2011年01月31日

吸収する1月

写真東京はずーっと晴れて乾燥していて朝から夕方までずっと日射しが明るい日々が続いているけれども(寒いけどね)、積もり続ける雪に溜息ついて疲弊している皆さんもたくさんいることと思います。春までもう少しかかりますが、どうか気をつけて生活してください。

2011年の1月が終わる。まるまるほとんどずっと晴れていたような1ヶ月だった。僕はたくさんのレコードを買い漁りたっぷりと音楽を聴いて、興味深い本をいくつか読み終えたり読み進めたり、新年早々面白い映画を立て続けに観ました。素晴らしいライブもいくつか体験し、心が震えるような刺激を受けました。

武蔵野から富士山が見える日がたくさんあって、東京はとにかく乾燥してどこもかしこもカサカサしているけれども、この何もない僕の1月は(水面下では足をバタバタさせてはいたが)いろんなことを“吸収する”ための1月だったような気がします。これから少しづつなみなみと満ちた思いが溢れ出していけばいい。

僕が中学生の頃から20余年聴き続けているフェイバリットバンドのR.E.M.が3月にニューアルバムを出すのにあわせてレビューをいくつか追記したのだけど、それを見た音楽雑誌の編集の方からR.E.M.特集号のための原稿を依頼されて、とても嬉しい。好きなものについて書くのはまったく苦にならないものだ。ブログを続けていてよかった、と思う出来事でした。

Twitterがあると必然的にブログを書く頻度もその内容も変わってくるけれども、Twitterには即時性がある一方でブログは趣味趣向に特化していくことになる。もうひとつ、印刷物として紙に刷られ頁をめくって読む(zine的な)テキストがあってもいいな、と去年あたりから思うようになった。なにか面白いものが作れないか今いろいろ考えているところです。

明日から2月、春を待って伸びをする猫のような気持ちで吸収したものを消化/昇華していきたいと思います。  

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2011年01月26日

映画「180°SOUTH」

写真渋谷で「180°SOUTH」を観てきた。シネクイントでの単館上映ですが思っていたよりたくさんのお客さん、これから順次全国で公開されるドキュメンタリー映画です。

アウトドアブランドして有名な“patagonia”創始者イヴォン・シュタイナードと“THE NORTH FACE”創始者ダグ・トンプソン、この二人が40年以上前に未開の地南米パタゴニアを旅した記録フィルムに触発されてアメリカ青年が追体験を試みる旅のレコード(記録)、という作品で、とにかく旅路の風景の美しさと距離と時間の長さに感服しました。

途中ジェフ・マクフェトリッジのイラストによるアニメーションも可愛らしく、音楽もジャック・ジョンソンからアンドリュー・バード、さらにはWILCOとビリー・ブラッグ共演盤からのトラックも映像に色を添えていました(アメリカ放浪の象徴ウディ・ガスリーの詩というのにも意味があったのだろうな)。

“エコ”と呼ぶにはあまりにスケールの大きな志。自然環境に対しての“企業家”ふたりのアプローチから我々はなにを感じとるのか。風景の広大さのわりにとても地味な作品に思えるけれども、とても観たかった映画でした。旅に出たくなりました。  
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2011年01月24日

R.E.M. / Live From Austin TX(2010)

_SL500_AA300_そして去年2010年暮れに、これも突然リリースされたテキサスオースティンリミットでライブを収録したDVD。スタジオのような、屋外のような不思議な景観でのライブ。

ワーナーからではなく輸入盤のみの発売だったのでまったく期待せずに買ったのだが(過去にもとてもひどい半ブートDVDがあった)、これはつくりもとても丁寧で音のクオリティも高く(オーディオマニアの知人から本作のDTS5.1サラウンドがすごかった!とのこと)、なによりメイクをしていない、ボーダーシャツとジャケットにジーンズのナチュラルなマイケル・スタイプのフルサイズのライブパフォーマンスが観られるというのが嬉しかった。

古い楽曲から新しい歌までバランスの取れたセレクトで、途中R.E.M.Tシャツを来ていた男の子ふたりをステージにあげてマイケルが言葉を交わすシーンに心なごみました。2009年の『Live at the Olympia』と通底する雰囲気。2011年の新作にあわせたツアーのどこかでR.E.M.の最新ライブパフォーマンスを味わえたらなと願っています。  続きを読む
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R.E.M. / Live at the Olympia(2009)

