2019年08月15日

終戦記念日に

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8月15日。おばあちゃんのことを思い出す。うちに母方のばあちゃんは最初の旦那さんを戦争で亡くして、その弟である僕の実のおじいちゃんと再婚した。1919年生まれでJ.D.サリンジャーと同い年だったばあちゃんは昭和天皇のこととか、マッカーサーのこととかをよく話して聞かせてくれた。ひとつは昭和天皇が全国巡幸で地元の町に来たときの話。そして「私たちはマッカーサーさんのことを松笠さん松笠さんっち呼びよったとよ」と楽しそうに話す姿を思い出す。子供の頃は僕も防空壕の跡で遊んだし、「戦争の頃はこれをおやつに食べよったとよ」と食べられる木の実を教えてもらったりした。あれから40年くらい経つ。もっといろんな話を聞いておけばよかったなあと思う。

戦争がもう二度と起きないように祈る。日本が、世界がもっと寛容で慈悲深いものになりますように。  

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2019年08月03日

なんということでもない夏の話

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夏が本気を出してきた。ああ、そうだ、8月ってこんなだった、とまた思い出す。スタジオ作業をしていると長袖を羽織ることが多いから気づかないふりをしていたけれど3日間のレコーディングのあと一気に暑さが身にしみてきた。去年の8月は猫町フェスとGOMES THE HITMANのツアーで名古屋・大阪・京都と駆け回っていたが、今年はまたGOMES THE HITMANで旅をする。夏の旅というのは記憶に残るものだ。暑い暑いとしかめ面をしながらも旅の荷物をカバンに詰めながら少し口角があがっている自分に気づく。

冬の終わりからちょっとした健康問題という個人的なあれやこれやがあったのが、この週末の暑いなかに病院に出かけて検査をして、何事も差し障りなく、もう大丈夫だと判を押された。安心した。毛だらけの猫にとっては厳しい季節だけれど、この頃ポチ実はお風呂場で寝ている。タイルがひんやり気持ちがいいからだろう。ポチが亡くなるときに隠れるように身を潜めたのもお風呂場だったのを思い出す。1週間前はフジロックでずぶ濡れになっていて、そのときはまだ梅雨明けしてなかったと思うと時間のめまぐるしさに圧倒されるが、いつだって時間はめまぐるしかったじゃないか、と思い直す。そんな夏の日である。  
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2019年07月29日

何ということでもないフジロックの話2019

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この週末、フジロックフェスティバルの2日目と3日目、二日間を堪能してきた。もともとインドア派の自分はそういった夏フェスに行かない人生を送るものだとばかり思っていたのだけど、2015年に初めてフジを体験して以来、その楽しさにハマってしまった。去年足をくじいてしまったため大事を取って断念したんだけど、結局3日間はその年から始まったYoutubeのライブストリーミングをずっと見てしまい「これなら行けばよかったじゃん」というのを経て、もう今年は最初から好きなミュージシャンの出演がたくさんアナウンスされたこともあり早い段階からワクワクしていたけど、同時に体力的な不安も多少あった。それがまあいろいろ首尾よく解決して、2年ぶりの苗場となったわけです。

土曜日の早朝、台風の接近にも関わらず東京は意外と天気がよくて「やっぱおれ晴れ男」とか言って呑気に出かけたのですが、もうこれは試練かというほどの雨に降られ足元もめちゃくちゃで、一昨年よりももっと過酷。イトケンさんが参加する蓮沼フィル、JAY SOM、CAKEと充実のラインナップを眺める。そして今年の春に続き来日のコートニー・バーネットのステージ中が一番小降りだったか、「やっぱ最高だな楽しいなと」と思ったのも束の間、そこからはひたすら雨に打たれる苦行に。ライブを観ていない時間がつらいのです。ご飯を食べるにも豪雨なので、丼モノがお粥になるほど。American Footballを観ながら朦朧としつつ、キラキラと乱反射するギターの音が雨ににじむのを美しいなと思ったり。そこからひたすら肩を大粒の雨が打つ待ち時間。少し時間が早まって始まった Death Cab For Cutieの素晴らしさよ。初めて観るデスキャブ、それまで力なくうなだれていた僕の背筋を伸ばさせる演奏だった。「What Sarah Said」という大好きな曲、これは病院の集中治療室で消えゆく命を前に紡がれる言葉たちが胸を打つのだけど「愛するとは誰かの死を見届けること」というフレーズを聴きながら、もう会えなくなった人たちの顔が僕の脳裏にコマ送りに映しだされたときがハイライトでした。元気が出たし感動した。この時間を忘れないだろうと思った。

翌3日目は、過去最悪とされた前日の豪雨に耐えたご褒美か、救われるような気持ちのいい一日に(晴れて暑かったり降ったりしたけど)。ステラ・ドネリーは今年のブライテストホープか。かわいくて楽しいステージだった。端から端まで数往復したけれど、知り合いにもたくさん会ったし、ファンの方から声をかけてもらったりするのも嬉しい。疲れてぼんやりご飯を食べながら観たハイエテイタス・カイヨーテ、そしてジェイソン・ムラーズの圧倒的なパフォーマンス。普段自分からは近づかないような音楽と出会うのも醍醐味。この日はテキサス州ヒューストンのクルアンビンが目当てだったのだけど、すべてが完璧なトリオだったな。このバンドの面白さはライブを体感するとさらに何倍にもなる。そしてザ・キュアーの怒涛のヒットパレードよ。Boy's Don't Cry、もう前の日のつらさとかを忘れてしまっている。

この週末の歩数計がカウントしたのは4万歩、歩いた距離は30キロ近くになった。また来年もここに来れたらいいなあと思いながらふらふらと帰路へ。短くも楽しい夏休みでした。2日間観たなかでベストアクトはDeath Cab For Cutie。今日は一日中彼らのレコードを聴いていました。

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2019年07月22日

伊藤銀次さんの「POP FILE RETURNS」に出演します

京都紫明会館での猫町フェスWESTへたくさんのお申し込みをいただいています。どうやら関西編も賑やかなお祭りになりそうでワクワクします。もう少し席がありますのでどうぞお早めのチケット確保を。先週末からオフィシャル通販STOREで新グッズの販売を始めましたが、「チミ・スミスTシャツ」は完売となりました。ご了承ください。また再入荷の際にはお知らせしますので。

今日はお昼から伊藤銀次さんのインターネットラジオ番組「POP FILE RETURN」にお誘いいただきm今月リリースになったGOMES THE HITMAN『Ariola years - lost weekend in the suburbia』に関することをはじめ、楽しいトークを2週分収録させていただきました。銀次さんはポップス界のレジェンダリーな大先輩であり、お会いするときはいつも緊張してしまうのですが(杉さんと会うときは緊張しないのです)、今日はこれまでで一番たくさん、楽しくお話ができたかもしれないなあと嬉しくなりました。8月2日と9日、2週に渡ってオンエアされますのでぜひお聴き下さい。

あともうひとつお知らせが!明日7月23日発売の写真週刊誌FLASHに載るのです、僕が。まさかFLASHに載るなんて想像もしませんでした。正確に言うと、愛猫ポチ実がバーンと、僕がちょこっと載る感じだと思います。ぜひ気にして見つけたら手にとってみてください。どうぞよろしくお願いします。

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POP FILE RETURNS  
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2019年07月11日

杉真理さんとわたし

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三軒茶屋のキャロットタワーへ出かけて26階展望ロビーにあるFMせたがやのサテライトスタジオ、杉真理さんのラジオ「アフタヌーンパラダイス」に生出演してきた。いつも夏になるとお世話になる番組、今年もGOMES THE HITMANの3枚組CDセット『Ariola years - lost weekend in the suburbia』リリースを気にかけてくれた杉さんからお誘いいただいて嬉しかった。今年は杉さんとGOMES THE HITMANが出会って20年のアニバーサリーでもある。初めて会った時杉さんは今の僕と同じ年齢で、ビートルズの『イエローサブマリン』のTシャツを着ていらっしゃった。「今日は山田くんに会うからイエローサブマリン着てきたんだよ」と杉さん。20年だなんて信じられない。あっという間にも感じるし、長い長い時間にも思える。杉さんはジャパニーズポップス界のレジェンダリーな御大だけれど、同時に、いつもおかしなことを言って笑わせてくれるサークルの先輩のようでもある。

そして、このサテライトスタジオに来ると毎年ポチが一番しんどかった雨の日のことを思い出す。弱り切ったポチを家に残し、この番組の生出演のために僕はよろよろしながらスタジオに辿り着いた。リスナーからの「18歳の猫が大往生した」というメールが読み上げられるのを僕はなんとも言えない気持ちで聞いたことを覚えている。オンエアが終わって、僕は杉さんに愛猫ポチの病状のことを告げたのだけど、奇しくも杉さん宅の猫も最期の季節を迎えていて、僕は杉さんから病院を紹介してもらって、その翌日にはわらにもすがる気持ちでそのドアを叩いていた。下の写真は五年前の写真。僕は一睡もしていないからぼんやりした顔をしている。小説『猫と五つ目の季節』にはこのときのことを「マリさん」という女性DJを登場させてほとんどそのまま描いた。もちろん「マリさん」のモデルは杉さんだ。

出会って20年の今年も杉さんとはお正月からライブ、そしていろいろ悩みや問題を聞いてもらったりして、本当にお世話になっている。『Ariola years - lost weekend in the suburbia』には杉さんが魔法をかけてくれた歌がたくさん収録されているから、これを機会にもっとたくさんの人に歌を聴いてもらえたら嬉しいなと思います。とても楽しいラジオの日でした。たくさんのメッセージにも心から感謝。

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2019年07月03日

ポチの誕生日

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2001年11月、ポチと一緒に暮らし始めたときに「ポチにも誕生日が必要だろう?」と考えた。もともとポチも写真家斎門富士男さんの邸宅にどこからか現れた野良猫だったからはっきりした生まれ日がわからない。ポチは多分夏生まれの女の子、という漠然とした情報から適当に算出して、7月4日生まれと言うことに決めた。僕がアメリカ好きなので、アメリカ建国記念日を誕生日に。「7月4日に生まれて」ということ、映画もあるから忘れない、思い出しやすいと思ったのだ。

ポチは1999年生まれなので、生きていたら20歳だ。猫にとって不可能な年齢ではないわけだから、もしここに20歳のポチがいたら、と妄想してみる。もっと恰幅よく大きくなってただろうか。しわがれ声には磨きがかかっただろうか。ちょっと用があって昔のMacBookを立ち上げると画素の荒い、iPhoneじゃない携帯で撮ったポチの写真に何枚も出会ってハッとする。そういう日がこの何日か続いたあとで、「あ、明日はポチの誕生日だ」と気づいて、日付が変わるのを待っているところ。なにもかもがそっと思い出に塗り変わっていくのなら、それはただ味気ないポストカードみたいだな。毎日が何かの記念日。

  
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2019年07月01日

7月…

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もう七月だと。信じられない。こないだクリスマスじゃなかったか。年末からこっち、濃厚な日々が続いて体感的にゆっくり進んでいる気がしていたのに気づけばもう2019年の半分が過ぎた。GOMES THE HITMANのメジャーデビュー20周年、ソロCDデビュー10周年のアニバーサリーもあと半年しかない。いろいろ急がなければ。今週末は5月以来のバンド編成のソロワンマン。メンバーはイトケンさん、安宅くん、五十嵐くん、真里さんに、近藤さん。どんなライブになるかとても楽しみ。新しいグッズもいろいろお披露目予定です。


2019年7月6日(土)@ 恵比寿 天窓 switch
山田稔明 10th Anniversary Live
“夜の科学 vol.57ー新しい記念日”

18:30開場 19:00開演/前売4000円 当日4500円(ドリンク代別途)
出演:山田稔明 with 夜の科学オーケストラ
[member:itoken、安宅浩司、五十嵐祐輔、佐々木真里、近藤研二]

山田稔明ソロデビュー10周年の夏、待望のソロ新作についてのプロジェクトを
始動します。音源化されていない新曲群をバンド編成で。丁寧に目を凝らせば
毎日が何かしらの記念日。様々な風合いの楽曲をお楽しみに。

*キャンセルb分をオフィシャル通販STOREチケットセクションにて販売中
*整理番号順のご入場、立ち見の可能性があります。

恵比寿 天窓 switch(http://www.otonami.com/ebisu/news/index.htm
〒150-0013渋谷区恵比寿3-28-4 B1F
TEL 03-5795-1887
  
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2019年06月30日

上半期よかったレコード5選

認めたくない事実だけれど、今日で2019年の半分が終了して、明日から後半が始まる。いつも思うことだが、なんと時の流れの早いことか。今年もたくさんレコードを買ってターンテーブルの上で取っ替え引っ替えして、音楽に励まされ生かされているなあ、と実感する。フィービー・ブリジャーズ、コートニー・バーネット、アンディ・シャウフと素晴らしい来日公演も目撃することができた。買ったレコードを全部インスタグラムに記録しているので、それを辿りながら今年上半期によかったレコード(新譜)を5枚メモしておきたいと思う。

