夕方からお台場へ。小沢健二ライブを観た。「でっかい黒い犬でも飼って」と歌われる「それはちょっと」が意外にも自分内ハイライトだったのだけど、そのとき脳裏に浮かんだ “でっかい黒い犬” の姿はついさっき「しろ」原画展で見たあの黒い犬だった。いろんなことを考えさせられ、うまく言葉では言えない感情がそこにはあるが、1994年5月に渋谷公会堂で観た「DISCO TO GO」(初めての小沢健二コンサート、初めて聴く新曲だらけだった)を目撃したときの感覚をはっきりと思い出した。ステージも客席も光の葡萄みたいでとてもキレイだった。事ほど左様にお台場とは赤青緑紫、光の葡萄の名産地なのだな。
昨日のこと、昼から夜までGOMES THE HITMANで長時間リハーサル。4月の渋谷duoに続いて今週末は京都の元・立誠小学校にてHARCO、空気公団とともにライブ。ドラムセットを使用しないアコースティックセットということで東京公演とは内容と演奏がまったく違うものになる。2014年秋の再始動からずっと3時間のステージを重ねてきたバンドなので演奏時間に制限がある対バンイベントでは曲目に悩んでしまうのだけど、今回の京都公演は東京に比べると季節感がシフトした感覚。
ここ数週間Amazonでたくさん注文をいただいているようで、現在また品切れ中で、注文する(カートにいれる)ことができなくなっていうようです。品切れ中にたくさんの注文が入るとそうなるみたいで、せっかくたくさんの方が興味を持たれているところお手数をおかけします。間もなく再入荷になると思いますのでお待ち下さい。Amazonよりも発送から到着までに時間がかかりますがGOMES THE HITMAN.COM STOREのオフィシャル通販ではまだまだ在庫がじゅうぶんにあります。クレジット決済ができなかったり面倒なところもありますが、かわりに僕がすべてに手描きサインを入れて(絵柄も季節や気分で変えて)、特典のポストカードに加え通販STOREだけの気まぐれなおまけも着いて届きますのでこちらをご利用いただくこともお薦めします。『猫と五つ目の季節』は送料無料サービス継続中です。備考欄に宛名など書いてくださればなるべく希望にも応えたいと思っておりますので引き続きよろしくお願いします。大切な方への贈り物などにもぜひ!
先月末、Twitterがきっかけで思い立ってとても久しぶりにb-flowerというバンドの「ペニーアーケードの年」という歌を聴いた。GOMES THE HITMANを結成した1993年くらいの頃、SarahレーベルやLa-Di-Daレーベル(ああ、僕はDEAD FAMOUS PEOPLEというバンドが大好きだったのだよ、とレコード棚を探す今)といった小さなレーベルのバンドと同じような感覚でネロリーズやb-flowerを聴いていたのだけど、一気にその頃の熱が再燃した。それでネットをいろいろ見てみるとb-flowerが活動を再開しているということを知る。Youtubeで見つけた「つまらない大人になってしまった」という2年前に発表された“新しい”曲を初めて聴いて、その老成した歌声にまず驚いて、しかし、曲が終わるころにはその独特のロマンティシズムが何にも変わっていないことに感動すら憶えて、それ以来何回も繰り返して聴いている。
何日か前にHARCOにメールをした。彼がメロディを書いて僕が歌詞を書いた「春のセオリー」という曲の歌詞を少し変更したい部分が出てきたからだったのだけど、それで4月26日に書いたライブ後記でアンコールでのセッションのことに触れていないことを思い出した。HARCO、空気公団とGOMES THE HITMANでの「HARCOの春フェス2016」はもう一箇所、京都の元・立誠小学校で今月末にアコースティック編成で行なわれる。今日はTOKYO編の追記。ずいぶん前のことのように思うがまだたった3週間前のことなのだ。
で、それを初めてお客さんの前で演奏したのが渋谷duoでのアンコール。HARCOバンドにGOMES THE HITMANから僕、空気公団から山崎さんが加わってのセッション。山崎さんのボーカルは何かをまっすぐ見据える視線のように僕をドキッとさせて背筋を伸ばさせる。空気公団の歌は折りに触れ聴いていたけれど(「田中さん」の歌が僕は大好きなのだ)ステージ上のモニタースピーカーから聴く彼女の声、さらには自分の歌に乗ってくるハーモニー、とても新鮮な感覚だった。ライブに先駆けたリハーサルのときに山崎さんが僕とHARCOの声がよく似ていると感心した場面があったから僕もHARCOも自分らしさを心がけた歌になったのではないだろうか。とにかく、練習よりも当日のリハーサルよりも本番が一番良かった。
