2007年02月28日

2月が終わる

crocsやっぱりあっという間の2月だった。果たして2月を振り返ってみるとどんな1ヶ月だったろうか。

2月、何より愛猫ポチの失踪事件がこの1ヶ月の核となり、「世界最速のインディアン」に触発されてスピードの限界にチャレンジして前例のない早さで確定申告を終わらせた。

ライブは小休止でしたが知人の結婚パーティーで歌を歌い、3曲新しい歌を作ってそのどれも気に入っていて、われながら百発百中、という感じでした。

春がもう来たか、と思うような日もあったけどここ数日冬に逆戻りで、それなのに目がかゆくなってきたりしてやっぱり春の足音が聞こえる。もう3月には東京には桜が咲く。新しい季節だ。注文していて到着した靴は春を通り越して梅雨時に重宝しそうな、軽量だがガッシリした可愛いゴム靴だった。  

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2007年02月26日

風の散歩道

sampomichiymmt打ち合わせの予定が急になくなったのでキビキビ!っと確定申告書の提出へ。いつもギリギリになってバタバタする事務作業ですが今年は前倒し、しかし税務署はとても混雑していて季節感があった。

井の頭動物園あたりから三鷹駅に向かって自転車で走るのに気持ちのいい玉川上水沿いの道路があって「風の散歩道」という名前がついている。今日そこを走っていたら最近気になっていた山本有三記念館を見つけたので立ち止まってみた(山本有三についてのWiki)。とっても品のあるモダンな建物だった。空調工事中で春まで閉館とのことで中に入れないのが残念。

僕が小さい頃、父親から山本有三の「路傍の石」という本を読むように言われ、普段そういうことを言う父親ではなかったから子供心に「へえ、おとうさんがわざわざ言うくらいやけん何かあるっちゃろう」と思って真剣に読んだ記憶がある(本の内容はほとんど憶えていない)。そして、何度目の再読か、一昨日くらいに「東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン」を泣きながら読んでいたらマー君もオトンから山本有三の「真実一路」を読むように言われたというくだりがあってビックリして、僕のなかで「山本有三」という単語がふわふわとしているときだったので、この肌寒いけど雲ひとつない青空の月曜日に山本有三旧邸の門の外に展示されている「路傍の石」を眺めたことには何らかの意味があるぞ、と思った。

“たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、
ほんとうに生かさなかったら 人間生まれてきたかいが ないじゃないか”

という「路傍の石」の一節を見て、この本を読め、といった無口な父親のことをちょっと考えたから、たまには電話でもしてみようと思う。  
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2007年02月25日

凍えそうな日曜日

pochi070225急に冬っぽい寒い天気に。外に出るのが億劫なので仕事部屋にこもり作業を。「interstate highway(仮)」という曲ファイルを試行錯誤。

寒い日の作業のときはカマボコみたいな形の電気アンカを足元に置いて足まぜしながらやるのだが、足が暖かいと調子が出る。インディアンの言葉に「足は熱くして頭を冷たくしなさい」というのがあって、その通りだな、と思う。小さい頃、受験のときも同じように足元を温めて勉強してたっけな。

寒さが舞い戻ってきていよいようちの猫は睡眠時間が長くなった。ご飯を食べるときしか起きてない。寝言を言ったり、たまに睡眠時無呼吸症候群みたいな感じでヒクヒクすることもあって、そのときは僕は背中をさすって「おまえ、寝たら死ぬぞ!」と雪山に思いを馳せながら声をかけるのだ。  
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春になれば

cassadaga週末。今日は午後から、雑誌で見て欲しくなった靴を探して吉祥寺をぐるぐると徘徊したのだが見つからず。結局試し履きもせずにインターネットで買い物。春には春の雰囲気のスニーカーが欲しくなる。

春になったら僕の大好きなBright Eyesの新作『Cassadaga』が出る(5月にはWilcoも新譜が)。前作は2005年、『ripple』発売の数ヶ月前に出て、レコードだったら擦り切れるくらい聴き続けている。僕もそろそろ新しいレコードのことを考えなければな。  
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2007年02月24日

絵を描く2

pochi_sketchそしてこれは、ハッと気付いたらうちの猫が人間みたいにテレビを(アニマルプラネットかなんかの鳥の番組だった)観ている時の姿をスケッチしたものです。