まず圧倒的ナンバーワンはTHE NATIONALの『I AM EASY TO FIND』。もうずっとこればっかり、毎日聴いている。来年三月に待望の来日公演が決定。

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で、コナー・オバーストとフィービー・ブリッジャーズがBETTER OBLIVION COMMUNITY CENTER名義で突如リリースしたコラボ作。来日公演でサインをもらうときに「コナー連れてまた日本に来て」と懇願したらニコッと笑って「Sure!」と答えてくれたフィービーの可憐さ。

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VAMPIRE WEEKENDの久々のアルバム『Father Of The Bride』も期待以上だった。カーステレオで大きな音で聴くと最高なのです。

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オーストラリアのシンガーソングライター Stella DonnellyはデビューEPがとてもよくてフルアルバムが楽しみだったアーティスト。『Beware Of The Dogs』は弾き語りのデビュー作から一転カラフルなサウンドで楽しい。フジロックのステージに期待。

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ブルース・スプリングスティーンはいつの時代も素晴らしいが、69歳にしてこんな瑞々しい作品を生み出し世に問う音楽家としての凄みに感動した。僕が一番好きなボスは1987年の『Tunnel of Love』だったけれど、もしかしたらそれを超えたかもしれない。

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下半期もいっぱいレコードを買うのだろうな。音楽って本当にいいものですね。  
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2019年06月26日

6月が終わろうとしている

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6月が終わろうとしている。一年の半分が過ぎる。今年の上半期、様々な形態でのライブ・イベントを合わせると34本のステージをこなした。月で割ると5ステージ以上ということになるが、これが多いのか少ないのか、もう僕にはわからない。今月はトイレッツでのフェス出演と弾き語りワンマンだけだったけれど水面下では慌ただしい1ヶ月だった。7月からはまたライブが続くし、レコーディングも断続的にずっと続いているから気が抜けない。7月8月といろんな街へ行ってGOMES THE HITMANで演奏するのだけれど、セットリストがだいたい決まった。もうこんな疾走感と焦燥感のあふれる演目はないのではないかと思うほど甘酸っぱい。多少無理してでも観にきてもらえたらと願う。

さくらんぼをたくさんもらったので最近夜になるといつも食べているが、この夏のGOMES THE HITMANの甘酸っぱさはこの比ではない(超美味しい佐藤錦なので甘さこそあれ、酸っぱくはないからです)。  
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2019年06月24日

プリンパフェと図書館と仔猫まつり

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日曜日、渋谷でむぎちゃんのライブを観た後すぐさま鎌倉へ向かった。時間ギリギリにカフェ・ヴィヴモン・ディモンシュに滑り込んで念願のプリンパフェを食べたのである。最高なやつだった。また食べたい。ずっとバタバタ忙しくしていて今年初めてのディモンシュだったけれど堀内さんともう今年のクリスマスの話をした。駆け足でモルンに移動してバンド「図書館」のライブ。

モルン名物の「貸切り図書館」というイベントにもっとも相応しいバンド。図書館がライブをするのは2015年9月、僕も出演したレコ発イベント以来だそうで(そのときのブログ)会場は満員、みんなが期待を込めて待っていたのです。個人的にはもっと淡々として硬質な印象があった図書館の音楽が、すごく柔らかで優しさに満ちた歌に聴こえたのはなぜだろうか、と思う。メンバーそれぞれの個性が垣間見えるMCも含めて2時間ずっと素晴らしかった。この機会を見逃さなくてよかったなあと思いました。

ちょうどモルンで展示をしていたのが徳島の木工作家ivory+安藤さん。彼女と最初に会ったのは2010年の秋、僕が初めて徳島でアアルトコーヒー庄野さんと一緒にライブをやったときで、僕はそのときに買ったコーヒースプーンを今も使っている。今は売れっ子作家になったivory+さんと久しぶりに会えたことも嬉しい偶然でした。打ち上げまで楽しく、さらにはあらたに五十嵐家の家族になった仔猫のココアくんを一目見ようとみんなでおうちまで押しかけて、吉祥寺に戻ってくるころにはもうとっくに真夜中を過ぎていました。長く楽しい一日でした。

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2019年06月19日

愛猫ポチの5回目の命日

昨日町田康さんのバンド「汝、我が民に非ズ」のライブを観にいって、期せずして太宰治の話をMCでされて、神妙に聞き入った。太宰は4回の自殺未遂、そして5度目でその思いを果たしたのだそうだ。そんな話をされたのは翌日の今日が桜桃忌だったからだろうか。夏が来れば思い出すのは、僕にとってあの夏から、はるかな尾瀬ではなくポチとの苦しく長い1週間のことになった。梅雨の重たい空気、それとは対照的な鮮やかな紫陽花、6月はこれからもきっとずっとそういう季節だ。

2014年、五年前の6月19日のお昼に「もうなんでも、可能性のあること、やれることを全部やってください」と先生に泣きついてポチを動物病院に預け、その足で深大寺に当病平癒の護摩炊きをしてもらった。帰り道で三鷹通りを車で走っていて今日が桜桃忌だということに気づき、ほとんど衝動的に太宰のお墓に立ち寄ったことを忘れない。自死を選んだ太宰に手を合わせながら、僕は多分「猫に九生あり」という諺と同様に、その太宰のしぶとさみたいなものに願をかけたんだと思う。

僕のiPhoneには今でも5年前の6月の記録写真がすべて残っていて今日も朝からそれを眺めながら、「しんどかったねえポチ」と壁に貼った写真に話しかけるとやっぱりじわっとくるものがある。ポチ実はなぜか今日に限ってあんまり騒がず今はベットの下で寝ている。5年前も今日みたいな雨の降らない過ごしやすい日だった。

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2019年06月17日

カレーの日

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大学を卒業して映像制作会社で働いていたときの先輩が独立して建てたスタジオへ遊びにいって、そのままランチ。もう20年以上前のことでもいろんなことがすぐ思い出される。あの人は今でも最前線でやってる、とか、そういえばあの人は今なにしているのかとか、もう会えなくなった人の名前とか、断片化した記憶がデフラグしたり、どうしても思い出せない欠損があったり。

そのまま表参道のピンポイントギャラリーでの福田利之さん個展の初日へ。「青い山こえて」と題された展示は日曜休みで6月29日まで。福田さんとはぎとぎとのとんこつラーメンを一緒に食べる約束をしているのだけど、腹具合が噛み合わず。素晴らしい原画の数々を見つめ、その余韻を目をつぶって思い返しているときに福田さんからじゃんがらラーメンの画像が送られてきた。

夜はまた別のカレー。久しぶりのアミ。昼も夜も、しまった…と思ったけれど、カレーはそれぞれ独自の世界観を持つ食べ物だからそれもまたよし。  
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2019年06月16日

父の日だとかそういうこと

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カレンダーを見て「今年は6月16日が父の日か」と口に出して呟いたし考えていたにも関わらず、気づくと日付が変わろうとしていて、そうこうするうちに父の日は終わってしまう。母の日には「好きに使ったら?」とお金を送金するくらいのことはできたのに(パーマをかけたらしい)父の日は無為にやりすごしてしまった。誕生日とか記念日とか、昔からそうなのだ、僕は。忘れた頃に何かが届くとしたら苦笑するだろうか、父は。

この夏、恵比寿天窓switchでのソロのバンド編成ライブは7月6日に開催される。7月6日といえばわれわれ世代にとっては「サラダ記念日」である。転じてその日は「記念日の日」とされているらしいから、今公演には「新しい記念日」という副題をつけた。記念日は歳を取れば取るほど増え続けていって、しかし、心に留め置くべき日は抜け落ちていきがちだから気をつけたいものだ。明日は?明日はなんかの日じゃないか?と手帳を睨んでいるところ。



2019年7月6日(土)@ 恵比寿 天窓 switch
山田稔明 10th Anniversary Live
“夜の科学 vol.57ー新しい記念日”

18:30開場 19:00開演/前売4000円 当日4500円(ドリンク代別途)
出演:山田稔明 with 夜の科学オーケストラ

山田稔明ソロデビュー10周年の夏、待望のソロ新作についてのプロジェクトを
始動します。音源化されていない新曲群をバンド編成で。丁寧に目を凝らせば
毎日が何かしらの記念日。様々な風合いの楽曲をお楽しみに。

*オフィシャル通販STOREチケットセクションにて受付中(残席わずか!)
*整理番号順のご入場となります

恵比寿 天窓 switch(http://www.otonami.com/ebisu/news/index.htm
〒150-0013渋谷区恵比寿3-28-4 B1F
TEL 03-5795-1887
  
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2019年06月14日

いくつもの6月

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2004年の5月から日記(このブログ)を書いているので、もうちょうど15年ということになる。読み返してみると僕は15年前の6月15日に肺気胸の手術のための9日間の入院から退院したようだ。もうずいぶん大昔のことに思える。15年前の春、病に倒れる前は僕はまだ一日一箱タバコを吸っていたのだな。「なん年前の今、自分はなにをしてたっけ?」と振り返るのが好きなのは自分が記録魔だからなのかもしれない、とアーカイブスを辿りながら、思った。

1年前の今頃、僕はザ・カスタネッツの牧野元さんと下北沢で2マンライブをやって、その日の夜に元さんの病気のことを聞いた。1年経って元さんは見事に元気になって嬉しい。5年前の今頃は僕は24時間体制でポチの看病をしていた。できることがひとつずつなくなっていって彼女の命の炎が少しずつ小さくなっていくのをなすすべもなく、しかしずっと寄り添って眺めていた。もうすぐまた、5年前から個人的に特別な意味を持つようになった6月19日の桜桃忌がやってくる。さくらんぼもそろそろ旬だな。

いくつもの6月を思い出しても、いつも紫陽花が揺れる風景がそこにある。今年うちの庭には去年よりずいぶんたくさんの花が咲いている。  
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2019年06月12日

赤いギターと真実

U2がボブ・ディランの「見張り塔からずっと」をカバーするときに付け足した歌詞に「All I have is a red guitar, three chords, and the truth」というフレーズがある。『魂の叫び』という1988年のドキュメンタリー映画とライブ盤に登場するので、僕はそのとき中3だった。ブランキージェットシティのデビューアルバムのタイトルも『Red Guitar and the Truth』、赤いギターには何か特別な魂が宿るのかもしれない。

昨日、半ば衝動的にエレキギターを買った。いや、ずっとソリッドボディのエレキギターを探していたのだけど(Martin F-55を買ったときにソリッドギターを全部売ってしまったのだ)インターネットの海の上で出会ってから2時間後にはこの、赤いエレキギターを手にして、中学生みたいにドキドキしてるのだから、いくつになってもときめきっていうものがあるなあと思った。アームがついているギターは生まれて初めてだ。見様見真似でバカみたいにカタカタアームバーを震わせてみる。僕が新しい古いギターを買ったと聞いてタカテツさんがすぐうちにやってきた。64歳になっても76歳になってもギターを買うときは同じようにワクワクするのだろうな。

1966年生まれの Fender Mustang。早くステージで鳴らしてみたい。

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2019年06月11日

わびさび今昔物語

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少し前の話だけれど初台のオペラシティアートギャラリーで「トム・サックス/ティーセレモニー」展を見た。わくわくするようなナンセンスとクリエイティヴィティ。NASA、アメリカ、必要と無駄、この世の終わりと近未来のなかで「新しいわびさび」を追求するようなアートだなあと五感を刺激された。多かれ少なかれ、僕の仕事もフィクションのなかからリアリティを鋳造するようなところがあるから、興味深くその世界に誘われたのです。そして今週いっぱい開催の、トーキョーステーションギャラリーでの「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」展に滑り込み。フィンランドの芸術家の多岐にわたる表現方法と作品群。20世紀中頃から50年におよぶキャリアは圧倒的だった。ここにも「わびさび」に通じる色付けがなされていた。

質素で静かな美意識に背筋が伸びました。

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2019年06月08日

なんということでもない枕の話

去年の誕生日にファンの方から「体験型ギフトブック」というのをいただいた。それこそスカイダイビングとかスキューバとかラフティングとか、アロマテラピー講座に全身エステ、一泊二日のキャンプとか、いろんな体験と引き換えることができるやつだったのだけど、有効期間が半年ということで、やっぱりずっと置き去りにして気づいたらあと数日ということで焦った。無駄にするのは本当に申し訳ないし。で、僕はその体験型ギフトブックのなかから、比較的すぐ予約の取れた「オーダーメイド枕」というのを選択したのです。

