに静かに感動する。きっとこれからもずっと聴くのだろう。ということで、降って湧いたような、あるいは結局いつもと変わらないような、R.E.M.ブームの秋を迎えているところ。

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2020年06月28日

映画「ア・ゴースト・ストーリー」とフィービー・ブリッジャーズ新作

テレビで2017年の映画「ア・ゴースト・ストーリー」というのをやっていた。冒頭からすごく惹き込まれる物語だったのだけど、くたびれた一日だったのと長回しのシーンが多かったのとで途中で寝てしまった。あらためて昨日観直してみたら、やっぱりとても良かった。ここ数年で何番目というくらいだった。音楽家の主人公は映画の冒頭であっけなく交通事故で死んでしまい、主演ケイシー・アフレックはその後だいたいずっと(回想シーン以外は)白いシーツをかぶった幽霊として無言でスクリーンに立ち尽くしている。生き別れたルーニー・マーラ演じる妻も多くを語らないし、生と死を境目にパラレルワールドが交わることもない。観終えた今も、もう一回あの世界観のなかに身を浸したいと思うような映画は久しぶりだった。多分これから好きな映画を語るときに必ず言及する作品になると思う。

この映画に惹かれた要因はその幽霊のビジュアルがフィービー・ブリッジャーズのデビューアルバムの(アーティストAngela Deaneが手がけた)ジャケットアートワークとの共通点にあったかもしれない。リリースになったばかりのセカンドアルバムで、フィービー・ブリッジャーズは今回は骸骨のボディスーツを着て世界の終わりのような場所で星空を見上げている。再生ボタンを押して何秒かで「これはやばいやつだ、傑作だ」と身震いするような、想像以上のレコードだ。このアルバムも生と死を行き来するような幻想譚が10曲収められていて、毎日毎日、日が暮れてからはずっとこればかり聴いている。

ふたつの作品がリンクした有意義な週末だった。

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2019年06月30日

上半期よかったレコード5選

認めたくない事実だけれど、今日で2019年の半分が終了して、明日から後半が始まる。いつも思うことだが、なんと時の流れの早いことか。今年もたくさんレコードを買ってターンテーブルの上で取っ替え引っ替えして、音楽に励まされ生かされているなあ、と実感する。フィービー・ブリジャーズ、コートニー・バーネット、アンディ・シャウフと素晴らしい来日公演も目撃することができた。買ったレコードを全部インスタグラムに記録しているので、それを辿りながら今年上半期によかったレコード(新譜)を5枚メモしておきたいと思う。

まず圧倒的ナンバーワンはTHE NATIONALの『I AM EASY TO FIND』。もうずっとこればっかり、毎日聴いている。来年三月に待望の来日公演が決定。

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で、コナー・オバーストとフィービー・ブリッジャーズがBETTER OBLIVION COMMUNITY CENTER名義で突如リリースしたコラボ作。来日公演でサインをもらうときに「コナー連れてまた日本に来て」と懇願したらニコッと笑って「Sure!」と答えてくれたフィービーの可憐さ。

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VAMPIRE WEEKENDの久々のアルバム『Father Of The Bride』も期待以上だった。カーステレオで大きな音で聴くと最高なのです。

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オーストラリアのシンガーソングライター Stella DonnellyはデビューEPがとてもよくてフルアルバムが楽しみだったアーティスト。『Beware Of The Dogs』は弾き語りのデビュー作から一転カラフルなサウンドで楽しい。フジロックのステージに期待。

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ブルース・スプリングスティーンはいつの時代も素晴らしいが、69歳にしてこんな瑞々しい作品を生み出し世に問う音楽家としての凄みに感動した。僕が一番好きなボスは1987年の『Tunnel of Love』だったけれど、もしかしたらそれを超えたかもしれない。

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下半期もいっぱいレコードを買うのだろうな。音楽って本当にいいものですね。  
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2019年06月18日

Qui La Laの夏物語

5年前の6月に録音したのがこの歌。こないだ映画館、本編が始まる前の予告で「人間は恋と革命のために生まれてきた」という台詞、そして言葉が大写しになりびっくりした。それは『人間失格 太宰治と3人の女たち』という映画の特報だったのだけど、あたかも自分が発明したフレーズのような気になってしまっていたことに自分で驚いた。それは太宰治の名言を引用した歌詞だったのだった。毎年6月になるとハッと思い出す瞬間が訪れる。明日は桜桃忌。太宰の墓石に鮮やかなさくらんぼが埋め込まれるのだろう。



『pale/みずいろの時代』に収録  
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2019年04月28日

平成最後の大収穫という個人的な話

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昨日のこと、お昼過ぎに音楽ライターの友人からメッセージが届いた。「山田くん、このレコード探してるって言ってなかったっけ?」と送られてきた写真はイギリスはスコットランドのトラッシュ・キャン・シナトラズが1993年に出した『I've Seen Everything』のアナログ盤だった。こ、これは、もう僕が10年以上ずっと探してて、ウォントリストのトップに常に鎮座するレコードなのであった。奇声も自然ともれていたであろう、僕はすぐさま「どこ!?いつ!??」と興奮して返事。30分前に下北沢の中古盤屋にあった、となると居ても立ってもいられない。

夕方からギャラリー自由が丘でのライブだったのだけど、身支度を急いでバタバタと下北沢へ。お願いします神様、もう今、欲しいレコードは『I've Seen Everything』だけなのです…とかなんとか心の中でぶつぶつ言いながら。そして果たして、僕はついにトラッシュ・キャン・シナトラズ『I've Seen Everything』を手中に収めたのだった。1万円札を何枚も使う覚悟のあった1枚なのに、拍子抜けするくらいの値段で。レコードの神様はいると思った。僕のアーバンブルーズへの貢献。LPジャケットをちらちら見ながら僕はそのまま自由が丘に向かったのでした。

このレコードが出た1993年は僕がGOMES THE HITMANを結成した年、26年前のこと。このレコードを聴いて僕はGOMES THE HITMANをこんなふうな、キーボードを擁するギターポップバンドにしたいと思ったのでした。もちろんCDでは20余年ずっと聴き続けている名盤だけど、ターンテーブルにのせて針を落として聴くのは全然違う。自由が丘から帰ってきてすぐ聴いた『I've Seen Everything』は美しく空気を震わせていました。間違いなく平成最後の大収穫、連絡をくれた友人に心から感謝を。音楽って本当に素晴らしい。好きになった歌は僕を裏切らないし、心を元気にしてくれる。

  
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2019年03月31日

終わりと始まりのテーマソング|年度末と4月の始まり

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山田稔明/bon voyage〜終わりなき旅の流浪者

  
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2019年02月27日

消えない余韻|なんということでもないフィービー・ブリッジャーズの話

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1週間経ったけどまだふわふわしている。フィービー・ブリッジャーズの来日公演が素晴らしかった。フィービー・ブリッジャーズを知ったのは昨年初めのこと。Twitterでスピッツのディレクター竹内さんと交わしたイーサン・グルスカの話題がきっかけでデビュー作『Stranger in the Alps』を手にしたのだけど(ライブ1日目、僕のすぐ隣で観ていたのはその竹内さんではなかったかな)誇張でもなんでもなく、その日からほぼ毎日このレコードを聴いた。歌詞を読んで思いこまされたり、一緒に小さな声で歌ったり、たくさんの音楽に触れる日々にもこれほど熱心に対峙する作品というのは稀だ。2018年初頭からの僕の心にその歌が完璧にマッチしたわけである。忙しさにかまけて「2018年に聴いた音楽ベスト」というのを2月末になっても記事にできず下書きのまま手付かずになっているのだけど、当然この2017年の終わりに出たフィービー・ブリッジャーズの作品は、だんとつで僕の2018年ベストレコードとなりました。

そのフィービーが急遽来日するという報せが届いたのが先月、中学生みたいに時計を見ながら抽選に応募してチケットを手に入れて、あっという間にライブ当日となり、興奮して出かけた。こんなふうにワクワクするのっていつぶりだろうか。結構前の方まで攻めて「あの場所に立つんだな」と想像しながら開演を待つ。ギタリストのクリスチャン・リー・ハトソンによるオープニングアクトも素晴らしかったが、スラッシュメタルの轟音を出囃子に主役であるフィービーがくすくす笑いながら登場してきたときの神々しさはすごかった。天使は存在した、みたいな感じかしらん。コーラスやベル、エレクトロデバイスさえ操るドラムのマーシャル・ボア、前述した控えめながら効果的なギターを添えるクリスチャン・リー・ハトソン、そしてフィービーのギターと歌という超シンプルな編成はYoutubeでも観たことのないアンサンブルで(オセアニア・アジアツアーのための編成か)、しかしそのシンプルさがとても歌を引き立てていて、ベーシストのいない自由さのようなメリットもあって、とにかくすべての歌が美しかった。スマートフォンのスクリーン越しに見るのがもったいなくて写真も撮らずにずっと目に焼き付けた。

2日目は相対性理論の永井くんと連れ立って出かけて、初日よりは少し後ろの方で、もうちょっと冷静にその世界観を堪能した。アルバムの曲はもちろん、ジュリアン・ベイカーとルーシー・ダッカスとのBoygenius、コナー・オバーストとのBetter Oblivion Community Centerの楽曲、ギリアン・ウェルチのカバー、そして初めて聴く新曲など。才気あふれる、というのはこういうことか。とめどなく歌や言葉が溢れてくる季節なのだろう。ステージの上では震えるほど美しく見えたフィービーは、しかし、終演後のサイン会で目の当たりにすると小柄で可憐な24歳の女の子で、リクエストした猫のイラストを悩みながら時間をかけて描く仕草がとてもかわいかった。最高の2日間だった。時間が経ってもまだ消えない余韻のなかにいる。

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2018年11月28日

なんということでもない、テイラー・スウィフトの話

テイラー・スウィフトの来日公演から1週間が過ぎた。その日のことを、どうでもいいことも含めて書き留めたいと思います。個人的備忘録としても。テイラーの来日公演は今回東京ドームの2日間でした。初めて観たのは2014年さいたまスーパーアリーナでの『RED』ツアー、そして2015年の東京ドーム『1989』ツアー、そして3年ぶりの今年。正直言うと、もうこれまで2回とても満足のいくコンサートを良い席で観てるし去年出た新譜をそんなに聴き込んでいないこともあって「なんだか忙しい時期だし、今回はパスかな…」と思っていたのだけど、やっぱり観ないと後悔するかも!ということになって急遽チケットを取りました。

後悔するかも、と思ったきっかけは「America's Sweetheart」と評されるほどに右も左もなくアメリカ全国民から愛される存在になったテイラーが初めての政治的発言をしてトランプの共和党不支持を表明したことでした。出自であるカントリー音楽というカテゴリーからはみ出して飛躍した彼女の、20代最後のワールドツアーになるだろうし、もしかしたら予想外の音楽的変容がこの後に続くかもしれない、と思うと今回の大掛かりなステージはやっぱり観逃せない!ということになったのです。