_SL500_AA300_R.E.M.の新作が3月に発売になるので、2005年からライフワーク的に書いてる作品レビューの歯欠けになってるぶんを埋めていこうと思います。自分用メモのようなものです。

唐突なタイミングで発売が告知された(僕にとっては、か?)ライブアルバムだったような気がします。2008年作『Accelarate』制作時にダブリンで行われた新曲を“鳴らす/慣らす”ための公演から39曲。初々しい新曲もさることながら初期IRS時代の楽曲をビル・リーフリンとスコットマッコーイーのサポートで重層的なサウンドで聴けることが嬉しく、カーステレオで大きな音でよく聴いた。

とてもリラックスした雰囲気は2008年の『R.E.M.LIVE』とは対照的でこちらのほうが僕の好きなR.E.M.だと思いました。DVDにはヴィンセント・ムーンによるライブドキュメンタリー。アートワークがビックカメラみたいな、とても素晴らしい、僕にとっての“ライブベスト盤”的な1枚。

僕はR.E.M.ファンクラブに入っていて季節に一度はジョージア州アセンズからニュースレターが届くので、頭の中からR.E.M.が不在になることがほとんどない。それでもこうして作品を振り返ってみると数年間隔の新作、数年置きのライブ盤、そして20周年リイシュー盤と毎年毎年なにかしらのリリースがあるという、そのファンに対するホスピタリティーに感服させられる。そんなことをあらためて思いました。

これまでのR.E.M.についての考察はこちら。  続きを読む
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2011年01月16日

ソーシャル・ネットワーク

写真2月の巣巣でのライブ、とても問い合わせが多く、12日の完売を受けて翌13日に追加公演をやることにしました。dans la natureあいざわさんも「せっかくだからお菓子も日替わりメニューにする」ということなので両日とも参加したい人も大歓迎です(もうすぐ定員しめきりです)。



昨年から話題になっていた映画「ソーシャル・ネットワーク」を公開日のレイトショーで観てきた。僕も含めて僕のまわりにはIT的なものやガジェット好きが多く、アメリカでいろんなSNSのようなものが流行るとすぐ「はやく自分の名前(あるいはバンド名)でアカウントをとれ」と教えてくれる友人がいる。Facebookでアカウントを作ったそばから大学時代の同級生や現在海外で暮らす旧友たちとたくさん再会し近況を詳しく知れたことにとても驚いたのだが、あまたあるSNSのなかでもFacebookほどずば抜けてプライバシーを対外的に開示するネットワークはないと感じていました(使い方がよくわからなくてあまり活用してはいないのだが)。

この映画でFacebookの生い立ちを知り「なるほど」と腑に落ちるところがたくさんあった。ゼロ年代のスピード感がスクリーンから伝わってきて、サスペンス映画を観ているような気分も感じ、エッジのたった音楽がNINのトレント・レズナーの担当だったのも印象的でした。面白かったので、帰って久しぶりにFacebookを覗いてみたら未読のメッセージがたくさんあった。

今年もたくさんの映画を観てたくさんの音楽に触れようと思います。




夜の科学extra
〜巣巣のバレンタイン食堂
  with dans la nature【追加公演】

2011年2月13日(日)
17:00開場/17:30開演
¥4,000(ドリンクとチョコレートケーキつき)


たくさんのお申込を受けて巣巣での追加公演が決定しました。
日曜日の夕刻、ぜひご家族お友達お誘いの上ご来場ください。

オフィシャルサイトGOMES THE HITMAN.COM RESERVEフォームにて予約受付を行います。

※携帯電話からのお申し込みやメールフォームがうまく機能しない場合は
「お名前/フリガナ/E-mail//電話番号/人数」を明記の上、 題名を「2/13巣巣」として
info@gomesthehitman.com 宛に Eメールにてお申し込みください。
※本公演は自動返信メールのあと、あらためて予約確定メールを持って予約完了となります。

巣巣(http://www.susu.co.jp/
〒158-0082 
世田谷区等々力8-11-3岸本ビル1F
TEL 03-5760-7020  
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2011年01月12日

巣巣【SUSU】

写真2月巣巣でのライブ初め、たくさんのお申し込みありがとうございました。楽しい夜になりそうです。巣巣(「すす」と読みます)は去年の秋から急速に親しくなったお店ですが、その名の通り東京の重要な止まり木になりそうな気もしています。