これまで一度も自分専用の枕というのを持ったことがなかったし、これ決定版!みたいな枕に出会ったこともないからワクワクしてでかけた。約1時間かけて、まず後頭部の形を測量し、横になった時の肩の高さを合わせ、中身の材質(綿とプラスチック3種のなかから選ぶ)を吟味して、僕だけの枕ができあがった。後日郵送で送られてくるものだと思っていたら、その日のうちに持ち帰れることができて、枕の入った大きな紙袋をなんだか誇らしい気持ちでぶら下げて帰ったのだ。これは他の誰でもない、山田稔明のために特別に作られた枕なのだぞ、と。

果たして僕のために作られた枕はやっぱりこれまでのやつとは全然違う。頭が包まれてるみたいに感じるし、横になっても仰向けになっても無理がない。なんということでもない、地味な話題ではあるけれど、結構これは自分にとって一大事である。一日が終わりベッドに沈み込むときに「あ、おれ専用の枕なんだった…」と思う瞬間が良い。僕は根っからのショートスリーパーなのだけど、これからは眠りの質を上げていきたい所存である。「体験型ギフトブック」は素晴らしい贈り物ですね。感謝。

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2019年05月23日

初夏のリハーサルデイズ

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この二日間は週末の月見ル2days公演のためのリハーサルでした。初日、近藤研二さんのスタジオにキーボードの真里さん、コーラスの綾香、そして両日でベースで参加することになった伊藤健太が集まってみっちり昼から夜まで練習。今回いつもの「夜の科学オーケストラ」とは違う特別編成なので、どの曲にも少し仕掛けやプランを練りこむ。夜は綾香のメジャーデビューを祝ってイタリアンレストランでパーティー。初日はここに高橋徹也さんもゲストインするから盛り上がらないわけがない。

そして2日目のリハーサルは安宅くん、イトケンさん、上野くんとで1曲ずつ確認していく作業。もうこのメンバーで10年以上演奏している曲すらあるのだから、いろんな記憶が蘇る。休憩中に盛り上がるのが健康話になったことが変化か?でも昔から安宅くんの加齢臭対策に対する洗濯石鹸への飽くなき探求とか、そういう地味で穏やかな話で熱くなるのが我々クオリティだったことも思いだす。当日は五十嵐くん、伊藤健太のベースも登場する。週末の2日間、今のところ重複する曲は2曲のみで、面白いくらい内容が違う。必死で駆け抜けてきた10年の時間の長さと濃さを思うのだ。どうか、時間とお金がある方は月見ル君想フにお越しいただきたい。よろしくお願いします。


2019年5月25日(土)@ 南青山 月見ル君想フ
山田稔明 ソロデビュー10周年記念公演
“夜の科学 vol.56 extraーunder the milk moon”


18:00開場 18:30開演/前売4000円 当日4500円(ともにドリンク代別途)
出演:山田稔明 with 近藤研二、佐々木真里、立花綾香
ゲスト:高橋徹也、伊藤健太

5月26日のアニバーサリー公演完売につき、内容の異なる追加公演が
決定。山田稔明ソロワークスに重要な役割を担う近藤研二、佐々木真里両氏、
そして立花綾香を迎えます。弾き語り、デュオ、トリオ等様々な風景を展開します。
長く入手困難だった『pilgrim/home sweet home』リイシュー盤は繰り上がって
この日リリースに。ネイティブアメリカンは5月の満月を「milk moon」と呼びます。
煌々と光る月の下に集まりましょう。*盟友高橋徹也のゲスト出演急遽決定!
*整理番号順の入場となります



2019年5月26日(日)@ 南青山 月見ル君想フ
山田稔明 ソロデビュー10周年記念公演
“夜の科学 vol.56ーunder the milk moon”


18:00開場 18:30開演/前売4000円 当日4500円(ともにドリンク代別途)
出演:山田稔明 with イトケン、安宅浩司、上野洋
ゲスト:五十嵐祐輔、伊藤健太

山田稔明ソロ名義でのデビュー作『pilgrim』リリースから10年を記念して
ソロ黎明期の質実剛健な “kickingbirds” 編成でその道のりと新しい旅立ちを祝う夜。
fishing with john/草とten shoes 五十嵐祐輔のゲスト参加も急遽決定しました。
長く入手困難だった『pilgrim/home sweet home』リイシュー盤もこの日リリース。
ネイティブアメリカンは5月の満月を「milk moon」と呼びます。煌々と光る月の下に集まりましょう。
*整理番号順の入場となります


*当日精算の立ち見席予約受付を開始しました
*整理番号をお持ちのお客様がすべてご入場されたあとのご案内となります



会場:月見ル君想フ(http://www.moonromantic.com/
住所:〒107-0062 東京都港区南青山4-9-1シンプル青山ビルB1F
TEL :03-5474-8115  
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2019年05月20日

GOMES THE HITMANレコーディングDAY6

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3月から始まったGOMES THE HITMAN14年ぶりのオリジナルニューアルバムのレコーディング、その6日目のセッションはバンド4人とPLECTRUM高田タイスケ(タイちゃん)と。今回タイちゃんにサウンドプロデュースを任せた曲を全員で顔を見合わせながら録音する。GOMES THE HITMAN4人での作業は言葉を尽くさなくてもだいたいのことがわかりあえるようなダイレクトなシンプルさがあるのだけど、長年の盟友であるタイちゃんが入ってくるだけでサーっと開けた窓から風が吹き抜けるような感覚がある。朝から夜まで部活のような感じで録音してクタクタに。とてもいい時間だったし、いいものができあがっている。

真夜中帰り道、タイちゃんを家まで送っていくときの疲れてマッタリとしつつ味わい深い感じも新鮮。今回初めてのレコーディングスタジオを紹介してくれた元アップル&ペアーズの岡田純さんも一日居合わせて手伝ってくれた。PLECTRUMとアップル&ペアーズはレーベルメイト、僕は映像制作仕事時代にアップル&ペアーズのデビュー曲のMVを制作した、というとても不思議な縁で繋がるトライアングル。今もささくれたギターの音が耳に残っていて、それが嫌ではない。  
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2019年05月19日

なんということでもない、猫が人を幸せにするという話

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先週の話になるけれど、岩合光昭初監督映画『ねことじいちゃん』を観た。昨年末に吉祥寺にできた映画館「アップリンク吉祥寺」は気になるラインナップが並び、クラウドファンディングで会員にもなっていたのでずっと行きたかったのだけど、この洒脱な空間のアップリンク吉祥寺で初めて観る映画が猫猫しくもふもふした『ねことじいちゃん』ということになった。ファンの方からいただいたチケットがあって、上映最終日に時間が作れたので、予備知識もないまま滑り込んで最前列に沈み込む。で、猫がとにかく可愛くて生き生きとしていてじわっと泣いてしまった。可愛いものを見て泣くという、この不思議な感情よ。

これも少し前になるけれど「情熱大陸」というテレビ番組で「保護猫カフェ店主・梅田達也」というのを観た。川越にある保護猫カフェに密着した番組だったけれど、店主が一人っ子で物心ついたころから猫がそばにいて寂しい想いをしなかった、今も猫とともにいるのが当然だ、と語るところに既視感があった。人間が小さくか弱き猫を助けて守るべきなのは当然だけれど、番組中に語られた「猫が人を幸せにする」という、これも紛うことなき事実にも改めて何度もうなずく。ここまでの人生に猫がいなかったらどうなっていたか、と思う。この番組はTVerというサイトで今日の夜まで視聴可能。

人が猫を幸せにするし、猫が人を幸せにする。持ちつ持たれつだ。  
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2019年05月15日

なんということでもない、音楽とか本っていいよねーという話

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先週渋谷WWWでカナダのシンガーソングライター アンディ・シャウフの来日公演を観た。2016年のデビュー作『THE PARTY』はその年の個人的音楽10選に選んだし、去年出たFOXWARRENという彼率いるバンドのレコードも素晴らしかったから、とても楽しみにしていたのだけど、日本盤が発売されていないのにWWWはソールドアウト公演になるほど盛況だった。その熱気とは対照的にアンディ・シャウフと5人のメンバー(クラリネットが二人!)が奏でるサウンドの繊細さよ。転がし(モニタースピーカー)が見当たらなかったけれど、メンバーはイヤモニをしていたのだろうか。もしかしたら出音だけを聞いて演奏していたのかもしれない。照明もピンスポットなしの天井灯りだけで暗い。なんだか月明かりの下で聴く音楽のよう。90分足らずのステージ、とにかく完璧で素晴らしかった。

たくさんのミュージシャンが観にきていたが、みんな一様に静かな衝撃と刺激を受けていたように見えた。ヨシンバの吉井さんから13年ぶりの新譜をいただく(彼らもデビュー20周年、今日が『ツヨクヨハク』の発売日)。今年はフィービー・ブリッジャーズ、コートニー・バーネット、そしてこのアンディ・シャウフと素晴らしいアクトが続く。やっぱりライブの現場からもらうヴァイブレーションというのは音楽家としての糧になる。

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その翌日はまた渋谷へ出かけてアップリンクファクトリーでアメリカのバンドTHE NATIONALと映画監督・グラフィック・デザイナーのマイク・ミルズによる短編映画『I AM EASY TO FIND』、一夜一度限りの上映会を目撃した。この映像作品はTHE NATIONALが明日リリースする新作『I AM EASY TO FIND』とのコラボレーションだが、それぞれの作家性が拮抗する緊張感と見応えのある25分強の世界だった。音楽ライターの赤尾美香さんと並んで鑑賞、久しぶりにおしゃべりができてよかった。上映後の岡村詩野さんと木津毅さんのトークも楽しかった(詩野さんと会ってからもう20年か…)。THE NATIONALの前作『SLEEP WELL BEAST』は2017年の個人的ベストディスクだった作品。新作も超楽しみ。期待は膨らむばっかりでウキウキしてくる。

映画がとてもよかったので足取り軽く三軒茶屋のニコラで行われていた庄野雄治さんの小説集『たとえ、ずっと、平行だとしても』出版記念パーティーへ。お祝いにBLONDIEの1978年名盤『Parallel Lines』のLPをプレゼントした。平行だとしても、だ。知り合いがたくさんいて、みんな上機嫌で楽しかった。作家の燃え殻さんを庄野さんが紹介してくれたが、同い年の同級生だったのでイチロー引退がわれわれにもたらすことなどについて話して面白かった。庄野さんの本には「緑の車」という短編が収録されていて、先にその一話だけ読んだけれど、改めてこの指でページをめくる感触が楽しみ。しかし、庄野さんの本より先に燃え殻さんの本を読み始めてしまって、もうすぐ読み終わる。もっと早く読めばよかったと思ってるところ。思っていたのと全然違った。

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こないだの日曜日には原宿のBA-TSU ART GALLERYで「BONE MUSIC展 〜僕らはレコードを聴きたかった〜」最終日に滑り込んだ。1940年代から60年代にアメリカの象徴であるロックンロールやジャズを聴くことを禁じられた冷戦時代の旧ソビエトで、アンダーグランド・サブカルチャーシーンの音楽ファン達が考え出したのは病院で不要となったレントゲン写真に自作のカッティングマシーンで音楽を録音した「ボーン・レコード」だった。ソノシートのようなぺらぺらのビンテージレコードに息を飲む想い。「好き」という気持ちは不可能を可能に変えたり、立ちはだかる壁に風穴を開けたりするものだ。

手を伸ばせば、いくらかのお金を払えば、探究心を持って地図を辿っていけば、そこには無限のメロディや物語が広がる。その海原を目の前にして暮らすことができるわれわれはとても幸せだ。この何日かで胸いっぱいに吸い込んだ音楽や活字をまた吐き出す何日かが目の前に待っている。  
Posted by monolog at 21:22Comments(3)

2019年05月04日

ゴールでも始まりでもなくきっかけ

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一昨日シンガーソングライター立花綾香のライブを観にいった。僕は彼女を20歳の時から知っている。一緒にデモを作ったり、作詞についてアドバイスしたり、試行錯誤して悩む姿を見てきたし、独り立ちして泥臭く粘り強く地道に自分らしさを追求してきたのも知っている。僕はあんまり綾香を褒めたことがないし、「もうちょっと可愛げを」とか「そんなに力まずに」とかそういうことばかり言ってた気がする。いつからか僕のソロのバンドのライブでコーラスを担当するようになって年に2回くらいは同じステージに立つからそのたびに「最近どうなの?」と近況について聞くのだけど、昨年秋から準備をしていた大箱でのライブへのお誘い、行かないわけにはいかなかった。出会った頃から7年かかってついにメジャーデビューが決定したことを報告するライブだったからだ。