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ライブ当日(初日に行きました)僕は朝から出かける用事があって、そこは東京ドームから一駅の街でした。SNSで呟かれる「テイラー物販の行列、ヤバイ」という、その現場を僕は見たくなった。最近の大きなコンサートの例にもれず、開演にあわせて出かけていってもグッズを買うことは無理だろうなと思っていたのですが、天気がとても良い日で寒くもないし、東京ドームシティのジェットコースターや観覧車からはとても楽しげな声が聞こえる。なんだかワクワクしながら「最後尾」と掲げられたところに並ぶと、来日公演は東京2公演だけなので当然日本中からテイラーファンが駆けつけているわけです。親子連れ、カップル(女性主導)、スーツケースを引きずる人、中国や韓国、アジアから来た人たちもそれぞれの言語でおしゃべりしている。

列に並ぶ僕のすぐ前には広島から来たと思われる女の子二人、そのよく通る声の方言と話が興味深く「ウチ、こないだ元彼と会うたんじゃけど、わやくちゃにケンカしてもーてー」「そんな言わんと、より戻したらええがー」とか、職場の噂話とか、そういうどうでもいいことを語られる感じがすごくテイラー・スウィフト的というか、とても新鮮で、気づいたら1時間が経っていて僕はグッズ売り場にたどり着いたのでした。欲しいものがあったかというと、そういうわけでもなくて(今テイラーはちょっとタフでハードなヤンキーモードなのですよね)、なんとか着やすそうなTシャツと、これが一番面白いなと思ったヘビ柄みたいなギラギラしたサングラスを購入。車の運転のときにかけたいと思います。

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一旦帰宅して少し休んで、再び東京ドームへ。日もとっぷり暮れて光溢れる街。会場全体を見渡せる席で、今回も連動式のLEDリストバンドを腕にはめて開演を待つ。で、内容はもう完璧なエンターテイメントで、一瞬たりとも退屈することなく、ダイナミックなダンスも、ステージセットも映像も、新旧含めたセットリストやアレンジも圧巻なものでした。少しでも行くのを躊躇したことを謝りたいくらい。EDM最先端なトラックでも、ギターの弾き語りでも、すべてがテイラー・スウィフトらしくてさすがだなと思いました。今年観たコンサートで一番かな。「テイラー・スウィフト好きだなんて意外だ」とよく言われるけれど、テイラー・スウィフトを好きじゃない人がいることのほうが僕には不思議なのですよ。「Taylor Has Nine Cats' Lives ―僕らが彼女に夢中な理由」という書き下ろしエッセイを寄稿した本はこれ。その日以来、去年出た『Reputation』というアルバムを遅ればせながらずっと聴いています。とても良いです。

以上、誰に言うでもない、なんということでもない、テイラー・スウィフトの話でした。

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2018年11月02日

7年目の『Christmas Songs』|ゆっくり長いクリスマスフェアのはじまり



11月になりました。ハロウィンが終わり、街は一気にクリスマスムードに。2012年にリリースした『Christmas Songs - standards and transferes』は7年目の冬を迎えます。誰もが知っているクリスマススタンダードをギター、マンドリン、バンジョー、鍵盤ハーモニカ、そして弾けないバイオリンまでをあれこれ駆使して山田稔明がひとりきりで作り上げたあたたかなクリスマスアルバム、ジャケットは『新しい青の時代』と同じく福田利之さんによる描き下ろし。今年もどうぞよろしくお願いします。

本日よりクリスマス特典として、注文分にはポストカードやステッカーや、クリスマスギフトをいろいろおまけして発送します。お持ちでない方、この機会をぜひお見逃しなく。そしてすでにお持ちの方もプレゼントにとてもいいアイテムだと思いますのでもう一枚ぜひ。ひとりきりで作り上げた、と前述しましたが、相棒ポチが手伝ってくれたことを忘れてはいけません。彼女の声がたくさん聞けるという意味でもこれは自分にとってとても大切なレコードです。ぜひみなさんの冬のBGMに。


『Christmas Songs -standards and transfers/山田稔明』
(全12曲入り/2,000円税別/2012年発表 2013年全国流通/GTHC-0003)


“Christmas Songs 〜standards and transfers”
山田稔明、キャリア初めてのクリスマス・アルバム
フォーキーなサウンドで織り成す全12曲

<全曲解説>

1. somebody’s coming(introduction)
誰かが寒い冬に突然訪ねてきたときに穏やかなコーヒータイムのBGMになるようなレコードにしたいなと思いました。クリスマスの始まりです。オルゴールと鈴が180度のサウンドスケープで。

2. joy to the world
ご存知クリスマス・キャロル「もろびとこぞりて」を笛や鍵盤ハーモニカ、ウクレレとたくさんの声を重ねて。2009年の冬に録音し2012年にリミックスしました。

3. jingle bells
左右に踊るアコースティックギターに導かれて手拍子と足踏みを。「ジングルベル」は記憶の底にある子どもの頃を撹拌する魔法の杖のようなメロディです。2008年に録音したものの素材を録り直しビートを足してリミックスを施しました。

4. oh my darling, clementine
「雪山賛歌」として知られるアメリカ民謡、歌の内容はゴールドラッシュに沸く西部開拓時代の物語でクリスマスと関連のない曲なれど中国では新年を祝うお正月ソングだそう。2010年に録音したものにシンセをダビング、ホーリー感増しました。

5. wish you a merry christmas
クリスマスのライブで配布するために2005年に誰にも頼まれずにひとりで多重録音したスタンダード曲。このクリスマスCDのきっかけとなった1曲です。ステレオ感が増したサウンドに変身。

6. greensleeves
郷愁をそそるメロディは冬の帰り道を想起させます。「御使いうたいて」の歌詞を伴ってクリスマス・キャロルになりますが僕はスキャットでメロディをなぞりました。2010年に録音したものをリミックス。

7. when the saints go marching in
底抜けに明るいメロディと「聖者の行進」というタイトルからクリスマス曲と思われがちなこの歌、実は黒人霊歌をルーツとする葬送曲。僕はギターをかき鳴らし賑やかな賛美の歌に。今年新録した楽曲です。

8. the first noel
「牧人ひつじを」というタイトルで知られるこの歌、起源は13世紀まで遡るそうです。クリスチャンではない僕でも神聖な気持ちになるとても美しいメロディ、たくさんのハーモニーを添えました。このCDのための2012年新録曲

9. symphony no.9(ode to joy)
年末になると街中で奏でられるベートーベンの「交響曲第9番」第4楽章に日本語詞をつけて歌いました。旅の門出に立って力強く宣言するような歌になりました。2009年の録音。「旅路」「家路」のテーマの上にあります。

10. amazing grace
18世紀から歌われている賛美歌をフォーキーに。中古で買ったバイオリンを下手くそに弾いているのは僕。後半からは「グロリア(荒野の果てに)」と年末の街のざわめきが溶け合います。2007年に録音したものですがボーカルを録り直し、後半のコーラスをすべてダブルトラックに。

11. silent night
2005年録音の「きよしこの夜」。鉄琴の音が氷の窓を叩くノックのよう。クライマックスで愛猫ポチが歌い出しますのでビックリしないでくださいね。

12. o christmas tree
「もみの木」として知られるメロディに日本語詞をのせました。2006年の冬の始まり頃の録音ですが録り終わると夜が明けていて鳥のさえずりが。窓を開けてそれを猫と眺めている風景でこのレコードはまた振り出しに戻ります。


arranged, performed and produced by Toshiaki Yamada

◎紙ジャケ仕様/ブックレット封入/帯付き
◎誰もが知っているクリスマススタンダードをフォーキーに織りなす季節感たっぷりの1枚です
◎全曲のアレンジ、演奏、歌、多重コーラス、録音とミックス、さらにはマスタリングまでの
全工程すべてを山田稔明が担当、まさにハンドメイドなあたたかいレコードです。
◎アートワークは『新しい青の時代』と同じく人気イラストレーター福田利之による描きおろし。

オフィシャル通販STOREで『Christmas Songs - standards and transfers』を購入


  
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2018年11月01日

30年とか25年とか20年とか|高橋徹也 吉祥寺スターパインズカフェ公演

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先週末のこと。自分のトラベラーズファクトリーでのライブが終わった後ですぐ吉祥寺に戻り、スターパインズカフェで高橋徹也の『夜に生きるもの/ベッドタウン』CDリイシューに伴うレコ発ライブを観にいった。こっちの都合も知っているであろうタカテツさんが何度か少なくない回数お誘いの連絡をくれたので「相当仕上がってるのだろうなあ…」と思ったし、圧倒的な楽曲群をキャリアハイとも言える今のバンド、ライブ体力で見せつけられるのだから嫉妬して落ち込むパターンのやつだな…と腹をくくって出かけたのだけど、隅から隅まで素晴らしくて、これは見逃したらダメなやつだったな、と震え感動した。

高橋徹也のライブを観ていると、音楽も佇まいも不穏だし、メロディはねじくれて気持ちのいい音符に落ち着いてくれないし、その詩世界は歪んでいて「この奇妙な歌のなかの住人にはなりたくないな」といつも思うのだけど、眉をしかめながら前のめりに惹き込まれている自分にも気づく。なんでこの人とこんなに仲良くなったんだろうな、と不思議になる。向こうもそう思ってるのかな。この数年はリリースの内容や方法など一番相談しあう相手がタカテツさんだ(あと、この人が自分と同じようにちょっとどうかしてるくらいレコードを買うところも信用してる)。今年ふたりともアナログ盤リリースに尽力して実現したことはずっと憶えている記憶になるだろう。20年とはとても長い長い時間。ともすれば忘れ去られてしまう空気の振動でしかない音楽を、会場満杯のファンとお祝いできた彼は幸せ者だ。

今年の夏に京都から帰ってくる車のなかで大きな音で一緒に聞いた「友よ、また会おう」という新曲を最後にやったのがよかった。ライブを観ていた友だちが「あれは山田のことを歌ってるんじゃない?」と言ってたけど、それは違うと思った。あれはすべての人に向けられた、照れたような、困ったような、しかしとても優しく友を鼓舞する笑顔のような歌である。彼のライブの翌日にソニーへ出向いて来年のGOMES THE HITMANアニバーサリーのための打ち合わせが始まった。自分のバンドが結成から25年とか来年でデビュー20年とかの節目を迎えようとしているこの頃、高橋徹也という人の活動はとても興味深い。  
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2018年10月31日

30年とか25年とか20年とか|デフ・レパード日本武道館公演

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先週のこと、日本武道館で行われたデフ・レパードの来日公演を観にいった。『ヒステリア』という1987年発表の名盤を全曲演奏するというライブだったのだけど、中2の僕はそのアルバムを隅から隅まで大好きだったのでどうしても観たかった。30年前のことだ。この『ヒステリア』は大ヒットしすぎてハードロック・ヘビーメタルという範疇から大きくはみ出したモンスターアルバム。満員の武道館は自分よりも年配の方が多かった。男性も女性も。みんな一様にワクワクして開演を待ち、「Woman」から始まる『ヒステリア』まるまるに大歓声があがった。