アノニマスタジオでaalto coffeeとのイベントをやったときに飲物につくお菓子を用意してくれたのがdans la natureあいざわさんで、そのお菓子が美味しくて忘れられなくてホームページを見て翌週に尋ねたのがdans la natureと親しくしている巣巣でした。aalto庄野さんと繋がっていたりと縁があり、買い物をしたり、消しゴムはんこ作家のnorioさんのワークショップに出かけたり、とそこからあっという間に12月のライブが実現したのでした。

12月のライブのときはバタバタと忙しくて写真を載せられなかったので下にまとめて。巣巣からは革製の手作りブローチを入場者全員にお土産としてプレゼントしていただき、dans la natureはクリスマスを意識したお菓子とホットキャラメルを提供してくれた。なんだか人ごとのように、とてもお客さん思いなイベントだなあと店内を眺めていました。

ライブにははんこのnorioさんをはじめクラフト作家の方もたくさんいらっしゃっていて、同じ“ものつくり”でもこういう異文化交流(分布地図上ではわずかな立ち位置の違いでしかないが)はとても刺激的だと感じました。

年末に巣巣、dans la natureとmillebooks藤原さん合同でお疲れさま会をしたのですが、店長の岩崎さんが思春期からのさだまさしファンだわかり、例のさだまさしにまつわる話をフルバージョンで演じたり、岩崎さんが持っていたCDから「風に立つライオン」をボリューム大きめで聴いたりもした。もしかしたらさだまさし曲を歌うバレンタインになるかもしれないな。

右の画像は巣巣と全然関係ないけど、年末にイラストレーター/紙切り似顔絵のチャンキー松本さんに切ってもらった僕の似顔絵切り絵です。下の画像が巣巣でのライブ、はんこのnorioさんの実演などなどの様子です。前回は忙しさでクタクタの果ての演奏だったので次回はもっとゆとりを持って望みたい所存です。お楽しみに。

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2011年01月11日

レコードの溝を眺めて

写真年末の忙しさのストレス解消で安いポータブルのターンテーブルを衝動買いした。赤白ケーブルでアンプにつながなくてもモノラルのスピーカーがついていて簡単にレコードが聴けるやつだ。

で、忙しいのが落ち着いて2011年になって僕はアナログ盤を毎日のように買い漁っています。100円とか5枚1000円とかそういう類いの、中古レコード店の床とかゴソッと置いてある、いわゆる“エサ箱”というのをばさばさと掘っている。

いきつけのレコード屋さんで「山田さん、ここのところアナログなんですね?」とマスターに話しかけられてちょっと恥ずかしかったけど(3日くらい通ったからな)今さらながらレコードをうやうやしく聴くのが楽しいのです。数年ぶりの感覚。

100円とかで買った、曇りガラスのように汚れたプチプチなるレコードを電解アルカリ水で拭いてきれいな音で鳴るようにするのはとても気持ちがいい。A面とB面をひっくり返すのもなんかの儀式のようで楽しいし、オートアームではないから考え事をしながら音楽を聴き流していると歌が終わってずっと最後の溝の無音を鳴らしているターンテーブルもリリカルな風景だ。

とても逆説的なのだけど、昔好きで聴いてた音楽やCDで慣れ親しんだものとかが生き返るような感覚を味わっている。2月の巣巣は11日から13日までdans la natureのマフィンカフェ期間なので出張DJ(BGM)でもやろうか、と思っています。10年前はよくDJとかやってたな。今年はそういうことをやる余裕があればいいな、と思います。

明日12日から2月のバレンタイン夜の科学@巣巣の予約受付開始です。よろしくお願いします。



夜の科学extra
〜巣巣のバレンタイン食堂
  with dans la nature

2011年2月12日(土)
18:00開場/18:30開演
¥4,000(ドリンクとチョコレートケーキつき)


昨年末好評だった世田谷巣巣でのライブイベント第2弾をバレンタインに。
今回もdans la natureのバレンタインお菓子と音楽で楽しい時間を提供します。
バレンタイン、あげたい女性ももらいたい男性もぜひお越し下さい。
お菓子作家dans la natureあいざわなつえさんのチョコレートケーキつき。

1月12日(水)0:00からオフィシャルサイトGOMES THE HITMAN.COM
RESERVEフォームにて予約受付を行います。お席に限りがあります!
※本公演は自動返信メールのあと、あらためて予約確定メールを持って予約完了となります。

※携帯電話からのお申し込みやメールフォームがうまく機能しない場合は
「お名前/フリガナ/E-mail//電話番号/人数」を明記の上、 題名を「2/12巣巣」として
info@gomesthehitman.com 宛に Eメールにてお申し込みください。
※本公演は自動返信メールのあと、あらためて予約確定メールを持って予約完了となります。