アンコールでメジャーデビュー決定を発表した綾香は、感極まって声を詰まらせてしまったけど、僕もなんだかジーンとしてしまった。終演後挨拶にいくと僕のことを「師匠」とうやうやしく言うのだけれど、この道を切り開いて現在地にたどり着いたのは綾香自身の頑張りと彼女が味方につけたチームの力だ。メジャーデビューについて「ゴールでも始まりでもなく、きっかけ」と表したが、その通りだなと感じた。おめでとう。シンガーとしての活動がこれからはどんどん忙しくなっていくだろうから夜の科学オーケストラからは一旦卒業かもしれないけれど、急遽5月25日(土)の月見ル君想フのソロ10周年記念公演にコーラスで参加してくれることになった。とても楽しみ。



2019年5月25日(土)@ 南青山 月見ル君想フ
山田稔明 ソロデビュー10周年記念公演
“夜の科学 vol.56 extraーunder the milk moon”


18:00開場 18:30開演/前売4000円 当日4500円(ともにドリンク代別途)
出演:山田稔明 with 近藤研二、佐々木真里、立花綾香

5月26日のアニバーサリー公演完売につき、内容の異なる追加公演が
決定。山田稔明ソロワークスに重要な役割を担う近藤研二、佐々木真里両氏、
そして立花綾香を迎えます。弾き語り、デュオ、トリオ等様々な風景を展開します。
長く入手困難だった『pilgrim/home sweet home』リイシュー盤は繰り上がって
この日リリースに。ネイティブアメリカンは5月の満月を「milk moon」と呼びます。
煌々と光る月の下に集まりましょう。

*オフィシャル通販STOREチケットセクションで前売り販売受付開始
*フォームがうまく動作しないときは「info@gomesthehitman.com」宛てに
件名「日付・会場」、本文にお名前と人数とご連絡先を明記の上メールにて
お申し込みください。のちほどこちらからお返事させていただきます。
*整理番号順の入場となります



2019年5月26日(日)@ 南青山 月見ル君想フ
山田稔明 ソロデビュー10周年記念公演
“夜の科学 vol.56ーunder the milk moon”


18:00開場 18:30開演/前売4000円 当日4500円(ともにドリンク代別途)
出演:山田稔明 with イトケン、安宅浩司、上野洋

山田稔明ソロ名義でのデビュー作『pilgrim』リリースから10年を記念して
ソロ黎明期の質実剛健な “kickingbirds” 編成でその道のりと新しい旅立ちを祝う夜。
長く入手困難だった『pilgrim/home sweet home』リイシュー盤もこの日リリース。
ネイティブアメリカンは5月の満月を「milk moon」と呼びます。煌々と光る月の下に集まりましょう。
*THANK YOU!SOLD OUT!キャンセル待ちでのお申し込み受付中です(順次ご案内しております)


会場:月見ル君想フ(http://www.moonromantic.com/
住所:〒107-0062 東京都港区南青山4-9-1シンプル青山ビルB1F
TEL :03-5474-8115  
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2019年05月01日

令和最初のGOMES THE HITMANの日

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ということで令和だけれども、もう今日から5月ということに震える(季節のわりに寒くて、というダブルミーニングも含めて)。12ヶ月のうちの3分の1が過ぎたことになる。個人的に昨年末からいろいろ予期せぬ大きな出来事が重なってヘトヘトになって「時間が過ぎるのが遅い」とすら感じていたのに、もう5月だ。年内にGOMES THE HITMANのニューアルバムを、という公約のことを思うと胸がドキドキして苦しくなる。

令和初日の今日はGOMES THE HITMANのレコーディングだった。1日分の作業が進んだから胸のドキドキは少しおさまった。バンドメンバーとは平成の時代を共有したから新しい時代の始まりに音を重ねるというのはこれからの未来を象徴するようで感慨深かった。GOMES THE HITMANをやっていると自分の出自はバンドマンなのだなあと思う。3日の風知空知でのGOMES THE HITMAN企画SOLO SOLO SESSIONの内容もなんとなく全貌が見えてきた。僕はシンプルにひとりで弾き語りで歌うつもりだけど、ソロでもバンドでも歌ったことのない歌を選んで遡上にのせたいと思う。須藤さんはこの日のために音源作品を作ったそうで、そこから演奏するらしい。DJを担当する堀越さんはこの日のためにEDM楽曲を制作したそうだ。なかなかこういうバンドはいないのではないか。

「普段なら西暦で日付書くんですが今日は元号にしましょうね」と令和元年の日付の載った領収書をもらった。新しい季節がもうすぐ思い出を塗りかえる。  
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2019年04月30日

さよなら平成

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昭和48年生まれの僕が中学3年生のとき、冬休みが終わるか終わらない1月に昭和天皇が亡くなった。高校進学のため学習塾に通ってた僕は友人たちと神妙な思いで世の中の静謐なムードを語り合ったことを憶えている。僕の平成は高校入学の年だから、いわゆる思春期以降のすべてを僕は平成時代に経験することになる。初めてエレキギターを買ったのも、自作曲を作ったのも平成元年だ(タイトルは恥ずかしいから言わない)。

平成4年に大学進学のため上京、GOMES THE HITMANを組んだのは平成5年のこと。何にもしないでぼーっと過ごしたはずなのにやたらと濃密な4年間を経て、平成8年に就職した僕は翌年インディーズでCDデビュー。平成11年にメジャーデビューするときには25歳になっていた。そこから先の20年が今僕のそばにあるもののすべての蓄積である。猫との暮らしの始まりは平成13年だった。僕は昭和生まれだけれど平成の人間だという感覚がある。元号が変わるということにさしたる感慨が湧かなかった僕も今日がその最後の日となると胸に去来するものがいろいろ、ある。

ぼーっと音を消したテレビを眺めながらラジオを聞いている。平成最後の日は雨だ。こういう日にずっと家にいるのも悪くはない。さよなら平成。これから先なんども、いつも思い出すと思う。GOMES THE HITMANのメジャーデビュー20周年とソロデビュー10周年の今年が令和元年になるからいろいろ数えやすくなる。新しい時代も思い出をひとつずつ積み上げていきたい。



<山田稔明 平成史>

平成元年 3月初めてエレキギター購入しバンドを組む
     4月 高校入学
平成4年 4月大学入学で上京
平成5年 4月GOMES THE HITMAN結成
平成8年 自動車普通免許取得/教職免許取得
     4月 映像制作会社に就職
平成9年 12月インディーズレーベルからCDデビュー
平成10年 冬 仕事をやめる
平成11年 1月 メジャーデビュー
平成13年 秋 ポチと暮らし始める
平成19年 バンド活動休止
平成21年 3月 ソロCDデビュー
平成26年 夏にポチを亡くし秋にポチ実に出会う・バンド活動再開
平成30年 バンド結成から25周年を迎える  
Posted by monolog at 10:29Comments(0)

2019年04月28日

平成最後の大収穫という個人的な話

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昨日のこと、お昼過ぎに音楽ライターの友人からメッセージが届いた。「山田くん、このレコード探してるって言ってなかったっけ?」と送られてきた写真はイギリスはスコットランドのトラッシュ・キャン・シナトラズが1993年に出した『I've Seen Everything』のアナログ盤だった。こ、これは、もう僕が10年以上ずっと探してて、ウォントリストのトップに常に鎮座するレコードなのであった。奇声も自然ともれていたであろう、僕はすぐさま「どこ!?いつ!??」と興奮して返事。30分前に下北沢の中古盤屋にあった、となると居ても立ってもいられない。

夕方からギャラリー自由が丘でのライブだったのだけど、身支度を急いでバタバタと下北沢へ。お願いします神様、もう今、欲しいレコードは『I've Seen Everything』だけなのです…とかなんとか心の中でぶつぶつ言いながら。そして果たして、僕はついにトラッシュ・キャン・シナトラズ『I've Seen Everything』を手中に収めたのだった。1万円札を何枚も使う覚悟のあった1枚なのに、拍子抜けするくらいの値段で。レコードの神様はいると思った。僕のアーバンブルーズへの貢献。LPジャケットをちらちら見ながら僕はそのまま自由が丘に向かったのでした。

このレコードが出た1993年は僕がGOMES THE HITMANを結成した年、26年前のこと。このレコードを聴いて僕はGOMES THE HITMANをこんなふうな、キーボードを擁するギターポップバンドにしたいと思ったのでした。もちろんCDでは20余年ずっと聴き続けている名盤だけど、ターンテーブルにのせて針を落として聴くのは全然違う。自由が丘から帰ってきてすぐ聴いた『I've Seen Everything』は美しく空気を震わせていました。間違いなく平成最後の大収穫、連絡をくれた友人に心から感謝を。音楽って本当に素晴らしい。好きになった歌は僕を裏切らないし、心を元気にしてくれる。

  
Posted by monolog at 22:56Comments(0)

2019年04月25日

なんということでもない日記みたいな話

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夕方から出かけて高橋徹也さんとヒックスヴィル中森泰弘さんとお茶してそのまま晩御飯。健康についての話ばかりで音楽のことはまったく話さないパターンのやつ。いつもこの季節には中森さんとライブをすることが多かったけど巣巣がなくなってその機会がなくなった。また新しいことが始められたらいいなと思う(中森さんとは先週も会ったし)。タカテツさんとはまた夏に何かやろうという話をしているところ。たまにはこういう、その日あったことを書く普通の日記みたいなのもいいな、と思って書いている。

このブログは2004年の5月からスタートした。当時まだウェブログとも呼ばれていた日記サイト、僕はその当時肺気胸という病気で療養していて暇だったので、なんか最近話題になっているやつを始めてみようと思ってスタートしたのだ。このブログはすべての文章がアーカイブされて読むことができるのだけど、当時はほんとどうでもいいこととか、CDや本、映画なんかのレビュー、猫の写真(写真が小さくて粗い)を気まぐれに載せていた。今は情報告知等では欠かせない情報のプラットフォームになった。15年もの月日が流れた、と気づいてびっくりする。

これからさらなる15年書き続けたい。そうするとブログ30周年で僕は還暦、中森さんの今の年齢と同じになる。  
Posted by monolog at 22:56Comments(0)

2019年04月18日

なんということでもない東京外大の話

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GOMES THE HITMANは東京外国語大学の軽音サークルで1993年に結成されたバンドで、それは僕が大学2年生で19歳のときだったから今年で26年になる。1999年にメジャーデビューするときにGOMES THE HITMANの学生バンドっぽさを表すには実際の学校のキャンパスを舞台にするのがいいということになって、「tsubomi」は外語大のサークル棟で撮影された。このとき我々の母校は巣鴨駅から歩いて15分ほどの北区西ヶ原というところにあったけど、翌2000年に府中に移転になった。大学時代を過ごした風景が今はもうないというのはなかなか寂しいものだ。いいこともよくないこともひっくるめて青春だった日々は記憶のなかで都合のいいように書き換えられてるが、そこにもうかつての空間がないことで、その美化は加速していくのかもしれない。GOMES THE HITMANの初期楽曲には確実にモラトリアムな学生時代の風景が刻まれているから、歌を歌うと蘇る記憶もたくさんある。

東京外国語大学が府中に移転してからは前を通ることはあってもキャンパスのなかに立ち入ったことがなかった。新しくきれいでキラキラした校舎に嫉妬とか妬みみたいなものがあったのかもしれないし、そもそもキャンパスに用事などないのです、卒業生には。それがひょんなことで今日初めて府中キャンパスに立ち寄ることになって、食堂でお昼ご飯を食べたりしていると、なんとなく「嗚呼、ここは自分の母校だな」という感慨がふつふつと込み上げてきた。理由はうまく説明できないけれど、その規模感というか雰囲気というのか、四半世紀前の感覚をふっと思い出した。

GOMES THE HITMANでメンバー4人が集まると、キャリアを重ねたミュージシャン集団っていうふうには全然ならないのが面白くて、学生バンドとして始まったわれわれはいつまで経っても学生バンドであり、いつもまったりとした空気が流れるキャンパスの記憶が拠り所になる。それは西ヶ原でもなく府中でもなく今は心の中にある。メジャーデビュー20周年というのはいろんなことを思い出させるイヤーで、それはそれで嫌なことじゃない。  
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2019年04月17日

毎日がレコードストアデイだという、別にどうでもいい話

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先日4月13日はレコードストアデイだった(以下RSD)。ここ数年おびただしい数のアイテムがリリースされて、普段大人気なくサクサクとレコードを買ってるレコード大好きおじさんがさらにバカみたいにばかばかレコードを買う日ということになっているけれど、そのRSDが始まったのは2008年のことだ。アメリカでインディペンデントなレコード屋を盛り上げようというイベントがスタートしたので日本でも同調して盛り上がろうという冊子にコメントを書いたからよく憶えている。僕が書いた文章は以下のようなものでした。