スタジアム級のバンドであるデフ・レパードに日本武道館はとても小さく感じた。目と鼻の先で30年前に夢中になった音楽が奏でられ、僕はきっと中学生みたいな顔で一緒にシンガロングしていただろう。喧騒を避けて一駅歩いてクールダウンしようと思ったけど、体の芯にはじわっと熱いものが残った夜でした。  
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2018年10月16日

b-flowerと10月の歌

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先週末の土曜日、高円寺でb-flowerのライブを観た。大学生の頃にCDを買って好きになって、数年前にまた出会い直して、ボーカルの八野英史さんとひょんなことから仲良くさせていただくようになったけど、バンドでの演奏を聴くのは初めてだった。25年のタイムスリップ、と呼ぶのがしっくりこないくらいに、大好きな歌「舟」ですべりだしたb-flowerは現在進行形のバンドだった。ノスタルジーの欠片もなく、揺るぎない普遍的な歌がステージでは鳴らされてハッと魅せられてしまう。八野さんは穏やかで優しいけれど、ステージに立つと胸の中に冷たい炎のようなものが灯っている人だ、と感じる。ニコニコ笑っているようで、その目は冷ややかに世界を見つめている。「つまらない大人になってしまった」も素晴らしかったし、八野さんが目に見えない毒をちょっとだけ音楽に盛る瞬間を目撃したような気がしました。バンドの演奏も素晴らしかった(皆さん優しかったな…)。b-flowerがもっと身近で、もっと大好きなバンドになりました。

まだ歌を聴き足りなかった僕は翌日、松陰神社前のタビラコで行われた細海魚さんと八野さん二人でのライブも観にいったのです。小さな空間にきゅっとみんなで集まってミツバチの羽音に耳を澄ます、そんな感じの素敵な時間。前日と曲かぶりはほとんどなく、季節柄聴きたかった「OCTOBER SONG」、「サトウカエデの下で」も聴けたし、魚さんのウーリッツアーの音がとても艶っぽくて、リラックスしてるのに緊張感がある雰囲気がとてもよかった。八野さんは「これ」とシャツをはだけてモリッシーのTシャツを見せてくれて、そこには8月に京都で一緒に歌ったTHE SMITHS「ASK」の歌い出し、「SHYNESS IS NICE(恥じらいって素敵だね)」と書いてあった。楽しくて幸せな一日でした。

いつかGOMES THE HITMANとb-flowerでライブができたらなあ、と妄想を。

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2018年10月15日

YO LA TENGOと『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』

YO LA TENGOといえば、何をおいても柴崎友香の小説「次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?」を思いだす。「高速道路のドライブは退屈だから嫌い」から始まる物語。

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 カーステレオからは、英語の、静かな男の歌が流れていた。
「なんや、この曲。寝起きに聞きたないような暗い曲やな。コロ助みたいな宅録オタクが作ってそうな曲やん。これ、コロ助の選曲か?」
欠伸しながらそう言ったぼくを、コロ助はくっくっくと声を殺して笑っている。伸びをして隣を見ると、ルリちゃんも笑っていた。
「これ、わたし用に作ってくれたテープ。この曲、今年のわたしのナンバーワンって感じに大好きな曲やねん。さすが、コロ助くんはようわかってるわ」
「あ、そうなん?」
「そう。歌詞なんかすごいええねんから。ほら、ここ。君が笑ったらぼくも笑ったような気分だ、君が泣いたらぼくは最悪な気分だ、って言うてるねんで。このよさがわかれへんかったら、わたしとは話、合えへんわ」
「そうなんや、そんなこと言うてるんや」
と言っても、急に歌詞なんて聞き取れなかった。
「そうかあ。そう言われると、ええ曲やなあ」
「うそばっかり」
「うそちゃうよ。なんか、この、落ち着いた感じがええやん。誰、誰?」
「ヨ・ラ・テンゴっていうアメリカのバンド」
「あっ、聞いたことある、その名前。うん、たぶん知ってるで。ほら、友だちのCD出したっていうてたやつが好きなバンドがそんな名前やった気がするなあ」
「もうええよ」
 ゆったりと、なんの苦もなく運転を続ける恵太は楽しそうに笑っていた。コロ助も笑って、それからルリちゃんも笑って、そのバンドの話をしてくれた。
ぼくもその曲が今年聴いた中でいちばんいい曲に思えた。


柴崎友香「次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?」(河出書房新社 2001)より引用


これはヨ・ラ・テンゴの2000年作『And Then Nothing Turned Itself Inside-Out』収録、トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』を下敷きに作られた「The Crying of Lot G」のことなのだけど、こういう、繰り返される静かなパンチラインがディスコグラフィーのいくつものカタログに渡って小さな儚い花を咲かせているような、そういう感じが彼ら独特の詩情であり魅力だと感じる。20年近く好きで聴いているこのバンドのライブを先週初めて生で体験した。なんで今まで行かなかったんだろうか。スケジュールとかタイミングの問題とか、わりと頻繁に来日してくれるからまた次の機会に、となっていたのか。とにかく今回の来日公演は新譜がとても良かったこともあってわりと早くチケットを押さえていたのだけど(ソールドアウト公演になっていた)もうすべてのシーンが素晴らしくて感動したし、楽しくて元気が出た。時間を遡りたいと思ったほど。こんなに心地いい静寂と爆音とノイズがあるだろうか。こういう瞬間や心の動きに気づかされるから音楽の持つ力は計り知れない。

このライブの2日後にメンバー3人がDJをするというので、夜中にクラブへ出かけた。ジェームズ、ジョージア、アイラの順に30分ずつ。こういう場所には本当に上手に可愛く踊る女の子たちがいて感心する。アナログレコードで流される音楽はどれも最高でiPhoneをかざして曲名を調べたり、ぎこちなくリズムを取ったりして楽しかった。人となりが滲みでるようなDJセットだった。ジョージアとすれ違うときにグラスを掲げたらニコッと笑って乾杯してくれて、背中をぽんぽんと叩いてくれて嬉しかったな。この10月という季節にヨ・ラ・テンゴを観ることができて本当に良かった。

君が笑ったらぼくも笑ったような気分だ、君が泣いたらぼくは最悪な気分だ。そのとおり。


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2018年09月27日

続・好きなものを好きでいつづけること

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今年の春に突如復活が告知されたストリートスライダーズのハリーと土屋公平(蘭丸)による“伝説”のユニット JOY POPS。ふたりが一緒に演奏するのはなんと18年ぶりとなる。これまでどれだけ頑張っても全然チケットが取れなかったのだけど、ようやっと手に入れた昨晩のビルボードライブ東京でのライブ、何ヶ月も前から楽しみにしていたのです。ハックルベリーフィンのさくちゃんとたけ兄と3人で並んで観ました。3人とも中学生みたいな顔してたんじゃないかな。ときおりアコースティックギターを手にするも、基本的にはふたりのエレキと歌だけのシンプルな演奏。しかし1曲目の「Bun Bun」から最後のストーンズ「Rip This Joint」風にアレンジされた「Boys Jump the Midnight」までずっと楽しくて一緒に歌った。歌詞も全部おぼえてた。声もギターもよく鳴って、想像以上によかったし、ノスタルジーのようなものをあんまり感じなかったのはスライダーズの楽曲が古くならないロックンロールだからだろうか。

僕が高1のときに初めて組んだバンドの名前は「Empty Heart」というんだけど、それはJOY POPSの曲名から取ったのです。からっぽの心。僕が特に好きな歌は「Angel Duster」とか「かえりみちのブルー」とか、ちょっと憂いがあるやつなので、この2人の編成で聴くとすごくグッとくる(もちろんスライダーズ編成でも聴きたいけど)。ふたりがニコニコ楽しそうなのが嬉しかった。MCも和気藹々としてて(信じられない!)「年を取るのも悪くない」という言葉が繰り返されて、僕もそう思いました。

終演後になんとサイン会がある!というのでたけ兄、さくちゃんと一緒にドキドキしながら時を待つ。ハリーは去年吉祥寺HMV record shopでインストアイベントがあったけど、サイン会にはなんとなく並べなかった。この日迷わず列に並べたのはステージ上の雰囲気がとても良かったからかもしれません。公平さんには3年前の秋にベースえびちゃんを介してお会いできて話をさせてもらっていたのだけど、そのときのことをちゃんと憶えていてくれて「よく来たね」ととても優しかった(そのときのブログ「好きなものを好きでいつづけること」)。ハリーも穏やかな笑顔、ハリーと握手できるなんて思いもしなかった。僕が持参していた1988年の5周年記念本を見てニヤリと笑った。興奮冷めやらぬまま外へ出ると土砂降りの雨だったけれど僕はふんふんと鼻歌を歌いながら、気分良く帰路を辿ったのでした。

帰宅してもハックル2人と感想を述べ合ったり、九州の旧友に報告したり。音楽はタイムマシンのようで、宝探しにも似ている。あなたが好きになったものはきっとあなたを裏切らない。

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バリ島といえばスライダーズの「風が強い日」なのです。夏休み中のバリでも耳の奥で何度も蘭丸のスライドギターが聞こえた気がした。ああ、だからおれバリ島に行く運命だったのかな、とか都合よく今日は考えている。今から30年前にバリ島で撮られたこの曲のMVのなかの風景は、こないだ行ったバリとほとんど同じでした。


  
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2018年07月29日

『mono』を回想する・後編【00-ism】

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前編に続けてお読みください。2002年リリースの『mono』を回想します。

『mono』に収められた楽曲のうちのいくつかは「饒舌スタッカート」をリードシングルとする“来たるべきニューアルバム”のために書かれたものだった。「夜明けまで」「笑う人」、そして「情熱スタンダード」はタイトルからして「饒舌スタッカート」と対になっている。「夜明けまで」に(情熱スタンダード vol.1)と副題がつけられたのもそのせいだった。次作に収録されることになる「20世紀の夏の終わり」ももう完成していたし、僕らが2001年にBMG JAPANからもう1枚アルバムを出していたらどうなっていたかな、と思う。「忘れな草」で歌われる「このままこのときがあと2年も続けばなあ」の “2年” はレーベルとの2年契約を更新したかった僕の心の叫びだったかもしれない。

しかし、そのラインナップに「目に見えないもの」や「別れの歌」といった淡々と情景と心情を歌う静かな歌が加わる。「百年の孤独」はMac & Wendysという課外活動バンド(メンバーは僕、PLECTRUM高田タイスケ、セロファンの高内シロウと溝渕ケンイチロウ、そしてライターの山田ゴメスさん)でのライブのために僕が書いた曲だった。ポール・オースターの小説とソフィ・カルという芸術家の著作『本当の話』をモチーフにして書いた「言葉の海に声を沈めて」はこれまでのGOMES THE HITMAN楽曲とは異なる雰囲気の歌になった。内なる声と発せられる声、と考えたときにSmall Circle of Friendsの東 里起さんをゲストに迎えたいと思って、渋谷クアトロでのライブを観たあと出待ちをして依頼したことを忘れない。

レコーディングはまずリズムとベーシックトラックを駒場東大前のスタジオで録った。緊張感のある現場だった。僕はニコリともしなかったんじゃないかなと思う。サポートギタリストのアッキーが緩衝材のようにみんなを和ませる、というのが『mono』から『ripple』まで続くことになる。アッキーには本当に苦労をかけたと思う。細かいダビングやボーカルレコーディングは中野富士見町にある小さなスタジオで録ったので、今でもそのあたりを車で走るとあの頃の記憶が蘇る。アルバム最後を飾る「表通り」はバンドでの演奏を放棄した曲だ。この曲を録る日はメンバーが揃わなかったはず。今聴くと口笛が聞こえるのだけど、僕は今も昔も口笛をうまく吹けない。これは誰の口笛だろうか?と思い出せないでいる。当時のディレクターかな。このあたりの記憶は混沌としたまま。