うちの猫は猫背という言葉の根拠を疑ってしまうくらい背筋をそらして寝たり仰向けで寝たり赤ちゃんのような寝方をするから気が抜けない。顔が笑っているように描いてありますが笑っているような感じだったのです。  
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2007年02月23日

絵を描く

carwheelモナ・レコーズでのライブのチケットは予定枚数に達したので受付終了となりました。間に合わなかった人はラウンド・テーブルのサイトからチャレンジしてみてください。

最近は万年筆に加えてカリグラフィのペンに凝っていて、これで絵を描くと不意に太い線と細い線のメリハリがついて気持ちがいい。スケッチブックを買っていつでも手の届くところに置いてあるので、猫が信じられない体勢で寝てたりすると僕はささっとスケッチをする。

一回描くと次からは何も見なくて描けるようになるところは新しいコード進行を憶える感覚に似ている。右の絵はLucinda Williamsの名盤『Car Wheels on a Gravel Road』のジャケットを書き写したのですが、こういう無為な行為からこそ有意義な発見があるような気が、最近してきた。  
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2007年02月22日

スロベニアのインディアン

ind_slind_sl_2スロベニアで教鞭をとっているファンの方からスロベニア、リュブリャーナの街でのカーニバルの写真が届きました。インディアンの仮装が可愛らしい。

僕が本格的にインディアンに興味を持って1年がたちました。特に去年の2月のインディアン関連本の固め読みはすごい。インディアンに興味を持ってみるといかにアメリカのいろんなエンターテインメントにアメリカ先住民が関わっているかということにまず驚く。アングロサクソンは根本的に黒人とインディアンにどうしようもない憧れを抱いている、としか思えなくなる。

猫の日の今日は終日デモ録音。1月11日が犬の日というのをあんまり聞かないのは11月11日があるからか、正月明けでまだみんなぼーっとしていたからか。  
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今日は猫の日

072222が3つ並んで猫の日ですね。お昼にテレビを見ていたら興味深い情報が。絶滅危惧種であるツシマヤマネコが井の頭自然文化園に2匹、人に慣れないよう非公開で飼育されているらしい。最終的には自然に帰すためだそうだ。インターネットで調べて映像を見てみるとパッと見はそのへんにいる猫にも見える。ツシマヤマネコはどんな気持ちで武蔵野の空の下で暮らしているのか、と思いを馳せる午後だ。

3月の下北沢mona records3周年期間にイベントに誘われました。春っぽい感じで歌を歌おうと思ってます。本日22時からオフィシャルサイトにて予約受付を始めます。小さな会場なのでチケット確保はお早めに。


3月17日(土)@下北沢mona records

ROUND TABLE presents『Big Wave Saturday #3』
山田稔明(GOMES THE HITMAN) / ROUND TABLE
open18:30 start19:00
前売¥2,800/当日¥3,300


鼻がだんだんむずむずしてきて、頭も重くなってきた。春の足音が聞こえる。  
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2007年02月21日

世界最速

ind_bag西部劇を観ることは苦行に似ている。映画にちなんだ歌詞を書いた手前、観なければ!と思っている「荒野の決闘」を何度も観ているがいつも気付くと寝てしまっている。毎回酒場で酔っぱらったインディアンが暴れてそれをワイアット・アープが退治するとこまでしか憶えてないのだ。手強い。また今夜も勝負を挑もうと思う。

ちょっと前に観た「悪魔の棲む家」も凄惨な場面が多いのにウトウトしてしまった。途中、地下室でインディアンを拷問していたくだりでハッとしてそこからは集中した。僕はこういう、本当にあった話らしいよ、っていう作品が好きだ。アメリカなら何が起こってもおかしくないな、という変な思い込みがあるからかもしれない。

そして映画館で「世界最速のインディアン」を観た。これはアメリカ先住民とは何の関係もない話ではあるが夢のある、実話を元にした物語で良い顔、良い景色のオンパレード。田舎道にあらわれたひとりのインディアンがとても優しい顔で印象的だった。

  
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どこまでも着いてくる足跡を

paw222(ニャンニャンニャン)の猫の日を前にしてなんとなくうちのポチをスキャナーの上に立たせてスキャンしてみたのだ。僕らが見る肉球は普段はプヨっとして可愛らしいが地に足をつけてるときは肉球の部分がブヨっとなって意外と可愛くない。ポチは肉球部分にほくろみたいな黒い模様があるからなおさら微妙だ。