レコードショップに行くのが大好きだ。大きい量販店も小さな中古レコード屋も。
CDを手に取ってみると、紙ジャケだとかデジパックだとかコート紙だとかマット紙だとか
それぞれのパッケージにそれぞれの意味があって、AからZまでぼんやり眺めるのも楽しい。
自分にとって特別なレコードは星の数ほどある商品の中でも不思議と際立って目に飛び込んでくる
ものだ、とわかってくる。そして横に縦に、過去に未来にいろんな繋がりが生まれていって、
とても芳醇なミュージックライフが果てしなく続いていく。それこそがレコードショップが
僕らにかける永遠に解けない魔法なのです。街へ出て、レコードショップに行きましょう。

山田稔明(GOMES THE HITMAN)


これは2009年の1月に書いた文章、10年前のこと。初めて輸入盤のレコードを買った中2の頃から30年ずっと僕はレコード屋さんがあれば出かけていき、これまでにどれくらいのレコードを買っただろうか、と気が遠くなる。体調が悪くてもレコード屋に行くとなぜか調子が戻るのも不思議。先週4月13日も吉祥寺で2つレコード屋をのぞいてRSDアイテムを眺め、結局WEEZERとR.E.M.の変名バンドのやつを買ってから長野県松本へ向かった。松本に着いて見つけたレコード屋さんにはRSDリリースのレコードはほとんど何もなかったので、その本来の企画趣旨の本末転倒さを残念に思うけれど、旅先のレコード屋での予期せぬ出会いっていうのはやっぱり面白い。

RSD情報とかそういうことで連絡してくるの友だちは高橋徹也くらいだ。「RSD限定の誰々の何々がもしどこかのレコード屋にあったら買ったほうがいい」「今年はあれとこれを買った」と他愛もない報告をしあうのは中学生みたいで楽しい。結局僕は4月14日も16日もレコード屋に行った。自分にとっては毎日がレコードストアデイだからだ。きっと来年も再来年も、ずっと変わらない。  
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2019年04月12日

なんということでもない桜の話

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今年も桜を堪能した。井の頭公園にも行ったし、近所の公園のソメイヨシノも豪快で美しかった。うちの庭から見える桜の木も花盛りで、毎年恒例のポチ実を掲げての記念撮影も済ませた。武蔵野市役所あたりの中央通りの桜のトンネルを車で流さなかったのだけが心残りだけど、今年はとても長く花を眺めることができてよかった。先週の福島三春の滝桜は惜しかったけど、今週末は長野県松本市でもまた桜に出会えるかもしれない。

毎年のことだけれど、美しさとは裏腹に、桜を眺めながらいつも思うのは「あの人は『これが最後の桜かもしれない』と思っただろうか、まさかそんなこと思いもしなかっただろうか」というようなことだ。長く生きているともう会えなくなる人が少しずつ増えていくわけだけど、新しい季節を迎える時に、ああこんなにも美しい花をあの人にも見せてあげたいなあとぼんやりと考える。去年の桜をどんな気持ちで眺めていたのだろうかと想像する。ぼーっとiPhoneのカメラロールを眺めていたら見つけた2014年4月に今は亡きポチが桜を見上げている写真(ポチ実と一緒に映っているのと同じ桜だ)とか、花咲く頃になって耳にしたいくつかの訃報が、いろんなことを今年も僕に考えさせる。

また次の春に、満開の桜を眺めながら誰かのことを思い出すような暖かい一日を過ごしたい。

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2019年04月05日

なんということでもないお花見の話

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吉祥寺界隈に住んでいると、四月の井の頭公園なんて人が多いだけで…とか言って、ひねくれて、気づいたら桜の季節に一度も出かけていかなかったという年もあったりする。去年は井の頭公園の桜を見た記憶が、ない。毎日のウォーキングの道すがらにはたくさんの桜があるから結構それで満足しちゃったりして、うちの庭から見える大きな桜の木は花盛りが2週間くらい後ろにずれる品種なのでまだ楽しみは取ってあるし、お花見にはとんと事欠かないのである。それでも、やはり、吉祥寺といえば井の頭公園の桜であり、花びらが渦巻く池、というパブリックイメージがあるのは事実。

で、今日は友だちの高橋徹也さん(タカテツさん)が吉祥寺に遊びにくると言うのに「や、井の頭公園はさー」などとグチグチ言うのも無粋なので、午前中に待ち合わせて公園へ歩いた。午後からは風が強くなるのが春の常なので、お花見はお昼前からするのがいい。なかなか行かない井の頭公園へ行くのだから、なかなか普段やらないことがやりたくなって、僕らは手漕ぎボートに乗った。井の頭公園のボートに乗るとカップルは別れるというが、タカテツさんとなら別になんてことない。思えば井の頭公園でボートに乗ったのは18年ぶりくらいだ(前回は昼からPLECTRUMタイスケくんとシンガーソングライターのシャーペンと3人で酔っ払って乗った)。ボートに乗ってるときの脳内BGMはXTCの「One of the Millions」でした。

とにかくタカテツさんの怖がりぶりが異常だった。「こわい、こわい…」とボートのへりを掴んで離さないのである。タカテツファンには見せられない姿だ。僕は大学時代の体育の授業でボートがあったので、こういうことは得意なのだ。大きな弱みをひとつ掴んだ気がした。それでもスーッと水面を滑りながら桜を眺めるのは非現実的で、花びらはどこからかずっと延々降り注いでいて、天国かここは、と思うほどだった。お昼過ぎから風が強くなってくるころに花見は終了。とてもいい時間でした。今日の桜は僕のインスタグラムのストーリーズに。カモも可愛かったな。

東京はこの週末が最後のお花見チャンスでしょうか。井の頭公園、近くにあるんだからもっと行かなきゃな、と思いました。反省。  
Posted by monolog at 22:43Comments(0)

2019年04月03日

ポチ実のコーギー騒動、その後

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僕のギターの不具合メンテナンスや改造などでいつもお世話になっているハックルベリーフィンのたけ兄が来宅、僕がギブソンにつけてしまった傷をどうにかしてもらうべく相談。タイミングよく(タイミング悪く?)リビングに幽閉されてしまったポチ実はたけ兄にいやいや接待。「チミちゃん、コーギーだったの?」とからかわれました。うちの母親も「チミちゃん、どげんしたとね?」と電話があった。昨日、全日本コーギー協会より「コーギーの遺伝子などありませんでした。ポチ実ちゃんは猫なのですから」と連絡がありましたので一件落着です。

桜は見頃だけど寒い。早くあたたかい春になったらいいですね。  
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2019年04月01日

平成最後のエイプリルフール|少し先の未来の情報いろいろ

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ということで、平成最後の四月馬鹿。2006年以来(!)このブログでなんだかんだとウソみたいなことを言っては面白がって、この数年はサプライズとかリリースの告知タイミングみたいになってたエイプリルフールですが、今年は思い切り力を抜いて、バカみたいなことを言いました。こないだ公園をウォーキングしてる途中で僕を追い抜いていったコーギーのお尻が可愛くて、ポチ実にそっくりだなと思ったのです。きっと丸みには愛が詰まっているのでしょう。不謹慎だと思われた方もいたかもしれませんが、僕は楽しかったです。とにかく今年は予定しているイベントやリリース、制作中の作品等たくさんあるので、これからも皆さんの期待に応えたり予想を裏切ったりして退屈させないアニバーサリーイヤーにします。

まずはこのあと21時より月見ル君想フでの「山田稔明 10周年記念ライブ」の受付が始まります。もちろんこのアニバーサリーライブも『pilgrim』と『home sweet home』をセットにした2枚組のリイシューも本当のことですので、ぜひ皆さんの応援でお祭りを盛り上げていただきたいです。イトケンさんと安宅くんと上野くん。もう10数年一緒にやってるソロ初期メンバーで、大きな月が浮かぶステージで歌います。2007年2008年と続けて山田稔明バンド編成ワンマンをやったのですが、それ以来のソロでの月見ルです。オフィシャルサイト通販STOREチケットセクションよりお申し込みください。


2019年5月26日(日)@ 南青山 月見ル君想フ
山田稔明 ソロデビュー10周年記念公演
“夜の科学 vol.56ーunder the milk moon”


18:00開場 18:30開演/前売4000円 当日4500円(ともにドリンク代別途)
出演:山田稔明 with イトケン、安宅浩司、上野洋

山田稔明ソロ名義でのデビュー作『pilgrim』リリースから10年を記念して
ソロ黎明期の質実剛健な “kickingbirds” 編成でその道のりと新しい旅立ちを祝う夜。
長く入手困難だった『pilgrim/home sweet home』リイシュー盤もこの日リリース。
ネイティブアメリカンは5月の満月を「milk moon」と呼びます。煌々と光る月の下に集まりましょう。

オフィシャル通販STOREチケットセクションで本日4月1日21時より前売り販売受付開始
*フォームがうまく動作しないときは「info@gomesthehitman.com」宛てに
件名「日付・会場」、本文にお名前と人数とご連絡先を明記の上メールにて
お申し込みください。のちほどこちらからお返事させていただきます。

月見ル君想フ(http://www.moonromantic.com/
〒107-0062 東京都港区南青山4-9-1シンプル青山ビルB1F
TEL :03-5474-8115

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GOMES THE HITMANは6月でデビューフルアルバム『weekend』発表から20周年を迎えます。昨年はVAPから2000年代の3作品をまとめた『00-ism [mono / omni / ripple] 』をリリースすることができましたが、今年も初期作品のアーカイブ集が出せないものかと打ち合わせを重ねています。『00-ism』には「including some miscellaneous debris=雑多な残留物を含む」というひねくれた副題をつけましたが、初期作品アーカイブ集のタイトルも一昨日最高なやつを思いついたところです。どうかこのプロジェクトがうまいこと実現しますように。2005年の『ripple』以来となるオリジナルアルバムのレコーディングも進んでいます。早ければ秋、何をどうしたってぎりぎり12月には皆さんの手元に届くと思います。楽しみにしていてください。

そして山田稔明3rdアルバム『新しい青の時代』と愛猫に捧げたアルバム『the loved one』の2作品のサブスクリプション配信およびダウンロード配信に向けての作業を進めているところです。この2タイトルがもっとたくさんの人に聴かれるようになったら嬉しいです。今でもセットリストに乗る曲ばかりが入ったアルバムなので。『新しい青の時代』に関しては去年アナログ盤でリリースした、歌詞や曲目が当初意図していた通りの内容のものになる予定です。こちらも続報と詳細を追ってお知らせします。

平成残り1ヶ月、そして来たるべき令和もよろしくお願いします。

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2019年03月30日

なんということでもない朝ドラの話

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半年間楽しく見続けた朝の連続テレビ小説『まんぷく』が今日最終回だった。朝ドラが自分の好みと合致すると朝起きるのが待ちきれなくなって、いい感じに午前中がグルーヴしていくのだけど、『まんぷく』は完璧なドラマだった。ハラハラすることがたくさんあっても週末で伏線が回収され、泣いたり笑ったり忙しかった。その前の『半分、青い』も登場人物たちが自分とほぼ同じ年という設定だったから楽しく見届けたんだけど(後半は「おま、それはちょっとどうなの?」と問いかけたりしつつ)、『まんぷく』は愛すべきキャラがたくさん登場して、人が亡くなったりすることも少なかったのもよかった。来週から新しい朝ドラが始まるけど、『まんぷく』がないのはさびしい。これが「ロス」という感覚なのだろう。

「my favorite things」という曲のなかに「昼過ぎのニュースとドラマを眺めて/午後からはラジオがいい」というフレーズがあるけれど、これは朝ドラをお昼の再放送で見る習慣があったころに書いたからで、ここ最近は朝8時にはテレビの前にいることになっていて、少しライフスタイルがシフトしてきてはいるのだけど、そのまま惰性でお昼の再放送もぼんやり眺めることが多くて、で、午後一時になったらラジオをつける、というのも変わらない。ラジオは時計代わりみたいなものだ。当たり前のように毎日夕方から聞いていた「荒川強啓 デイキャッチ」というニュース番組も昨日が最終回だった。デイキャッチなんてもう、いつから聞いてるかわからないくらいずっと昔から聞いていた番組なので、これも心にぽっかり穴が開いたみたいになる。デイキャッチ24年の歴史に幕、変わらないと思っている日常に変化があるのが平成最後の季節なのだろうか。

また新しい日々の始まりである。  
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2019年03月16日

サンカンシオンと呟いた春のセオリー

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先日青木慶則くんのレコ発ツアーファイナルを吉祥寺スターパインズカフェで観た。HARCOとGOMES THE HITMANは同世代を生き抜いてきた盟友だと思っているから、過去の楽曲の演奏を封印してまで覚悟を決めて、改名して再出発した青木くんの活動は気になる。セルフタイトルのアルバムを携えたツアーの締めくくりはグランドピアノと歌だけのシンプルでギミックのない、力強いステージだった。刺激を受けました。先月HMVキチレコでの僕と近藤研二さんと青木くんの共演がきっかけとなってHARCO楽曲が解禁になったのはとても嬉しいハプニング。この日も自身のキャリアを辿るコーナーがあって、積み重ねた時間が垣間見えた。