最後の最後に「6PM intro」ができた。僕がハードディスクレコーダーでひとりで作ったサウンドトラックが『mono』の始まりを告げる。旋律はR.E.M.の「Perfect Circle」を下敷きにしている。このアルバムに取りかかるタイミングで僕は池袋から武蔵野へと引っ越したのだけど、「6PM intro」の始まりに聞こえるのは吉祥寺の夕刻の鐘の音だ。本当は17時の鐘の音なので五回鳴ったのをコピーペーストで一回分増やしてある。雑踏、自転車のブレーキの音、誰かの声、それは2002年のある日にうちの近所でフィールドレコーディングした素材なのだけど、それまでもそれからも、そして今でも普遍的に毎日繰り返される暮らしの音であり、このレコードはそういう普遍的な風景から幕が開くのが相応しいと思ったのだ。

『mono』というタイトルは制作終盤に僕が決めた。なんでそれまで『mono』じゃなかったのかというくらいこの作品を言い得ていた。アルバムジャケットも象徴的で、オリジナル盤はビニールカバーでくるまれた他に類を見ない装丁に。とてもストイックなものを作ったという感覚があったのだけど、僕が想像していたよりもセールスは好調だったように思う。関東で7ヶ所、関西、中部でもインストアライブを重ね、レコ発ライブは渋谷クラブクアトロにて、東 里起さんをDJとゲストボーカルに迎え、アッキーを含む5人編成で演奏した(大阪はバナナホール、名古屋はメトロ館)。『mono』の好評を受けてライブ活動にも拍車がかかり、2002年はキャリア史上においてライブ元年と呼べる年だったなと振り返る。




  
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2018年06月26日

一本の音楽をいくつも束ねて

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昨日のこと、GOMES THE HITMANのリハーサルをお昼から夕方まで。今回13年ぶりの新録盤『SONG LIMBO』の先行発売ライブなので、そのなかからの楽曲が中心になるのだけど、せっかくだから“LIMBO=天国と地獄の間の辺土”をまだまださまよい続ける曲にも光と風を当てようということになり、結果としてレアすぎる内容になっている。「饒舌スタッカート」はもちろん、「手と手、影と影」も「夜明けまで」も「愛すべき日々」もやらない。お客さんのなかには1曲も知らない、という人もいるのではないだろうか。僕らもわくわくしている(そしてやりなれてないからヒーヒー言ってる)。

隣のスタジオでは村田和人バンドが7月2日から始まるレコ発ライブツアーのための練習をしていたので挨拶、そのまま僕はそちらの練習に参加した。ちょうど完成したばかりのCDをいただいた。村田さんが最期まで取りかかっていたアルバム『ド・ピーカン』は村田バンドと仲間たちの尽力でついにその全貌がもうすぐ明らかになる。7月2日発売。村田さんらしいビッグスマイルが嬉しい。このレコードにはこういうジャケットが似合う。村田さんの不在を感じると同時に、確実に“ここにいる”という感覚が共存していて、聴き入ってしまうのです。GOMES THE HITMANは2曲担当、村田さんにも褒めてもらえるような仕上がりになったと思います。吉祥寺スターパインズカフェでのライブはパンパンの満員ソールドアウトだそう。神戸と京都はまだチケットがあるかもしれません。僕はすべての公演に参加、スターパインズカフェではGOMES THE HITMANでの演奏になります。CDもライブもぜひに。




KAZUHITO MURATA & HIS FRIENDS
『ド・ピーカン』発売記念ライブ ツアー


2018年7月2日(月)@ 神戸 VARIT
2018年7月3日(火)京都 都雅都雅
2018年7月4日(水)東京 スターパインズカフェ【SOLD OUT!】


出演:村田バンド
member:山本圭右[Gt,Vo]、湯川トーベン[Ba,Vo]
向山テツ[Dr]、小板橋博司[Per,Vo]、友成好宏[key]

guest:杉真理[Vo,Gt]、村田彼方[Dr,Vo]、山田稔明[Vo,Gt]
(東京公演はGOMES THE HITMANでの出演)

全公演とも18:30開場 19:30開演
前売 5500円(+1drink)当日6000円+1drink(整理番号順入場・全自由)


チケット発売日:5月12日(土)
<配券情報>
VARIT:店頭販売 / ローソン(Lコード:57117) / e+ / チケットぴあ(Pコード:117-020)
都雅都雅:店頭販売 / ローソン(Lコード:51909) / e+ / チケットぴあ(Pコード:117-025)

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神戸 VARIT
〒650-0011 神戸市中央区下山手通り2-13-3建創ビルB1F
TEL:078-392-6655

京都 都雅都雅
〒600-8031 京都市下京区寺町通四条下ル貞安前之町613 火除天満宮B1F
TEL:075-744-1497

東京 吉祥寺 スターパインズカフェ
〒180-0004 武蔵野市吉祥寺本町1-20-16B1
TEL:0422-23-2251  
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2018年05月23日

音を刻む|『新しい青の時代』アナログカッティングを目撃

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昨日のこと、午前中から出かけて東洋化成の末広工場というところで、『新しい青の時代』アナログ盤の「カッティング」という作業に立ち会う。いよいよこの日がやってきたのだ。5年前にこのアルバムの全曲をミックスしてくれた手塚雅夫さん(その後の『the loved one』も『DOCUMENT』でもお世話になっています)が同行してくれたのでとても心強かったが、手塚さんも長いキャリアにおいてアナログカッティングは30年以上ぶりとのことで、僕同様にワクワクしていらっしゃったのが印象的でした。末広工場はおおよそ音楽とはなんの関係もないような無機質で派手なところが一切ない建物。僕らは緊張しながら足を踏み込んだ。

カッティングを担当してくれたのは西谷さんという10年のキャリアを持つ若々しいエンジニアさんでした。曲間の秒数なども改めて設定しなおした。2018年の気分を重視。僕も手塚さんも音については西谷さんにお任せする。僕は「魔法をかけてください」とすらお願いし、西谷さんは「わかりました」と笑顔。曇りひとつないラッカー盤に『新しい青の時代』の音をサファイアが刻んでいくのを不思議な気持ちで眺めていました。すべての行程が初めてなので僕は工場見学に来た子どものようだったかもしれません。

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刻んだ溝を顕微鏡で確認し、いよいよ試聴。最初に聴いたのは「月あかりのナイトスイミング」でしたが、その豊かな音に感動しました。CDとレコード、どっちがいいとかそういうことじゃなくて、改めて音楽とは空気の振動だなと、針が溝を擦る音に耳を澄ましながら思ったのです。あったかい音、というと使い古された言い方に聞こえるかもしれませんが、静かな熱を感じました。そしてA面についても同じ作業。オープニングトラック「どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと」は歌詞が違うバージョンに差し替えたので、改めて聴いてみると感慨深いものがありました。A面も通して試聴。もう何も言うことのない素晴らしいサウンドでした。インスタグラムにも写真や動画を投稿しています。この記事の写真は手塚さんが撮ってくれたもの。ふたりとも嬉しくて何度もシャッターを押したのです。

テストラッカー盤は僕が持ってかえっていいことになり、いわゆる普通のヴァイナルよりも重いその円盤をそっと胸に抱きしめる。手塚さんも「5年経ってるのに、今も最高に良いアルバム」と言ってくれました。3時間と少しくらいの作業だったでしょうか、夢のような時間。またここに来てカッティングしたいなと欲が出てきた。帰宅後、自分のオーディオで聴くラッカー盤『新しい青の時代』はまた違う表情を見せます。再生環境によって変わってくるのもレコードの面白いところです。近藤さんに連絡して近藤さんのスタジオでもレコード試聴をさせてもらっていたらあっという間に日付が変わりました。

『新しい青の時代』アナログ盤クラウドファンディングはじわじわと申込が増えて、現在111%と縁起のいい達成率、残り38日となりました。どれだけ興奮を書き連ねても、どれほど通じるかわかりませんが、とにかく生まれて初めて自分が作った音楽がレコードになった、長い長い一日でした。今日はジャケットの入稿日、皆さんにお披露目する日が刻一刻と近づいています。ぜひ楽しみにお待ち下さい。


TWIN MUSICサイトでクラウドファンディングに参加


山田稔明『新しい青の時代』アナログ盤

2018年7月25日 発売/GTHC-0014/価格 3500円(税込)


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1.どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと
2.一角獣と新しいホライズン
3.光と水の新しい関係
4.予感
5.平凡な毎日の暮らし

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1.月あかりのナイトスイミング
2.やまびこの詩
3.光の葡萄
4.日向の猫
5.ハミングバード


all songs written and
produced by Toshiaki Yamada
originally released on July 7, 2013
  
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2018年04月16日

コーチェラの日曜日



昨日のこと、カリフォルニアの砂漠で開催される恒例のコーチェラ・フェスティバルの生中継を観始めたらついつい見入ってしまって、やらないといけない仕事がたくさんあったのに全然手につかなくなって、First Aid Kitは麗しく、HAIMはカッコよくて面白くて、デヴィッド・バーンのステージも極めて先鋭的、X JAPANの狂騒も含めて眺めていたら夜になってしまった。そしてとにかく圧巻だったのはビヨンセのステージで、もうぐうの音も出ないくらい感動した。モニター越しでもものすごいものを観た、という印象。エンターテインメントの完成形だなあとしびれた。音楽って素晴らしいなあと改めて思った日曜日でした。

再開した録音作業の感覚がちょっと変わったような、そんな日曜日でした  
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2018年04月11日

中島愛 “Curiosity of Love”ツアーファイナル|ナイロン100℃『百年の秘密』

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先週末、レコーディングを夕方までやった後でお台場まで車を走らせて中島愛さんの復帰第一弾アルバム『CURIOSITY』発売記念ツアーのファイナル公演を観にいった。昨年の6月以来で目撃するライブでしたが素晴らしかったな。甲斐みのりさんとの共著『音楽が教えてくれたこと』で改めてまめぐちゃんの音楽に対する知識と愛情を再確認したあとでのステージだったのでなおさら、楽しそうに弾む姿が印象的でした。歌詞を書かせてもらった「最高の瞬間」、そして「金色〜君を好きになってよかった」はお客さんの掛け声、コール・アンド・レスポンス、フロアのペンライトの光でさらにスケールの大きなアンセムに昇華されていて、何度聴いても感動します。終演後まめぐちゃんに挨拶。会場で会ったラウンドテーブル北川くん(もう20年以上の付き合いになるなあ)、acane_madderさん、久しぶりにお会いした作詞家の岩里祐穂さんと記念写真。たまにライブにまめぐちゃんのファンの方が来てくれて「僕が(私が)言うのも変な話ですが…、いい歌詞をありがとうございました!」って言ってくれることがあってとても光栄。そんなこと他の作家仕事ではなかなかない。