ちなみにうちの猫は足音が結構大きい。抜き足差し足、という感じではないから野生に戻ったときに獲物を捕らえることはできないだろう、と思う。冬の朝方、この肉球で顔を触られるとものすごく冷たくて目が覚める。  
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吉祥寺を徒歩で

yosononeko夕方から吉祥寺で打ち合わせ。今日はmedewo&dine、通りに面した開放感のあるモダーンなカフェ。そこでカスタネッツ健一郎氏とばったり。お互い吉祥寺を根城にしているだけあってこの人とはホントによく遭遇する。

降っていた雨はやんで帰り道は澄んだ空気だった。僕は猫のご飯(2kgもあって重い)をぶら下げて書きかけの曲のことや昨日観た映画のことなど、いろんなことを考えながら家路を歩いたのだった。

明日は2月22日、今年もまた猫の日だ。ブログをポチ模様にしてみました。  
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2007年02月18日

アメリカ的風景に浸る

pochi070218pochi070218_2数日のあいだ新しくできた曲と格闘して試行錯誤していましたが、たくさん映画を観たりもしました。

夜中のテレビで観た「ラスト・マップー真実を探して」は亡き祖父の遺言に従い車に乗って大陸を横断する旅に出た家族を描いたロードムービー。以前誰かがこのブログのコメントで薦めてくれてた作品でした。音楽も風景も素晴らしかったのでDVDを買ってしまいました。

リドリー・スコット監督作品「テルマ&ルイーズ」もハプニング的に殺人を犯してしまった女性ふたりが車で大陸を駆け回る話。ヴァイオレンス・コメディという感じでしたがエンディングでは息を飲んだ。

そして遂に観た「カーズ」。これもトラブルによりルート66沿いにある田舎町でスタックしてしまった花形レースカーが云々、という話。漫画とアニメーションが苦手な僕がフルCGのキャラクターに感情移入できるのか不安でしたが、最後はめちゃめちゃ車の気持ちになって感動。ルート66の風景やグランドキャニオン的な褐色の幻想世界がとてもキレイで、ストーリーにも含蓄があって評判通り大人のための物語だな、と納得。

大人のための、と言えば玉袋筋太郎著「男子のための人生のルール」はよりみちパン!セ(理論社)シリーズの、子供に語りかけるように書かれた本ではあるが、あらゆる世代が再確認すべきことが書かれているような気がして胸が熱くなる読了感だった。

うちの箱入り猫は新しい箱を見つけたが少し小さめだ。  
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2007年02月15日

そしてパーティーへ

partyポチが行方不明になる原因となった黒のジャケットを着込んで渋谷へ。知り合いの結婚パーティーでお祝いの歌を歌う。結婚式で歌うのはライブの500倍くらい緊張する。

別れを歌った歌ではあるけども「手と手、影と影」を最初に歌って、「星に輪ゴムを」、さらにジョン・レノンの「Imagine」で締めくくり、「僕らの暮らし」が入っているCDをプレゼントしました。ハイセンスなデザインで著名な建築家のパーティーということで、イラストレーターやデザイナー、カメラマンなどたくさんのクリエイターが溢れる刺激的な空間でした。

珍しくワインなんかを飲んだから夜風が寒くなかった。  
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2007年02月14日

日常が戻ってきた

yogoreポチはすっかり元気です。今までより人なつっこく可愛くなりましたよ。

ポチを洗った日の夜、韓国から来ていたライナス・ブランケットのヨンジンと吉祥寺でお好み焼きを食べた。ネットでちゃちゃっと調べていった旧近鉄裏の「まりや」というお店がとてもよかった。ヨンジンがお好み焼きを四角く作ろうとしたのが面白かったです。

夜の自転車はまだ寒いけれどもあったかいものを食べた後は頭とおなかがすっきりして気持ちがいい。  
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2007年02月13日

猫を洗う日

nure2nure1かくして無事に平穏な日常を取り戻した猫と僕だったが、とにかくポチが汚い。すすとホコリで遭難猫のようだ。ポチを最後に洗ったのはいつだったか思い出せない。ポチはカチッと気分を切り替えたようで高いところに乗ったりご飯をねだったりうとうと寝てみたりいつもと変わらない感じに戻った。すすけた体以外は今まで通り。