2016年に僕とHARCOで共作した「春のセオリー」を演奏する前のMCで僕の名前が出てハッとした。「山田くんにHARCO名義での活動を終了することを報告する電話をしたとき、『あ、へええ』と素っ気ない反応だったから拍子抜けした」というような内容だった。普段HARCOから改まって電話がかかってくるなんて珍しいことなので、僕は咄嗟に思ったのだ。わ!なにかとても良くない、穏やかでない、不穏なことを告白される…!と。瞬時に想像を巡らせてたどり着いたのは「離婚か…」ということだった。ミッコちゃん(Quinka, with a Yawn)も青木くんも昔からよく知ってるし、順風満帆そうなのに、あんなに素敵なおしどり夫婦なのになぜ…と身構えた後での「山田くん、実は僕、HARCOとしての活動を…」だったので、「なーんだそんなことなの(あーよかった!)え?へええ…」という流れだったわけです。

この話を青木くんにしたのは最近のことだったんだけど、数ある代表曲を封印して新しい名前でアーティスト活動を再起動するのはとにかく苦しみの伴うことだっただろうと思う。去年の春は青木くんが歌わないから、と僕が「春のセオリー」を何度か歌ったけど、今年は彼の歌う「春のセオリー」を聴くことができてよかった。大好きな歌なので僕ももう何回か歌わせてもらおうと思う。スターパインズカフェの階上から眺めて歌を聴きながら思い出していた。僕は今からちょうど15年前の春に肺気胸という病気で伏せてしまって、HARCOとQuinkaの結婚パーティーに参加できなかったのだな。ついこないだのようにも思うけど長い長い時間にも感じる。巻き戻す時間のなかにはいろんなシーンがあるものだ。  
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2019年03月14日

GOMES THE HITMANリハーサル

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今日は午後から夜までGOMES THE HITMANリハーサルだった。バンドで集まるのは先月ぶりか?日々いろんなことがあるのでたくさんの時間が経ったように感じるが今年は頻繁に集まる機会が多い。新作のアレンジを時間いっぱいまで有意義な作業。あれ?昔こんなやりとり、こんな会話、こんな化学反応あったっけな?と思う。「memoria」「ホウセンカ」といった15年越しの楽曲がいくつもの季節を過ぎてもとても新鮮に感じられる今のGOMES THE HITMANはものすごく幸せなバンドなのかもしれない。

リハーサルが終わって、近くで行われていた杉真理さんの誕生パーティーにみんなでお邪魔した。杉さんはいつも楽しそうでニコニコしていて、いたずら好きで最高のポップス先輩である。杉さんとGOMES THE HITMANが出会ってからも今年で20年となる。杉さんは40周年アニバーサリーの真っ只中。僕らの倍の歴史があるということだ。まだまだこれからハイライトがあって、もっともっと楽しいことがあるはず。

明日から大阪へ。
  
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2019年03月12日

なんということでもない取材の話

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先月から猫にまつわるイベントや原稿依頼、取材が多い。先週は近藤研二さん宅で、今日は我が家への自宅取材だった。基本的には愛猫について僕がいろいろ質問されたり、僕のほうから「こんなことがあったんです」と逸話を披露したりするわけだけど、取材に来られたライターさんはポチ実に会いたいと思ってるし、同行したカメラマンさんはポチ実の写真をなんとか撮影しないと職業的アイデンティティを喪失してしまうわけだから、取材陣がうちに到着する前になんとかポチ実をリビングに閉じ込めることが必要になる。

今日も天気がいい陽のあたる庭でポチ実を遊ばせながら、握ったスマホには「今、お宅のすぐそばまで来ました」というメッセージを受け取りつつ、僕は「今日はノアちゃんもリル坊もいないねえ」とかなんとか言ってポチ実も気をそらそうとするのだけど、なぜかポチ実は絶対的な勘で気づいてしまうのだ。すかさずひしっと抱き止めてなんとか今日も記事のためにポチ実の撮影をすることはできたんだけど、いつも僕が眺めているような弛緩した可愛らしい顔にならないのが残念だ。ポチ実は本当はもっとかわいいんですよ、と言いたくなる。

今日は先代猫のポチの話もいっぱい聞いてもらったから、ポチのこともいっぱい思い出した。ポチが晩年ご飯を選り好みして食が細くなった時に、吉祥寺のロヂャースにいってレトルトフードを全種類買ってきたこととか、ポチ実と違ってポチは庭に出るときリードや首輪をしないでも平気だったこととか。忘れないと思っていたことも、少し埃がかぶったみたいになってる部分があって、記憶にも風を通すことが大切だなあと感じた。自宅取材があると頑張って部屋を掃除するので、取材後に広々とした床でぼーっとできるのがいいし、探していたものが見つかったりするのもいい。音楽も猫も自分の暮らしと直結するとても大事な存在だから、こういう、猫にまつわる様々なことで声をかけていただけることがとても幸せです。

取材記事についてはまた詳細わかったらお知らせします。  
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2019年03月11日

2011年3月11日のことを

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8年前に書いた「2011年3月11日のことを」という日記を毎年読み返します。この日を境に変わったことがたくさんある。
いろんなことを忘れないようにしたいし、忘れてることは思い出さないといけない。  
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2019年03月09日

インプットする週末

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金曜日の夜、コートニー・バーネットの来日公演を観に渋谷へ出かけた。今週は2019年になって初めて(!)の自分のライブがない週末で、やっぱり年末からの疲れが蓄積してる感じが如実にあってリフレッシュとインプットの時間って重要。コートニーを観るのは3度目で、彼女の2ndアルバム『Tell Me How You Really Feel』は昨年の個人的ベスト5レコード。先月のフィービー・ブリッジャーズ に続いて現行最先端をゆくSSWのライブを間近で観れて嬉しい。とても刺激的。ライブは本当に最高で言うことなしだった。1990年代のオルタナティブミュージックを聴いて青春時代を過ごした身にとってとても人懐っこい、ささくれながら温かみとまろみのあるギターサウンド。フジロックでは2016年よりも大きなステージで観たいと思った。

土曜は午後から六本木ビルボードライブ東京で伊藤銀次さんの「ウキウキミュージック」を観させていただいた。ゲストは杉真理さん、曽我部恵一さん、伊藤俊吾くん。ナイアガラの遺伝子というテーマ、曽我部さんが銀次バンドと演奏した「恋に落ちたら」がニール・ヤングみたいで超絶かっこよくて痺れた(曽我部さんとは終演後『デザイナー渋井直人の休日』の話をした)。イトシュンもよく頑張っていたし、40周年記念アルバムが出たばかりの杉さんも素晴らしかった。楽屋挨拶、銀次さんにはいつも緊張してしまうのだけど、年頭のディラン話など銀次さんのお話はいつも面白いのでまたポップス今昔物語を教えてもらいたいものだ。

夜は高校の同窓会。27年ぶりとかに会う人がいたり、先生と飲み交わしたり。何はなくとも、みんなが元気でいればね。  
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2019年03月05日

猫のいる暮らし

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先週末は2日、猫にまつわる歌をたくさん歌った。みおさんもトイトイトイも猫が縁で繋がって機会を得た公演なのだから、招き猫とはよく言ったものだと改めて感心する。東京では3月3日と4日に深大寺だるま市が開催されたけど、ついに今年はどうしても出かけていくことができなかったので、ダンラナチュールのなっちゃん(毎年一緒に行く)に今年の自分のラッキカラーのだるまの購入を託した。ようやく今日になってどうにか日々が落ち着いて、今日はずっと猫を眺めていた。

ポチ実は朝だいたい僕が起きたら起きる。今朝は久しぶりに晴れたので日の当たる僕の作業部屋のフェルトのベッドの上であくびをしていた。僕が朝のコーヒーを淹れていると足にすり寄ってきて「おなか空いた」と甘える(甘えるのは朝だけ)。ご飯を食べてしまうと今度は「外に出せ」とぎゃーぎゃー言うから、ポチ実より先に自分が庭に出て、「ママン?いる?」と庭にあるハウスに声をかける。今日はもうチミママは出かけていった後だったから、ポチ実にリードをつけて外へ放つ。ポチ実のパトロールの始まり。そして小一時間かけたパトロールが終わる頃、ポチ実がずっと中空を眺めていたので、梅の花が咲いたかなと見上げると、屋根の上から落ち着いた眼差しで僕とポチ実を眺めるチミママがいた。今年うちの梅の木はなぜか花が少ししか咲かなくてとても残念だ。

午後出かけるときに、お向かいのマコちゃん(キジ白猫)もリードに繋がれて日向ぼっこしていたのでひとしきり遊んだ。近所に仲良くできる猫がたくさんいるのはいいものだ。お隣(ノアちゃんリルくんとは反対のお隣さん)とおしゃべりしていたら「最近うちでもチミママにご飯あげてるわよ」というからびっくりした。「寒い夜にチミママはどこに帰っていくんでしょうねえ」というので「うちの庭で寝てますよ」と答えたら、「ええ!?そうなの?」びっくりして安心されていた。

ここはとても猫に優しい猫町である。  
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2019年02月27日

消えない余韻|なんということでもないフィービー・ブリッジャーズの話

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1週間経ったけどまだふわふわしている。フィービー・ブリッジャーズの来日公演が素晴らしかった。フィービー・ブリッジャーズを知ったのは昨年初めのこと。Twitterでスピッツのディレクター竹内さんと交わしたイーサン・グルスカの話題がきっかけでデビュー作『Stranger in the Alps』を手にしたのだけど(ライブ1日目、僕のすぐ隣で観ていたのはその竹内さんではなかったかな)誇張でもなんでもなく、その日からほぼ毎日このレコードを聴いた。歌詞を読んで思いこまされたり、一緒に小さな声で歌ったり、たくさんの音楽に触れる日々にもこれほど熱心に対峙する作品というのは稀だ。2018年初頭からの僕の心にその歌が完璧にマッチしたわけである。忙しさにかまけて「2018年に聴いた音楽ベスト」というのを2月末になっても記事にできず下書きのまま手付かずになっているのだけど、当然この2017年の終わりに出たフィービー・ブリッジャーズの作品は、だんとつで僕の2018年ベストレコードとなりました。

そのフィービーが急遽来日するという報せが届いたのが先月、中学生みたいに時計を見ながら抽選に応募してチケットを手に入れて、あっという間にライブ当日となり、興奮して出かけた。こんなふうにワクワクするのっていつぶりだろうか。結構前の方まで攻めて「あの場所に立つんだな」と想像しながら開演を待つ。ギタリストのクリスチャン・リー・ハトソンによるオープニングアクトも素晴らしかったが、スラッシュメタルの轟音を出囃子に主役であるフィービーがくすくす笑いながら登場してきたときの神々しさはすごかった。天使は存在した、みたいな感じかしらん。コーラスやベル、エレクトロデバイスさえ操るドラムのマーシャル・ボア、前述した控えめながら効果的なギターを添えるクリスチャン・リー・ハトソン、そしてフィービーのギターと歌という超シンプルな編成はYoutubeでも観たことのないアンサンブルで(オセアニア・アジアツアーのための編成か)、しかしそのシンプルさがとても歌を引き立てていて、ベーシストのいない自由さのようなメリットもあって、とにかくすべての歌が美しかった。スマートフォンのスクリーン越しに見るのがもったいなくて写真も撮らずにずっと目に焼き付けた。

2日目は相対性理論の永井くんと連れ立って出かけて、初日よりは少し後ろの方で、もうちょっと冷静にその世界観を堪能した。アルバムの曲はもちろん、ジュリアン・ベイカーとルーシー・ダッカスとのBoygenius、コナー・オバーストとのBetter Oblivion Community Centerの楽曲、ギリアン・ウェルチのカバー、そして初めて聴く新曲など。才気あふれる、というのはこういうことか。とめどなく歌や言葉が溢れてくる季節なのだろう。ステージの上では震えるほど美しく見えたフィービーは、しかし、終演後のサイン会で目の当たりにすると小柄で可憐な24歳の女の子で、リクエストした猫のイラストを悩みながら時間をかけて描く仕草がとてもかわいかった。最高の2日間だった。時間が経ってもまだ消えない余韻のなかにいる。