昨日も夕方まで録音作業をしたあとで下北沢まで出かけて(南口がなくなった下北沢の違和感!)本多劇場でナイロン100℃『百年の秘密』を観劇。時間を行ったり来たりする大河ドラマは目まぐるしく展開して、休憩挟んでたっぷり3時間半もその長さを感じませんでした。だれか『ケラリーノ・サンドロヴィッチの頭の中』という映画を作って欲しい。作品を観るたびになんでこんなストーリーが思い浮かぶんだろうか、と思う。終演後KERAさんにお会いして『Punctual/Punk』を渡すことができて、「これ欲しかったんだよー」という笑顔がとても嬉しかった。いつも他愛ないメッセージのやりとりで僕の減らず口をバシッと叩き落としてくれる大好きな峯村リエさんもとても素敵でした。尾を引くような夢を見そうです。

先月末からずっと切れ目なくずっとレコーディング作業が続く日々なので、この2つの華麗な舞台を眺めて、大きく深呼吸をするような思いでした。  
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2018年03月18日

明日を強く希求する歌たち|エレファントカシマシを観た



エレファントカシマシのライブを初めて観た。それがデビュー30周年記念ツアーのファイナル、さいたまスーパーアリーナのソールドアウト公演だったことはとても幸運。エレカシがデビューしたのは多分僕がまだ中学生だった頃で、30年というのはそういう長い長い時間なのだ。冒頭2曲目でアリーナの天井から無数の風船が客席に降り注ぐのを見てとても感動。ストリングスとブラスを交えたロックンロールオーケストラ、ものすごいものを観たなあという気持ちのいい脱力感。歌も演奏もすごかった。どれだけ控えめに言っても“最高”のライブでした。

4人のメンバーだけで演奏した「悲しみの果て」、今年初めて眺めた桜吹雪、弾き語りの途中で宮本浩次がイヤモニを耳から引っこ抜いた瞬間、そして「四月の風」でのフィナーレ。エレカシの歌を聴いて心が震えるのは、過ぎた過去を振り返ることよりも、明日やその少し先の未来に向かって「さあ行こうぜ」と希求して手を伸ばす歌がたくさんあるからなのだなと思った。「おれも明日からまた頑張ろ」と勇気づけられたのです。3時間半近いステージが本当にあっという間だった。

素晴らしい夜でした。この機会をくれた友人に感謝。  
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2018年03月05日

毛玉/山田稔明(from CDR『CATS』)

HMVキチレコで売り切れてしまった2012年に作ったCDR作品『CATS』から「毛玉」を公開します。猫が毛玉を吐いたあとの気だるい感じを歌にしようと試みたものですが長い時間が経って聴き返してみるとThe Smithsマナーのとても洋楽的な、アルペジオがきれいな僕の好きなタイプの曲だなあと思いました。このCDR、久しぶりに聴き返してみると愛猫ポチの鳴き声がそこかしこに入っていて、忘れていたわけじゃないんだけど「ああ、ぽっちゃん。こんな声だったなあ」とブワッと涙が出てきてびっくりしました。みんなも猫と暮らしている人は鳴き声とか録音しておくといいですよ。写真も記憶を補完してくれるけど音声の威力のすごさを改めて感じました。




毛玉/山田稔明

なんて憂鬱な雨の日だ
まるで底なしの毛布の上
もう少しだけ待てば見えるだろう
君が投げた三日月のブーメラン
さあクロネコがきっと運んでくれるだろう

眠れ ねんねこ 眠れ ねんねこ
everyday is like sunday ah...

white light, blue beat and american pie
everything is dream
and you could throw yourself up now

白い光、青いビートとアメリカンパイ
すべては夢
今 君はすべてを吐き出せばいいさ


written, produced and all instruments by toshiaki yamada 2012  
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2018年02月19日

純粋なる喜劇|ファーザー・ジョン・ミスティ来日公演

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先週の木曜日、渋谷O-EASTでファーザー・ジョン・ミスティの来日公演を観た。2017年の『Pure Comedy』というアルバムを愛聴したのでとても楽しみにしていた。Youtubeなんかでライブの映像を観て期待が高まっていたわけだけど、実際のステージは本当に最初から最後まで圧巻。3枚のCDから満遍なく演奏されて、バンドも素晴らしくて「こういうのが観たかったの!」っていう感じで完璧だった。長身で四肢を翻して歌うジョシュ・ティルマンはジム・モリソンみたいなカリスマ性を持っていてぞくぞくした。その色気よ。トーマス・マンの小説『魔の山』を題材にした曲があって、僕はそれが大好きなのだけど、アンコールでそれが聴けてしみじみしたな。「ここに長くとどまればとどまるほど未来が失われていく/だから僕は魔の山で年老いていこう」。

ひとりで観にいったライブだったけど、終演後外に出てみると友人知人のミュージシャンたちがいっぱい観にきてて「やー、よかったねえ。完璧だったねえ」と語り合った。音楽っていいものだなあ…と折りに触れ感動して、そのたびに元気に生き返る自分は、結局音楽に救われているのだなあ、と思う。  
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2018年02月14日

song of the week|短い2月を駆け抜けて

2月も折り返し。普段英語の歌をCDに収録することは少ないのですが、この歌はとても気に入っていて
2016年にリリースしたアルバムに収めることができて嬉しかったです。今年も季節はもう今。
そして年頭に唱えた誓いをちょっと修正したり路線変更したりする年度末がやってきます。




my valentine

my valentine
would you hold me up when I fall down?
soak me in the chocolate sea
sprinkle me with a sugar breeze
love will find a way

oh, lay me down
on a cotton candy bed
I’m dreaming now, my valentine

roll me over the jelly beans
bury me into a melty cream
love will find a way

so hold my hand
what a sticky-sweet surprise!
I’m dreaming now, my valentine



僕の愛しい人よ
僕が崩れ落ちるときは受け止めてくれるかい?
チョコレートの海に沈んで 甘い潮風に吹かれて
愛がそこへ導くのなら

綿菓子のベッドに横たわって
僕は夢を見ているところ マイ・ヴァレンタイン

ジェリービーンズと溶けそうなクリームで僕を埋葬して
愛がそこへ導くのなら

僕の手をとって なんて素敵なサプライズ
僕は夢を見ているところ マイ・ヴァレンタイン





『pale/みずいろの時代』を通販STOREで購入


  
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2018年01月01日

2017年 個人的音楽10選

1月1日は振り返る日。2017年も良いレコードがたくさんありました。夏頃から毎日ずっと何回も、アンセムのようにHAIMの「I Want You Back」が鳴り続けていたのだけど、秋にThe Nationalの新作が出てからは取り憑かれたようにそればっかりになって、旧作まで全部集めてしまったほどです。なので、今年のベストはThe National『Sleep Well Beast』、2位がHAIM『Something to Tell You』となりました。それ以下の順位にはあまり差がありません。毎年そうだけど、トレンドと全然関係のない、アメリカの、好きなものばかりを集めた10選になりました。

Conor Oberstは2016年個人的ベスト作品だった『Ruminations』のバンド編成盤、大好きな音、抗えない音。Beach Fossilsは若いバンドで、この夏に涼風を吹かせてくれた。Weezerは前作に引き続く快作で僕を唸らせ、過ぎた夏を蘇らせたのです。フランキーコスモス(グレタ)のコーラスも麗しかったDent Mayはバリ島に行ったときのBGMとして素晴らしく作用し、Courtney BarnettとKurt Vileの手合わせは予想以上に充実したものでした。

フジロックで観て、Real Estateの自分のなかでの存在感を再確信。アルペジオの魔法を想いました。もしFarther John Mistyのステージを観ることができていたら、彼のこのレコードはもっと上位にランキングされていたかもしれない。そのフジロック2017での個人的ベストアクトだったThe Lemon Twigs『Do Hlooywood』、これは前年のリリースなので次点としました。新作シングルもよかったな。そして不意に出会ったEthan Gruskaの、震えるような音世界は長い夜によく似合っていて、今夜もそっと静かに響くのです。

邦楽では友人であり尊敬する高橋徹也、言葉の紡ぎ方が好みのシャムキャッツ、そして2017年に聴いた歌のなかで一番感動した「天国かもしれない」のむぎ(猫)の3枚を。2月ちよだ猫まつりでのむぎちゃんとの対バンが楽しみです。2018年もいい音楽を求めて宝探しは続きます。



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<2017年 良かった音楽10選>

1.The National 『Sleep Well Beast』
2.HAIM『Something to Tell You』
3.Conor Oberst『Salutations』
4.Beach Fossils『Somersault』
5.Weezer『Pacific Daydream』
6.Dent May『Across the Multiverse』
7.Courtney Barnett and Kurt Vile『Lotta Sea Lice』
8.Real Estate『In Mind』
9.Farther John Misty『Pure Comedy』
10.Ethan Gruska『Slowmotionary』
次点:The Lemon Twigs『Do Hollywood』


<邦楽3選>

高橋徹也『Style』
シャムキャッツ『Friends Again』
むぎ(猫)『天国かもしれない』




2017年は全然映画を観なかった年でした。『パターソン』と『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』くらい?忙しさを言い訳にしないで、2018年はもっとインプットを増やしたいなあと思っているところです。  
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2017年11月16日

5年目の『Christmas Songs -standards and transfers』



2012年に福田利之さんのイラストをまとって発売した『Chirstmas Songs - standards and transfers』が今年で5周年を迎えます。僕の活動の幅を広げ、いろんな意味でも僕を救ってくれた、自分にとってとても大切な作品です。愛猫ポチの声がたくさんつまった思い出のレコード(記録)です。今年もどうぞよろしくお願いします。オフィシャルサイト通販STOREでご購入できますし、僕の測り知らないところで毎年たくさんのご家庭に飛び立っていく不思議なCDでもあります。寒い季節にあたたかい音楽を。


『Christmas Songs -standards and transfers/山田稔明』
(全12曲入り/2,100円税込/2012年発売/GTHC-0003)


1.sombody's coming(introduction)
2.joy to the world(もろびとこぞりて)
3.jingle bells(ジングルベル)
4.oh my darling, clementine(雪山賛歌)
5.wish you a merry christmas
6.greensleeves
7.when the saints go marching in(聖者の行進)
8.the first noel(牧人ひつじを)
9.symphony no.9(ode to joy)
10.amazing grace
11.silent night(きよしこの夜)
12.o christmas tree(もみの木)

arranged, performed and produced by Toshiaki Yamada

◎全曲のアレンジ、演奏、歌、多重コーラス、録音とミックス、さらには
マスタリングまでの全工程すべて山田稔明が担当、まさにハンドメイドなあたたかいレコードです。
◎誰もが知っているクリスマススタンダードをフォーキーに織りなす季節感たっぷりの1枚です
◎アートワークは『新しい青の時代』と同じく人気イラストレーター福田利之による描きおろし。
◎紙ジャケ仕様、ブックレット封入、帯がつきます。


『Christmas Songs』を通販STOREで購入  
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2017年10月26日

ジャクソン・ブラウンと横書きのままの歌と言葉

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先日24日の広島公演でジャクソン・ブラウンの2年半ぶりの来日公演がすべて終了した。僕は東京の追加公演のチケットが取れて、幸運にも10列目という至近距離でジャクソンの歌を聴くことができた(2年半前は1階の最後列だった)。ジャクソンは観客のリクエストに応えるので毎晩セットリストが変わる。セットリストがSNSで流れてくるたびに「わああ」とか「えええ」とかため息をついたが、僕が行った日も一期一会の夜だったはずだ。聴きたい歌のいくつかが聴けて、叶わなかった曲はそれより多かったけれど、ジャクソン自身がドリームバンドと呼ぶプレイヤー陣の演奏も含めてとにかく至福の3時間。しびれた。