ぬるめにお風呂をわかしポチをビックリさせないように抱きかかえ浴室に連れていきドアをしめる。ポチは勘づいてすごい声で鳴き始めた。真夜中だったら近所迷惑だったな。夜が明けて昼間を選んでよかった。毛にやたらと香ばしい匂いがついたらポチも嫌がるだろうと去年知り合いのお土産でもらったインディアン伝承のシャンプー(100%ハーブ)を使う。5000円くらいするやつだそうだ。

ポチは「うぉーーーーん」という感じで鳴いているが、僕に爪を立てたりはしない。「うぉーーん」というのがだんだんモーター音を落とすように低いうなりに変わっていった。ポチは浴室のドアのほうに体を押し付けて逃げ出す隙をさぐっていたが、結局その姿勢が僕には都合がいい。こういう感じだ。泡立ったシャンプーをぬるめのシャワーで洗い流す。ポチは「ふは!」という感じで鳴くのをやめたので、僕は「な、意外と気持ちいいやろ?」とタフタフと背中から胸、四肢とおなかにお湯をかけた。

きれいになったポチは足拭きマットの上で毛繕いをしたあとガスヒーターの前に移動しウトウトとしながらフサフサの猫に戻っていった。失踪する前よりふっくらとキレイな猫になったのだ。大変だったけど良かったな、ポチ。やっぱりポチは僕にとっては運命の猫だな。



ここ数日間のこのブログのアクセスがいつもの5倍くらいになっていました。皆さんを心配させるつもりはありませんでしたが、簡単に書いて済ませられないほど心が揺れ動いた時間だったので自分への教訓のためにも書き残した所存であります。ポチがいないGOMESなんてありえないな、解散だ、とか、ポチを失った僕はこれからどれだけのブルーズを書き散らして酒に溺れ泣き濡れるのか!とか絶望したりしていました。

たくさんのメッセージをありがとうございます。ポチも僕も全部、元気ですから。これからもいろいろよろしくお願いしますね。  
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猫が行方不明5

find2find110センチの隙間から覗くとポチはこちらに背中を向けているようだった。手をいれてもシッポをつかむことしかできないし、そうこうしているとポチはじりじり奥のほうへ奥のほうへと身体を移動させていく。ホウキの柄の部分で追い出すようにすれば簡単に出てくるかと思ったがポチはこわばって重たい石のようにびくともしなかった。

「ぽっちゃん!おれやん!おにいちゃんやん!忘れたと?はよ出てこんね!ポチ!」真夜中なので僕は押し殺した声で、なぜか九州弁でポチを落ち着かせようとしたが数十分膠着。ポチにこれ以上のショックを与えたくないので腰をすえて慎重にやる、と決めた。

防寒のために着ていたコートを脱ぎシャツ一枚になって僕はマンションの廊下に寝そべって、ポチに僕の顔が見えるように10センチの隙間に寄り添った。やっと僕からもポチの顔が見えて、どこのドラ猫かと思うほど汚れていて目はカラーコンタクトをはめたみたいに空虚な感じになっていた。

僕の服もドラ猫かというくらいに汚れて、それでもやっと両手の肘くらいまで隙間から入れることができたのでポチの首とか頭とかあごをムツゴロウさんみたいにワッシャッシャッシャッと思いっきりなでまわした。しばらく硬直していたポチだったが、モノクロからカラーに変わるみたいな感じで(ホントにそう感じた)ゴロゴロゴローと喉を鳴らす音が聞こえてきて、ポチの身体もふにゃっと柔らかくなった。

なでるのをやめて両手を隙間からひっこめたら、ついにポチは顔を外に出したのだ。ぶるぶる震えながら。そして真っ黒になった両手、上半身とポチは這いずり出てきた。歓声をあげたい気持ちを抑えて冷静に小さな声で「おいでおいで。自分で出てこい」と呼ぶ僕。しかしポチのおなかから下がなかなか出てこない。10センチの隙間にポチの腹と足がつっかえて出てこない。

見かねて僕はポチに手を添えて身体を横向きにさせて、ついに両腕でグワッとポチをつかまえて胸に抱いた。こっちにも伝染するくらいポチはぶるぶる震えていて白い部分はすべて薄汚れていて瞳はまだ事態を把握していないような感じだった。

急いで部屋に戻って床に下ろすとポチはいろんな記憶をたぐるように回りを見回し少し水を飲んで「にいやああん(兄やん)」と鳴いて買ったばかりの黒いジャケットにすり寄った。そこでやっとホッとして僕も泣いた。ごめんなおれのせいで、ポチよ。でもおまえ、今史上最高に汚いからその黒のジャケットには触らないでくれ、と。