巣巣(http://www.susu.co.jp/
〒158-0082 
世田谷区等々力8-11-3岸本ビル1F
TEL 03-5760-7020
  
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2011年01月10日

夜の科学extra〜巣巣のバレンタイン食堂

top_image



2011年最初のライブは2010年最後のライブ会場となった巣巣から。
世田谷 等々力にある、無垢材の家具とこだわりの生活雑貨のお店で
dans la nature(ダン・ラ・ナチュール)のお菓子と対バンです。


夜の科学extra
〜巣巣のバレンタイン食堂
  with dans la nature

2011年2月12日(土)
18:00開場/18:30開演
¥4,000(ドリンクとチョコレートケーキつき)


昨年末好評だった世田谷巣巣でのライブイベント第2弾をバレンタインに。
今回もdans la natureのバレンタインお菓子と音楽で楽しい時間を提供します。
バレンタインの季節、あげたい女性ももらいたい男性もぜひお越しください。
お菓子作家dans la natureあいざわなつえさんのチョコレートケーキつき。


1月12日(水)0:00からオフィシャルサイトGOMES THE HITMAN.COM
RESERVEフォームから予約受付を行います。お席に限りがありますのでお早めに!

巣巣(http://www.susu.co.jp/
〒158-0082 
世田谷区等々力8-11-3岸本ビル1F
TEL 03-5760-7020

  
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2011年01月09日

あれから10年も

新年早々の三連休のまんなか。明日10日は成人の日です。僕の自分の成人式は1994年だったか(19歳のときにGOMES THE HITMANを結成したので)ずいぶん時間がたったものですが、とても印象的な成人の日は2001年のその日でした。あれから10年もたった。とても長い10年で、全然あっという間だとは思わない。

2000年末に笹路正徳さんと録音し、LAでマスタリングまでさせてもらった「饒舌スタッカート」という曲はとても全国でたくさんのパワープレイをいただき2001年1月24日に発売された。勢いついて、なぜか僕らは横浜市の成人式(横浜アリーナで、だ)でお祝いの演奏をすることになった。年末にドラマーが脱退し4人組になった僕らはサポートドラムに元カスタネッツの金野さん、サポートギターに現在ソウルフラワーユニオンで弦楽器を担う高木克さんを配した6人編成。

確か「拍手手拍子」「饒舌スタッカート」を含む20分くらいのセットを午前と午後の2回の演奏だった(横浜市は広大なのだな)。予想はしてたけれども反応はひややかで(僕だって自分の成人式で知らないバンドが出て歌ったら「誰だよ」と思うさ)「スピッツの曲歌ってー」という声も聞こえたのを憶えています。

まあ、でも、どうにか終わって午後の部。今度は冷ややかさと同時に変な熱さをアリーナから感じる。キテレツな紋付袴とか、髪をポマードで固めたり立てたりしたり、悪そうなグラサン姿の若者たちが席を立ってうろうろしている。演奏を始めるとヤンキーたちはステージ上に乱入してきた。僕らのマイクを奪おうとこっちに攻めてくるのを係員の人たちがタックルしたりこぜりあいしたり、そんななかで僕らは演奏したのだ。

今となっては成人式でおかしなことをする子たちが恒例行事のように報道されるが多分僕の記憶ではそういう愚行が表立って表層化した年だったような気もする。演奏終わって興奮して楽屋に戻ったら横浜市のえらい人から陳謝され「(若者たちを)訴えてもらってもかまわない」と頭を下げられたのだけど「怪我も危害もなかったし、おもしろかったから全然大丈夫です」ということになった。告訴してたらもっと面白かったのかな。

古くは大事MANブラザーズバンド、僕らの前の年は確かクラムボンと続いてきた横浜市成人式での音楽演奏はそんなことがあって僕らの次の年からなくなったそうで(それ以降のことはわかりません)ある意味とても記憶に残る冬の寒い日でした。この日をさかいに全国をまわる「饒舌スタッカート」キャンペーンは最長最多の数ヶ月におよび全国のラジオ局を文字通りかけまわった。その時期にGOMES THE HITMANを知った人はとても多いのではないかと思います(「横浜市の成人式で初めて観たんです」と言ってくれる人も定期的にいる)。