僕がジャクソン・ブラウンを初めて聴いたのはアクシデントのようなものだった。親類から段ボール数箱分もらった輸入レコードのなかに『孤独なランナー』が紛れていた。僕はその名前からファンキーでごきげんな音楽を想像してプレイヤーに乗せる(ジェイムス・ブラウンと勘違いしていたのだ)。聞こえてきたのはクセのない、憂いと陰りを湛えた真っ直ぐな歌、ギターとピアノとバンドサウンドだった。このレコードから受けた影響は計り知れない。「遅れてきた青春」も「星に輪ゴムを」もこのレコードがなければ生まれなかった。ライブツアーをしながら作られた変則的なアルバムで、僕はそのオリジナル・スタジオ・バージョンを探したのだけど、はなからオリジナル・バージョンが存在しないと知ったのは数年後のことだ。

さかのぼって聴いたレコードのなかに『Late for the Sky』があり、その表題曲は20世紀のアメリカン・ロックの代表曲。僕が目撃したコンサートでも演奏された。69歳になってもこの歌を歌うとき時間が巻き戻ってジャクソンは見目麗しい青年に変身する。この「Late for the Sky」というフレーズの真意を僕は中学生の頃からずっと理解できないでいる。今でもそうだ。正確に言うと、日本語にパラフレーズできない。「空に遅れる」とはどういうことか、それが朝なのか昼なのか夜なのか。横書きの歌を縦書きに変換するのはなかなか難しいが、この日の素晴らしい歌と演奏を前にしたらどうでもよくなった。2017年の長雨が続いた秋の夜に僕はこの「Late for the Sky」を言葉そのままに全身で受け止められたような気がする。

ライブが終わって興奮さめやらぬまま、ジャクソンが使っていたのと同じギターを勢いにまかせて買ってしまうというサブストーリーも付随して、忘れられないジャクソン・ブラウン来日公演となりました。「Load Out/Stay」で締めくくられるステージを観るまでまた何度でもコンサートへ出かけていきたいと思います。  
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2017年09月27日

ジャクソン・ブラウンと秋の夜長



一昨日のこと、武蔵野での打ち合わせが思ったより早く終わったので武蔵小山のアゲインまで音楽評論家 天辰保文さんのトークイベント「Talking Man」を聞きにいった。今回はジャクソン・ブラウン特集、来月の来日公演を控えて、天辰さんの解説つきのジャクソンの歌を聴きたかったのだ。月曜日の夜なのに会場はぎゅうぎゅうの満員でびっくりしたのだけど、きっとリアルタイムでジャクソンを熱心に愛聴してきたのであろう年配の(という言い方も失礼だけど)ファンの方が多くて音楽を好きでい続けることって素晴らしいなと思った。聞き手となったペットサウンズレコード森陽馬さんと僕は同い年だけど、我々が最年少だったのではないだろうか。

天辰さんの言葉でなるほどと膝を打ったのは、ジャクソン・ブラウンというのはロックンローラー然とした破天荒さやほころびがなく、均整の取れた真摯な音楽家だということ。個人的にはジェームズ・テイラーよりも断然言葉に比重を置く語り部だと感じる。なにか、一点を見つめながら熟考した歌を歌う人という印象をパラフレーズするならば「優れた観察者」とでも言えるだろうか。研ぎ澄まされた歌詞はとにかく美しいし、ビブラートしない声のおかげですっと心の奥のほうへ届く。

僕が中学生の頃、段ボール数箱分もらった親戚のレコードコレクションのなかから掘り当てたのがジャクソン・ブラウンの『孤独なランナー』という1977年の作品だった。ジェームズ・ブラウンと混同してファンキーな音を期待して針を落とすと、僕の耳に予想外の音楽が流れ入ってきたことを思い出す。それがジャクソン・ブラウンとの出会い。『孤独なランナー』はライブ音源を集めたアルバムだったので、僕はそのオリジナルバージョンを欲して過去のカタログを辿っていくわけだけど(結局『孤独なランナー』収録曲のスタジオ録音盤は存在しない)30年近く経っても僕にとって一番のジャクソンは『孤独なランナー』ということになるから、出会いというのはかくも決定的だ。天辰さんが選ぶジャクソンの1枚が『ファースト』なのも同じ理由だろう。

天辰保文さんはGOMES THE HITMANが2000年に『cobblestone』をリリースするときに文章を書いていただいた。自分が思春期から聴いてきた洋楽のレコード(の日本盤)みたいに差込みのライナーノーツをつけたかったのだ。天辰さんはTHE BANDの『Last Waltz』を目撃したり、1970年代からロックの変遷を見つめ続けてきた尊敬する音楽評論家だ。数々の名作のライナーノーツや、著作『ゴールド・ラッシュのあとで〜天辰保文のロック・スクラップブック』でその筆致を味わうことができる。久しぶりにお会いできて、来てよかったなあと思いました。イベントは23時近くまで続いた。ペットサウンズの皆さん、アゲインの石川さん、古い知り合い、村田和人さんファンのお客さん、元CDジャーナル編集長の藤本さん、丸山京子さんにご挨拶できたのも嬉しかった。写真は同じくお話を聞きにこられていた堀江博久さんと天辰さんと。来月の来日公演がとても楽しみ。

4年前にカバーした「These Days」、記事もあわせてぜひご一聴ください。




  
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2017年08月30日

晩夏のGOMES THE HITMAN(リハーサルDAY1)



大阪から帰京して落ち着く間もなく今日からGOMES THE HITMANモード。7月のライブ以来みんなと会うのは1ヶ月半ぶりだが、さしたる緊張もなければ感動もなく、まあこれがバンドというものだ。今回のスターパインズカフェ公演にはゲストギタリストとして橋本哲さんを迎えるが、哲さんは『cobblestone』「maybe someday」とレコーディング、そしてツアーをともにした盟友、吉祥寺在住であり、杉真理さん関連のイベントでもいつも顔を合わせるので、雰囲気はいたってリラックス。哲さんを含めた5人編成になると“あの頃”のことを体が思い出す。楽しいセッション。

4人だけで演奏するパートも用意した。季節がらセットから外せない曲として「遅れてきた青春」があるが、これは1994年の終わり頃、バンドの最初期に僕が21歳の頃に書いた曲。とにかく僕はこの歌が大好きだ。歌詞のどのフレーズをとってもお気に入りで、この曲を書き上げた若き自分をほめてあげたくなる。なんと名付けていいのかわからないような独特なコード、4人全員がコーラスをしていると“あの頃”よりももっと昔のことを懐かしく思う。21歳の僕が「遅れてきた青春」と描いたのは43歳の今の自分にとってはどんな季節なのだろうか。

GOMES THE HITMANのライブは来週末9月9日。新しい人も昔からの人もぜひみんなで吉祥寺までバンドを観にきてほしい。


2017年9月9日(土)@ 吉祥寺 Star Pine’s Cafe
SPC 20th Anniversary
GOMES THE HITMAN “kichijoji rhapsody”


17:00開場 18:00開演/前売4000円 当日4500円(ドリンク代別途)
*整理番号順入場・全自由
出演:GOMES THE HITMAN
[ 山田稔明、堀越和子、盒況觧辧⊃榮俊明 ]
with guest guitarist:橋本哲

スターパインズカフェ20周年をお祝いして、今年CDリリースから
20年を迎えるGOMES THE HITMANがステージをロックします。

一般販売:オフィシャル通販STORE、プレイガイド、店頭にて販売開始
通販STORE販売分→SPC店頭販売分→イープラス→ぴあ
という整理番号順になります。

オフィシャル通販STORE
イープラス
チケットぴあ
スターパインズカフェ店頭

吉祥寺 STAR PINE’S CAFE
info:0422-23-2251
〒180-0004 東京都武蔵野市本町1-20-16 B1


  
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2017年08月21日

ポチの夢を見た|『the loved one』から「small good things」を公開しました

昨日か、今朝方か夢のなかにポチが出てきた。いつもチミママが訪れるみたいな感じでポチ実が見ている窓の外にポチがいた。「わー!ぽっちゃん!」と僕は興奮して駆け寄るとポチはびっくりして少し後ずさりしたんだけど、同じように興奮するポチ実を抱いて「チミ、ぽっちゃん来たよ…」と高ぶる気持ちを抑えて眺めた。ポチは元気な頃の丸々と可愛いらしいポチで、こっちに近づいてきたところで夢から覚めた。ポチが夢に出てきたのをはっきり認識したのは初めてだったから、忘れないようにと急いでその夢の内容をメモして自分宛てにメールしたのです。嬉しかったなあ。

再プレスと販売再開を記念して、2015年のアルバム『the loved one』から「small good things」を公開します。ささやかだけど嬉しい出来事というのがあるのです。「small goo things」は10年前くらいに書いた曲。少し歌詞を手直ししたら眠れない夜にポチを想う歌になりました。iPhoneを握ったまま眠ってしまったりしたときにはいつもこの歌が脳裏に流れるのです。「夢で会えたら」という使い古された常套句だと思っていたフレーズは、大切なものを失って初めてその本当の意味を知るような気がします。


  
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2017年08月10日

新作ライブ盤『DOCUMENT』渋谷パイドパイパーハウスとペットサウンズレコードで販売開始|高橋徹也氏による寄稿文を公開

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発売から1ヶ月を経てなお山田稔明ニューアルバム『DOCUMENT』にたくさんの感想やご好評をいただいています。現在基本的にはライブ会場物販とオフィシャル通販と限られた販路でお求めいただいているCDですが、タワーレコード渋谷 5階のパイドパイパーハウス、そして武蔵小山の名店ペットサウンズ・レコードでも販売していただくことになり店頭に並んでいます。ぜひレコードショップにお立ち寄りの際はお手にとっていただけたら。なお、いくつかの懇意にしている店舗でも『DOCUMENT』を取り扱っていただいていて、東京は等々力の巣巣、経堂ギャラリー芝生、一両日中には福島三春in-kyoと兵庫加古川のチャッツワースでの取扱も始まります。どうぞお近くの方はお立ち寄りください。

本日は2枚組ライブアルバムのうち弾き語りで構成されたDISC1 “solo acoustic” のオープニングトラックである「blue moon skyline」を公開します。さらには、友人であり、尊敬するシンガーソングライター高橋徹也さんから『DOCUMENT』についての寄稿文をいただいたものを掲載します。今月末にはこのアルバムを携えて関西三都市、そして名古屋へと音楽の旅を。ソロ活動から10年の記念すべき2017年の夏はこの『DOCUMENT』をよろしくお願いします。

オフィシャル通販STOREにて『DOCUMENT』を購入






『DOCUMENT』に寄せて

実況録音盤。

誰も気に留めないだろうが、今時このフレーズを使う人もそういないのではないか。大切な友人であり、尊敬するシンガーソングライター、山田稔明くんから届いた、キャリア初となるライブ・アルバムの資料に記されていたフレーズだ。確かにこの二枚組に渡るライブを聴いていると、実況録音盤と書きたくなる気持ちがわかる。それはれっきとした2017年初夏の最新アルバムでありながら、1970年代に録音されていた幻の名盤と言われてもなんら不思議はない、どこか超然とした魅力を持つ作品に感じられるからだ。