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猫が行方不明4

2f_22f_1ポチのことを猛烈に思っていた。ポチがうちにいないなんてそんなことがこれまであっただろうかと思いを巡らすと、あった。一度だけ。2002年の2月、避妊手術で入院したときだ。

あのときはポチを午前中に病院に連れていって、全身麻酔での手術になるから不測の事態が起こっても文句は言いませんというサインをしてひたすら手術終了の電話を待った。結局ポチは予定よりもずいぶん遅く手術台に乗り、夜分遅くに無事との連絡があって翌日のお昼に迎えにいったのだ。約30時間の不在。でも今回は誰も「無事です」という電話をしてきてはくれない。

マンションの階段を昇る足がやたら重い。このまま朝が来ないでずっと夜だったらいいのに、と思った。街が動き出すと物陰に隠れたポチがますます出てこれなくなるじゃないか、と思ったから。

僕の部屋は3階だが、ふと2階のフロアーを歩いてみた。何度もポチの名前を呼んだし住人が帰宅した部屋には呼び鈴を押してポチの写真を持って尋ねてまわった一角だ。猫の気持ちになって壁づたいに歩いてよく観察してみると湯沸かし機かなんかが設置してあるスペースの部分、足元にわずかな隙間がある。だいたい約10センチくらいか。

最後の望みのようなものがグワーッっとわいてきてそのわずかな隙間を覗き込んでみた。土埃と砂で汚れた吹きだまりの暗闇に見慣れた色のケバケバが見えたような気がした。しっぽだ。ずっと探していたポチの毛のパターンだ。

「ぽっちゃん!ぽっちゃあああん!!」夜中なので声を押し殺しながらも僕は名前を何度も呼んだ。ポチがいたのだ。しかしポチは鳴きもせず、そこから出てこようともしない。

続く。  
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2007年02月12日

猫が行方不明3

kinoboriそれで気が遠くなるくらい長い時間ゴミ捨て場を遠巻きに眺めていて、ときおり通りがかる人から怪しまれないようにと、僕は夕涼みしながら(極めて寒いんだけどな)携帯電話で一生懸命メールを打っている今時の若者的な振る舞いを装ったりしていた。

ゴミ捨て場のあたりに猫の気配はなく、とうとう僕は我慢しきれずに近寄っていった。すると僕がずっと見張っていたはずなのにフードがまた4粒減っている!どういうことか、おれの目はフシアナか!と合点がいかず、僕は部屋に戻ってデジタルムービーカメラを持って、またゴミ捨て場に戻った。

こうなったらプラネタリウムでの「夜の科学」を撮影したときに使用したNIGHTSHOT機能(暗闇の中でも映る赤外線撮影みたいなやつ)で定点撮影してとにかくポチがそこにいるのかどうかだけでも確かめたい、と思ったのだ。フードをまた4粒ふやして5コにしてデジカメを設置して撮影しようと思うと「バッテリーを取り替えてください」という表示が点滅。替えのバッテリーもなく、僕の心は打ちひしがれて夜の淵に沈んでいくようだった。

だめだ、このままじゃ凍え死ぬ、明後日は知人のパーティーで歌を歌わないといけないのに。僕は朦朧としながらも物陰に身を潜めているポチを思い、ありったけのカツオブシをそこにぶちまけて朝刊配達の始まった真夜中に部屋へと戻った。ポチが自力で帰ってきたときのためにマンションの入り口も開け放ったままで。


続く。  
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猫が行方不明2

ikepochiyukipochiポチがうちの猫になってから5年だが、なんせ今まで外に出てしまっていなくなったことなんて1秒もないから僕は心臓がバクバクしていてもたってもいられなくなった。時刻はもう夜の8時くらいになっていて、家のまわりを「ポチー!ぽっちゃああん!」と呼びながら歩き回っていると雨が降ってきたりしてさらに気は焦る。

もともとポチは葉山の斎門富士男邸にいる頃は自由に外に出れるような環境で暮らしていた猫だけど(写真は写真集「ぽちのゆめ」のなかの、外で遊ぶポチ)、最近のだらしなく寝てばっかりでコロコロ太った姿から考えても機敏に屋外で走り回ったりするとは思えない。懐中電灯を片手に家の回りの草むらや壁と壁の隙間、植え込みの中、さらに範囲を広げて公園やら畑、向かいのホーム、路地裏の窓(そんなとこにいるはずもないのに!)を「ポチー!ぽっちゃああん!」と名前を呼びながら歩き続けた。