結果として2001年の成人式は僕のゼロ年代をキックスタートさせるにふさわしいインパクトを与え、そこからマネジメントとの離別、レーベル移籍等の数年の平坦でない日々への原動力、のようなものになったような気がする。「饒舌スタッカート」はCM用の15秒スポットがいくつも作られ、『ripple』というアルバムが出るまでバンド史上一番売れたCDだった。そして僕と猫(ポチ)との出会いの機会でもあったのだ。そしてあれから今年で10年もたったのです。

成人する皆さん、おめでとうございます。
自分が思っていた大人に自分がほど遠いと思う日々が
きっとこれから果てなく続くのです。気負いのない穏やかな人生を。



饒舌スタッカート

GOMES THE HITMAN | Myspace動画
  
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2011年01月05日

2011年をどうするか

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今年から思い切って個人的な年賀状を書かないことにした。そのかわりポストカード企画の年賀状をたくさん書いて手描きの文字や絵はやっぱりいいなーと思ったりもしました。クリスマスカードはあっという間に全国に届いたみたいなのに年賀状っていうのはなかなかタイムラグがあるものですね。北海道から九州までちゃんと皆さんのもとに届いているでしょうか。

大晦日から元日をだらだらと東京で過ごし、1日の午後に新幹線で大阪へ。今年のお正月は父親とともに何をしゃべるでもなく黙々と静かな時間でした。2日には奈良へ行き大仏を見上げ、3日には京都へ趣き清水の舞台に目を細め、期せずしてとても“ニッポン”的な年始めになった。清水寺でひいたおみくじは大吉。大吉をひくなんていつぶりか。もしかして初めてではないか。坂本龍馬のお墓に「ニッポンの夜明けをありがとう」とお参りして満足しました。

年末に映画「ノルウェイの森」を観たことで自分が前向きな回顧モードにシフトしていることに気付き、今年最初の旅に携帯したのは村上春樹の「遠い太鼓」という本でした。電車での旅には細切れのエッセイが読みやすいし相応しい(藤原新也「黄泉の犬」と迷ってこっちにしたが「遠い太鼓」で正解だった)。

その「遠い太鼓」は村上春樹が「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」「TVピープル」を書く3年間のヨーロッパでの暮らしを綴った旅日記のようなもので、ずいぶん昔に刊行された本だが多分僕は初めて読んでいる(まだ読み終わっていない)。とても外国に行きたくなる本。(追記;本のちょうど真ん中くらいにある「午前三時五十分の小さな死」という短文にものつくりをしている人間としてとても共感共振しました。)

ワタナベという、「ノルウェイの森」の主人公は37歳で、小説を構想したときの村上春樹も37歳だったそうだ。昨年末12月に37歳になった僕が2011年の始まりに「さあ、今年をどうしよう」と考えるときにパラパラと頁をめくるのにはうってつけの本で、とてもたくさんの、まだ言葉にまとまらないイメージが手を伸ばせば届くところに漂っているような気がして興味深かった。

自分史をまとめるとしたら2005年から2010年(『ripple』から『home sweet home』ということだ)は、ひとつの季節だった、ということになるのだろうな、とぼんやり考える。僕は『pilgrim』も『home sweet home』、もっと言えば2010年の夏に書いた新曲群も含めて、『ripple』というアルバムを作ることで絶えず浮かび上がるようになった“光と影”の風景描写に言葉を尽くしてきたような気がします。

2011年は新しい視点と文法を手に入れることができたらいいなと思います。書いたことのない言葉や歌ったことのないメロディ、鳴らしたことのないコード(だいたいそういうものはあんまりないのだけどね)なんかにはなかなか巡りあうのは難しいかもしれないが、違う角度から光を当てたり上を下から見たりしていろんなことを更新していけたらいいな、と。

1年をいくつかにわけて考えるときに最初のシーズンはすでに始まっていて、今年もいろんなとこに行ってたくさんライブをしようと思って計画が進んでいますが、1stシーズンの答えあわせ、あるいは成果経過報告は恵比寿にて3月26日と27日です。みなさんの手帳にカリカリと書き込んでおいてください。

2011年も全方向的によろしくお願いします。  
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2011年01月01日

お年賀ムービー

明けましておめでとうございます。
今年の目標は新しいCDを1枚作ること、山田稔明とGOMES THE HITMAN.COMを
2011年もよろしくお願いします。みんなが心穏やかなお正月を過ごせますように。

2010年最後の、12月22日のライブダイジェストです。
“夜の科学32”ダイジェストとあわせて休暇中にゆっくりお楽しみ下さい。

  
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