考えてみれば山田くんと親しくなったのはここ五年くらいの話だろうか。それ以来、毎年こうして彼の新しいアルバムの為にコメントを書かされて、いや失礼(笑)、書かせてもらっていることに改めて驚かされる。こんな人、他にはいない。お互いにキャリア二十年余りを経て、一年に一枚というペースで新しい作品をリリースし続けることがどれほどタフなことか、身をもって感じているから。

山田くんの弾き語りライブを初めて観た時、なぜか海外アーティストのライブを観たような気持ちになったのをよく覚えている。大袈裟なヴォーカル表現や、これみよがしなギターテクニックをひけらかすことなく、徐々に熱を帯びて行くような心地良い演奏に強い衝撃を受けた。そう、それは全く過不足のない演奏。曲に必要な音が完璧にわかっている演奏だった。僕はこういう人のことを、本当に上手い歌手だと思うし最大限に尊敬している。

そんな山田くんの魅力が詰まった今回のライブ・アルバム。しかも弾き語りとバンドセットにセパレートされた二枚組となれば、これはもう選曲も含めて現時点でのベスト・アルバムと言えるであろう。スピーカーの向こう側で、彼が目を細めながらギターを弾き、歌っているかのような、クリアでナチュラルな臨場感を楽しもう。

最後に、録音も演奏も選曲も申し分ない実況録音盤『DOCUMENT』にひとつだけケチを付けるとするならば(悔しいから・笑)、実際のライブはさらに最高だぜ!ということではないだろうか。それは音楽家としてとても健全で贅沢すぎる欠点だと思う。

友人として、同じシンガーソングライターとして、このレコードを誇りに思います。リリースおめでとう!今年は俺の新作にもコメント書いてね。


高橋徹也(音楽家)
  
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2017年07月07日

初のライブ盤『DOCUMENT』から「my favorite things」を公開



本日は7月7日、七夕。毎年この日に新しいCDをリリースしてきて今年で5年となります。今年前半を費やして作ったキャリア初の2枚組ライブ盤『DOCUMENT』は、一般流通に頼らずライブ会場とオフィシャルサイトの通販のみで販売すること、レコ発ライブが7月15日であること、そしてさらには完成したCDが海外から船便で届くのが来週になることから、「7月7日発売」と銘打ちながら、まだ皆さんの手に、目にふれないままでいます。まるで七夕の夜の曇り空のなかで出会えない誰かと誰かのように。

来週末のライブ会場で手に入れることを楽しみにしていらっしゃる方、全国からたくさんの通販のお申込みもいただいています。どうかもう少し、もう1週間とちょっとだけお待ちいただきますよう、よろしくお願いします。今日は『DOCUMENT』のDISC2 <with the band>のなかから、バンド編成の賑やかさを象徴する「my favorite things」を公開します。来週あたりにはダイジェスト版予告編もお届けできたら。この作品が皆さんの暮らしに寄り添うお気に入りのレコードになりますように、と祈りつつ。


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山田稔明/DOCUMENT

(2017年7月7日発売:GTHC-0010/税別3,000円 税込3,240円)

収録曲

【 DISC1 -solo acoustic 】
1.blue moon skyline
2.太陽と満月
3.猫町オーケストラ
4.一角獣と新しいホライズン
5.夏の日の幻
6.brand new day, brand new song
7.ホウセンカ
8.memoria
9.小さな巣をつくるように暮らすこと
10.きみは三毛の子
11.calendar song
12.あさってくらいの未来

【 DISC2 -with the band 】
1.どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと
2.home sweet home
3.glenville
4.my favorite badge
5.平凡な毎日の暮らし
6.月あかりのナイトスイミング
7.些細なことのように
8.予感
9.my favorite things
10.ポチの子守唄
11.日向の猫
12.光の葡萄
13.hanalee
14.SING A SONG
15.ハミングバード



produced by 山田稔明

DISC1 mixed & mastered by 手塚雅夫(freewheel)
DISC2 mixed & mastered by 上野洋

Recorded live between February to May 2017

参加ミュージシャン:itoken、安宅浩司、海老沼崇史、五十嵐祐輔、
佐々木真里、立花綾香、上野洋、近藤研二


7月15日 恵比寿天窓switch「夜の科学 vol.52 -夏の記録と記憶」よりライブ会場にて販売
オフィシャル通販STOREでの予約受付を開始しました(7月17日以降のお届けとなります)


オフィシャル通販STOREで『DOCUMENT』を予約注文  
Posted by monolog at 10:49Comments(0)

2017年06月26日

山田稔明ニューアルバム『DOCUMENT』曲目詳細発表|オフィシャル通販STOREでの予約受付を開始しました

山田稔明の2017年新作はキャリア初の実況録音盤。未発表曲を含む、“ライブベスト”ともいえる作品になりました。収録楽曲を公開します。今年の2月から5月までのステージをライブ録音した音源のなかから、ソロ名義での代表楽曲はもちろん、村田和人さんへの歌詞提供曲「brand new day, brand new song」、新曲「きみは三毛の子」「小さな巣をつくるように暮らすこと」、カセットテープ作品『INOKASHIRA』から「my favorite badge」、さらには「memoria」「ホウセンカ」のGOMES THE HITMAN未発表曲を含む、ソロ弾き語りのDISC1とバンド編成でのDISC2、全27曲を収録。

着地点が見えないまま始めたライブ盤プロジェクトでしたが、言うなれば2007年からのソロ活動の10周年に相応しい“ライブベスト”が完成しました(本当は完成までもうちょっとだけど)。ライブ会場などで「初めて山田さんのCDを買うとしたらどれがお薦めですか?」と尋ねられたら「んー、『新しい青の時代』ですかね」と答えていましたが、7月からは胸を張って『DOCUMENT』を指差すことになります。今回のCDは初めてソロ作を出したときと同じようにライブ会場とオフィシャル通販STOREだけでの販売から始めたいと思います(初心に返ります)。ちょっとした“ひと手間”をかけて、山田稔明の『DOCUMENT』を手にしてもらえたら嬉しいです。

今回はライブ盤という性格上、歌詞カードやブックレットをつけません。代わりにハンドメイドZINE『MONOLOG - DOCUMENT edition』を作って、詳しく作品を紐解きたいと思います。CDにはMCは一切収録されませんが、MCだけを集めた音源などがあっても楽しいかもしれませんね。


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山田稔明/DOCUMENT

(2017年7月7日発売:GTHC-0010/税別3,000円 税込3,240円)

収録曲

【 DISC1 -solo acoustic 】
1.blue moon skyline
2.太陽と満月
3.猫町オーケストラ
4.一角獣と新しいホライズン
5.夏の日の幻
6.brand new day, brand new song
7.ホウセンカ
8.memoria
9.小さな巣をつくるように暮らすこと
10.きみは三毛の子
11.calendar song
12.あさってくらいの未来

【 DISC2 -with the band 】
1.どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと
2.home sweet home
3.glenville
4.my favorite badge
5.平凡な毎日の暮らし
6.月あかりのナイトスイミング
7.些細なことのように
8.予感
9.my favorite things
10.ポチの子守唄
11.日向の猫
12.光の葡萄
13.hanalee
14.SING A SONG
15.ハミングバード



produced by 山田稔明

DISC1 mixed & mastered by 手塚雅夫(freewheel)
DISC2 mixed & mastered by 上野洋

Recorded live between February to May 2017

参加ミュージシャン:itoken、安宅浩司、海老沼崇史、五十嵐祐輔、
佐々木真理、立花綾香、上野洋、近藤研二


7月15日 恵比寿天窓switch「夜の科学 vol.52 -夏の記録と記憶」よりライブ会場にて販売
オフィシャル通販STOREでの予約受付を開始しました(7月17日以降のお届けとなります)


オフィシャル通販STOREで『DOCUMENT』を予約注文

  
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2017年06月15日

25年目のレモンヘッズ



一昨日のこと。打ち合わせから戻り自宅スタジオで作業しつつ、ふと手のひらのiPhoneでインスタグラムを眺めていたら「これからイヴァン・ダンドのライブ」という知り合いの投稿に目が点になる。は!?レモンヘッズのイヴァン・ダンドの来日公演!?全然知らなかった、そんなこと。調べてみるとその日の18時半開場、19時半スタートとウェブサイトに書いてある。時計を見たら19時15分、会場は渋谷区代官山。僕はコンピュータをシャットダウンし車に飛び乗り走り出していた。30分後には僕は当日券を買ってライブ会場のフロアにいた。最初の何曲かを見逃したけど、イヴァン・ダンドはずっと慣れ親しんだ歌を次から次に歌っていた。

1993年にレモンヘッズが来日したときのことを忘れない。大学2年生だった僕はなけなしのお金で買ったレモンヘッズとU2とプライマスのチケットが入った封筒を紛失するという失態をおかした。特に人気絶頂だったレモンヘッズを観れなかったのは悲しかった。レモンヘッズのTシャツにまつわる甘酸っぱい思い出も定期的に思い出す。GOMES THE HITMANは当初レモンヘッズのコピーバンドだったし、青春とレモンヘッズは切っても切れない関係だ。四六時中SNSの情報にアクセスできる時代にレモンヘッズ=イヴァン・ダンドの今回の来日公演の情報をどうして事前に手に入れられなかったのか不思議でならないが、とにかく僕は初めて彼の生の歌声を聴くことが叶って嬉しかった。

本当に次から次に、MCらしいMCもなく歌が溢れ出していく。レモンヘッズもソロも、全キャリアを惜しげもなく。「It's a shame about Ray」を早急なテンポで終わらせて、アコギからエレキへ持ち替えて歌われた「Into Your Arms」「Hanna &Gabbi」、またアコギに戻ってプラグを引き抜いて生音での演奏。聴けなかった「My Drug Buddy」と「Down About It」は最初のほうにやったのだろうな。奔放で好き放題、心の準備もできていなかったし、ゆったりと感傷に浸る余韻もすぐに次の曲が押し流していって、気がつけばあっという間の、1時間ちょっとのステージでした。

ソロ弾き語りでの演奏だったけど、バンド編成のレモンヘッズを観たくなったかというとまたそれは別の話で、きっとリズム隊を従えて大きな音で演奏しても、このルーズさや気まぐれさ、スリリングな不安定さは変わることがないのだろうなと感じたから、イヴァン・ダンドが思いのままに歌う歌が聴けてよかったなと思う。ライブへ行き帰りの車のなかでは自分にとっての最重要盤である『It's a shame about Ray』を何回も聴いた(30分にも満たないアルバムなので)。ここに封じ込められたきらめきはまったく色褪せない。気付けば25年が経っている。

ちょっとでも迷ったら行ったほうがいいな。ライブでも映画でもパーティーでも同窓会でも、なんでも。他の何かで埋め合わせることができないことを僕らはもう嫌というほど知っているし、次の機会はたいていやってこない。思いが強ければ瞬間移動に近いことができるということがわかった日でした。