ポチは昼のご飯から食べてないからどこかで緊張して身を潜めているとしても食べ物の匂いに引き寄せられるかも、とドライフードを家のまわりに5コずつ置いた。すると近所を一周して帰ってきたゴミ捨て場に置いておいたフードが4つ減っていたのだ。「ポチか!ポチー、出ておいでー」と声をかけるも返事はなく、フードを4粒おいてまた5粒にした。

10分後に戻ってみるとまたフードが4粒減っている!おそらくポチはひょんなことで外に飛び出してしまいパニックに陥って物陰に隠れて動けないでいるのだ、と推理(ネット等でもいろいろ研究した結果)。飼い主の声にも出てこないなんて相当なショック状態だ、と。結局そのゴミ捨て場を遠巻きに眺めることしか手はない。雨はやんだが日付が変わって夜はしんとして、体が心から冷えてくる。僕は無の境地を想像してゴミ捨て場に置いた5粒のエサのあるあたりをずっと眺めていた。2時間近くも。


続く。  
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2007年02月11日

猫が行方不明

昔のうちにもらわれてきてからは完全室内飼いの愛猫ポチが行方不明になったのだ。

夕方吉祥寺で買い物をして僕は帰宅、週末で気がゆるんでいた僕は玄関のドアにスニーカーを挟んでしまい猫一匹が通れるくらいの隙間をつくってしまった。パーティー用の黒いジャケットを買ったのでそれをバッグから出したところにポチがニャーニャーすり寄ってきたので「だめ!毛がつく!」と追い払った。

それから僕はウトウトしたりゴロゴロしたりしていたのだが、気付くと猫が見当たらない。なんせ猫だから見当たらなくても部屋の隅っことか押し入れのなかとか結局はいつもどこかにはいる、というのが当たり前だったからしばらく気にしないでいたのだけど、夕飯時になって家中探しても本格的にいない!ということに気付いた。

自己嫌悪と心配と不安とで心は半狂乱で、とりあえずマンションのなかを見てもどこにもいないし、通りに出るドアは開いていたから「これは絶対ドアの隙間から出てマンションの外へ行ってしまった!」ということになった。マンションのなかの灯りのついてるお宅にはすべて呼び鈴をならし猫を見なかったか尋ねるも情報はなく途方に暮れる。ここからが長かった。


続く。  
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2007年02月09日

雪がふれば

odenkun午後からカスタネッツ元さん来宅。3月のディナーショーのための打ち合わせ/ネタ合わせ。大半の時間をDVDを見て猫をなでることに費やすも、新しい曲がうまれるときの魔法みたいな瞬間も確実にあった。トモフスキーさん主催のディナーショー、今からすごく楽しみです。

札幌の方から雪祭りで立ち尽くすおでんくんの写真を送ってもらいました。いいなあ北海道、この冬の間に行きたかった。2007年中には歌を歌いにいきたいですね。

愛猫ポチは元さんになでまわされて骨抜きになっていた。  
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冬なのに15度を越えてゆくような

agopochi暖かい日が続く。雪祭りも大変そうだし、冬が稼ぎ時の街は頭を抱えているだろう。冬は寒いほうが“健全”な気がするな。

夜になってサンフラン〜ラスベガス旅行のお土産をもらいがてら知人とファミレスでデジタル・ミーティング。myspaceとかSecond Lifeとかウェブ上ではいろんなことが次から次に繰り広げられている。

最近普段何気なく見過ごしているものを観察してスケッチするのに凝っている。たとえば文房具とかおでんくんとか携帯電話。一回よく観察して書くと次から何も見なくても書けるようになる。記憶とはなんと奥深いものか。  
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2007年02月08日

大きな鏡にかこまれて

nanamepochimukashipochi久しぶりに髪を切った。前髪を短くして視界が広くなった感じですっきりした。

うちの猫は子猫のときの姿が「baby cat」という写真集に色褪せず記録されているから、その前髪部分が歳を取るにつれて下に下がっていっているのがよく分かる。左側の写真が小さい頃、右側が昨日の姿、確実に前髪が後退ではなくて前身していて、ほっぺの茶色も大きく濃くなっている。不思議だ。