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2019年02月07日

なんということでもない車の話

生まれた時からずっと父親が中古自動車屋さんをやってたから、逆に僕は全然車に興味を持てなかった。今、普通に自分が車を操って全国を旅していることを不思議に思う。なぜ興味が持てなかったかというと、やっぱり自営業の稼業であるから仕事が忙しくて休んでいる父を見たことがなかったし、車というのが<生活といううすのろ>と密着したものだったからだ。もうひとつ、父はその折その折仕入れた車のなかでお気に入りのやつをマイカーにしていたので「我が家の愛車」というものが存在せず、「今から迎えにいくから」と言われても待ち合わせの場所でどれが自分の家の車かわかないくらいに車というものに愛着が持てなかったことも大きな要因。だから一人っ子なのに仕事を継ぐこともせず、工業高校ではなく文系の進学校に進んで車と全然関係ない学問を選んで上京した。免許を取ったのも二十歳を過ぎて就職するときに必要で止むを得なかったからであり、自分は一生自家用車を所有しないと思っていた。自分は「車を運転しなさそうな男」に見えるのではないか、と今でも思う。

東京で初めて車を持ったのは2003年頃だったか。ホンダのステップワゴン。切望して手に入れた車ではなかったけれど、この車でGOMES THE HITMANのツアーに頻繁に出かけたり世界が広がった。「ドライブ」という曲はこの車が舞台だった。バンドが活動休止したタイミングで軽自動車に乗り換えたのだけど、その車は父がただでくれたスズキのワゴンRだった。身分相応だなと思いながら、その車がヘタるまで全国を駆け回って歌を歌った。次のダイハツMOVEも父にもらった中古だった。ホンダ、スズキ、ダイハツ、結局僕は車ならなんでもよかったのかもしれない。40歳になる年に「軽自動車で高速走るのきつい…」ということになって、初めて自分で選んでホンダのモビリオスパイクという車を買った。とにかく荷物がたくさん載る車で、これまでで一番の相棒になったし、『新しい青の時代』以降の歌詞に出てくる “車” はすべてこのガンメタリックカラーのモビリオスパイクのことだ(下の写真)。車を持ってなかったら書かなかった歌がたくさんある。「glenville」とか「月あかりのナイトスイミング」とか、たくさん。

16万キロを走ったこの車から、また父のお下がりの車に乗り換えることにした。今度はニッサンだ。先月大阪から東京まで走って持って帰ってきたこの車の名義変更や登録を自分でやってみた。警察に行って車庫証明を取ったり、国土交通省のHPを見て調べたり、自賠責保険とかなんとか、陸運局で税金を払ったり、これまでほとんど全部車屋さん任せにしていたことを自分でやるのは煩わしくて大変で、しかしどこかスタンプラリー的な達成感があった。つなぎを着た整備工さんや車屋さん関係らしき人が行き交う自動車検査場で佇んでいたら、父がずっとやってきた仕事ってこういうことの積み重ねなのか、と感慨深いものがあった。「ご自分で取り付けてください」と新しいナンバーを受け取ってあたふたしている僕に汚れた作業着を着たおじさんが「ドライバーならドアを出たところに自由に使えるのがあるよ」と笑顔で教えてくれた。

この新しくて古い車にギターと機材を積んで出かけていくのが楽しみだ。2019年は新しい旅の始まりの年。

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2019年02月06日

なんということでもないライブの話|今週末は下北沢lete弾き語りワンマン2DAYSです

すでに2019年になって10本のライブ/イベントに出演して、なおも歌を歌うのが楽しい毎日です。カラオケが大好きな人だってこんなに歌わないだろうな。20年前、メジャーデビューしたころはライブをするのが苦痛でしかなかったのに、25歳が45歳になって苦手を克服することができるのだなあと不思議な気持ちになります。20年前のGOMES THE HITMAN紙資料ファイルというのがあって、そこには「ライブ演奏力に難」とか「ボイトレ必須」とかレーベルからの厳しい言葉と指摘が綴られたレポートが残っている。20年前から「ライブ!楽しい!!」っていうメンタリティーだったらまた違う地点に辿り着いてたかもしれないけれど、今はこれでいいさ、と思います。今年は新しい場所でもやりたいし、しばらく行ってない街にも行きたい。久しぶりに車を乗り換えるので見たことのない景色も見にいきたいなと思う2019年です。

今週は金曜と土曜の週末に下北沢leteでの弾き語りワンマンです。先月末の福岡で、GOMES THE HITMAN楽曲もソロもリクエストもカバーも含めたアニバーサリーイヤーの弾き語りフォーマットがなんとなく固まったので、それを展開していきたいと思います。DAY1(2月8日)は即完売しましたが、DAY2(2月9日)は年に一度の男性限定となり席がもう少しだけあります。当日精算のチケット予約を開始しましたのでこちらをご利用ください。僕の音楽仲間が「おとこ祭り見たい!」というので遊びにくるので予期せぬセッションなどあるかもしれません。

こないだニコラの打ち上げで出た話題で、カフェ経営陣から「“カフェライブ” と称する公演には男性ファンが尻込みしがちという一方で、女性やライブに不慣れな方にとってはライブハウスよりも安心で敷居が低いという利点もあるのではないか」という言葉が聞かれて、僕なんかは「カフェライブっていうだけで男は全然来てくれない!」といつもブーブー言いがちなので目が覚めるような思いでした。3年続けてきたleteでの「おとこ祭り」も今年で最後にしようかな、と思ったのです。あるいはやるならもっと違う、別の場所かな。新しいことを始めるきっかけとなる下北沢lete2DAYSになればいいなと思います。皆さんのご来場を心よりお待ちしております。

リクエストがある人はコメント欄に書き込んでください。すべての希望に応えることはできませんがセットリストの参考にします。3月にはアニバーサリー的なセットで大阪・名古屋とソロ弾き語りワンマンの旅を計画中です。詳細をお待ちください。

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2019年2月8日(金)@ 下北沢 lete
夜の科学 in 下北沢ー小箱のなかの音楽 32

18:30開場 19:30開演/料金3500円(ドリンク代別途)
出演:山田稔明
*THANK YOU!SOLD OUT!

2019年2月9日(土)@ 下北沢 lete
夜の科学 in 下北沢ー小箱のなかの音楽 33(男性限定)

18:30開場 19:30開演/料金3500円(ドリンク代別途)
出演:山田稔明
*当日精算のチケット予約を受付中

下北沢leteでの恒例の定期演奏会、2019年最初は2DAYS開催。
新しい季節の歌を高らかに歌います。DAY2(2月9日)は年に一度
恒例の男性限定でのライブです。バレンタイン直前の週末、
楽しく秘密めいた2日間になります。ぜひお越しください。


下北沢 lete(http://www.l-ete.jp
〒155-0032東京都世田谷区代沢5-33-3
TEL: 03-3795-0275  
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2019年01月29日

なんということでもない里帰りの話

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福岡でのライブにかこつけて、というか、そういうときくらいは帰らないとな…ということで久しぶりに佐賀に帰ってきた。前回は去年の夏、やんごとなき理由での帰郷だったのだけど、そのときは捻挫をしてしまった。結構ひどくて今でも疲れると足が痛くなるし、広島からの疲労が蓄積してやっぱり今また足が痛い。実家=足が痛む、という関連公式ができあがってしまって困ったものだ。福岡では楽しい打ち上げで盛り上がったけれど、実家のある佐賀に戻ってくると、粛々と淡々と時間が過ぎるのを眺めているような感じになるのは昔から変わらない。ああ、もうちょっと早めの飛行機取っとけばよかったな、とかなんとか。

鳥栖市役所に行って用のある書類を集めたり、ひたすら実家のごみを捨てたり掃除をしたり、そうしていると昔自分が載った雑誌に出会ってページをめくってみたり、中学高校の頃買って読んだ本を埃を払ってそっとカバンに入れてみたり(さくらももこ著『もものかんづめ』を帰路読むことにした)まあいつもだいたい里帰りっていうのはそういうふうに時間が過ぎてゆく。普段東京で暮らしてるとそんなに行かないスターバックスに2度も行ったり、スーパー銭湯にも2晩通ったし、時間を持て余して朝一番から映画を観に出かけて『サスペリア』という、故郷で観るのにそぐわない不穏な作品にくたびれたりしていたら帰る時間になった。

年内もう一度福岡にはライブをしにくるつもりだから、またそのときにはこのなんということでもない里帰りを繰り返すのだろうか。そしてそれはいつまで、あと何度続くのだろうか、ということを考えてみる。故郷は遠くにありて思うもの、とは本来どういう意味なのか、最近よくわからなくなってきた。東京へ帰ります。  
Posted by monolog at 23:58Comments(0)

2019年01月17日

なんということでもない、大掃除の話

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ライブ続きのバタバタが少しひと段落して(まあそれでもホント次から次にいろいろ忙しいんだけど)去年からの懸案だった大掃除をずっとやっている。大掃除というのは、物理的な整理整頓ももちろんだけど、例えば役所とか年金事務所とか、保険のこととか、そういう手続きとかなんとか、そういう“片付け”も含めて、あたかもスタンプラリーをこなすように日々やっている。「2018年よかったレコード」とか「なんということでもない、年末年始の話」みたいなブログ記事、さらには大晦日に高橋徹也さんと録ったインターネットラジオ試験放送分の編集とか、そういうことが全然追いついてなくて、誰にというわけでもないが申し訳ないなとも思う。しかし、大掃除とはこんなにも心を静かになだらかにさせるものか、と驚かされるのだ。過去の自分との対峙である。この大掃除はもう少し続く。だからいろいろ後手後手になっても、それはそれで仕方のないことなのだ。

2010年からこっち、ずっとお世話になってきた家具と雑貨のお店巣巣が今週末19日の売り尽くしSALEを持って等々力での営業を終了する。このお店がなかったら、と想像しても思い浮かばないくらい公私に渡っていくつもの季節を共有した。昨年末クリスマスにファイナルライブをやったばかりだけど、やっぱり最後の日にも音楽が鳴っているほうが巣巣らしいのではないか、とささやかな演奏の機会をもらった。今週末1月19日(土)15時くらいから等々力 巣巣でフリーライブを行います。お時間都合つく方はぜひお越しください。せっかくなのでオリジナルTシャツのデッドストック等を持っていって販売させてもらおうかと思います。

巣巣がなかったら僕にとってこの10年がどんなだったか、神のみぞ知るのです。  
Posted by monolog at 23:43Comments(0)

2018年12月19日

なんということでもないテレビの話

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我が街に映画館アップリンク吉祥寺がオープンした。もともとパルコブックセンターだったところがこんな洒脱な空間になるとは驚いた。5スクリーンもある本格的な施設で、吉祥寺には去年ココマルシアターっていうのができたから映画館が4つある街になった。今年は本当にバタバタと忙しく映画を映画館で観る余裕もゆとりもなかったから(クイーンの映画もまだ観てない)来年はなんとか吉祥寺の街を右往左往して素晴らしい映画体験をしたいと願う。

僕は家のテレビで映画を観てるとリラックスしすぎて寝てしまうのです。そもそも真剣にテレビを見つめるということをそんなにしないのですが、それでも、NHKの朝の連ドラは毎朝楽しみだし、先週最終回だったドラマ“けもなれ”にもハマってクラフトビールに凝ったりするくらいにはテレビと付き合っています。そんななか年末一番の楽しみだったのがNHKスペシャル『アウラ 未知のイゾラド 最後のひとり』というやつで、とにかく全ての瞬間を息を飲んで堪能したのでした(ディモンシュのライブの日の夜に放送だったから録画しておいたのだ)。

10年くらい前『マクロスF』シェリル・ノーム(May'nさん)歌唱曲に「イゾラド」というタイトルの歌詞を書かせていただいた。菅野よう子さんから詞先で、と提案された画期的で新鮮な仕事だったわけだけど、そのイゾラドの、最後のひとりのドキュメンタリーなわけだから、しみじみと感慨深いものがあったし、いろんなことを考えさせられた。語りの町田康さんもよかった。うまく言葉で説明できない番組だけど、タイミングよく今晩深夜0時40分から再放送があるので、時間の都合がつく方はぜひ見てほしいなと思う。 僕の勘違いで、再放送は昨晩でした…。ごめんなさい。NHKオンデマンドでご覧いただけます。想像することを拒むようなドラマがそこにはある、のです。



NHKスペシャル『アウラ 未知のイゾラド 最後のひとり』  
Posted by monolog at 23:22Comments(0)

2018年12月18日

なんということでもない、カレンダー発送の話



ここ数日ずっと2019年カレンダーの発送作業をしている。もう9年目、毎年のことだけれど今年は例年以上にたくさんのカレンダーがGTH.COM本部から飛び立っていきます。ここ何年か、普段の通販の発送作業はお手伝いのスタッフに来てもらうのをやめてしまって、基本的には宛名書きから全部僕がやるということにしていたのだけど(自分のものを買ってもらうんだから自分で責任持って封をしようと思ったのです)さすがにカレンダーに関しては数が多くて手助けがいるし、宛名だって印刷しないと滞る。それでも僕は監督としてすべての封筒に目を通すわけで、いつものCD通販では見ないくらい北海道から沖縄までいろんな宛先があって、えーこれどんな町?とこっそりGoogleアースで天空から眺めてみて、こんな場所で僕の描いたカレンダーが風に揺れるのか…と想像するのは楽しい。あ、これオレが学生のとき住んでいた家のすぐそばだ!と懐かしくなる住所があったりもする。珍しい住所があったり、たまに友だちが普通に注文してきてくれたりもする。誕生日書き入れ希望の方はもう少し待ってくださいね。