まだ寒い春の頃に高野寛さんと話して「今の自分が演奏すれば過去の曲も“新曲”」という言葉を聞いたのは自分にとって大きな導きとなりました。高橋徹也さんの『REST OF THE WORLD』『太平洋』という“幻の作品”たちにも背中を押された。そしてなにより、うら若く青白く、不安で悩める山田稔明が脇目もふらず書き散らした、LIMBO(=天国と地獄の間の辺土)をさまよう歌たちをこの世界に繋ぎとめることができて僕は今とても嬉しいのです。思っていたよりも100倍くらい良い作品になりそうです。自信を持ってこの夏、皆さまにお届けします。この淡青色の作品を完成させたらいよいよ自分にとっての『ホワイト・アルバム』へと着手できそうな気がします。
ここまで歌って「ん?」と思いつつ、次の「光の葡萄」にも“猫”が登場して、「my favortie things」にも当然“猫”が出てくるわけで、最後の「small good things」まで含めて意図せずしてすべて猫が登場する歌となりました。近藤研二さんと歌ったminneのハンドメイドマーケットでは意識的な猫選曲だったんだけど、気づかないうちにこういうセットリストになっていた。「ねたのおにいさん」が「演奏される半分は猫の歌らしいですよ」とボケたのに僕がそれを越えてしまって「勘弁して下さいよー」とあとで呆れられた。楽しいステージ、終演後もたくさんの人と話してサインを。
僕はステージ最高潮の「ミュージシャン行進曲」で呼び出され、村田さんの「BRAND NEW DAY/BRAND NEW SONG」を声の限りに歌いました。昨日は客席の皆さんも主役級の盛り上がりで無数のハンカチ・タオルが舞う風景に村田さんも「みんなサイコー!」と喜んだのではないでしょうか。僕らは村田さんの手のひらの上にいるような感じ。音楽のなかでは会いたい人に会えるのだな。3時間で約30曲を杉さんは歌いきった。感動した。
このライブをムーンレコード時代の村田さん作品すべてに携わった吉澤さんと一緒に観れたことが感慨深かった。吉澤さんは村田さんと苦楽を共闘した方、BMG時代のGOMES THE HITMAN作品のエグゼクティブ・プロデューサーでもある。当時は厳しくてこわい、スタッフの偉い人だったが、昨日は「むらっちゃんはいなくなってもいろんな繋がりが残ったんだねえ」とニコニコして話してくれた。そしてこの日はもうお一方、作詞家の田口俊さんと初めてお会いすることができた。安藤芳彦さんとともに村田和人楽曲の多くを書かれた方。固く握手を交わした。松尾清憲さんともお正月以来、松尾さんも4月16日の大きな地震をたまたま九州の実家で過ごされたそうであの夜の体感を振り返った。
まだ告知などがじゅうぶんできてなくて見切り発車的なスタートだそうですが、興味のある方はぜひ覗いてみてください。里親募集型猫カフェ Calico+むさしの店、吉祥寺駅公園口出てすぐのところにあります。閉店時間になってお風呂あがりのごとく癒やされた僕に、帰り際の女性のお客さんが静かに話しかけてきた。「GOMES THE HITMANのCD持っててライブも行ってます。山田さんがいてビックリしました」と。ふにゃふにゃしたところを目撃されてしまいお恥ずかしい。ああ、猫かわいい。世界中の猫がみんな幸せでありますように、と願いながら愛猫の待つ家に早足で帰る大型連休の谷間の楽しい一日でした。
ライブの前夜、近藤さん作曲のEテレ0655おはようソング「toi toi toi」のカバーをやろうと思い立って練習、初披露となりましたが、やっぱり演奏するととても楽しい曲でした。「toi toi toi」を歌い出したら目の前の子どもが踊りだしてその威力の大きさを知りました。僕自身が毎日淡々と手仕事で音楽やCD、グッズなどを作っているハンドメイド作家のようなものなので1400組の作家さんたちにもシンパシーを感じる一日でした。演奏終了後に駆け足で会場を巡って、ポチ実のための可愛い首輪をお土産に。