  
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2017年06月11日

4時間続くポップスのパレード

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昨日のこと。ずっと自宅スタジオでライブ盤CDのための作業、30度にもなる快晴の窓の外を恨めしくにらんでいたのだけど、夕方から調子が乗ってきて「to do リスト」のある程度が完了。そそくさと出かけて中央線に乗って夕暮れの高円寺へ。以前にも何度か出演させてもらった“POPS Parade”というイベント(今月末の下北沢ラプソディでもお世話になる)に間に合った。ライブハウスに向かう途中で高円寺散策中の高野寛さんにばったり。高野さんは過去の記憶の中の高円寺との風景の相違に時の流れを感じていたけれど、僕もSALON/by marbletronというスペースがなくなってからは足を運ばなくなってしまった街なので新鮮。

会場には知り合いミュージシャンが多くてたくさんの挨拶を。黒沢秀樹さんに会うのは昨年秋以来か、「元気ですか?」「相変わらずさ」といつものように猫の話など。秀樹さんのステージはリズム隊を伴ったトリオ編成でとても音楽的で、その声とグッドメロディに惹き込まれた。エレキギターを抱えた高野寛さんを呼び込んでのセッションも素晴らしくて、いくつものディケイドを経て蘇るL⇔R楽曲にしびれました。

3月の蔵前以来で触れる高野さんの弾き語りは、天井の高いライブハウスの照明の下では神々しささえ感じられて、「夜の海を走って月を見た」は青い夜空を背景に歌が響きました。「風をあつめて」や「Coffee Milk Crazy」等、レアなカバーを交えながら、最後に歌われた「確かな光」に感動。約4時間、良質な音楽が流れ続ける良いイベントでした。

終演後、機材やガジェットの話で盛り上がる秀樹さんと高野さんを眺めながら、お二人とも尊敬する大先輩だけれど、永遠のロック少年の姿をそこに見た夜でした。  
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2017年06月05日

最高の瞬間はだいたい近未来|Megumi Nakajima Live 2017 “Love for you”



昨日のこと、ひと仕事終わらせて出かけて品川まで。中島愛さんのワンマンライブ「Love for you」を観にいった。昨年12月に歌手活動再開の報、今年2月にシングルリリース、そして昨日の3年ぶりのステージと、この半年の締めくくりのような祝祭ムードたっぷりのステラボール。活動再開第一弾の『ワタシノセカイ』のカップリング曲として作詞を担当した「最高の瞬間」をライブで目撃するのを楽しみにしていました。入場時に関係者に配られるセットリストに気づかないままワクワクしながら開演を待ったので、オープニング曲がその「最高の瞬間」だったときにわー!っと盛り上がって、鳥肌が立ったことをきっとしばらく僕は忘れない。

2012年に書いた「金色〜君を好きになってよかった」がライブを締めくくる曲だとしたら、ステージ序盤に「時は来た!」と高らかに歌えるような曲を、というリクエストを受けて書いた「最高の瞬間」だったので、半年後にこうやって実際にライブをキックスタートする役割りに加担している言葉たちが誇らしい。「フレー!」っという、この曲のデモを聴いたときに一番に浮かんだフレーズを会場を埋め尽くしたファンの皆さんが声を揃えるところでちょっと泣いて、フロアで波打つペンライトやサイリュームの光が滲んだのでした。まめぐちゃんは本当に楽しそうに歌っていて、歌も抜群によくて、すっと声が突き抜けていて素晴らしかった。自身のキャリアを総括するようなセットリストも再始動宣誓という感じでよかった。良い曲ばかり。昨日のライブを一番楽しんでいたのはまめぐちゃんだったのではないでしょうか。

最初のアンコールを締めくくったのは「金色〜君を好きになってよかった」。この曲の歌詞を書いたのはもう随分昔のこと。作曲者である菅野よう子さんの頭のなかではすでに「金色」という言葉とメロディが確定していて、僕はそれを青春の光の色だと感じて言葉を連ねたのです。昨日のライブではこの歌が始まると客席フロアは一面に金色の光が。まるで芳醇な麦畑に涼風が吹いているように見えました。「君を好きになってよかった」というフレーズにクロスする箇所をお客さんたちが合唱してサポートするところでまた感涙。作詞家としてこの上ない幸せでした。もはや照明担当とも呼べる、抑揚の効いた素晴らしいお客さんたちも昨日のライブ大成功の立役者だったと思います。

最高の瞬間はまだまだこんなものじゃなくて、もっとすごいやつが少し先の未来に待ち構えている、というのが「最高の瞬間」なわけで、昨日のステージを見て中島愛さんの新しく始まった物語のこれからがとても楽しみになりました。まめぐちゃん、お誕生日おめでとうございます。「フレー!」と声援を送り続けたいと思います。


  
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2017年06月03日

PLECTRUM レコ発ライブ @ 下北沢 CLUB Que|13年ぶりのアルバムリリースに寄せて



昨日のこと。安宅くんと綾香との作業を終えて下北沢へ急ぐ。盟友PLECTRUMのレコ発ライブ。最初の数曲を聴き逃したが(僕の好きな「BUFFALO」はそこでやったのかな)、2時間半におよぶライブをたっぷり楽しんだ。2000年に知り合って、切磋琢磨して励ましあい意識しあってきた仲間たちがどうにかこうにか足踏みをやめないで、時間をかけて足を一歩先に踏み出すシーンを目のあたりにするのは本当に嬉しいことだ。PLECTRUMにはカフェライブが似合わない。ライブハウスが一番いい。

ボーカルのタイちゃんはいつの間にかパワーポップ界の重鎮と呼ばれるようになりプロデュースや諸々の活動の幅を広げて、GOMES THE HITMANの一番タフな時期をギターで支えてくれたアッキーは八面六臂のスタープレイヤーになった。海千山千、百戦錬磨、経験とキャリアを積んで十余年歩いてきたはずの彼らなのに、バンドとしてステージに登ると昔と変わらずに混沌としたり、わちゃわちゃしたり、空回りしたりするのが面白かった。バンドってそうだよなあ、と感動する。良い意味で成熟しないのだ。ニコニコしてしまった。嬉しくなった。素晴らしい夜でした。13年ぶりのアルバム発売おめでとう。また対バンしたいな。

先月、5月25日下北沢leteでのカバー&提供楽曲ナイトで歌ったPLECTRUMカバー「BOOKEND」ライブ音源を公開、そして彼らのニューアルバム『The Life Romantic』発売に寄せたコメントを下記に転載します。





PLECTRUM『The Life Romantic』に寄せて

PLECTRUMは盟友でありライバルだ、とずっと思っている。
思い悩んで停滞しているときには背中を叩いてはっぱをかけるし、
調子に乗ったすごいライブを目撃した夜にはやっぱり嫉妬してしまう。
かれこれ15年くらいずっとそうやって、付かず離れず刺激し合ってきた彼らが
満を持して気持ち良いくらい突き抜けた素晴らしいアルバムを届けてくれて、
もはや嫉妬を超えて自分のことのように嬉しく思っている2017年初夏の日。
どっちが長く続けられるか競争しよう。いつまでも自分たちらしく。

山田稔明(GOMES THE HITMAN)


  
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2017年05月19日

アルバム『home sweet home』リリースから今日で7年|未発表デモを公開しました

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あっという間に時間が経ってしまうものです。あるいは、気が遠くなるような時間が経ったと思ってもまだそんなものか…と戸惑ってしまうこともあります。2010年の今日、5月19日は2ndソロアルバム『home sweet home』の発売日でした。今日で7年。まだ7年か、と感じてしまうのは、このアルバムは2007年くらいから制作が始まって完成までにとても時間のかかったレコードだからかもしれない。『home sweet home』は“10年前の自分”という印象があります(上の写真は2010年当時の写真です)。ひとりで作り始めて、そこにイトケンさん、安宅くん、真里さんが音を足してくれて、五十嵐くんも1曲ギターを弾いてくれました。そして共同プロデューサーのYAMACHIさんとエンジニア手塚さんが最後までまとめてくれてようやく完成した2枚目のソロアルバムは自分のキャリアにとってなくてはならない通過点でした。

こないだ久しぶりにバンド編成で『home sweet home』楽曲を演奏して、自分の音楽の雛形だなあと感慨深く思ったところだったので、この7年という時間にいろいろ思いを馳せているところです。たまに物販にデッドストックが並んだりしますが、現在入手しにくい盤になってしまって申し訳なく思っています。近いうちにどうにかしたい。リリースから7年を記念して、未発表デモテイクを公開します。すべて2007年に僕一人で録ったデモ、10年モノですね。「home sweet home」はこのデモのボーカルテイクが本番でも採用されました。何度トライしてもこのうら寂しい雰囲気が再現できなかったのです。「hanalee」はウクレレを買って練習し始めて、それがきっかけできた歌なのでウクレレから始まります。線が細くて頼りないですが、当時の自分の心境が蘇る好きなテイクです。「glenville」もこのまま出してもいいと思うくらい気に入っていた2007年デモ。1分27秒くらいのところでポチの声が聞こえますね。ここに安宅くんのペダルスティールが加わって、イトケンさんのドラムが塗り替えてくれました。とにかくこの頃は鍵盤ハーモニカばっかり吹いていました。

あわせて、リリースの2年前2008年に「歓びの歌」を加古川チャッツワースで初披露したときの音源も。皆さんの『home sweet home』思い出話も聞かせてもらえたらうれしいです。












山田稔明/home sweet home(楽天ブックス)
山田稔明/home sweet home(Amazon)
  
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2017年05月11日

毒蝮三太夫とデヴェンデラ・バンハート



連休明けの月曜日のこと。地元にあるココナッツディスク吉祥寺に毒蝮三太夫さんが来る!ということで、勇んで出かけた。TBSラジオの朝の定番『ミュージックプレゼント』はコーナー開始から48年となる長寿番組。前回マムシさんを観に武蔵境のドラッグストアへ行ったのは前の家に住んでいたときだからもう6年も前になるが、齢80を越えてももまむしさんは元気でおしゃれ、機知に富んで快活、気持ちいいくらいまむしさんだった。いつものココ吉の風景のなかに老若男女が集う様子はとても不思議で面白かった。リハーサルをスタッフの人が盛り上げて、本番を爆笑のなかで駆け抜けて、オンエアが終わった後も何十分もおしゃべりと客いじりをするまむしさん。それはまるでインストアライブみたいなだったな。最初から最後まで名言至言しかなかった。力をもらいました。

昨日は夜になってビルボードライブ東京まで出かけてデヴェンドラ・バンハートのライブを初めて観た。ずいぶん昔から彼のレコードを聴いているが、夢のような迷路のような、目くらましの煙幕のような不可思議なベールがぱっと晴れて、とてもリアルに肉感的に歌が響いてきて感動した。小さな音ですべての楽器の音が粒立ったバンドも素晴らしかった。英米の雰囲気とはちょっと違う、独特のエスニシティがあり、アーランド・オイエなんかに近い印象があった。もっと遡ってティラノザウルス・レックスみたいな祝祭ムードも感じて、ステージを体験した後で帰り道にカーステレオで聴いたCD音源が全然違うふうに聞こえてびっくりしました。

まむしさんとデヴェンドラ・バンハートを目撃して思うのは、やっぱりライブって最高だな、ということだ。  
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