カレンダーを郵便局まで持っていくときに、そっと普段お世話になっているお店や知人宛のものを混ぜたりもするから、もはやこのカレンダー発送は、まるでお歳暮とか、1年の感謝の印みたいなだ、とも思う(少なくない金額でご購入いただいているのに失礼な言い方かもしれませんが)。そろそろ通販STOREでご購入の方のポストに届く頃合いだと思うのですが、カレンダーの丁合いも少ないスタッフで慌ただしくやっているので、たまに4月が2枚入っていたり、10月がないぞ!ということもあるかもしれません。間違った誕生日に印がつけられたものだってもしかしたらあるかもしれないのですが、そのときは store@gomesthehitman.com まですぐにご連絡ください。新しい、正しいものをすぐお送りします。今年もとても可愛いカレンダーになりました。SNSなどやられている方は写真をとって「#山田稔明カレンダー」とハッシュタグをつけて自慢して草の根プロモーターになってもらえたら嬉しいです。

この記事のトップに載せた「calendar song」という曲は僕のカレンダーのCMソングです。ぜひこの歌を歌いながら楽しい年末年始を迎えていただけたらと思います。



通販STOREで山田稔明2019年カレンダーを購入  
Posted by monolog at 21:39Comments(1)

2018年12月17日

片岡まみこ展「花猫風月」ライブはソールドアウトとなりました

ギャラリー自由が丘での片岡まみこさんの個展ライブは完売御礼となりました。この12日が猫にまつわる歌、13日は「1993年」にまつわるトークイベント、14日は25歳年下のマーライオンくんと曽我部恵一先輩との共演、とすべて内容の違う1月最初の楽しいライブラッシュになりそうです。ぜひすべて目撃を。

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2019年1月12日(土)@ 自由が丘 ギャラリー自由が丘
片岡まみこ展「花猫風月」LIVE & ミニトーク

17:30開場 18:00開演/予約3500円(ドリンク+ネコサブレ付)
出演:山田稔明 トーク:片岡まみこ

片岡まみこ展「花猫風月」@ 自由が丘 ギャラリー自由が丘
2019年1月10日(木)〜15日(火)[12:00〜19:00]

ギャラリー自由が丘(https://www.gallery-jiyugaoka.com/
〒158-0083 東京都世田谷区奥沢5丁目41-2
アトラス自由が丘ビル1F  
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2018年12月15日

なんということでもないライブ練習の話|いよいよ明日鎌倉ディモンシュクリスマス

一昨日のこと。ヒックスヴィルの中森泰弘さんがうちにいらっしゃった。中森さんから僕への報告があり、僕から中森さんへの報告もあり、思えば今年は巣巣での永井宏展ライブがなかったから、今年2018年に一緒に演奏するのは鎌倉ディモンシュが最初で最後なのだ。鎌倉ディモンシュでのクリスマスライブは2012年から始まって今年で7回目となるのだけど、今回はいつもより明確なプランを立てて、お客さんにもたくさん集まってもらえるようなディモンシュクリスマスにしようということになった。

そこで白羽の矢が立ったのが近藤研二さんで、近藤さんも「ディモンシュで演奏できるなんて!」と誘いを快諾してくれた。山田、そして中森先輩と近藤兄さんとでみなさんをお迎えする。3人でのセッションというのはもちろん初めてなので練習をすることになったのだけど、とにかくみんなバカみたいに忙しいわけで、ようやくこの日(前日に演奏曲目を洗い出して)近藤さん宅のスタジオでリハーサルと相成った。モイは中森さんをきちんと接待していたな(ポチ実とウニは人見知り)。

3人のギタリスト、中森さんは時折マンドリンを弾いたり、近藤さんはウクレレを弾いたり、僕もギタレレをと、とにかく3人の相性は予想以上に、良い。弦楽器3兄弟みたいだ。これまでのレパートリーから思い切ってクリスマス以外の曲をバッサリ削ったり、マスター堀内さんを交えた第一部のトークのことを考えたり。ああ、こうやって丁寧に準備するのって大切だなあと思った。唯一の懸案事項はオリジナルクリスマスソングというのがこの練習の時点で完成していないということだ。僕の歌詞が間に合わなかったのだ。近藤さんの曲はできているからインストゥルメンタルとしては成立するが、はてさて当日どうなるか。鎌倉ディモンシュのクリスマスライブはいよいよ明日。チケットもまだ間に合いますが、赤城美知子さんが手がけるお菓子の数に限りがあることをあらかじめご了承ください。毎年恒例の小山千夏さんによるクリスマスオーナメントも楽しみですね。

練習後はみんなでしゃぶしゃぶを食べにいった。「しゃぶしゃぶどうですか?」「いいね!」と不思議とテンションがあがるのです。楽しくて美味しくて元気が出た。僕も近藤さんも中森さんも九州出身だから、また同郷話にも花が咲く。僕は中森さんと近藤さんが一緒にギターを弾いているのがとても新鮮で不思議な気持ちになるけれど、また新しいサムシングの始まりのような気もするのです。明日、みんなが楽しくなるような、心があたたかくなるような夜になればいいなと思っています。


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2018年12月16日(日)@ 鎌倉 カフェヴィヴモンディモンシュ
“Coffee & Christmas vol.7 - LUCKY 7 SPECIAL“

18:00開場 18:30開演/予約4000円(コーヒー、お菓子付き)
出演:山田稔明、中森泰弘、近藤研二/トーク:堀内隆志(cafe vivement dimanche)

第一部:Coffee & Christmas TALK
7回目を迎える恒例クリスマスイベント、幸せを運ぶ新企画を織り交ぜた特別編です。
ディモンシュ店主堀内さんをホストにコーヒーとクリスマスと音楽にまつわる楽しいトークを。
有名無名問わず、それぞれ思い入れのある、こだわりのクリスマスソングを紹介。
コーヒーとクリスマスの興味深い関係についても紐解かれる…?
オリジナルブレンドのコーヒーと赤城美知子さんのお菓子もお楽しみください。

第二部:Coffee & Christmas LIVE
ディモンシュ限定のセットリストで送るLIVE、今年は近藤研二さんのクリスマスキャロル独奏も。
恒例のクリスマスソングに加え、今年はなんと書き下ろしクリスマス曲「coffee christmas」を
発表予定!この日この時この場所でしか聴けないスーパースペシャルな歌に乞うご期待。
この日限り、一期一会のセッション。毎年恒例の小山千夏さんによるクリスマス装飾も楽しみです。

オフィシャルサイトRESERVEにて予約受付(残席わずか!)


カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ(http://cvdois.exblog.jp/
〒248-0006 神奈川県鎌倉市小町2丁目1-5
TEL 0467-23-9952  
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2018年11月28日

なんということでもない、テイラー・スウィフトの話

テイラー・スウィフトの来日公演から1週間が過ぎた。その日のことを、どうでもいいことも含めて書き留めたいと思います。個人的備忘録としても。テイラーの来日公演は今回東京ドームの2日間でした。初めて観たのは2014年さいたまスーパーアリーナでの『RED』ツアー、そして2015年の東京ドーム『1989』ツアー、そして3年ぶりの今年。正直言うと、もうこれまで2回とても満足のいくコンサートを良い席で観てるし去年出た新譜をそんなに聴き込んでいないこともあって「なんだか忙しい時期だし、今回はパスかな…」と思っていたのだけど、やっぱり観ないと後悔するかも!ということになって急遽チケットを取りました。

後悔するかも、と思ったきっかけは「America's Sweetheart」と評されるほどに右も左もなくアメリカ全国民から愛される存在になったテイラーが初めての政治的発言をしてトランプの共和党不支持を表明したことでした。出自であるカントリー音楽というカテゴリーからはみ出して飛躍した彼女の、20代最後のワールドツアーになるだろうし、もしかしたら予想外の音楽的変容がこの後に続くかもしれない、と思うと今回の大掛かりなステージはやっぱり観逃せない!ということになったのです。

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ライブ当日(初日に行きました)僕は朝から出かける用事があって、そこは東京ドームから一駅の街でした。SNSで呟かれる「テイラー物販の行列、ヤバイ」という、その現場を僕は見たくなった。最近の大きなコンサートの例にもれず、開演にあわせて出かけていってもグッズを買うことは無理だろうなと思っていたのですが、天気がとても良い日で寒くもないし、東京ドームシティのジェットコースターや観覧車からはとても楽しげな声が聞こえる。なんだかワクワクしながら「最後尾」と掲げられたところに並ぶと、来日公演は東京2公演だけなので当然日本中からテイラーファンが駆けつけているわけです。親子連れ、カップル(女性主導)、スーツケースを引きずる人、中国や韓国、アジアから来た人たちもそれぞれの言語でおしゃべりしている。

列に並ぶ僕のすぐ前には広島から来たと思われる女の子二人、そのよく通る声の方言と話が興味深く「ウチ、こないだ元彼と会うたんじゃけど、わやくちゃにケンカしてもーてー」「そんな言わんと、より戻したらええがー」とか、職場の噂話とか、そういうどうでもいいことを語られる感じがすごくテイラー・スウィフト的というか、とても新鮮で、気づいたら1時間が経っていて僕はグッズ売り場にたどり着いたのでした。欲しいものがあったかというと、そういうわけでもなくて(今テイラーはちょっとタフでハードなヤンキーモードなのですよね)、なんとか着やすそうなTシャツと、これが一番面白いなと思ったヘビ柄みたいなギラギラしたサングラスを購入。車の運転のときにかけたいと思います。

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一旦帰宅して少し休んで、再び東京ドームへ。日もとっぷり暮れて光溢れる街。会場全体を見渡せる席で、今回も連動式のLEDリストバンドを腕にはめて開演を待つ。で、内容はもう完璧なエンターテイメントで、一瞬たりとも退屈することなく、ダイナミックなダンスも、ステージセットも映像も、新旧含めたセットリストやアレンジも圧巻なものでした。少しでも行くのを躊躇したことを謝りたいくらい。EDM最先端なトラックでも、ギターの弾き語りでも、すべてがテイラー・スウィフトらしくてさすがだなと思いました。今年観たコンサートで一番かな。「テイラー・スウィフト好きだなんて意外だ」とよく言われるけれど、テイラー・スウィフトを好きじゃない人がいることのほうが僕には不思議なのですよ。「Taylor Has Nine Cats' Lives ―僕らが彼女に夢中な理由」という書き下ろしエッセイを寄稿した本はこれ。その日以来、去年出た『Reputation』というアルバムを遅ればせながらずっと聴いています。とても良いです。

以上、誰に言うでもない、なんということでもない、テイラー・スウィフトの話でした。

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2018年11月20日

続・なんということでもない話

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今日もそんなに大したこともないどうでもいい話を書きたいと思います。夏頃から月に一回くらいの頻度で東京大学のキャンパスに行く機会があって、根っからの大学生気質の僕にとってそれはとても心地いい時間なのです。1992年に大学生になってから今年で26年経ちますが、大学のキャンパスは時間が止まっているような感覚があって、そこに身を浸せばすぐにモラトリアムなあの時間を思い出すけれど、あの頃に戻りたいかというとそれはまた別の話で、帰りたいとは思わない。東京外国語大学というGOMES THE HITMANの母校は東京大学、一橋大学と同じ起源を持つ大学だけれど、やっぱり東大のキャンパスというのは風格が違う。外国みたいだ。

ということで、僕は月一回の頻度で東大キャンパスにある食堂でお昼を食べることになるわけだけど、これがとても大きなカフェテリアで、とにかくなんでもある。カレーでも丼物でもパスタでも、タニタ食堂もあるしポムの樹もある。勉強・研究するのにご飯は大事ということだろう。今日はちょっと冒険して「赤門拉麺」というのを注文した。ピリ辛のあんかけラーメンみたいなやつで、お腹が減ってたから食べられたけど「これは若者向けのメニューだなあ」と感じた。ポテトサラダとオクラの和え物をあわせても600円くらいだから財布にも優しい。これらを食べながら僕は「1時間目の授業のために早起きして登校したけれど、予期せぬ休講で調子が狂った」みたいな人を演じる。四十路を越えたおじさんによる、大学生プレイである。

ご飯を食べ終わって外に出ると、気持ちのいい小春日和だった。今日のなんというでもない話でした。  
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