かつて病院通いをしてた頃(猫の看病日記)、ポチは広範囲にわたって毛を刈られたことがあったが毛の模様と同じ肌をしているのが切なくも可笑しかったことを憶えている。

  
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2007年02月07日

架空の街は実在の街

yokopochi終日曲を書いて録音していました。鍵盤ハーモニカをたくさん重ねたのでめまいがします。

ありふれた名前の架空の街をでっちあげて、そこを舞台に歌詞を書きはじめて、休憩がてらインターネットで調べると案の定アメリカの田舎に同じ名前の街が実在していて、街のホームページには映画で見たようなアメリカーナな風景があった。一気にイメージがふくらんで歌詞を書くのがすごく楽しかった。実は、実在しない街の名前を考えるほうが難しいのではないか、とすら感じる。

『cobblestone』から7年経って、同じように未だ見ぬ街のことを考えていることがなんだか面白くて、その架空の街の名前を歌のタイトルにした。そこはドライブインシアターと小さなショッピングモールしか娯楽のない想像のなかの街だ。  
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2007年02月05日

乾燥か湿気か

sashimipochi冬は乾燥の季節ではあるけれども僕の家は北側の角部屋なうえに窓がたくさんあるので毎年結露に悩まされる。こないだフラッと買い物に出かけたら結露防止スプレーというのを売っていて興味半分で買ってみたのだ。

それを今日は試してみた。まず窓という窓をキレイに拭き上げ、その結露防止スプレーをまんべんなく塗りたくる。そして日が暮れて真夜中になりカーテンを開けて窓の様子を見てみるとビックリするくらい結露がない。いつものあの水滴たちはどこへ行ったのか、ということのほうが気になるくらいだ。どういう仕組みなのか謎だ。今後も調査を続けたいと思う。

うちの猫はドライフードとマグロしか食べないと思っていたが、最近焼きジャケと生ハムを食べた。猫的食の革命が起きているのか。今日もマグロは食べたが白身魚は食べなかった。  
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2007年02月03日

寒い夜に

lwnj土曜日は六本木に所用があって、その行き帰りはずっとNorah Jonesの新譜『Not Too Late』を聴いていました。派手なギミックのない、純粋に良い曲でかためられた1枚で、可憐な歌声に夢とうつつをゆらゆらする気持ちよさでした。

帰宅後はLucinda Williams新作『West』を。五十路ウーマンの凄み、憧れと達観と諦観と優しさと悲しさが満タンに詰まったアメリカーナ決定盤、という感じでストップボタンを押させない力強さ。今年のベストディスク候補。寒い夜には落ち着いた女性シンガーの音楽が似合う。

女性シンガーといえば、3月に発売になる坂本真綾さんのミニアルバム『30 minutes night flight』に書き下ろし2曲が収録されることになりました。ぜひ聴いてください。  
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2007年02月02日

猫はまだ丸くなっている

pochi070202午前中に市役所へ。たまに公共の機関にいくとなぜか僕は気分がぴりっとする。スパイシーな市役所だ。対応も穏やかなので自然と僕も穏やかにしゃべることになる。

午後から吉祥寺で打ち合わせ。いつものくぐつ草じゃないところにしようということになって、気になっていた...ful。cafeに。フレーバーコーヒーが美味しかった。しかし打ち合わせは打ち合わせなのでコーヒーがどうこうというのはそんなに問題ではないのである。

吉祥寺のタワーレコードの1階にはバナナリパブリックがもうすぐオープンするが、そのすぐ近くに百年という雰囲気のいい古本屋があって、値段もリーズナブルでふらっと立ち寄ると楽しい。もう少し暖かくなったら街歩きもさらに快適になるだろう。  
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2007年02月01日

気持ちをシュッとさせる

rh0702012月になった。気分がだれないようにと今日は意味もなくスタジオに入って歌の練習をしたのだ。電気を少し暗くして雰囲気を作ってから短期集中型の練習。気持ちよく声が出ました。近所にリハーサルスタジオがあると便利でいい。

夜、ドラマ「拝啓父上様」を観ていると巣鴨は地蔵通りが大きくフィーチャーされていて大学時代に通い慣れた道だから懐かしかった。昔僕はCUTiEという雑誌で連載をやっていたのですが、その初回もなぜか巣鴨特集だった。

どんどんあたたかくなっていくように感じる。雪は降らずに冬が終わるのか。  
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